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表題作花の慟哭

須王仁 獣人リーダー
巴 須王の餌

あらすじ

「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかったことを激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がりー…。
出版社より

作品情報

作品名
花の慟哭
著者
夜光花 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
ISBN
9784812439531
4.2

(79)

(47)

萌々

(13)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
331
評価数
79
平均
4.2 / 5
神率
59.5%

レビュー投稿数16

溺愛を期待したけど受けが酷いことされる印象の方が強かった

「花の残像」と合わせての感想です。

先にこの2冊のあらすじを読んで溺愛っぽかったので気になってたんですが
シリーズ物のスピンオフということで、本編3冊を先に読んでみました。

本編の方も、それほどはまらなかったんですが、
この2冊も、期待したほど溺愛、甘々ではなくて、
巴が酷いことされる印象の方が強かったなと思いました。

先にレビューも見てたので、巴が酷い目に遭うのは知ってましたが
もっとサラッと流されるかと思ってたんですけど私が思ったよりは、しっかりそれなりに描写があり、
そこら辺は嫌なドキドキをしながら、早く助けに来てーと思いながらざっと読み飛ばしました。(花の慟哭の最初の方の)

須王の巴に対する態度は、溺愛甘々かもしれないけど
その描写はそれほど多くなくて、それより巴が救出されてからも
トラウマに苦しむ、巴に嫉妬する餌に絡まれる、忍に囮にされる、また捕まって酷い目に遭う、のオンパレード。
「花の残像」の方でも冒頭から始まって、組織に来てからも餌の嫌がらせ、神木の嫌がらせによる拉致、等々、巴が酷い目に遭う方が印象に残りました。

そしてそれに対する報復描写が少ないのも不満でした。
酷い事をされたらされただけのそれなりの制裁を加えてくれないと、酷いシーンを読むので受けた心の傷が癒えないんですけど・・・。

巴をハンティングしてた人達は、首謀者も一般人も含めて全員死亡したけど、死ねばいいってもんじゃない。
巴は2年も銃で撃たれ続け、トラウマに苦しむほど心に傷が残ってるんですよ。
あっさり死んじゃっただけじゃ、ちっとも報復になりません。
猟奇的な描写を望んでるわけじゃないですが、巴の描写と同じ程度にはされた事とか、相手が許しを請うとか何か相手が反省するか苦しむかして言ったことを聞かせてほしいんです。
せめて須王がなぶり殺しぐらいしてほしかったけど、ヨハンが全部やってくれちゃったので、須王が巴のために報復するという描写さえなし。
ちっともスカッとしませんでした。

最後も、巴は後ろは守られたけど、口ではやらされてしまい、それもすごく嫌でした。その事に関しても、ヨハンが助ける時にサクッと殺してしまって、それでお終い。
その後、ヨハンの事で須王も落ち込んじゃったので、巴が口でやらされたーと須王が知る描写もなし。

巴に薬を盛って敵に渡しちゃった餌二人も、見かけなくなったというだけで、おそらく殺されたんだろうと匂わされるだけでお終い。
巴に嫌がらせだけですまずに、殺そうとまでした二人のギャフンが見たかったんですが・・。

という感じで、巴が酷い事をされ続け、それに対する報復描写はあっさり終わってしまってるのが、スカっとできなくていまいちでした。

あと気になったのが、契約している獣人は餌が痛みを感じなくても居場所がわかるんじゃなかったっけ?
本編3冊では、痛みや動悸に関係なく、餌の居場所はわかるって事だった気がするんだけど。

kindle unlimited

0

これ以上彼らにつらいことが起きなければいいな、と祈りたくなります。

「凍る月」のスピンオフの2作目。「花の残像」が気になる所で終わっているので、即続けて読みました。

主人公の巴は、まさに生き地獄といった状況に落とされていて、そのへんの描写はもう悲惨でたまりません。組織を中心とした人間関係(人間というか、主に獣人や餌ですが)は実に複雑で、起きる事件のひとつひとつが誰のどういう思惑から起きているのかが複雑に絡み合っていて飽きずにどんどん読み進めてしまいます。

やっぱり展開自体は少年漫画テイストなんですよね。うっすら思い出すのは「寄生獣」とか「亜人」とかそういった作品。"本来ラブ要素の無い少年漫画に「やおい」要素を加味して二次創作で盛り上がる…"みたいなのが最初から用意されてる感じとでも言いましょうか。

