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「運命」なんとおれに似合いの言葉
私の中では圧倒的に表題作が好きでした。
自分を好きすぎる東間が天然でセルフボケツッコミ+リアクションが最高でゆえに脈絡がない…B型…わかる。わかってしまう。B型さんすみません(ちなみに私はB型ではないです)
そんなトーマスを熟知しているキノコがまたおもしろい。口調もだしクレバーだしトーマス戦略がすばらしい。
自分両思いだったトーマス、他人が入る余地がなかったトーマスがキノコを意識する過程もおもしろい。
「どうにも気まずくない‼︎」www(BLあるあるの逆大好き)
─キノコのキノコがおれを思ってキノってるところを? ←声出して笑いました
キノコはトーマスにとって2番目でよかったのに「…おれ…どうしよう…」のトーマスがかわいすぎるしさすがのキノコも動揺するわね〜となりました。
「彼女は行方不明」のラスト
─おれたちはムイミなバカをくり返す
─きっと明日も
超納得。だから人や自分を傷つけちゃったりするんですよね。
「minun musiikki」
音楽家(芸術家)のこじらせがこれでもか。と感じました。
こちら2009年発売の作品ということで、14年越しの運命的な出会いでした。
ヤマシタ先生の御本(BL)は7作目でしたが、本作に収録されている『夢は夜ひらく』が筆舌に尽くし難い素晴らしさで、いちばん好きなお話になりました。
化粧品店員の刀根が主人公のお話なのですが、「こんなお話を14年前に描かれていたヤマシタ先生...何者?!?!」と思わずにはいられない作品でした。
まだ『恋の心に黒い羽』と『くいもの処 明楽』は読めていないので早速読んでみようと思いました。
ヤムシタトモコ先生の作品は、台詞回しがどれもヤマシタ先生ですね。たまーに違うのもあるけど、テンポと話し方が同じ。先生もこんな人なんだろうなってのがキャラに滲み出まくってる。
一番最初に収録されている「目蓋の裏にて恋は語りき」(現実的劣等感強め眼鏡美大生×才気あふれる童貞ピュア少年系美大生)や、「minun musiikki」(オケのチェロ×ピアノ)も、「夢は夜ひらく」(これはほぼレディコミ)も好きですが、表題が突き抜けて大好き。
◾︎表題
なんでこの作品がそんなに好きかって、東間(受け トーマス)にめちゃくちゃ共感するからなんですが、そんなこと言うとヤバイ奴だと思われるだろう。「おれとおれとは両思い」的な感覚が分かりすぎて、東間に完全にハマりました。俺専グラフて。
このトーマスを差し置いて社長やってる江城(きのこ頭 えのき)がまた曲者で、圧倒的に自信があるように見える風情で策略家めいている一方で、東間が好きで好きで意図せず攻撃を受けてるとこが、魅力抜群です。
◾︎minun musiikki
(オケの既婚チェロ×ガタイ良ピアノ)
ヤマシタ先生の描くクズ男が好きです。女とも男ともヤレるタイプのクズ男が特に好き。
◆彼女は行方不明
短いし終わり方も呆気なかったけれど、意外と余韻が残るというか、妙に心に引っかかるような作品でした。行方不明と噂の女子を探す旅に出た古林と八名木。古林にひっそり懸想している八名木は、そんな女子のことなんかどうでもよく、頭の中では酷い扱いをしていて、彼女と会った時には人として最低な言葉すら吐いてしまう。いくら恋敵といえ、そんな言葉を投げつけられる筋合いはないですよね。彼女が返した言葉や表情が目に焼き付いています。でも、他人に吐いた言葉はなかったことにはならない。恋をする男子の、綺麗なばかりじゃない醜い感情を見せつけられ、共感も嫌悪も同時に覚えた物語でした。
◆YES IT’S ME(表題作)
すっごく面白くて、可愛い表題作でした。自分大好きなキラキライケメン・東間と、幼馴染で目の上のたんこぶ的存在でもある江城。東間のナルシストっぷりは徹底しているけれど、オープンだし隙もあるし、嫌味もなくて可愛らしいんですよね。そんな自分大好き人間のことを知り尽くしている、ちょっと隠キャっぽい江城。でも、隠キャっぽいのは見た目だけで、大胆に勝負をかけたり駆け引きのテクニックは東間より何倍も上。この関係性がたまらなかったです。何の脈絡もなく江城の萌えツボを突く東間と、突如ツボを突かれて崩れ落ちる江城には笑いました。東間の脳内を占める割合で、東間自身を超えて江城が1位に君臨した時にはガッツポーズをしたくなりました。
短編集です。
表題作は、クスッと笑える感じで面白い。
んだけど、他の作品は少し難解というか、ひねりすぎてるというか。
そんな感じがして物語の中に入れず、外から見てもよくわかんない、という印象を抱いてしまう。
「目蓋の裏にて恋は躍りき」
美大の学生同士の2人。
沼上はシニカル、馬原は子供っぽい。沼上は馬原が好きというより、馬原の持ってる感性みたいなものが眩しいということなのでしょうか?
「彼女は行方不明」
BLなんですか?短編としては興味深い展開だし芦立さんの造形もいいと思うんだけど、BLとして読もうとすると全く意味がわかんないんです。
「minun musiikki」
これもよくわかんない〜。BLっぽい話ではあるけど、清重(ピアノ)は布木(チェロ)を好きなんですか?布木が言いがかりしてるんじゃなくて?ここがわかんないから置いてけぼられてます。
「YES IT'S ME」
「YES IT'S YOU」
やっとわかるお話になってホッとして、余計に面白く感じるという罠。
キノコくんのビジュアル好きですよ。モッズっぽい。
キノコが…おれを…⁉︎、のページは、オルフェウスの窓(池田理○子様)か‼︎って。
「Loathe!」
意地悪な恋人。ラブなうちはいいけど度が過ぎるとヤバいよ、と思う。ちゃんと好きを表そう。
「夢は夜ひらく」
これはすごく良かった…
一言で言うと、生きづらさの話だと思うんだけど。なりたい自分、そうなれない自分の話。
ゲイであったり、トランスジェンダーだったり、女っぽくない外見だったり。
(厚化粧のおばさんも許してあげて!)
「YES THAT'S IT」
いよいよ一緒にお風呂に入って、これからシますよ、という…
仲良しさんのHってなんか気恥ずかしいよな。喘げないよなぁ。どんなか読んでみたいぞ。
描き下ろし2編と、カバー下に恒例の作者様による作品コメント。
やっぱり表題作が好きです。