表題作 エス-裂罅- 3

宗近奎吾 → 小西克幸

椎葉昌紀 → 神谷浩史

その他キャラ
篠塚英之[三木眞一郎]/ 松倉東明[近藤孝行]/ 五堂能成[成田剣]/ 鹿目[中村悠一]/ 高崎係長[花田光]/ 浅川[高瀬右光]/ 吉澤徳十郎[高田べん]/ 由佳里[鍋井まき子]/ 佐々木[斉藤隆史]/ 犀川[櫛田泰道]/ 井野瀬雄仁[加藤雅之]

あらすじ

「エス」――それは裏社会に生きていながら刑事に情報をもたらす人物。スパイの「S」を意味する。

警視庁の刑事として「エス工作」に従事する椎葉。彼の現在のエスは大物ヤクザである宗近奎吾。しかしその繋がりは、すでに後戻りのできない密接すぎる関係になっていた。――決して愛さず、裏切らず、これからも共にある。そう覚悟を決めた椎葉だったが…。
ある時、密造銃の事件を追っていた椎葉はクロという謎の青年と出会う。そして時同じくして、八年前に銃によって殺された姉の事件の真相に関わる情報が!! 浮かび上がってきたのは五堂組組長の五堂能成。その五堂には宗近と深い関係が――!? 戦慄に震える椎葉。
だがその矢先、一発の銃弾が宗近を貫く!!

明日、この命が尽きるとしたら―――。
椎葉は、心の中で宗近に背を預け、駆け出した。たったひとりで。

『俺から離れるな。何があっても、絶対に―――』
(レーベルより)

作品情報

作品名
エス -裂罅-(3)
著者
英田サキ 
イラスト
奈良千春 
媒体
CD
作品演出・監督
鈴本雅美
音楽
宮本空
脚本
月原真
原画・イラスト
奈良千春
オリジナル媒体
小説
メーカー
サイバーフェイズ
シリーズ
エス
収録時間
139 分
枚数
2 枚
ふろく
初回限定特典オリジナルドラマCD「I'm not your pet」 応募者全員サービス券
パッケージ発売日
4.7

(48)

(37)

萌々

(8)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
226
評価数
48
平均
4.7 / 5
神率
77.1%

レビュー投稿数9

背筋がぞくぞくするほど興奮しました

神谷浩史さん出演のBLCDを探していて見つけたシリーズ。
原作既読ですが、英田サキ先生原作の音源化ということはおもしろくないわけがありません。

刑事とヤクザ、相反する立場の2人が、最初は警察のエス工作の一環による関係だったのが、じわじわと深みにはまり、愛人関係となってから、シリーズラストに向けてのさらに盛り上がりを見せた作品でした。

椎葉と宗近、刑事とヤクザ、お互いのことを深く想っているからこそ、2人の関係を見直し別れることを繰り返し迷い考え、葛藤する様子がとても切ないです。

椎葉の8年前に殺された姉、宗近の義弟、2人と深いつながりがある人物の背後にいたのは、言葉の端々からもその邪悪さを感じさせる五堂組組長の五堂能成。

人間関係がさらに複雑になり、新たな事件が起こり、それに伴い、登場人物それぞれの抱くいろいろな「情」がまるで渦を巻くようにうごめいていく様子が、とても迫力でした。
謎、事件、謎、事件、と次々と起こりますが、風呂敷を広げすぎる感は一切なく、追いかけることにわくわくさせられます。

わくわくが高まったところで、今作は終わり。
早く続きが聴きたい気持ちと、今作をもう一度味わいたい気持ちが湧き上がってくる素晴らしい作品でした。

物語が素晴らしいのはもちろんですが、キャストがとんでもなく素晴らしいです。
どなたか1人だけのファンでも大興奮、複数のファンならば悶絶レベルです。

0

二人の絆、そして誓い

エス 裂罅 3

今作から、宗近(CV小西さん)と近しい人物二名が新たに加わり、宗近と椎葉(CV神谷さん)との関係に裂罅、罅を入れるごとく、二人を潰しにかかってきます。そして、新展開、椎葉の亡くなった実姉の事件の手がかりが徐々に掴めてくる。

