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読み終えた感想としましては、純粋に良い作品だったなぁと思います^^
そうですね、一言で言うなら正統派BL…って感じでしょうか。久々にBLらしいBLを読んだ気がしましたww数ある派手な設定や度肝を抜くようなシチュのお話もそれはそれで味わいがあると思うのですが、私はこうゆう日常で普通に繰り広げられてそうなリアリティあるお話をじっくり丁寧に描き込まれた作品が大好きです!!
タイトルにも挙げましたが↑BLを読んで泣かされたのなんてホント久しぶりですよ~
他のレビュアー様も仰ってますが麻生さんは独特の世界感を持ってる作家様ですね^^絵柄は今時のスタイリッシュな作風とはちょっと言い難いんですけどw逆にそれがお話と見事にマッチしていて読み始めるとどんどんストーリーの世界に引き込まれる感じです。
前作でも思いましたが好きな方には超ハマれる作家様ではないでしょうか^^事実私も今作品で作家買いが確定いたしましたww
内容は恋に破れ真剣な恋愛に臆病になっている大学生悠介と父親との確執にトラウマを抱えた会計士神山が出合い系の書き込みで知り合いお互いに成長していく姿を描いた恋のお話です。
受けの悠介は素直と言えば聞こえはいいんですが逆に言い換えれば割と自分勝手でわがまま。そうゆうタイプと付き合った事のない神山にはそれが新鮮に思えるのかもしれないけど、端から見てると結構イラッとしちゃう場面もよくあるんですね。そこで我らの気持ちを代弁してくれたのが神山の従兄の瑛仁郎。神山を想うがゆえ悠介に度々キツい進言をしてくる訳ですが彼なくして悠介の成長はなかったと思うんです。
少ない登場人物の中でかなり重要な役割を担った人物ではないかと。
そして今回私の涙を誘ったのが過去の経緯で自分の感情を押し殺す術を身に付けてしまった故に悠介の気持ちを理解出来ない神山の苦悩~悠介が成長した姿を見せる終盤のくだりにかけてです。この展開にはちょっと意表をつかれちゃいましたw
お互いに大事に思いながらも、ほんの些細な事ですれ違い傷付け合う2人は見ててホント切なかったけれど、でもだからこそ彼らが結ばれるシーンには胸がキュンキュンさせられました!描写は結構エロめなんですがムラムラではなくキュンキュンなんですよ!!ww
他に友達同士とストーカーのお話が2話収録されてまして、タイプは違えどもそれぞれ楽しく読ませて頂きました^^
でも、やぱ今回は表題作に神評価ですね!
特に表題作「ティアドロップ」が、特に好きです。購入して何度も読み返しているのですが、ラストシーンがとても優しくて綺麗で・・・毎回、背中がザワザワと、胸がグっと詰まって泣きそうになります。
麻生ミツ晃先生のカラー(透明水彩?)は、色合いが綺麗で見ていてうっとりします。モノクロは、やわらかく繊細で精密、ベッドシーンはしっとりとしていてエロティックなんですけど、表情がまた綺麗で、ドキっとさせられます。
「ティアドロップ」・・・過去の失恋を引きずってる受けと、過去の家族の姿に未だに囚われている攻め。当初、受けの悠介が自由奔放過ぎて、ハラハラしていたんですけど、剛毅が今までに付き合ったことのない明るくて自由な悠介の姿に、気づけば憧れていて自分もそうなれる気がしてきて・・・
そして悠介は、面倒見の良い明るくておねえ言葉が時々混ざる剛毅の従兄弟に(この方がいなければ話は成立しなかった気がする:笑)説教をされながら、少年から青年に大人に変わっていく姿に感動しました。若いから自分のことでいっぱいいっぱいで、それでも剛毅と一緒に居たいって頑張ろうとして、それで少しずつ周りが見えて、その姿にまた動かされる攻めの剛毅。
ずっと父親に謝り続けて、出来の良い人を演じて、愛想よく周囲に合わせることから抜け出せなかった剛毅が、やっと向き合うシーンは手が震えました。
台詞だけではなくて、感情がふっと出る瞬間の顔が良かったです。
キャラクターも多すぎず、少なすぎず、それぞれ個性的で魅力的でした。
ザウルス君・・・かわいい・・・気がする・・・多分。(笑)
「僕らの言い分」二人とも可愛い!!しおっち(攻め)がヘタレながら、発言がとても格好良いです。不器用ながら相手を思いあってる感じが素敵でした。万歳のシーンは思わず笑ってしまったけど、暖かい気持ちになりました。
「crossing」・・・ストーカーといえば攻めの職業だと思っていたのですが(失礼)受けでも全然素敵じゃないか!!と新たなる扉が開いた気がしました(笑)二人の今後が読んでみたいです。
長いお話はとても深く、短いお話も、あっさりではなくて、しっかりと読み応えがあって、本当に素敵でした。
前作で作品に惚れて ようやく手に入れたこちら。
絵に関しては 好き嫌いがあるかも?