バトルシーンにドキドキしたり、切ない思いに涙したりしながら、ラブとセクシーなシーンにもキュンとする。読みどころの多いシリーズだと思います。そしてこのスピンオフは、本編よりもむしろ惹き込まれ度が高いと思います。彼らのその後もぜひ読みたくなりました。

1

やっぱり面白い

「凍る月」シリーズのスピンオフ、
「花の残像」の続きの1冊。
「凍る月」3作を読んでいなくても問題はありませんが、「花の残像」は必読。
リアルタイムで読まれていた方には待望上位ベスト3の1冊であったのではないでしょうか。
私も初めて読んだ時は、確か本屋を駆けずり回ったような気が…
でもこういうのって探してない時はよく見るのに、いざ探すとないんですよね…。
それ位「花の残像」と繋がっているお話です。

思いっきりネタバレレビューです。

今回再読なのですが、やっぱり面白い。
前作「花の残像」の再読の時は、
「あぁだったな、こぅだったな」の楽しさがあったんですけど、
今作はお話として再読でも面白かった。
というより先を知ってる分、更に面白いっというのがあった気がします。
冒頭の所は勿論の事、やっぱりヨハンが…。
前は勢いで読んでるから「わ!」とか「そうなの⁈」等ぶわぁ〜と読み進んだんですが、
今回は落ち着いて読んでるので、しみじみヨハンの事を考えながら読んだ感じ。
須王を語らせれば1時間の可愛いヨハンでありますが、
本当悲しい選択。
どうしてそうしか出来なかったんだろう。
その事を軸に読んでると、蓮や須王や相模の気持ちは勿論の事、
彼らを取り巻く組織という存在?を感じ、
それが読んでて悲しくもあり、単純に読み手として面白かった。
色んな1人1人の考えとか思惑が重なり合って動く重い歯車になす術ないような感じ。
自分の意志に反するのに、その歯車を回さなきゃいけないような。
まぁその悲しさとかやるせなさは、この後続く「凍る月」シリーズではもっとスケール大のものが待ち受けてるのですが…。
と考えると、再読の勢い止まらず、このシリーズを最後迄読みたくなります。

巴と須王の再会には、初めての時程ではないけれど、やっぱり泣けました。
今迄読んだBLの中でも1番泣いてしまうシーン。
本当に落涙してしまう程。
初めて読んだ時、巴が記憶を失くしてるってのは思いもしなかったので、びっくり。
しかもあんな状況で、あんなに幸せだったな巴が
死にたくて、楽になりたくて、それが今の1番の望みって…
なんだ、その1ポイントって。
最後にもう一度だけ指輪が見たい…と手を掲げた時に、指の間にすっと陰が通って須王の登場という所は、
もぅそりゃ泣くでしょ。
また、ここのイラストもいいんですよね。
巴の気持ちも須王の気持ちも、もう痛い程解って…
ここまでテンポ早めで、一気に頂点まで登ってくるので、
このシーンは何度読んでもいいなーと思う所であります。

けれどここで万事丸く納まるってものでなく、
その後巴は受けた傷のトラウマで、言葉は喋れなくなってるし、夜はうなされてしまう。
忍のクラッカーがきっかけでパニック状態になる所は悲しいですね。
その時須王がなだめてくれるのが読んでてあったかくて、優しくて、また逆に須王の苦しみもあって。
夜中うなされた時に須王も苦しそうな顔をしてるのに、目が合った途端に優しい表情になるとか、
その他たくさんのシーンがありますが、
須王も巴の事で苦しんで、大事で大事でしょうがなくて、
一方巴も須王に心配かけたくなくて、
お互いがお互い、相手を大事にしたい気持ちに溢れてて、それが純粋で愛おしくて、
読んでて本当楽しいです。
いやはや本当須王はかっこいい。

最後の終わり方も好きでした。
強くって、優しくって、かっこいい須王が巴の肩によりかかってるって…
一方巴は、自分の気持ちが須王に伝わってしまうから、一生懸命心の中でも泣かないように頑張ってるんですよね。
もう〜どんだけ可愛いんだ、巴。

2人のラブシーンも、いつもより数多く濃厚な気がします。
巴の気持ちも感じられるようになった須王、
そりゃ盛り上がっちゃうよなー。
私は再会した後の初めての時が、今迄BL読んできた中でも1番好きだな〜と思う位好きな気がする。
今回の再読で思いました。

他の作品でも再読する事はあるのですが、
中でもこのシリーズは再読しても楽しい度が高い方だと思います。
でも、再読もいいけどこの2人の話をもっとを読みたいなー。
夢のような理想の2人、
この2人の話なら、何度でもどんな話でもいつの話でも楽しめそうです。

