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逃げても逃げても追ってくる恋
詳細検索で「年下」「ワンコ」でヒットしたのがこちら。
確かにワンコでした。
が、なんだかなぁ……好みじゃなかったです。
敗因ははっきりしています。
攻めが「大きな子供」そのものなんですね。
言動が小学生低学年男子そのものなんです。
で、そういう攻めを微笑ましいとは思えず、駄々をこねる子供に手を焼く母親の気分そのものになってしまう……。
例えば、受けがまだ仕事中なのに、「やぁ〜だぁ〜。弁当もほら、持ってきた。せっかく作ったのにぃ〜」と駄々をこねて仕事を終わらせろ!と催促する。
空港でのお別れシーンも、おかーさんと離されて絶叫する三歳児か?!としか思えず。
実は、攻めは宇宙工学を勉強しててNASAからもお誘いがきてる天才肌なんですね。
バカと天才は紙一重系で、裏表もないまっすぐなまま育った人という設定なんだけど、24歳にもなって勘弁してよ……としか思えませんでした。
はぁぁぁ……。
無邪気なアホわんことか大好きだけど、いい歳して子供のまんまなのは嫌だわ……。
電子書籍で読了。挿絵有り(私が電子で読み始めた頃にはイラストなしが結構多かったので記載していましたが、最近はイラストなしの方が珍しいですね)。
野原さんの処女作なのですね。
『攻めが子どものままの様な天才、受けが病持ち』なんていうシチュエーションなので、読み始めは「ひょっとして、ちょっと苦手かも」と思っちゃったりしたのですが、そんなことなかった。
何といっても、文章が瑞々しい!
お話の中には生死に関わる部分も出てくるのですが、銀次くんの威勢の良さと、若さを感じる文章によって『お涙ちょうだい』的な所が全く無い、爽やかな一冊だと思いました。
読後感、良いですよ。
年上×年上、お互い働いている大人同士。なのに攻めがアホの子。本当に元気いっぱいな、受け大好きなワンコ状態の人でした。
「やっぱ攻めはスパダリじゃなきゃ!」って方には向かない作品かもしれませんが、アホの子苦手な私も、読んでいるうちに段々と可愛く思えてきてしまう魅力がありました。
受けと攻めの初エッチも、「あの攻めが、意外とちゃんと攻めてる……!」ということに萌えてしまったり。
二人が両思いになってからは、昼夜で主従が逆転する(昼間はワンコ×飼い主、夜は攻め×受けになる)ギャップ萌えにやられました。
ストーリー面では、虚弱体質なのに意地っ張りな受けが、攻めに振り回されているうちに救われていく流れがとても丁寧に描かれていてよかった。
重い展開もありますが、それでも何度でも読みたくなる素敵なお話でした。
もうかなり前になりますが、答姐でお勧め頂き購入済みでした。
しかしながらその頃たくさんお勧め品を買っていたせいか、収納してしまい未読のままでした。
整理しておりましたらやっと見つかり、読了!
この作品、受けの一人称なの?と最初思ったくらい受け視点バリバリです。モノローグの境はありません。
が、不思議に地の文の読みづらさはありませんでした。
書き方うんぬんよりもそれよりもまず面白いと思えるかは、なんといっても攻めを許容できるかで決まりますね(苦笑
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受けの銀次(男前な名前でも受け)はゲイで、普段は叔父の医院で医療事務をこなす28歳(見えないけど)。
重度の喘息持ちですが、家が裕福なため自由のきく仕事で暮らしていけています。
攻めは工務店で働く千明、24歳。
悪気はないけれど傍若無人でガタイも良く落ち着きもない、子供がそのまま大人になったようなタイプですが、実はNASA行きも決まっていたような頭脳の持ち主(紙一重というやつ)。
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容姿とは真逆に、実は男らしくズバッとした内面で口も悪い銀次。
千明とは初対面こそ印象は悪かったものの、こちらもまた飾らない性格に気が合い今では気の置けない仲となっています。
ただ、そうなると読んでいてちょっと困るのは、銀次も千明も遠慮ない物言いが多いので誰の台詞か分かりづらく、行きつ戻りつしなければならないこと。
ただ銀次が外見同様に大人しいだけだったら、たくさんあるそういうキャラ設定の作品に埋もれてしまいますしね。
この作品、周囲の人間に悪意のあるような人は出て来ず、二人のことを心から心配しているような人ばかりです。
そういう意味では嫌な気持ちになりません。
ただ先にも書きましたが、攻めキャラがね。
我慢しない自由人というのとはまた別な、本当に子供なんですね。
感情はだだ漏れですし、すぐカッとなるし。
ただ好感が持てるのは、素直に謝ることが出来る辺りでした。
反省したワンコでしたね(苦笑
でも個人的には、銀次の従兄弟で昔関係を持っていた恭司の方が好みでした(笑
やはりわたしは、どこか大人なズルいところもありつつも受けを愛してる人が好きだ。
銀次の喘息は命の危険もあったような重度なもので、子供の頃に共に過ごした病室の中で生き残っているのは銀次ともう一人だけ。
その友人は腎疾患のため、カップラーメンの汁を最後まで飲むのが夢だという。
なんだろう、こういう普通に生きていて当たり前のことが出来ないというのは本当に切ない。
銀次も喘息のために普通の社会人としての生活は出来ず、感情の大きな変化、寒暖、湿気、煙、動物、運動、とただ生きるということにこんなにも規制が必要で。
寝ているうちに急変したら、通勤途中に発作が出たら…気にし出したら止まらないことを毎日毎日背負っている。死んだ友人たちの命の分も背負っている。
主要キャラの性格や物言いが雑な分、中身の重さにズーンときて鼻水でした。
内容は命に関わることなのでけっこう重い部分がありますし、ちょっと雨森さんのイラストでは合わないかなあというのが正直な感想です。
表紙よりもさらに挿絵の方がかなり千明は子供子供していて、ちょっと『24歳ガタイの良い男』という設定には無理が感じられました。
ふんわりした絵を描かれる方の方がこの作品のクッションになってそこはすごくチョイス最高!とは思うのですが、もう少し男の体という意識が欲しかったです。
その辺りがどうにも気になり萌×1にしましたが、中身のほろ苦さは萌×2です。