互いの役割に忠実に…改めて“覚悟”を決めた二人だったが…

ここにきて、宗近はずいぶんと椎葉に甘くなってきたように思う。人を本気で愛してしまうとどうしても弱みができて、守りに入ってしまう。椎葉を危険な目に遭わせたくないと。一方で、椎葉はらしくない言動をする宗近に苛立ちを覚え始め、宗近自身にも迷いが・・・二人の間に微妙なズレが生じてきます。

序章、密造銃の闇売買の事件が勃発する。
ある日、椎葉の行きつけのバーに、宗近の腹違いの弟君の東明(CV近藤さん、松倉組組長、通称クロ)が偶然を装い入店し、例の密造銃の話をエサに椎葉(柴野)に接触(互いに素性は伏せる)し親交が始まる。

また、宗近から密造銃の事件がらみで、ある男の情報を手に入れた椎葉だったが、既に事故で亡くなっていた。その男の葬儀で、二人は不穏な空気を醸し出す謎の男、五堂(CV成剣さん、五堂組組長)と出くわす。宗近に執拗に絡む五堂、(成剣さん、好演)あの宗近が恐れる存在、五堂という男、その後、二人は、東明(クロ)に導かれるように、黒幕の五堂の企みにひきづり込まれていく。

椎葉の義兄である篠塚(CV三木眞さん)の亡妻(椎葉の姉)への思い・・・この三木眞さんの哀しく切なげな演技に胸が締め付けられました。キーポイントは”蝶”

次第に宗近は自分と関わることによって、椎葉に危害が及ぶことに不安を隠しきれず、椎葉に自らの本心、弱さを吐露する。”怖い“と。私はそんな宗近(小西さん)と泣きじゃくる椎葉(神谷さん)が(お二人の熱演が)とても愛おしかった。二人の”足りない”にも激萌え〜

そして、宗近によって、彼自身の過去、東明や五堂との関係性が椎葉の知るところとなる。好敵手のお二人、かなり病んでおられます。再び、五堂の策略によって、宗近、椎葉までもが身内(監察)に追い込まれていきます。

宗近の”すべて椎葉のために…”
椎葉の”俺たちはいつも共にある”
あの二人の登場によって、宗近と椎葉の絆が急速に深まります。椎葉は新たな決意を胸に自らが信じる道へと突き進んでいく。

愛するものを守るためにはどうすればいいのか…次作、エス 残光に続きます。

2

名作。大作。

シリーズ通して原作未読です。
BLCDが大好きなので、原作未読で聞くことが多いのですが、
ネタバレを知りたくないので、ネタバレなしのレビューを心がけております。
ネタバレなしで聞くので終始スリルとこれ絶対フラグだよーっていう
シーンで冷や冷やしながら聞いており、
途中二枚組ってこともあるのに、聞き出したら止まらなくなりました。
それほどおもしろかったです。
とんでもないところで終わるので(英田サキ作品あるある?)
4を用意してから聞くことをお勧めします。
でないと続きが気になって仕方ないです。
全体的に東明役の近藤孝行さん、何度か作品でお目にかかってますが、今回すごいはまり役というか、鼻につく役をさせたらすごいハマるなーと(もちろんほめ言葉です)
五堂役の成田さん。びっくりするくらい成田さんらしからぬお声です。
正直はじめて聞いた時は気づかなかったくらい普段とは違うお声で
演技してらっしゃいます。
この二人が今回なくてはならないキーマンなんですけど、とても素晴らしい
存在感でした。
あと、忘れてならないのが鹿目ですよね。
ほんとにいい!!もう、いい!!
今では考えられないところにとんでもキャストですが
鹿目役に中村くん。本当に贅沢。
作品がとても面白く、是非ともおすすめします。不朽の名作。

0

続くよ!