4

痛さも他より少なく甘めです

前作『花の残像』で陥れられた巴のその後からスタートです。
完全に続きのお話なので、前作も読まれることをおすすめします。

カップルは引き続き獣人の須王×餌の巴。

巴は行方不明の間にドえらい目にあっていたわけですが、この辺りはもう少し掘り下げて欲しかったなあと思いました。
もちろん書かれていただけでも悲惨なのですが、もう少し描かれていたならば、もっと巴への同情が湧いたかと。
巴は『自分が一番悪い』と考えがちで、そういう部分がイライラきてしまう方もいらっしゃると思いますし。

今回は蓮の思わぬ熱さも描かれていたり、相変わらずな須王の元・餌たちやストーリーの肝であるヨハンの心情などが細かく書かれていて読み応えあります。
えっちシーンも相変わらず夜光さんらしく濃厚で、回数も多いです。
須王がいかに巴を愛し、自分よりも大切に思うさまが伝わりとても良かったです。
あー、やっぱり優しくて紳士最高!

展開的にはヨハンの行動はひじょうにわかりやすく、読んでいて途中で判明してしまうと思いますが、それでも楽しめました。
わたしは本編シリーズよりも好きです。

2

ちょっと厳し目に萌x2

限りなく神評価に近い作品です。
何度泣いたことか…
今回もとてもドラマチックな展開です。
ネタバレはしたくないので、詳しくは書きませんが、前巻と合わせて読み応えのあるストーリーだと思います。
須王は相変わらず完璧で、これほど心遣いできる男性はいないだろう~という程ですし、巴も相変わらず可愛い。^^

ただ、なぜ神評価にしなったというと…ちょっと似たような展開が前にもあって、まんまとそれに受け様が引っかかっている…ていうか、今回はほぼわざとという…^^;
この展開は前巻にもあったし、本編の光陽にもあったので(しかも1度だけではなく^^;)、シリーズを初めから読んできている者としては、またか…という思いの方が強かったです。多分、夜光さんのお好きな展開なのかな…他の作品でも読んだ気がします。
確かにこういう系統のお話だと、そういう展開が避けられないのかもしれませんが…
巴の性格もなんとなく光陽と重なるところが出てきたような気がして、そこも気になりました。
あと、中盤でヨハンの思惑が分かってしまったこと。多分、こういうつもりなんだろう、いや、これしかないだろう、と思って読んでいると、本当にそうだったのが少し残念でもあり、切なくもあった。

とても些細なことではありますが、好きな作家さんだからこそ、厳し目に1評価下げて萌x2にしました。
でもドラマチックで、推理も楽しめるお話がお好きなら、間違いなくお薦めできる作品です!^^

4

おおお!!

凍る月シリーズは好きなので
須王さんってどんな人なんだろう~と思っていました
梁井さんと光陽のカップルも、もちろん好きですが
個人的に須王さんと巴のカップルのが好きです
ラブラブな感じが!!

4

濃密

面白かったです。
ドラマ性抜群で、登場人物みんな魅力的。
夜光花さんがあとがきで「二冊に分けたかったお話」というのに納得、ストーリーがテンポよくドラマティっクにぐいぐいと進んでいく。
シリーズ的には五冊目なんだけど、シリーズ物って巻を重ねるごとに薄ーくつまんなくなっていくものが多いもんで、これは凄いと思いました。
ヨハンに生ぬるい救済を与えなかったところが好き。最後まで暗い信念を曲げなかったところが好き。

ただ、受けの性格がひたすら「僕のせいだ」「みんな仲良くして><」一辺倒なのは私の趣味じゃなかったな。
サバイバル参加者の死を聞いて、私は「当たり前じゃボケ!ヤツラは苦しんで死ぬべきだ」と思ったんですが、受けは「死まで望んでなかった…」なもんで、ちょっとカクッときました。ありゃ、私だけが必死?みたいなw
あれだけのことをされたんだから、人間らしい暗い喜びぐらいは感じてほしかったな。で、喜びを感じる自分に嫌悪感持つとかさ。

攻めは最後の最後まで徹底的にイケメンの王子様でした。
深い悲しみを背負ったことで、彼はより魅力的な男になったな…と思いました。

1

順番がわからず、ランダムに呼んだら内容がつかみきれない!

