電子限定かきおろし付
なんか色々とハショられていて、あれ?と思うとこちょいちょいある。
まず、ミズキちゃん。かなり亜依人の呪いについて詳しく知っているけど、どういう付き合いなのか知りたかったです。大学入る前からの親友…?亜依人の性格的に、そんな非現実的なことを誰それ構わずに話すとは思えないので、彼との関係性が気になったのが1点。
それと徹ですが、亜依人のどこが好きになったのかあまりよく分からなかったです。こちらも亜依人同様に一目惚れ的な、なにかビビビときた系から始まった好意だと言うことでしょうか。が、2点目。
あと。亜依人は好きな人は一目惚れスタートしかないんですね。最初はどうとも思ってなくて、交流があるうちに好意を抱いていくとかの流れなら、声はずっと出たままだったりするのかな。人魚姫の記憶があるからといって、その前世と同じ人生のストーリーに当てはめなくても良くない?と思ってしまったので、途中からちょっと違和感でした。
呪いの部分も、ミズキが言う通りのことを私も思ってました。それって本当に呪いかなって。
オチ的に想像の域を出なかったので、呪いの謎回収は納得の展開ではありましたが、人魚姫をモチーフにしたストーリーの組み立てはとても面白いなと思いました。
転生ものなので設定はファンタジーだけど、内容はほぼ現代ものストーリー。親密に関係を育んでいく2人の恋模様はじっくり系で読み応えがありました。
本家の人魚姫の終わりと違ってこちらはハッピーエンドです。
自分たちで掴み取った幸せって感じで、非常に清々しい読後感です^ ^
ちょっとだけ物足りなかったのは、あまりイチャイチャがなかったことかな。
無くても面白いけど、あったらもっと良かったと個人的には思ってます。
描き下ろしでは2人が運命の相手だ分かるビックリ事実もあって、個人的にはそのシーンに一番興奮しました(笑)
大学生の亜依人には前世人魚姫だった記憶があり、好きな人の前では立てなくなり声が出せないという呪いにかかっている。だからずっと恋をするのを避けてきたのに、ある日出会った同じ大学の別クラスに通う徹に一目惚れしてしまい…。
前世の記憶と呪いを現代の大学生が持っているというのが切ない。愛する人の近くに行くために声を捨て歩く度に激痛のする脚を手に入れた人魚姫のお話は、私の大好きな童話で泡と消えてしまう悲しさに子供心に涙した。王子はなぜ気づかないのだろうと。それは献身であり無償の愛だけれど、報われない。でも亜依人には諦めない強さがあって、読みながら思わず応援してしまった。
呪いを克服し違う未来を手にする2人。どこまでも青い海の美しさと煌めきが眩しいハピエンに、清々しい気持ちになった。
前世×ファンタジー。
大学生の亜依人には前世の記憶があります。
同級生の男の子に初めて恋をした日、
彼の脳裏に蘇ったのは“人魚姫”だった前世の記憶でした。
同時に好きな人を前にすると声が出なくなり、足に激痛を感じるように。
それは前世で恋を成就できなかった人魚姫の“呪い”で、
以来「非恋愛主義」を掲げることに。
けれど、そんなある日、大学で出会った徹に一目惚れしてしまいます。
これは恋ではないと必死に言い聞かせながらも徹を前にすると、
声は出せず、足は痛み、徹への気持ちが恋であると自覚してゆくように。
徹も亜依人と逢瀬を重ねてゆくうちに惹かれてゆき、
二人は想いを通わせるようになりますが…。
その人目を引く容姿や音楽的才能からモテて
女子からも頻繁にアプローチをかけられる徹ですが、
亜依人一筋で“呪い”で苦しむ彼をいつも気遣ってくれる
誠実さにぐっときました。
そんな徹なので両想いまでのハードルはそこまで高くはないのですが、
亜依人の抱える事情が重すぎて両想いからの一歩がなかなか踏み出せず、
じれったい&切なかったです。
二人の運命的な再会などロマンチックな設定や
