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雑食読みの徹底主義なので地雷のビッチやSM風、どぎついものまでどんなものでも読みます。
基本的にえろすはなくていい派、人物と心理描写で読ませてくれる作品が好きなので、きつめのタイトルの作品には身構えてしまいます。
この作品もアイキャッチを狙ったきつめのタイトルに身構えたものの、マゾ?愛玩?出てきたかな?
作者さんのように既に作家読みするファンが多くついている方ならタイトルで倦厭されることもないでしょうが、タイトルで「好みじゃなさそう」と読まない方もいらっしゃるだろうし、逆にタイトルで期待して読む方には物足りなく感じてしまうのかもしれないし、いずれにしてももったいないと思いました。
7つの話が収録されています。
【この頃はやりの男の娘】萌
女子高生好きながら、自分に想いを寄せる男子高生の突拍子もない行動に翻弄される高校教師。
男の娘という括りではなくて、「好きな人の色に染まる」という話。
【鰥男と通い妻男】萌2 〈イチオシ〉
男を抱きつつ女性と結婚したものの男との浮気がバレて離婚した鰥男と、甲斐甲斐しくそんな男の世話をしてくれる幼馴染。「なぜオレは男を抱くんだろう?」という疑問の答えがじわりじわりと出される表現がたまらなかったです。
【僕の趣味はひとり上手です】萌?
誰かと一緒にいることの温かさを知る一人暮らしの貧乏人。
タイトルから連想されるようなものではなくて、よくあるハートウォーミングストーリー。
【結婚でもします?】萌2 〈おすすめ〉
高校から付き合っている同棲カップル。親もいろいろな親がいるし、世間のこともお互いの気持ちがしっかりしていれば!と思える作品でした。寡黙そうなキャラの一言が持つパワーってすごい。
【ネコまた!】萌2 〈おすすめ〉
猫好きにはたまらない作品。
お世話してくれるひとに恋をしてしまった黒猫ののらちゃんの話です。かわいい。
【僕達どうしてこうなった!?】中立
夫と子供、そして妻の愛人の共同生活。妻のキャラがバリキャリ風→超絶ろくでなしにシフトチェンジしたのについていけず。妻の愛人ともなぜ離れなければならなかったのかなあ。世間体?じゃあそれまでは?という辺りが1文で済まされていたので、感動の再会も「それまでの時間の無駄…」と思ってしまったダメ人間です。
【要は幸せってことです】萌
「僕達ー」の息子・学の話です。囲い込み系依存誘導型に成長していました。
ピアスだからでしょうか、エロ突っ走り!みたいなタイトルなんだけど、タイトルと中身が合致しない。
このタイトルだからどんなドエロダークで歪んだシビト節が来るかと思いきや、かなりマイルドで拍子抜け。
エロを期待した人には肩透かしを感じるだろうし、このタイトルで怯んで手を出さない人もいると思う。なんだか勿体ない。
作品の中で一番強烈で笑ったのが【この頃はやりの男の娘】先生の女になりたいとまさかのセーラー服を着て登校してきちゃう男子高校生。それにムラムラして乗っかっちゃう変態教師。
書き下ろしの【山口くんパンツ見えてますよ!】も同様、しょーもない二人に笑えます。
【鰥男と通い妻男】既婚者だったのに男に興味を持った挙句浮気がばれて離婚した深。男に興味を持つ理由が自分でも判らずいるのだが…。そんな深の元へ料理を作りに通ってくる幼馴染がいて…。
【僕の趣味はひとり上手です】年始年末をひとり寂しく過ごす青年とゲイの大家さんとのお話。電気を止められて大家さんの家へ押しかけて二人で暖かく過ごすうちに…。
【結婚でもします?】付き合って10年、同棲することになったカップル。大好きなのに親バレして勘当された過去持ちのせいで、未来を肯定できず迷っている陽。でも相方の家族は大歓迎してくれて覚悟が決まるというとても良いお話でした。
【ネコまた!】ファンタジー 人間になれた猫と青年のお話
【俺達どうしてこうなった!?】ゲイだけど安定が欲しくて女性と結婚し子供も出来た。ところが妻には愛人がいて四人での暮らしが始まったのだがやがて妻は失踪。
夫と妻の愛人と子供という残された三人での奇妙な共同生活のお話。
【要は幸せってことです】小学生の時から大好きで相手のことを絶対ものにしようと誓った末、劣等感をもたせてうまくコントロールするお話。その理由も含めてシビトさんらしい。
酷すぎて笑っちゃいました。
クロミが「好きになっちゃったんだもん」というのに
猫が「ニ゛ャーハッハッハッハッー!!」
って顔も妖怪のような恐ろしさ。
短編集だけど色んな愛の形があって面白かった。
「この頃はやりの男の娘」では先生にちょっと優しくされて先生を好きになってしまった山口が先生の為に女装しちゃう話。
セーラー服姿の山口みて先生も欲情しちゃいます。
この二人は将来が心配だなと読んでて思った。
山口の頬の殴られたあとはいったいなんだったのかなーと気になります。
「山口くんパンツ見えてますよ」
描き下ろしなんですが、やっぱりこの二人の将来が心配です。
恥ずかしげもなくパンツ丸見えのセーラー服着て外に出る山口くんにはある意味尊敬します。
味のある一冊ですね。
リアルさがあって良い!
