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表題作ステノグラフィカ

西口諫生
バツイチの政治部記者、44歳
名波碧
国会速記者、26歳

その他の収録作品

  • アフターグラフィカ
  • ナイトグラフィカ(あとがき)

あらすじ

国会でひっそりと働く碧。がさつで忙しない新聞記者・西口とふとしたことから言葉を交わすようになり、少しずつその素顔に触れて…?

(出版社より)

作品情報

作品名
ステノグラフィカ
著者
一穂ミチ 
イラスト
青石ももこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
is in you
発売日
ISBN
9784344825710
4.2

(265)

(151)

萌々

(67)

(28)

中立

(6)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
38
得点
1113
評価数
265
平均
4.2 / 5
神率
57%

レビュー投稿数38

碧と西口、2人とも大好きです

一穂先生買いです。最高でした。
ずっと余韻に浸っていられるくらい、よかったです。
こうして心を揺さぶられる作品に出会えることは、幸せだなと思いながら読みました。

読ませるストーリー展開はもちろん、碧と、西口の2人がとても好きだったというのがこの最高の評価に繋がっています。

最初は西口の、男らしさや、情に深く、照れ、優しさ、子供のようにやんちゃな部分、有能な奥様へ嫉妬したりと甘えや弱さがある部分と冷静な部分を併せ持つ性格がとても自分の好みで、どハマりしたのですが、最後まで読むと、碧くんのこともとても好きになっていました。


誰に対しても、自分のスタンスを崩さず、しっかり自分を待っているところ。食事やお弁当の丁寧さ、敬語を崩さず、松田など人間関係をきちんと構築して可愛がられる人間性、直向きで真面目。かと言って、自分の気持ちに対しても正直で、素直に向き合っているところ。
西口に対してもきちんとダメなことはダメと叱り飛ばすのも好き。
本音を話す時口が悪くなる西口の本音を汲み取る碧、そして芯がぶれない碧が、西口をしっかり支えていく様子が好きです。


2人の人間性は、ストーリーの中の周囲の人との関わりを通して読者に伝わりますが、そうした描写も秀逸で、素晴らしかったです。

「ノーマルヒルのジャンプ台みたいなまつ毛」
これには笑いました。

本当に素敵な作品をありがとうございました。

0

嫁にきてほしい受けNo.1

新聞社シリーズ、この作品から拝読しました。
後にis in youとoff you goも読み→
こちらに戻り
佐伯と静を再度確認しました。

2人の職業を興味深く読ませていただきました。
速記者の碧と新聞記事の西口の接点が
議事堂の食堂、というところが面白い。
一穂先生の作品は食事で人柄をあらわすのが
とても美味しそうでお上手で、お腹鳴ります。
碧の作るごはんはとてもそれを表現していると思いました。
祖父母から譲り受けたであろう食事、お弁当。
折り目正しい真面目な気質。
可愛い、賢い、健気な碧です。
碧が西口にどんどん恋する気持ちが
純真すぎて本当に好きになってしまいました。
碧は西口の誤解を解かぬまま既婚者と偽りますが
この嘘がなければ西口は前半で
即プロポーズしているのではないか⋯?と
思うくらいに碧は西口のドストライク。
いや、それではお話が終わってしまいますw

酒の席で碧に「立派な速記者だ」と手を握り
照れる西口可愛すぎます。
その直後、碧の祖父のピンチに動く
新聞記者らしい俊敏さがかっこいい。
碧は西口の元妻に助けてもらい
西口は碧の知人の松田に助けられる。
直接ではなく、仲介を手繰ることで
色々な事情や人物が明るみになる展開は
さすが一穂先生..と敬服です。

碧は自分のことを黒子、存在が薄いと言いますが
皆、心内を碧につい吐露してしまう魅力がかかれています。
ひかえめで聞き上手な碧ですが最初の出会いから、
西口にはハッキリと物申せるのがとても萌えます。
西口が軽口を叩いたり、大げさな表現をすると
丁寧にしっかり叱るのが本当に好き..。
18歳差しっかり女房爆誕。
そして碧に負けないくらいの純心さをみせる西口。
恋に有頂天になって降りれない西口の気持ち、わかりすぎます。ほんと、大事にしてください。

※「long hello」で一穂先生が西口のことを「仕事はできるがところどころちっせえ男、案外支持されてて驚きました」と書いてあって大爆笑。
碧のことは「しっとり和風美人、家庭的」と。
ホント先生の作るカップルは最高です。

1

人間だもの...