私はとても好きです。 作中の人物の表情が良いです。
表題作は もしかしてオーソドックスなラブストーリー?
なのかもしれないけれど 丹念に心の変化が描かれていて
思わず 「う~ん すごい」 と唸ってしまいました。
神山さんの最後の一言が それはそれは美しいのです。
二人の描き下ろしも載っていて 幸せなエンディングです。
(ただ 3月に半袖って・・・という疑問は残りました)
他に収録されている二作品ですが
細かい所に「ジ~ン」ときます。
軽く楽しみたい時には不向きかもしれませんが
何度も読み返したり出来る良作だと思います。
作家さん買いです。
レビューのため、再読。
これティアドロップという長編だとばかり思い込んでいました。
それだけこの表題作が読み応えがあって印象深かったからかな。
ネタバレしてます。
【ティアドロップ tear drop】
とある出会い系サイトでの募集内容は、かなり強気で高飛車な条件。
どんな強気な美人が・・・・とちょっとした都市伝説になるほど。
しかし実際待ち合わせ場所にあらわれたのは「初Hだから妥協したくないんす・・ダメっすかね・・」と言う18歳のやんちゃな少年、悠介(受け)。
噂とはあまりにも異なる募集主だったけど神山(攻め)は相手をするんです。(今回、神山が出会い系で探したわけではなく従兄弟が無理矢理セッティングした)
悠介は幼馴染との失恋で傷ついたから、次は遊んでくれる人、楽しいことだけ共有できるドライな人がいい、と言います。
悠介の希望通りデートをしたり楽しく過ごす二人。
神山も一定の線を引いて悠介に接するのだけど、優しい神山に悠介は本気で好きになってしまいます。
【ディアドロップ dear drop】
付き合い出して三ヶ月経った二人のお話。
神山の従兄弟から神山がゲイである事を理由に父親とは絶縁状態になっていることを聞きます。
【ティアドロップス tear drops 】
独立して会計事務所で働く神山の元へ、クライアントとしてやってきた元彼との再会。
書き下ろしの【ドロップシーン drop scean】
これが神だと思いました。
神山が自分の本当の家族とは得られなかったものを 悠介とともに築いていきたいとプロポーズするお話。
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この作品の魅力はやはり受けの悠介でしょう。
神山が基本的に表情を動かさない分を補うかのごとく、大きな目を見開いたり、怒ってみたり、無邪気にはしゃいでみたり、泣いてみたり、万華鏡のように表情を変化させます。
「人に心を見せるな、隙になる」と厳しい父親に躾けと称す折檻を受けながら育った神山にとって、対局のような存在です。
そんな神山が「君といるときの自分が好きだ」と悠介に言うんです。
素直で一生懸命で感情を露わに接してくる悠介は新鮮であり、自分もこうあっていいんだと思わせてくれる存在。
一方の悠介は、神山のクライアントである元彼・峰井との仲を誤解して感情に任せて失礼な態度をとった挙句、神山ともすれ違ってしまった結果、見つめなおすんです、己を。
峰井に清く謝る姿とその後の神山への告白を見て、出会った頃の少年から次第に青年へ、そして大人へと近づいているのを感じました。
神山も自分を縛る過去の父親と決別ができて、最後のセリフが本当に良かったです。
それにしても麻生先生の絡みのシーンって本当に綺麗でエロいんだけど下品さがないし、コマ数少なくても充実感がある。そしてまさにここでやるべし!というところで致してくれます。
前作の「スイートビターキャンディ」が大好きだったので今作も購入。設定としては前作の方が自分は萌え度が高いんですが、いやいやこの作品、完成度が半端じゃないです。まるでよく出来た映画のように湿度とか温度とかが五感を刺激して物語の中に自分がいるみたいな錯覚に陥ります。登場人物の呼吸が耳をすますと聞こえてきそうな感じ。ホントすごいリアルなんです。自分は基本ベタよりの嗜好なので本格派の読ませる作家さんは苦手なのですがいや~参りました。エロも生々しくきっちり描かれていてそうゆう正直なところも自分は好きですね。次回作も期待したいと思います。