…続くのですね。
何も知らないままに聞き始めたら、ラストが「ここで?」ってとこで終わっちゃって。
これまでの2作はそれぞれに完結してたので単独で聞けましたが、これ単独だと先が気になって仕方ない!
2作まとめて買っといてよかった(笑)

今回はそれぞれの過去にまつわる人物が出てきて。
椎葉の姉の事件や宗近の失ったものについても語られるのだが。

その中で、それぞれの距離感が引き返せないところまで来ていて。
それでもなんとか「仕事」をしようとする椎葉と、そんな椎葉が見ていられない感じの宗近。
椎葉のために宗近が選んだ決断は、全て椎葉のためで。
どこまでも深く愛されているのに、それを素直に受け入れることができない、今は。
結果的に宗近の方が折れ、椎葉の意思を通すことになるのだけれど。
椎葉の胸に秘められた確かな想いが口にすることができない分、せつない。
口にしたが最後、崩れてしまうような何かがあるのだと思う。
だから、全てが終わるまでは今の関係を崩せない。

神谷くんとコニタン(小西さん)の2人の好演もさることながら、出番は少ないながらも三木さんの演技がステキでしたー。
静かに語りかけるような諭すような穏やかな物言いで。
けれど、そこには深い愛情のようなものが汲み取れて。
特に五堂のところでの宗近とのやりとりの後のシーンが好きです。
そして、宗近が椎葉に過去を語ったシーンでの鹿目のセリフも好き。
五堂役のナリケンさん(成田さん)もステキでした。
いつものどこか変態ちっくなナリケンさんとかとは違って、くどくないというかサラッとめでスマートなところもあって。
けれど、それだけに余計イっちゃっててコワイところを感じられるというか…。

フリトはそんな本編からはうってかわって?ちょっとリラックスムード。
3日間に渡る収録ということで、ナリケンさん(過去)と三木さん(未来)のところに神谷くんが感想を聞きに飛ぶという「時をかける中年」な展開に、子供のように「未来にも行けるのー?すごいなぁ」とか言っちゃってるコニタンがかわいかった。
そして、三木さんのところでの三木さんと神谷くんのやりとりもなんか好きですv

2

二人の間に生じた裂罅

原作未読。「エス」もいよいよクライマックスで1、2より更に大ボリューム。
裂罅は前編と言ったところでしょうか。上手い具合に残光へと続かせていて、期待が高まる。

「エス」シリーズ初の二枚組み。内容が内容だけにじっくりと時間を使って丁寧に物語が展開されていく。
途中出てくるいくつもの組の名前は、意識しないと覚えられないかも。
今作は若干モノローグの音が小さいような気がした。
咬痕で宗近への愛を自覚してしまった椎葉。だけど、エスと刑事の立ち位置を再確認したこともあって、それを口にするわけにはいかない。
宗近はもうとっくに椎葉を受け入れていることが、椎葉への接し方から何となく伝わってくる。
椎葉がそれを認めてしまえば、と思うけど、それができないのがこの二人の関係。
相変わらず椎葉は強情で無謀、中途半端な癖にじっとしてはいられない。1と同様に東明に薬を盛られて乳首にピアスまでされて…またかと笑ってしまったけど、椎葉らしくて何だか愛しい。
注目すべきは、やっぱり五堂でしょう。口調は穏やかなものの、それが何とも不気味で気持ちが悪い。普通に喋っているだけなのに内に潜む狂気を感じさせる。ここまでの「歪み」を見事に熱演された成田さんは素晴らしい。
途中椎葉がお姉さんと会話する回想シーン、椎葉があまりにも幸せそうで、胸が潰れそうになった。
篠塚さんが言った「片羽をもがれた蝶」は、椎葉のことなんだろうなと思った。姉を殺され、そしてその弟までもが今こんな姿になってしまって、一番報われないのは篠塚さんなのかもしれない。
沢山の人間と関わり、過去の事件に触れ、もうこれ以上自分自身を騙すことはできないと、椎葉は宗近を愛そうと決めた。
宗近の為なら死んでもいいという覚悟が椎葉に行動力を生む。今まで弱くて倒れそうだった椎葉が手に入れた強さは、宗近が生んだもの。けどそれは宗近が望みとはほど遠くて、そこがどうしようもなく切なかった。
濡れ場シーンは、凄く上手くなっていて驚いた。声のトーンもそうだけど、色気が全然違う。今までの中で一番好きかもしれない。短いけど、凄くよかった。

自分に関わる全ての人間を裏切っても宗近を守ると決めた椎葉は、自ら五堂の手の中に落ちていった。それを知った宗近が一体何を思い、そしてどんな行動を起こすのか。
次の「残光」でシリーズもついに完結。裂罅と残光は続けて聞いて欲しい。

2

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