umeair
「郵便飛行機より愛を込めて」コミコミさん特典小冊子のこちら。
本編での恒・希の再会でも歓喜、涙、涙。。となりましたが、
小倉での最終日のエピソードのこちらも、グッと胸にくるお話でした。
お話は六郎視点、途中一部希視点が入ります。
三日間の小倉滞在最終日。
恒が”お土産に希が「旨い」と言っていたかき餅が食べたい”と言い出し、
4人はかき餅屋へ向かいます。
かき餅なんて、関東にも売っているのに…と思う六郎や
「羊羹などでなくていいのか?」と困惑気味の資紀をよそに、
店の近くまで来ると恒は「お前は留守番だ」と六郎に言い渡します。
希と二人で商店街の中のかき餅屋目指して消えていく恒。
六郎と資紀はその場に二人残されー
と続きます。
自由奔放に見える恒ですが(実際そんなところもあるけれど☺︎)、
実は二人きりで希に資紀との暮らしは問題ないのか、色々と大丈夫なのか?と
確認したかったのですね。
不器用すぎる兄の優しさが沁みる..
希の言葉を聞いて安心するも、
「でも、相変わらずちっとも笑わないぞ!?アイツ」と怪訝そうな恒の描写が
笑いを誘います(*´艸`)
完全無欠に見える資紀ですが、希の独白にある
”案外好き嫌いがある”ところや”歯磨き粉とハンドクリームを間違う”ところ、
”バスに乗り間違ったりする”ところ。
なんとも人間くさくて、愛おしい資紀の一面にふふっとちょっと声を出して
笑っちゃいました。
そして、残された資紀と六郎との会話。
資紀は、希の右手を鉈で切り落とした行為のことを。
六郎は、恒の意思に反して自害せず米軍に投稿したことを。
それぞれが今も心にしこりとして残している行動について相手に語り、
”でも、それが希/恒を生かす唯一の道だった”と振り返るー
「こう言っては僭越ですが、自分はあなた(資紀)の気持ちが、
恒より、ーたぶん希さんよりも、少しばかり、わかる気がするんです」
と言った六郎の言葉が、沁みました。
いつどんな状況に置かれたとしても、
愛する人を生かすことのみを考えて行動する二人の攻め、
それぞれの愛の深さ。
読んでいてグッと込み上げてくるものがありました。
一人では持ちきれないほどの、たっぷりのおかきを買い込んだ恒。
ほぼ全て六郎が持ちますが、軽い紙袋を恒に持たせた時、
その中に桜の花びらが入っていることに気がつきます。
そして資紀と顔を見合わせて微笑み、「土産に持って帰ります」と告げるー
桜舞う季節の、兄弟の再会。
そして六郎の溢れる恒への愛(もちろん、資紀→希の愛も溢れてます)。
(六郎×恒ペアびいきなので...)
滞在最後の日にこんな素敵なエピソードがあったのか…と、
その情景を思い描き、おおいに心癒されるお話でした。