記憶喪失の巴。
記憶の中の暖かい手は誰のものかわからず、時間だけが自分の傷を更に広げていく。
死なない自分によってくるあやしい人。
誰が味方かわからないまま不安になる。
不安でいっぱいになったとき、須王や組織の仲間に出会い、暖かい手は誰なのかがわかって、ホッとするが、記憶喪失の間に受けた虐待に震え怯える。
暖かい手の須王により、震え怯えることもなくなる。仲間により、幾分和らぐ生き方が出来る。

0

健気さに涙、涙

幼い感じのコが受け、というのは本来あまりわたしの趣味ではないんですが、凍る月シリーズはお話が面白く、夢中になってしまいます。
この作品は本編を上回るか?というほど面白かった!!
お話もダイナミックで、無駄なく充実してます。
巴の幼さや不器用さを表すオムライス、2人の絆を象徴する金の指輪といった小道具も効いていますし、キャラも魅力的です!(粗暴な忍をだんだん好きになってきた…作者の術中にハマってしまったかも~)。
巴の健気さも無垢さも、施設育ちという経歴から不自然に感じず、ヒネたわたしでも素直に泣けてしまいました;
巴の受けた仕打ちの過酷さ、須王と互い想い合う姿に涙、涙…。
そして、ヨハンの盲愛も萌えでしたっ。
須王に傾倒するあまり須王本人をもだまし、陥れたた彼ですが、その一途さには敵(?)ながら心打たれました。
この作品を受けて、今後本編にいっそう深みがでてくるのではないか、と期待が高まりました!

4

期待以上の一冊でした

前作の『花の残像』に夢中になりすぎて、ものすごく続編の発売を心待ちにしていたものでした。
ウチの近所だとBL作品はあまり入荷してくれないのでネット書店に予約入れておいて届いたと同時にむさぼるように読んだ本でしたよ!(いまや懐かしい話…)
こういう場合期待値があまりに上がりすぎてしまい、読んでみると微妙に「あれ?」ってこともままあるのですが、この作品は本当に期待通りの出来だったと思います。
いや、もしかしたら期待以上だったかも…。
出てくるキャラ全てが愛しく、終盤読み終わってしまうのが本当にもったいなかったです。
何度でも繰り返し読み返したくなる愛しい愛しいお話。

あまりに好きすぎて、普段はスルーしているラブコレも5だけは購入してしまいました(笑)
かわいくて素敵だった~。

このスピンオフを出してくださった作者さまと出版社サイドにひたすら感謝の二冊でした。
うう、須王と巴の話をもっともっと読みたいです…!

5

(ノ I `。) ウゥ・・・。

この凍る月シリーズは
人外ものは何となく敬遠していたのですが
大好きな夜光花さんということで手を出した作品です♪
どの登場人物も魅力的で設定も素晴らしいので
もし・・もし読むのを躊躇っているのであれば是非読んで頂きたいですヽ(^◇^)/
で、今回はシリーズのスピンオフ 「花の残像」須王×巴続編☆

須王の右腕であったヨハンの裏切りが断定し敵対するなか、
様々な登場人物の思いが入り混じり最後までどういう結末になるのか
ドキドキしながら 時には涙しながら途中でやめることができず一気読みしました。
こういう結末しかあり得なかった・・・よね?
と、読後は何とも複雑な思いに囚われましたが
ちょっと時間がたった今はこの結末しかあり得ないと思います。
ヨハンの思いを受け止めて
須王と巴には今までつらかった分 幸せになってもらいたいとホントー心から思います。

しかし・・・今回はよく泣けた(ノ I `。) ポロリッ。
その①
特異体質の巴を監禁し研究のためお金のために
人間のエゴのために ここまで人間は残酷になれるのかと切なくなり・・・
ページを、捲っても×2 
打破できない巴の悲惨な地獄のような状況に(ノ I `。)

その②
そんな地獄のような場所から助けに来てくれたと
思い巴が ヨハンの姿を見て発した言葉 「コ、・・ロ・・シ・・・テ」(ノ I `。)

その③
記憶を無くしていた巴が
須王に抱きしめられ須王の事を思い出せたところに(ノ I `。)

その④
須王の元に戻ることがきた巴が
キス以上の事をしてくれない須王に・・嫌われたのではないか
自分より大事にしたい人ができたのではないかと・・
不安なのに須王には切り出せない巴の切なさに(ノ I `。)

その⑤
須王がどれだけ巴の事を思っているのかを再確認することができ
身体も心も須王の愛に包まれた巴に・・(ノ I `。)

