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【図書委員の恋】
桜井真人という青年が主人公で、彼が友人に友情以上のものを抱いた事に愕然とする様子や、真人に「君は男をすきになるよ」と言って心を寄せる花村というゲイの同級生とのやり取りが描かれています。
【それは真心でした】
真人が大学生となり、心というだらしない恋人と過ごす様子が描かれています。心がとにかくだらしない。けれど次第にそれを許容して歯ブラシも共有しちゃう真人。
花村くんは友達として登場。
【花村君頑張ってね】
運命の出会いってないかなぁと願い続ける花村君。心と真人と花見をする事になって、二人の仲の良さを見せつけられてしまい…。
最後に出てくるボーダーの子が【僕のハートの切り抜きは】で冒頭、恋人との浮気現場を目撃したボーダーの子と同じです。
この上記三つはシリーズものとして続きがあり「窓際の林檎ちゃん」「シュガーダーク」にそれぞれ短編が収録されています。
時系列としては
「図書委員の恋」の中の上記三つ
↓
「シュガーダーク」の中の【愛すべき馬鹿共の平和な日常生活】
↓
「窓際の林檎ちゃん」の中の【足りないものそれは真心でした】【真実の真心は友情にあり!?】【ループループループ】
の順で読むとわかりやすいかと。ちゃんと花村君も出てきます。
この一連のシリーズが好きなのです。
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【僕のハートの切り抜きは】
どうしようもないクズ男に惚れてしまった龍二の転落ストーリー。
龍二の続きは「好きって言われたい」という一冊の中に収録されています。
【冷たい手は君の中に】
これは普通にほのぼのストーリー。日直当番で初めて接点を持つ事になった二人。シビトさんなのに毒っ気もなく新鮮です。
【青少年髭漂流記】
髭に父親の姿を重ねて、髭が生えている男性を追い求めてしまう少年のお話。髭を剃ってふられる先生が気の毒(笑)
【夏の終わり】
地味だけどこれが好きです。高校生もの。闇の中で線香花火に照らし出される多々良がシビトさんの爬虫類っぽい顔(褒めてます。絵が好きです。)にぴったりあっててぞくぞくきます。
高校生カプの男女どちらもが、妖艶な多々良に惹かれてしまうのが判る。
もしかしてシビト先生初コミックス?の2008年発表の短編集。
「図書委員の恋」
親友に感じる独占欲。これは…恋なのか⁉︎を自覚せざるを得ない青春の1ページ。
「桜井真人物語」とでも言うべきシリーズの1作。
これだけ単独で読むと、花村の予言に震える気分。で、花村と恋の予感⁉︎となるのだけど…
「それは真心でした」
「図書委員〜」その後。真人には男の恋人がいる。
やっぱり花村くんの予言が当たったね。でも予想に反して相手は花村君ではなく大学の先輩。
お相手の心はとってもだらしなくて、部屋も汚部屋。
でもそのうちに歯ブラシもパンツも共有できるようになっちゃうよ、愛だよ、という話。
「僕のハートの切り抜きは」
初恋で裏切られた龍二は愛を信じなくなり、恋人がいてもフラフラと他の男と寝る。
そして傷ついた心をそのまま悪意として今の恋人にぶつける。トラウマの再生産のように。
「冷たい手は君の中に」
ど真面目くんの純な心に触れて。まだ恋じゃなさそうだけどほのぼのしてる。
「青少年髭漂流記」
性癖の元って案外こういうことかも。この夢殿くんの性癖はファザコンというだけではなくてどこか危うい。髭、大人、それプラス「置いていかれる」ところまでセットなのかも。
「夏の終わり」
普通の明るい高校生・宇野+その彼女+宇野の幼馴染・多々良。
だけどこの三角で弾かれたのは、女の子。
夏のお祭りの不思議な一夜に。
「花村君頑張ってね♡〜幸せになぁれ〜」
偶然真人と心の待ち合わせに行き合った花村君。
真人がダメ男の心に遊ばれてるんじゃ?と思い込んだ花村は、2人のデートの邪魔をするが…
ラスト、「僕のハートの切り抜きは」で龍二に傷つけられて家を飛び出した竜也と知り合うのです。この2人、どうなるんだろう?
