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あらすじ

現在絶賛スランプ中の怜久は相続した田舎の家に逃げてきた。空き家の庭で見つけたあるものに困り、藁にも縋る気持ちで頼ったのは……? 便利屋×脚本家、大人のスライス・オブ・ライフ!

作品情報

作品名
エンドロールは100年後
著者
月村奎 
イラスト
ミギノヤギ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403526275
5

(1)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

タイトルの意味を噛み締める。田舎の町の便利屋さん×スランプ脚本家、甘くて甘い恋

月村先生×ミギノヤギ先生がタッグを組まれた新刊!
予約して、発売を楽しみに楽しみに待っていました☺︎
(以下、長いです;)

麦わら帽子の受け君(お腹チラ見え!)とそんな彼を愛おしそうに見つめる
メガネ攻めの表紙も素敵なんですが、個人的には口絵イラストにとてもとても、
萌えた〜…!!

カフェの店内に座る怜久(れく・受)の頬に手を寄せ、
反対の手にコーヒーを持った蔵乃介(攻)が屈んでキスをしている絵柄です。
攻めの顎の線とか、表情は見えないけれど
その前髪の隙間から覗くメガネのつるとか。萌えるなあ..

と、表紙と口絵だけでもいくらでも萌えられます。。//


今作の攻めは”あまあま(+敬語)系”。
月村先生の書かれる「…自分、不器用ですから」的な寡黙ツンデレ系攻めが
特に大好きな自分としては(『ツァイガルニクの恋の沼』のような...)、
その真逆をゆくような、甘々な言葉を次から次へと繰り出す攻め・蔵乃介は
正直ハートにストレートに刺さる!…というタイプではなく;

ただ!
さすが月村先生だなあ…と思わず唸ってしまうような、恋の描写。
慣れない恋(というか、ほぼ初めてとも言える恋愛感情)に
振り回され、じたばたあがき、恋の苦味も甘味も味わっていく受けの姿。

もーーー、やられました!
一喜一憂する怜久の姿に感情移入しまくり、共感しきり。
特に雑誌掲載分の前半部分、ときめく描写が多すぎて。

(書き下ろし分は、個人的にちょっと苦手な”女子”の出てくるお話でした;
ここは、好みの分かれるところかもしれません。でもあまあまです(*´∀`*))


本作の主人公は、スランプ真っ只中のドラマ脚本家・怜久(れく)。
いつのまにか相続することになっていた田舎の家に逃げて来て、
ゆっくりのんびり休めば良いアイデアも浮かんでくるか…と
思っていたのですが...

引越し早々、庭に動物の死骸を見つけて悲鳴を上げ、
切羽詰まって便利屋(蔵乃介)を呼びなんとかしてもらう。
そこでほっと一安心…かと思いきや、
家を突然訪ねて来た老人に気付けば町内会に入会させられ、
朝5時半からの境内清掃活動にも参加する羽目になり…

と、都会っ子(アラサーですが)の怜久にはびっくり仰天の出来事の連続。

知り合った蔵乃介にその後も色々助けられ、
取材と称して便利屋の仕事に同行し交流を深める中で、
彼に惹かれる気持ちが止まらなくなっていきー

と続く、便利屋×スランプ中のドラマ脚本家のラブストーリーです。


もーーー、臆病でウブウブな怜久の言動や、その独白が可愛くて(*´艸`)
読みながらニヤニヤしてしまう〜〜

特に印象的だったのが、序盤のシーンでした。

境内清掃中、熱中症で倒れかけた怜久。
介抱してくれた蔵乃介にお礼を言ったところ
”友達を心配するのは当たり前”と返され、その”友達”という言葉に反応し
「嬉しいです、ともだち、とても」

と、カタコト日本語(笑)で答えてしまうー

コミュ障気味ながらも、ちゃんとした社会人である怜久なのに、
恋する様子はさながら”アオハル”。きゅんきゅんだーー...

もう一つ萌えの山場だったのが、”ご飯粒”のシーンです。
怜久の鼻についたカレーのご飯粒を、蔵乃介が手で拭い取ってくれるシーン。

動揺してしまった怜久の
”こんなの絶対、蔵乃介の方にもなんらかのなんらかがなんらかに違いない”
って独白、思わず「ふはっ!」と声を出して笑っちゃってました。

そして一方の攻め、蔵乃介。
明るく頼もしい”便利屋さん”なんだなと思っていたら、
その影に実は辛い過去、事情を抱えていて...

生き方に悩み、迷い、苦しんだ彼だからこそ、
スランプに悩み自己肯定感低めな怜久の気持ちを理解し、
思い遣り、寄り添うことができたんだろうなあ..

彼がナチュラルに繰り出す甘い甘い言葉、
その仕草なんかも、くすぐったくて、甘酸っぱくてきゅん..でした。
まさに天然人たらし!

「僕のタイプは…怜久さんです」なんて
(↑すみません正確なセリフではなくちょっとうろ覚え;)、
怜久の耳元で囁いちゃうところ、どんなドラマよりもドラマチックだよー…!

と、そんな二人の恋模様も素敵だったのですが、
怜久のお仕事面の描写もまた、グッとくるものがありました。

スランプに陥った怜久が田舎町での半年の生活から着想を得、
それがドラマに…は繋がらないものの、
思わぬところから転がり込んできた、新たなチャンス。

そこで迷った末に、手を伸ばさない(伸ばせない)ー
というのが、蔵乃介と出会う前の怜久だったかなと思うのですが。

恋の力が、新たな道へと踏み出す勇気にも繋がり、
思いもしなかった景色が開かれていく。
そんな怜久の”挑戦”に、読んでいる自分も
勇気とやる気を分けてもらえたような気がしました☺︎
(通話先にしか出てこなかった脇キャラ・担当マネージャーの
下関さんが、めちゃめちゃ良い味を加えてくれていて好きでした〜!)


攻めがちょっと自分のどストライク!タイプからは外れてるな。。というのと、
描き下ろし内容には雑誌掲載分ほどハマりきれなかった…
ということもあり、「萌2」か「神」か迷ったのですが。

攻めが自分のタイプではないはずなのに、怜久と一緒に
いつの間にかドキドキしていたり。

”途中で道を変えたっていい”、 ”寄り道したっていい”、
”逃げた先に、何か特別なことが待っているかも...?”と
キラキラした気持ち、前向きな気持ちや元気ももらえて。

うーんこれは、もう、「神」だな、と!
(しつこいですが、ミギノヤギ先生の表紙も口絵も、挿絵が全て素敵です✨)

甘くて優しいお話が読みたい時、
明日を頑張るちょっとした力が欲しい時、一歩踏み出したい時...
いろんなシーンで読み返したくなる、そんな作品でした(*´˘`*)

あ、そしてタイトルの”エンドロールは100年後”の謎。
本編を読み、なるほどと納得、秀逸なタイトルでした・:*+.

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