その⑥
須王のヨハンに対する思い・・・
つらいはずの須王を支えたいと ただ×2健気に願う巴が切なくって(ノ I `。)

2

泣けました

ボロボロ泣くまでは行きませんでしたが、複数の箇所で思わず涙が滲みました。
まず序盤の、二年の間に渡る巴の悲惨な境遇が辛くて痛々しくて…。本当に可哀想でした。ですので救いがあって心から安心しました。
が、その後のフラッシュバックに苦しめられる巴と自分を責める須王が切なくて切なくて…。そこにヨハンの造反・策略が加わり、ハラハラし通しでした。
そのヨハンですが、読み終わってみると彼もひどく切なかったです。彼の行動原理にはある意味筋が通っているのですが、やはり他に道は無かったのかな…と考えてしまいます。どうしようもなかったのでしょうけれど…。

夜光先生の小説にしては珍しく、少し尺が足りないかな?と思いました。かなり多くの出来事が起こっているので、後始末というかエピローグがもっとたっぷり欲しかったかなと。(その為あとがきを読み、2冊でもおかしくないプロットの密度だものな、と納得しました。)ですがあえての神評価で。更に続編あると…いいなあ。同人誌でも良いので。

3

気になる二人の行く末は…?

前作「花の残像」の前半部分でも、かわいそうな巴でしたが、
今回は出だしから悲惨な目に遭っていました…

ヨハンに陥れられ、瀕死の状態で放り出され、途方に暮れる巴と巴が死んだと聞かされ失意の中で組織のトップになっていく須王。
今後どうなるのー!?という展開で幕を閉じた前作。

今回はそれから2年後のお話です。
一言に2年とはいっても、巴にとって「殺してほしい」と願うほどに悲惨な2年だったようです。記憶も言葉も失い、ただ、恐怖の中で家畜のようにあつかわれる。本当に地獄のような状況です。
今回、巴をとらえるのは、カミラではなく、草田という医師と清文という獣人です。こいつら、本当にひどい!はじめは、記憶を失った巴の信頼を得るために、甘い言葉をかけ優しく接しておいて、いざ清文と契約を結んだら、巴を飼い殺しです。治癒能力をもつ巴の体質を利用して、逃げる巴を追いかけ回して、「狩る」。人間狩りのようなゲームを金儲けのためだけに行っています。巴は治癒能力のために、激痛の中でも死ねない。そんな巴が「殺してほしい」と願うのは不思議じゃありませんでした。
居場所を知られて、巴を殺しに来たヨハンのことを救世主だと思うほどに、巴は悲惨な2年を過ごしていたのだと、読んでいていたたまれなくなりました。

そんな悲惨な前書き(?)があったからこそ、須王との再会は、涙涙でした!こんどこそ、ホントのホントにもうダメだ!と思った先での再会だったので、感動もひとしおです。

そんなこんながあったので、須王の「巴、かわいがりっぷり」は相当なものでした。そして、その須王の行動に対して、「やりすぎ」というより、「巴はそのくらい大切にされて当たり前!」という、気持ちでいっぱいです。今までの辛い2年のぶん、巴はそれくらい幸せになってイイと思います!
本当に良かったねー!がんばったねー!!幸せになってねー!

そして、須王の巴に対する甘甘態度はもちろん、巴の2年間の様子を知り我を忘れて怒るところや巴の身体や心を心配してエッチしたいのに、我慢するところ、(しかも、唇へのキスもためらうほどの悶々具合)は、本当に本当に
萌 え ま し た !!

そして、最後にヨハン。
そ う だ っ た の か !
衝撃のラストでした!
納得のような、やるせないような…

4

2人が再会してよかった・・・!

『花の残像』の続編!待ってました!
『花の残像』が巴と須王が離ればなれになったところで終わっていたので、早く2人を幸せにしてくれ!とずっと思ってましたw

…まさか巴がこんな目にあっていたなんて思いませんでした(´;ω;`)
てっきりドクターカミラに捕まったのかと思ったら、ヨハンに紹介された医者・草田のもとにいました。
しかし、草田は巴が餌で、傷つけても死なないと知っていて巴に酷いことをします。
もー巴が可哀想で仕方なかった(´;ω;`)草田もその仲間も最低最悪です。
そのせいで死を望んでしまいますからね…巴。

しかし!ちゃんと須王と再会できます!
巴と須王の再会シーンは泣けましたね(´;ω;`)ほんとに良かった(´;ω;`)!
蓮や相模にも再会できて、ああもう良かった!
…ただ、草田にされたことがかなりトラウマになっていてたまに悪夢を見ては叫んで怯えたり、言葉をしゃべれなくなってしまいます。
トラウマがある受け好きなのでこれは萌えたと同時に悲しかった。
でもそのたびに須王が傍にいて巴を落ち着けています。
須王も巴がこうなってしまったことにかなり責任感じてるみたいで。巴を見るたび苦しい表情してなんかこっちまで苦しくなりました。
エロは夜光さんお得意の乳首責めと、巴の方から須王に乗っかるのが萌えました(*´Д`)体格差萌える…!