こういうの好きです。ファンタジーじゃない方のBL。
紹介文の「日常の中に潜む」って表現が言い得て妙だなと。
BLに落とし込んでるけど、扱ってるテーマが普遍的な感じなので「あぁ解るなぁ」って思いながら読めるんですよね。
「結婚でもします?」の陽なんて完全に私だったし。
ただこれをBLが読みたくて読むとどうなんだろう…とは思いました。
タイトルから抱いた内容を期待して読むと「なんだこれ」ってなると思います。
紺色ルナさんの『家庭内性愛』を読んだ時も思いましたが、ピアスのこの、ピアスっぽくない作品にもとりあえずピアスっぽいタイトルを無理やり付ける的な風習?はどうなんだろうか。逆にガッカリ感を招く気がしますが。
良いと思ったので中立にしたくなくてこの評価ですけど、萌とかではないです。
BLの短編集って短いページ数の中で無理やりくっつけてエッチまで持っていくのが多いからどれも似たり寄ったりで飽きて読み捨てになることが殆どなんですけど、これは面白かったです。
「ネコまた!」のオチがちょっとヤラレタwって思った。
猫と人間が交尾なんてしたらどんな恐ろしいことになるか!って先輩猫に脅されながらも結局やっちゃったんだけど………やって良かったじゃん!っていう(笑)
リアルだなー。題材は完全にファンタジーなんですけど。
先輩の教えとかアドバイスというのは有り難いものですが、余計なお世話になることも多いものですよね。やっぱりなんでも恐れずに挑んでみないと!
その他の作品についても、言いたいことはそれぞれこんな感じかな?と思いながら読みました。
↓
「この頃はやりの男の娘」
服装を変えたりすれば、他人に与える印象は案外どうとでも変えられるものだったりしますよ。(人は見た目が9割的な)
「鰥男と通い妻男」
無自覚に選んだと思っている選択肢でも、自分が気付いてないだけできっかけになった何かが大抵ちゃんとあるもんです。
「僕の趣味は一人上手です」
隣の芝生は青く見えるものだし、一人で寂しくないと思ってるのはただ単に一人に慣れてしまっているだけかもしれませんよ。
「結婚でもします?」
世の中には色んなタイプの親がいて、子にとっては自分の親の考え方が「正」となることが多いけど、それ以外が「間違っている」わけじゃないのです。
「俺達どうしてこうなった!?」
理想と現実は違うものだし、理想が手に入って幸せになるとも限らないし、気が乗らない現実が実は案外居心地良いこともある。
「要は幸せってことです」
男はみんなマザコン。
「山口くんパンツ見えてますよ!」
モロ見えよりチラリズムがエロい。
男の娘とマゾってワードにひかれて読みました。
ピアスだし~シビトだし~タイトルにマゾってあるし~v
とウキウキしながら読んだのですが…
結論からいうと、それほど男の娘でもマゾでもなかった…。
シビトさまの作品は独特の空気感が好きなのでよく読むのですが、
今回は、エロに重点をおいて描かれたのか、ストーリーや展開に
作家独特の魅力があまり感じられず…、
加えて、そんなにエロくもなかったので、なんとなく消化不良でした…(´_`。)グスン
ちょっと露悪的な心情を綴ったモノローグとかが好きだったんですが…
この作品のキャラクターはみんなどこか軽率で短絡的な人が多く…うーん…いまいち。。。
もっとドロドロしたキャラかプレイが見たかったです。
タイトルでエロスを掻き立てられた方はちょっと慎重に吟味ください。
《個人的 好感度》
★・・・・ :ストーリー
★・・・・ :エロス
★・・・・ :キャラ
★★・・・ :設定/シチュ
★★・・・ :構成