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表題作籠蝶は花を恋う

有馬鼎・貿易業で成功している伯爵
月舘詩央・月舘子爵の妾腹で遊郭育ちの少年

その他の収録作品

  • 蝶愛

あらすじ

遊郭で生まれ育った詩央は無体な男に買われそうになった時、鼎と名乗る男に助けられた。「三ヶ月後、迎えにくる」という鼎の言葉を信じ、待ちわびる詩央の前に彼はついに現れなかった。実父の月舘子爵に引き取られたものの、劣等感と孤独に苛まれる日々を送る詩央は誕生パーティーで、鼎と4年ぶりに再会する。だが、詩央の出自を秘密にする代償にと、鼎は身体を要求してきて……。
出版社より

作品情報

作品名
籠蝶は花を恋う
著者
沙野風結子 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861342929
3.8

(24)

(7)

萌々

(7)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
93
評価数
24
平均
3.8 / 5
神率
29.2%

レビュー投稿数6

私のBLの原点

8年ほど前、初めて購入したBL小説で、いまだに何度も読み返す大好きな作品です。
沙野先生の作品の中でも1番好きです。

落ち着いて切ない雰囲気だけど、どこか淫らな雰囲気が何度読み返しても最高です。

純粋無垢な主人公が、ひたすら健気に愛し、愛されています。

中でもいたしている時に中津さんが口を押さえるシーンは淫靡すぎるし、我慢をしながら、惨めな思いをしながらも懸命に自分の務めを果たそうとする姿には胸を打たれます。

ほんとうに大好物です!!!


また遊郭物描いてくださらないかなぁ、それか続編を…なんて発売されてからだいぶ経ってしまっていますが、いまだに思っています。

遊郭者お好きな方やひたむきで健気で清楚な主人公がお好きな方には全力でおすすめします。
主人公、たいへん可愛いです。

1

バランスが取れた作品

 遊郭で生まれ育った詩央は、実父の月舘子爵に引き取られたけれど、自分の生まれと育ちを気にしていて、うまく馴染めずにいた……。
 そんな時に現れたのは、まだ詩央が遊郭にいた時に危ないところを助けてくれた鼎様だった。
 助けられたことで鼎様にほのかな恋心を抱いていたけれど、再会した鼎様は詩央の出自を黙っている代わりに、体を要求してきて……

 という話でした。
 BL物でもよくあるお金持ちにいたいけな青年が無体をされてしまう話……でした。
 ベタです。
 でも、鼎様も愛のある感じだし、詩央も育ちから自分の今の立ち位置にコンプレックスを抱いているだけで、根は素直な子だから、全然読みにくいとかそんなことなくて、ちょっとあったかくなる話でした。
 とてもバランスが取れてていいと思うので、ハードじゃなくて、切ない話が好きな方にはオススメします。

2

王道遊郭モノとして、名作だと思いました

健気受け、金持ち攻め、再会、すれ違い、そして遊郭モノ独特の雅びさや退廃的な隠避さが詰まった一冊でした。
ストーリーとしてはストレートすぎるほどに王道なんですが、洗練された文体とキャラの魅力が重なって、名作といって相応しいデキに仕上がっていると思いました。
遊郭モノはBLにはよくあるし、今までたくさん読んできましたが、そのなかでもかなり上位に位置する面白さでした。

読もうと思ったキッカケはドラマCDです。
かなり面白いドラマCDで、健気受けがツボにハマって、原作も読んでみたいなァと思いました。
沙野風結子さん初読みでしたが、力のある作家さんだなァと思いました。
他の作品も読んでみたいと思いました。

主役ふたりはラブラブバカップルとしてこの先生きていくだろうからほっとくとしてw、脇役の中津さんが良かったですねー。
最初はイヤミな男だったのに、途中からボロボロといろんな過去が明らかになってきて。
で、最後の最後はアレですかwなんという執事の鑑!(執事じゃないけど、感覚的には執事萌えですw)
SSの『蝶愛』では、主役のふたりとも、完全に中津さんの可愛い魅力に食われちゃってましたねw

4

切ない王道ドラマティック大正ロマン

泣いた~。
ベタベタの王道大正ロマンです。ドラマティック!!
切ない大正ロマン好きは是非!

この手の話って予定調和というか大体わかって読んでるでしょう。
でも、ちゃんと面白い。キュンキュンする。
それはやっぱり沙野風さんの文章がしっかりしているから。
ところどころ出てくる花など、巧いのです。
安心して泣けます。

自分の身分を恥じ、必要とされたくて才量に見合わない努力をする詩央。
でも、求められるのは体だけかと苦しみながらも、好いた男と体を繋げる喜びを知ってしまう。
好きだけど心まで求めるのはおこがましいと思いつつも求めてしまう。
自虐的になりながらも、努力する詩央が健気で、健気で泣けます。

鼎さまは最初傲慢な男かと思ったら、侠気のあるいい男。
詩央を助け、見守ります。
酷いエロもありますが、それも嫉妬ゆえ、、っても世話役の中津に見せちゃうってのはええ~っでしたが。

エロがロマンでムーディだよ。
エロがエロいだけではなく、も~切ないの!切なエロいの!
後半の、、別れを決めたのの、どうしても最後に一度抱かれたくて淫らに振舞う詩央にまた涙しました。
自分、どんだけ泣くんだよ、、。

脇キャラ世話役の中津もまた良かった。
最初はやな奴だったのに、詩央に幸せになってもらいたくて自分の苦しい過去を話すとこでかなり泣いた。
あんたいい人だよ~(泣)
中津メイン読みたいなあ~、受で!!

こういうお約束だけど、よく描かれている作品はいいです。
ドラマチックさに酔えますよ~。

4

受けが健気すぎて切ない

本当に受けが健気でした。
詩央は遊郭で無理矢理男の相手をさせられそうになったところを鼎に救われ、三ヵ月後に詩央を見儲けすると言っていたのですが、詩央は実父のもとへ引き取られてしまいます。
この引き取られた理由が、異母兄が死んだので自分が異母兄の代わりに跡取りとして教育させられるためでして。
あくまで自分の異母兄の「代用品」として扱われているのが可哀想でした。

4年後鼎と再会するのですが、やっぱり自分は体を捧げることでしか生きていけないとか考えてたり。
教育係りの中津に厳しく教育されて嫌なはずなのに、中津が離れようとすると中津が離れていかないように振舞ったり。
鼎の役に立ちたくて迷惑をあけたくないがために、自分の秘密を話さなかったり。
詩央健気すぎるだろ…。
最後は切ないの嵐でした。

中津は初め嫌な奴だと思っていたんですが、最後には詩央にとってかけがえのない人物になっていました!彼も幸せになれるといいな。
詩央と鼎がヤってるとき、鼎が中津を呼んだのにはドキドキしましたねw

切ない話や、健気で可愛い受けが好みの方におすすめです*

2

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