ただヨハンがちょっと残念なことに…。
ヨハンはあまり好きじゃなくうざいと思ってたんですが、結局誰よりも須王を崇拝していて、その結果切ないことに。ヨハン…うざいなんて言ってごめん(笑)
泣きました。今回は巴と須王の再会と、この須王とヨハンの友情みたいなものにも感動というか胸が苦しくなりました。

最後はヨハンのおかげで切なくなりましたが、須王と巴はラブラブです。
今度は凍る月に戻るのかな?
このシリーズはおもしろくてほんとに好きです!!

2

歪んではいても、これも愛の形?

須王に心酔するヨハンに騙された巴が、大好きな周防の前から姿を消して2年。
巴をやっと見つけたんですが、その間ひと言では言えない悲惨な目に遭っていました。
巴を支えていたのは、夢に見る温かい手。
その温かい手の持ち主・須王と再会し、記憶を取り戻します。
これで幸せに? と思ったけれど、まだまだ受難は続きます。

ヨハンが須王に反旗を翻し、蓮と一騎打ちとなります。
あんなに須王に心酔していたヨハンが、なぜこのような行動を取ったのか。
全て、須王を思うがあまりの行動だったんですよねぇ。
これ、愛のなせる技なんじゃないんですか?
愛してるから、こんな事までしちゃうんじゃないんですか?
命をかけてるんですよ、ヨハンは、須王のために。
誰に認められなくても、全ては須王のために!!!
これを愛といわずして、何を愛というんですかっ!
このヨハンの愛に、妙に萌えてしまいました。

そして、最期は須王の手で迎えることになったヨハン。
ある意味、幸せだったのかもしれません。
須王の記憶から、ヨハンが消え去ることは決してないわけですから。

ヨハンの一件もカタが付き、幸せな生活を取り戻したふたり。
クリスマスイヴに、ふたりしてお出掛けするんですが、入ったカフェで手を繋ぐふたり。そうやって、言葉ではなく、ただ繋いだ手だけでお互いを慰め合っている関係が、すごくよかったです。

1

盲目の愛は自滅を望んだ

「凍る月」シリーズに登場した獣人グループリーダー須王と、巴のお話「花の残像」の続きになります。
「花の残像」では須王を盲目的に敬愛するヨハンに陥れられて、巴が姿を消すところで終わっておりましたので、その待望の続きです。

巴が行方不明になってから二年の月日が経ったところから始まります。
実は巴は謀略した主のヨハンが知らないところで、記憶を失って酷い扱いをうけていたのです。
後書きで、作者が本来二冊のものを一冊にまとめ、また記憶を失ったことにしておかないととても巴が悲惨だったと書かれております。
本当に巴はいつも酷い目に会い、かわいそうなくらいです。
無事須王に救出されて一緒になれるものの、巴の心配はキスやSEXをしてくれない須王が、自分がいない間に恋人を作っていたのではないかと、それが不安だったりするところが一途で健気でかわいいですよね。
前作に比べて、いつも礼儀正しい須王がちょっと意地悪エロになってるところが楽しめました。
お話は、とてもたくさんの問題を抱えていて「えっ!?」という展開も待ち受けていました。
前作、残像は布石でしかなかったのかというくらい密度の濃い内容になっています。
自分の愛する須王がトップであり続けるために、悪役に回るヨハンの愛のベクトルは余りに悲しい結末を迎えます。
そして、それは須王と巴の心にも大きな傷を残したはずですが、これからも二人は寄り添って支えあって、よりよい獣人世界を作るために頑張っていくのでしょうね。
夜光花さん、よく一冊にまとめられて立派です!本編のブラックビーストよりこの須王編のほうが好きかもしれません。
よって、限りなく神に近い萌えです。

ラヴァーズ文庫の「ラブコレ5」にもこの関連のお話とマンガが載っているので、中身に興味をもたれた方は読まれてみては?

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