この作品を読み終わったいま、BLの世界に足を踏み出してよかったと心の底から思いました。


碧、西口、すみれ、沙知子、松田...
色んな人がいて、それぞれの人生があって。
他人の人生に踏み込み合い、それを喜ばしく思うこともあれば、そうは思わないこともあって。

自分を構成する要素が自分をどうしようもなく苦しめることもある。
煩わしくて仕方がない、それでも大切な大切なアイデンティティ。
認めてあげられるのは自分だけだけど、それもまた他者との関わりの中で得られるものだったり。


一穂ミチ先生の文章は、本当にこちらの心を掴んで離してくれませんね...
何度も読み返す宝物になりそうです。

0

個性が良い

そんなみんなして男性同士で…とか思わなくもなくもないのだけれど、どちらかと言うとちょっと気になる脇役だった人のこと(この人の恋愛てどんなかな)てのを見せてくれるような感じで面白い

そしてシリーズを読み進めると香港での佐伯のこと、印象が変わってくる
佐伯みたいな博識な、嫌味で悪気があって口の悪い人、どの距離だったら面白く関われるんだろう

西口、仕事をたくさん見せてくれて面白かった
前妻や慕われる部下などもみんな同じ西口を見ているって感じがした
誰も言わない弱みをズケズケ言う佐伯とかひどかったけど、あれを新しい友人と同席させちゃうんだから、器大きいと思うけどな

子供を医者に育てた祖父母から丁寧に家事を仕込まれたってところ変わってるような気がするけれど、子供が勝手に医者になったってことなのかな
碧の作るご飯、本でも出しなさいよってくらい見事なんだよね
俳句も教え込まれていない、進学を強要されもしない、生活を教えて好きにさせたらとても密やかに育ったって不思議
西口が凄く好きになっちゃってるのが可愛くて
明日からまた愛妻弁当なんて、そんなに意識してってなったわ

二人共が意識してて関わったらドンドン好きになって、結果くっついて
良いお話だった

0

惜し〜〜い!

高評価と低評価がばっさり分かれていて、読んだ後にその理由に納得。

確かに、西口さんの態度は大人なのに子供っぽい。
そして私なんかは、前作の佐伯密に完璧ノックアウトされてるので、こういう日向の人の思考回路というか、男性側の気質?的なものが残る物の考え方がちょっと、余計に子供っぽく感じてしまったのかもしれません。
会社の雰囲気の中の話ではわかるんですよ。わかるんですけど、私には無理だな、って思っちゃって。
化粧のこととか、すみれちゃんからの好意についてのこととか。
う〜〜ん。
好意についてのことも、わざわざ口に出して言わなくてもいいじゃな〜い、と思ってしまいました。

あと、碧ちゃん。
碧ちゃん、嫌いじゃないんだけど別に好きでもない。可もなく不可もなく。う〜〜〜ん惜しい……

全体的には、よく纏まっていて思いもよらないこともあって、ドラマが詰まっていて、くっついた後の2人は可愛くて大変良いのですが、期待値が上がってしまったためか、そこまで入り込めず、惜しかったなぁ。

一穂先生の作品は大当たり!か、うん?掠らないぞ?の二極端なんですけれど、私の中で何となく考察した結果、
・子供っぽくて、受けちゃん含む周囲を幼さやおおらかさ?(この場合おおらかと言うより無神経に思えてしまう)で傷つけてしまう攻めが苦手
というのがなんとなく判明しました。

藍より甘くの入江くんも、就職先予定の上司のセクハラに動揺して、受けちゃんのことを散々けちょんけちょんに貶しましたけど、それがどうしても受け入れられなかった。
今回の西口さんは、碧ちゃんに特別酷いことは言ってないけど、言動が今どき珍しいくらい男尊女卑。(言い過ぎかなぁ〜でもそう感じちゃったんだよね)

反面、私の中で、佐伯を受け入れられる理由は、わかっててやってるとこかもしれないですね。

西口さんは無意識に周りを傷つけて知らないうちに受けに甘えられる日向タイプ。
佐伯さんは全方位ツンなので返り討ちも辞さない(タダでやられるハズないんですけどね…)日陰タイプ。
う〜ん、結局佐伯密が好きだ、ってことしか言ってない気も…
と言って現実に佐伯さんと対面しても絶対お近付きにはなりたくないですが笑

また、一穂先生の作中の女性が、どうしても受け入れられない時と受け入れられる時に二分されることも、話を受け入れられるか受け入れられないか、につながっているのかも知れません。
すみれちゃんは嫌いじゃないけど、今は別にすみれちゃんの話はそんなに読みたくないなぁ〜BL読んでるし、みたいな気持ちになっちゃったんですね…ごめんねすみれちゃん。

そんなこんなで評価を下げてすみません。
けれどシリーズとしては読んでいて、あ、いま、ここら辺か、みたいなワクワクとかもあるので読んで損はなかったです。
みんな一人一人に、ドラマがあるんですねぇ。

1

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