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没落侯爵・音彦と箱入り御曹司・湊(みなと)の恋も収録。
一冊にふたつのお話が入ってます!別CPのお話なので、短編二作と表題作CPの番外編おひとつ。
短編ですからとってもスピーディ!とんでも展開から始まり、さくさくっとテンポよく読ませてくださいました。さすが典雅先生!典雅節がほどよく効いてて何度も笑わせていただきました!
表題作のふたり、敬語鉄仮面変態執事とおきゃんな画学生もかわいいカップルでしたが、二作目のカップル、一作目の当て馬苦労性侯爵様と体の弱い純朴天然御曹司(ショタ風味)のふたりの方がより好きです!
最後、自分の足で想い人のところまで歩く御曹司くんの頑張りで泣いてしまいました……。侯爵様の手の早さに感動の涙もひっこみましたが。いやいいんですよふたりが幸せならば!
二作どちらも面白く、読了後は明るい気持ちになりました。さすが典雅先生!ビタミンBLありがとうございます!
大好きで定期的に読み返します。
なんかみんな良い人で楽しく平和なお話です。
執事と画学生、ときどき令嬢
身代わり花嫁未遂もの?
この主人公来智の明るさ素直さ純粋で優しいところが大好きです。
大人の都合で大金持ちのご令嬢の身代わりにお見合いをするために、一週間鬼の特訓を受けるのですが…。
名前も面白くて。野百合子さんとか弥生子さんとか。
そして厳しい特訓をする鬼執事の竹之内。冷静で厳しくてでもたまに少し笑うとこっちまで嬉しくて。
そして竹之内も表情豊かで楽しい来智を…。
もうなんていうか、あれよあれよと言いくるめ丸め込まれ従っちゃうのが本当は嫌いなのですが、典雅さんの作品だと面白くて。
竹之内の指導の台詞も面白くいかに来智が素直か粗忽者か説明してて。
無事に想いを通じてからは竹之内がもう雄弁で。
そんなことまで細かく言わなくていいから!
可愛い凸凹カップルですね。
音彦も良い人でした。
面白かったけど、ちょっとパンチが弱いというか、「駆け落ちして消息不明になってしまった華族の令嬢に瓜二つな画学生が、女装をして身代わりをする羽目になる」という設定以上の面白さがなかったように思えます。
渋々、女装させられてる受けの心の声みたいなのは面白かったんだけど。
これ最近電子化されたばかりなので、買った次第なんだけど、2012年の作品なんですね。
ちるちる見るまで気づきませんでした。
後半の「侯爵と御曹司、ときどきモダンガール」は当て馬と虚弱体質ゆえに温室育ちのおぼっちゃまというカプ。
あとがきに軽く「ショタ風味」とあったんだけど、ショタ地雷な私からすると、ショタの良さがまったくわからないこともあり、へ〜……で終わってしまいました。
来智は、貧乏な画学生。
叔父に活動写真に連れて行ってもらおうと、叔父の訪問先を尋ねたところ、男爵令嬢に間違えられてしまう。
誤解はすぐに解けたけれど、いなくなってしまった令嬢の代わりに、一週間後に控えた侯爵とのお見合いに出なければいけなくなってしまう。
そして、来智の立ち居振る舞いを直すために、教育係としてついたのだが、男爵家の執事の竹之内で……とういう話でした。
当初は厳しかったし、当然、見合いも失敗したし。
でも、来智と執事の竹之内はハッピーエンド。
大正時代の男の娘の話。
来智と竹之内はハッピーエンドなところまでで終わっているので、ちょっと物足りない気もしますが、二つ目に入っている元来智のお見合い相手とお金持ちの箱入り息子の話は、びっくりするような事故に巻き込まれたりして、面白いです。
普通のBLを読みたい人にはオススメです。
「カルピスって、本当に初恋の味なんですか?」
こういう、小林典雅先生のご本でしか出会えない台詞が好き…!
この作品もとても面白かったです!
前編は、鬼執事・竹之内と、彼の教育のもと令嬢のふりをすることになった画学生、来智のお話。
後編は、画学生への恋に敗れた夏見侯爵と、箱入り御曹司 湊のお話です。
どちらも大正時代を舞台とした短編ですが、登場人物が魅力的で、ストーリーもしっかりしていて、何とも幸せな読後感…(^^)!
おまけの短編に至るまで、典雅先生のサービス精神が満ち満ちていて、「ええもん見た、ありがたや…!」と手を合わせたくなります(笑)!
前編のレビューを書かれている方が多いので、後編の『侯爵と御曹司、ときどきモダンガール』の感想を書かせて頂きます。
以下、長文となり、すみません(>_<)
退屈しのぎから、箱入り御曹司・湊の絵のモデルになった侯爵、音彦さん。
世間知らずな湊が放つ、ズレた発言(本人は至って真剣)や、素直な表情に、呆れつつも次第に興味をひかれ…
湊が、父の過保護さから籠の鳥となっていると知るや、彼に変装をさせ、二人はお忍びで街へ!
帰宅後、この時の大正浪漫デートを、興奮して語りまくる湊は、本当に幸せそうで可愛いです。
典雅先生の作品は、語り口が面白かったり、ツッコミが冴え渡っていたり、私もそういうところが大好きなのですが、その根底には、子どものように純粋な感情が描かれているとも思います。
それは、「嬉しい!」という喜びや、「相手を喜ばせたい」という想いです。
『侯爵と御曹司、ときどきモダンガール』では、まさにその想いが燦然と輝いています。
湊を喜ばせたいという音彦さんの想いと、それにまっすぐに呼応し、嬉しそうに笑う湊。
二人が惹かれ合っていく過程には、何度読んでも新鮮な喜びがあります。
始めは、音彦さんの方が湊へ献身的に歩み寄っているように見えます。
けれどそれが破綻してしまった時、車椅子生活で、外へ出ることもままならなかった湊が「自分だって侯爵さまを喜ばせたい、気持ちを伝えたい」と、行動を起こして…!
このラストが本当に良くて、
恋ってこういうことですか!と目頭が熱くなります。
なお、こちらの作品では、恋に落ちる瞬間以上に、湊が「恋を自覚する」瞬間も素晴らしいので、その点も是非ともご一読を…!
登場人物の喜びが、こんなにまっすぐ伝わってくる小説に会えて良かった…。
二人のその後を想像する楽しさを、存分に味合わせてくれる作品です。
シリアスなお話や、泣けるお話より、今日は、優しく楽しい、幸せなお話が読みたいな、と思われる方には、とてもおすすめの一冊です!