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俺たちは愛に囚われた獣…
口下手な攻め(ヤクザの息子)×健気で鈍感な、だけど肝の座った受け
ラストの展開は、うーんそれで良いのかい?と個人的に首を捻ってしまうものだったのですが、それまでの過程が面白かったので神評価で。
受けの鈍感具合とそれに対する攻めの苛つきは王道ですが読んでてやっぱりニヤニヤしてしまいます。とっくに両思いなのに先に身体の関係が出来てしまったせいで色々拗れてまして、さっさと腹を割って話せば解決するのですが、攻めは口下手だし、受けは自分に自信がないしで、ラストまでズルズル拗れ続けます(受けの境遇を考えると卑屈になってしまうのは仕方がないことかなぁと笑)
このモダモダ感が私は好きでしたね。
受けが敵対勢力に拐われて酷い目にあいます。他の水原作品に比べたら手緩い感じはするんですが、受けが痛い目(物理的に)にあうのが苦手な方はご注意を。
2009年発刊当時の昔風描写の挿絵は、無い方が良いと思った。
「愛の奴隷」とは、宏樹が、自分は彰信をつなぎとめたい愛の奴隷だと悔やむ場面に出る言葉。
相愛なのに、二人とも気持ちを言葉にして確認できないためすれ違う。
水川宏樹:設計事務所勤務
右足の小児麻痺の後遺症を持つ無自覚美貌。
小学生の頃から虐めの対象。唯一虐めから守ってくれたのが、彰信。
一旦疎遠になるが、大学時代に再会、彰信と月二回逢瀬が生きる支え。
久坂の跡目争いで拉致暴力を受ける。
久坂彰信:外資企業勤務
弱い者虐めを見過ごせない義侠心篤い、組長以上の傑物。寡黙で口下手。
大事なものを手放したくないので、後継を拒否。
小児性麻痺で足の太さが違う宏樹。「誰にも見せるな」と足にキスや愛撫する攻め良いな〜。
彼らの恋話よりヤクザを継ぐかどうかで結構もめてて、ヤクザものに興味が無いので萌評価です。
宏樹はどれだけ優しくされても良い理由を見つけて相手の好意を無視する。リハビリも続け料理をし、社会に出て資格を取ろうとする姿は立派だけど罪作りな思想では…とはいえ彰信も無口で説明不足だから不憫て事もない。甘そうなテーマなのにSっ気があったり髪ひっぱったり、強◯未遂があった。
kindle unlimitedにて
タイトルから感じるイメージとはちょっと違うかな…
奴隷でも獣でもなく、ずっとモダモダジレジレが続いて、読者的に「あ〜もうっ!」っていう感じです。
無口で言葉の足りない攻め。
何かと卑屈な受け。
視点は一貫して受けの宏樹なので、僕みたいに足の悪いのがくっついてて彰信に迷惑がかかる、とかそんな事ばっかり延々続くんですよね…
読んでる方は、彰信の方こそ宏樹に執着してて宏樹の思い込みが全くの的外れってわかるからなんともまどろっこしくて。
両片想いのこれでもか!っていう焦れは十二分に堪能できます。
そんな物語にプラスして、彰信がヤクザの跡取りだという設定。
彰信は一般人の宏樹を巻き込みたくない一心で組とは距離を置いているのですが、結局敵対する組が宏樹を拉致し、陵辱ビデオを……!
ここは作者様定評のイタ描写がさすが。緊迫度が凄い。
ここでの宏樹はいつものウジウジとは真逆の芯の強さ、というか彰信への想いの深さゆえの強さを見せますよ。
だから彰信が本当に組を継ぐとしたら意外といい姐になったりして。
彰信が小児麻痺の後遺症が残っている宏樹の脚をことさら大切にしているところは萌えポイントの一つでもあります。
水原先生はヤクザ絡みが多いので好きな作家さまですが、萌えにハマるようなハマらないような…で、なかなか決定打に遭遇できず。このお話はキュンキュンしました。
やはり、こういうジレジレが好きで。言ってみたら(両)片思いの状態とジェラシーが萌えだからかな。なので、いつまでたってもハッキリしない曖昧な関係(この場合は遠慮が過ぎて卑屈にも感じる受け?)が苦手な方は御用心。
中学からの同級生モノです。宏樹は小児麻痺を患い右脚に障がいがあって、思春期の頃からいじめにあうようになります。その彼を中学時代から庇ってくれていたのがヤクザの息子、彰信。二人の関係は社会人になってからも続いていて…
右脚を引け目に感じている宏樹は、気遣いながら自分を抱く彰信を手放したくありません。しかし、愛の奴隷になっているのは、実は彰信の方。結局彼は、宏樹を守るためにずっと背いていた宿命を受け入れるのですから。
初めは不憫な生徒に同情しただけだったのに、その思いはいつしか執着に変わっていき…。表向きは友人を装いながら、互いに相手のことをどう思っているのかを伝え合うことなく、身体の関係だけはある。なんか、とんでもないエロスを感じるんだよなぁ。