ボタンを押すと即立ち読みできます!
ずっと昔……貴明に好きだと告白されたことがある。
スピンオフ作品ということですが元の『小さな恋のメロディ』未読ですが、充分、楽しめました。
ご近所さんで息子同士も仲良し(元作品のメインカップルらしい)のやもめ同士の2人。
学生時代は女性1人を含む仲良し3人組で、その中でそれぞれ別の相手に片想いをしていた関係。
切ない・・・
過去も年齢も背負って来たものも、いろんなものが重しとなっていて、若いころのように、恋愛に対して前向きにも積極的にもなれないおじさん2人が、それでもやっぱり恋愛関係になっていく様子が、切なくて、しんどくて、そして素敵でした。
欲しいものはたったひとつ。
でもそれが手に入らないなら…。
長い時間ずっと、強く想っていれば相手も想い返してくれるという等価交換とはいかないのが、恋愛のつらいところですね。
返してもらえないなら次、と割り切れないのも恋愛のつらさなわけで。
『小さな恋のメロディ』の栄司と巽の父親同士の話です。
幼馴染みの栄司と巽。
その親である喜一郎(書道教室運営)と貴明(自動車販売営業)もまた、幼馴染み同士。
2人には、もうひとり「雪子」という幼馴染みがいて…。
いつも3人。だけど三角形が欠けて見えるように、3人はアンバランス。
気持ちのベクトルがすべて一方通行な状態で、ギリギリのところで均衡を保っていたのに、ある日、それが崩れる出来事が起こります。
すれ違って、バラバラになって、また出会って、長い時間を経て、得たものもあれば失ったものもあって、それでも捨てきれない想いもあって。
高2の息子がいる年齢ながら(貴明は学生結婚と言っているので、おそらく喜一郎が39か40、貴明が38か39くらい?)、自分の気持ちとうまく折り合いをつけられない大人2人が、ページをめくるごとに愛おしくなってきます。
『小さな恋のメロディ』を既読の方が多いと思うので、「雪子」という名前にすぐピンと来るはず。
一方通行だった気持ちのベクトルが、1人欠けたことで双方向に変わるというのはよくあることなのかな。気心が知れている分、もう一度近付くのは早いと思うし、自分の気持ちを受け入れてくれることなく遠くに行ってしまったひとを、いつまでも想い続けるのは苦しいですもんね。
だけどそれも「男女」だからこそ、すんなり行くことで。
「男同士」というのは難しい。
高校時代に拒絶されても貴明が喜一郎を思い切ることができなかったのは、離れたせいだと思うんです。
置いていった方はずっと好きだったひとをそのままに記憶に留めておけるけれど、置いていかれた方は忘れるしかないし、その人のいない新しい日常へ歩み出して行かなければ生活が成り立たない。
そういう事情もあって、喜一郎の逡巡や逃げが「仕方ないこと」に思えたのが、萌えたポイントだと思います。
もうひとつ、萌えの分岐点となるのが、貴明をどう見るかでしょうか。
自分は地元を離れて結婚して、帰ってきたら好きだったひとが独り身になっていた。
ここで気持ちを伝えるのを「ずっと思い続けてたんだ…」と捉えるか、「調子いいな、おい!」と捉えるかで、評価が真逆になると思いました。
好きな人がいるのに結婚するという設定が、いかなる事情があっても無理!という方には無理にはおすすめしませんが、もしあなたがストーリー重視派なら無理を押して読んでほしい。
モノローグもところどころで刺さってきて、最後の会話がもう!すごく良いんですよ。
同時収録もあるのに、熱く語りすぎました。
同時収録は栄司の仲良し・ヒゲの脇野と、「縁ちゃん」先生です。
前後編でしっかり読めるけれど、『小さな恋のメロディ』を読んでからの方が脇野という人間をより理解した上で読めるので、おすすめです。
かなり大人っぽいDKと、小動物系教師が好きな方は絶対に、好き!
スピンオフの作品だと知らずに読みました。ですので、それほど抵抗もないし、楽しめたと思います。
高校生の息子がいる二人なので少なくとも35くらいはいってるのでしょう。おっさん二人は、普段の私なら趣味じゃないのですが、髭もないし、小綺麗で色気のある和服姿は、素敵な大人の男でした。そして、大人の男だからこそのこれまでの歴史みたいなものがリアルで良かったと思います。
ただ、私的には攻守がイメージしていたのと逆でした。ずっと一途に想い続けていた貴明に乗っかって欲しかったですね。
この二人が好きなんです!
小さな恋のメロディのおとーさんカポー!
子持ちの二人が子持ちになるまでにも色々とお互いの感情の交差はあります。家庭を持ってからだって、家族愛とかもちろんありつつも、BL的にはちゃんとそこに収まるためにいろいろもだもだやってくれてよかったなあって、現実離れ視点で思いました。
萌えますねえ。色気がありました。