優しいお話もあるし、なんとも薄暗いお話もある。私は両方好きです。
絵柄もとても好き。
見た目は龍二がいいかな。高校時代の真人もいい。
個人的に全てにおいて好みの一冊。
表題作は悲恋のようでそうでもないお話。その他短編が四つ収録されてます。さり気なくキャラ同士がリンクしているので、そこも見所です(全部繋がってる訳ではないけど)。
表題作関連では、ただ“一緒にいるのが楽しい”と言うのがどういう感情なのか気付いてしまう事や、そういう関係になると言う事がどういう事なのか、積み重ねて幸せになっていく真人の気持ちが切ないやら可愛らしいやら、見ていて楽しいです。
絵柄は独特のものですが、太めな線でガシガシ描いてる様なのが好みでしたら読んでも損はないかと。話の作り方が上手いなあと素直に思った一作です。
※以下多少ネタバレ有
表題作+真心と「夏の終わり」が大好きなのでその二つについて。
表題作では、表紙の裏切りがなんとも心地の良い失恋の形になってしまうけど、それから心との新しい出会いによって少しずつ変わっていった真人が凄く可愛かったです。相談役と言うか慰め役と言うか、そんな優しい花村の存在も色濃く出ています。
「夏の終わり」は一方がゲイ認識のある子(一)。そうじゃない子の方は彼女がいるんだけど、彼女と一が仲良くするのが気に食わず…。彼女に色々言われてしまい気付く恋心が切ない…けど納得もしちゃうよなあそりゃ…。一の「君に近いもの」って台詞がなんとも説得力があります。この二人のその後とか凄く気になります。
実は真心話ですが…シビトさんの同人誌にて番外編が描かれてます。「平凡デンプシーロール」って同人誌なのですが。これまた素晴らしい裏切りになんとも言い難い心地よさが(笑)でも、こういう発想をして形にしてしまうシビトさんが素晴らしいと思いました。大好きだ。
が、しかし、この本で幸せになった人は読まない方がいいです。そんな内容なので。
このセリフを聞くと、読まずにはいられなくなります。
もこデスヾ(〃`∀´〃)ノ
代表作である「図書館の恋」では、恋愛は発展いたしません。
無自覚の男の子に、「君は男をすきになるよ。」とまとわり付くおねえ系男の子の短編。
黒髪めがねの子が主人公です。
幼なじみで一緒にいることがすごく気軽で、目でおってて。
もちろん無自覚に。
最近彼女ができて、それを見るたびにイラついて。
そんな黒髪クンをずっと見ていたおとこのこがかまってきて~という流れ。
エロとか、恋とかニュアンスな感じでまとまった作品ですが、これはこれで面白い。
そのご~の話が「それは真心でした」に変わります。
高校生だった黒髪クンも大学生になり、とうとう彼氏が!!
高校の時の想い人は結局それですっぱりだったんだな~とちょっとセンチになってみたりもしますが、それはそで。
好きのキモチで、自分がどんどん変わっていく~という話のつくりが面白かった。
他、いろいろなキャラクターが、色々な物語をつむぐ、短編集です。表紙の絵的には好みじゃないな~と思っていたんですが、中をめくるとなかなか。
今、こういう作風増えてるよな~とも思って見たり。
当方が読後に気になったのは作品の
内包する時間を基にした時系列です。
少なくとも確実なのは
僕のハートの切り抜きは
↓
図書委員の恋
↓
それは真心でした
↓
花村君頑張ってね
のラインでしょうか。
そして評者が引っかかっているのは
『青少年髭漂流記』の受子の存在です。
彼の構成要素がどうにも表題作シリーズの
キーパーソン・花村君にダブるのですね。
実際リンクしていると匂わせる要素が一つ
ございますし。
そう言う時系列を追って読み直してみると、
又違う物語の顔が見えて来る様な気が
致します。
幸せに紛れてさらりと流されているものが。