前世が人魚姫の設定や亀の恩返しなど、
ところどころでファンタジー的要素もあって
どっぷりと世界観に浸れる物語でした。
二人の恋の進展的には作中ではキスすら描かれず、
プラトニックな関係のままに結末を迎えていますが、
どこか童話的雰囲気を漂わせる本作だからこそ、
むしろアダルトな要素は不要だなと思わせてくれます。
むかしむかしあるところに…から始まりそうな、誰もが知っている人魚姫というお伽話を、舞台を現代にした転生ものにこう上手く織り交ぜて持ってくるのかと心惹かれるばかりでした。
このなんともいえない味のある世界観はきっとお好きな方も少なくないのではないかなと思います。
自然なタッチでさらりと描かれているのだけれど、構図やコマ割りも凝っていて1ページ目から魅せられました。
うつくしい声と引き換えに、恋をした相手にもう一度会うために人間の足を手に入れた一途な人魚。
人魚姫といえば、原作を読んだことがある者にとっては、ハッピーエンドとは真逆の「悲恋・やるせなさ」なんてワードが頭に浮かんでしまいそうなところですが…
モチーフとなっているテーマを要所要所でしっかりとおさえながら、けして悲壮感でいっぱいにはならない塩梅で雰囲気よく読ませてくれる素敵な作品でした。
声を失い泡となった人魚姫の生まれ変わりが、現代では声をきっかけに人生のトリガーとなる人物に出逢うストーリー展開もおもしろかったですし、主人公・亜依人の葛藤と呪いへ向き合おうと一歩踏み出す心の強さの描き方が非常に良かったです。
お伽話のようでもあり、成長物語でもあり、初恋物語でもあり、救済物語でもあるのかな。
結びまでの流れが本当に綺麗で、第一話からのこの閉じ方はおしゃれだなあ。
静かに余韻が続く良いENDでした。
そして、徹との恋愛描写も穏やかかつ瑞々しさを感じるもので素敵なんですよね。
嫌味のない誠実さと柔らかさがある自然体な王子さまで、こちらも絶妙なキャラクターだったなと。
それから、なによりも欠かせないのは亜依人の友人・瑞貴の存在。
面倒見がよく愛情深い彼がいたからこそ、シリアスに寄りすぎない良い雰囲気になっていたのではないでしょうか。
キャラクターが良すぎたので、もうちょっと亜依人と瑞貴のシーンも読んでみたかったかも。
年の瀬に思いがけず素敵な作品に出会えてうれしいです。
お伽話モチーフがお好きな方や、綺麗なお話をお求めの方はぜひ。
亜依人は、服飾系コースの大学生だ。
けれど、実は人魚姫の生まれ変わりであり、前世の記憶がある。
そして幼き頃から、恋をした際に好きな相手を前にすると声が出なくなり、立てなくなるという呪いにかかっていた。
それ以来、恋愛はしない主義だったが、ある日、運命の出会いが訪れる。
同じ大学で、1つ上の学年へ編入してきた橘と出逢ってしまったのだ。
一目惚れだった。
けれど、彼の前では声は出ないなど呪いが発動してしまい、、、
という切ない展開です。
橘から告白されたとき、それでも呪いが解けない理由に、前世と同じくまた王子は自分とは違う相手と結ばれるんだ、、、
と、童話を知っているからこその切なさと、どうして呪いが解けないのかその理由が分からず、ヤキモキした展開がかなり切なかったです。
結果、呪いが解けない理由が最後の最後で判明するのですが、なんとそういうことか! と。
サクセスストーリーでもあったわけですね。(超絶ネタバレ)
そしてこれは早々に読み手側としては分かってしまうのですが、亜依人の呪いが発動した最初の相手が誰なのか。
呪いや転生のほかに、「運命」なんてワードもぴったりな作品だったなあと思いました。
そして、コマ割りというか画の魅せ方がキレイでした。(海のなかとか、呪いを打ち破ったあとの朝日のシーンとか、、、)
ブルーを基調としたお表紙もお話にぴったりで、シリアス感があって、圧倒的売り場で目を惹きました!!