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表題作テミスの天秤 とある弁護士の憂い

藤巻正義
38歳,だらしないけど有能な弁護士
白石公平
28歳,大手からやってきたノキ弁

その他の収録作品

  • 約束の半年
  • あとがき

あらすじ

上司の三上との許されぬ恋に悩み、事務所を辞めた新米弁護士の白石。ある日、三上が嫌っていた藤巻という弁護士の裁判を偶然傍聴する。――その誠実な姿勢と鮮やかな手腕。彼の弁護方針に感動し、頼み込んで一緒に働かせて貰うことになったが、法廷内とは一転、普段の藤巻はずぼらな男だった。呆れつつも彼の大らかさや意外な優しさを心地良く感じ始めた矢先、ある事件で藤巻と三上が争うことに? 二人の確執の理由も明らかになり、戸惑う白石に三上が揺さぶりをかけて…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
テミスの天秤 とある弁護士の憂い
著者
井上ハルヲ(オハル) 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835814
3.3

(50)

(7)

萌々

(16)

(21)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
13
得点
163
評価数
50
平均
3.3 / 5
神率
14%

レビュー投稿数13

萌え属性盛り盛りな弁護士

メイン二人のキャラクターがとても魅力的な作品。特に藤巻はドラマの主人公感がすごい!法廷バトルはなくてもお仕事描写はしっかりあって、弁護士という職業がただの肩書きや設定だけになっていないのが嬉しかった。

白石は不倫男を捨て、藤巻の事務所に飛び込んできた新人弁護士。仕事では小姑くさいと言われる細かさなのに、恋愛では相手の家庭を気にしないように不倫を続けてきたらしい。まあ当然そんなのは無理でボロボロになってる。
仕事にはまだ正義感を失っていなくて、新人らしい青さを持ってる感じ。

藤巻はだらしない見た目といい加減に見える仕事ぶりで、最初は白石をカリカリさせてばかり。それが実は奉仕活動のように無料相談をしていたり、小汚い格好にも意味があったり、裁判になると別人になって圧勝したりと、ギャップがすごい。
子供っぽかったりヘタレオヤジだったりもして、白石を軽く口説いたりこっそり手を出していたりする。もう萌え属性が盛り盛りで、藤巻の魅力にやられてしまった。

BL的には三角関係モノになるのかな。白石の元不倫相手の三上は魅力が分からな過ぎて、絡んできても白石に復縁を迫ってきても冷めるばかりだった。
弁護士として対決する展開になっても、あっさり終わってしまったのは残念。三上はもう少しバトルを盛り上げるか、揺れ動く白石の気持ちに共感できる当て馬としてBLを盛り上げるか、何かして欲しかった。最後まで小物ムーブなのはちょっと……。
ここが違えば神作品だったかも。

説明なく専門用語がバンバン出てくるところは一般小説のようで、とても読みやすい(個人的にラノベの説明過多で読者に親切すぎる書き方が苦手なので)。

気になったのはダッシュ(―)の単体使いを多用していること。音引き(ー)と区別しにくく、ダッシュは二連使い(――)にしてもらえると読みやすくなるのにと思った。作者のこだわりなのかな?

0

面白いです。

弁護士同士のお話です。
攻めはだらしないけど仕事はできて、そして男前で優しい。最高ですね。
受けは若くてエネルギッシュ。失恋しても、くよくよしてなくて、でも、嫉妬しているところも、可愛かったです。
さらっと読めますし、面白かったです。
ぜひ、続編も読みたいです。

0

弁護士お仕事も

井上ハルヲさんの作品が面白かったのでこちらも手に取りました。これはオハル名義の時代のものです。

ずっと続いていた三上との不倫関係を清算したくて、別れを切り出した受け(白石)と、軒下を貸しているうだつの上がらなさそうな弁護士の攻め(藤巻)。
しかし、ノキ弁として事務所で藤巻と過ごすうちに実は意外と弁護士としての資質?方向性が見た目とは違うことに気づく。
別れたはずの三上とは裁判所で出会ってしまい、戻ってこいと誘われる始末。そして三上と藤巻は同期であり因縁もある関係で…
依頼人や訴訟の話がそれなりに入っているので仕事BLとしても楽しめました。

何より、イラストが好みで、二人の絡みイラストが素敵でした。みずかねりょうさんの他の本も読もうと思いました!

0

おもしろかったです!

自分も法律の世界にいるので法曹ものは興味深く読ませてもらいました!

あさっりと読みやすく、けれど薄っぺらな内容ではなく、最初はグダグダと不幸体質なのかな?と思ったら、後半は勝気な受けが憎たらしいくらい小気味よく描かれていたのが良かったです。攻めは少々くたびれていますが、儲け度外視に自分の生き方を貫いた人生観に受けらなずとも惹かれていくのに至極当然納得いく流れでした。

続編が読みたいですね!4年も前なので難しいでしょうか?
今度はもっと三上をヤキモキ、ギャフンと言わせてほしい。

2

人物描写の分かり易い弁護士もの

新米の白石と、新宿の片隅で地道に仕事している欲のない藤牧、藤牧の天敵のような存在で白石とは不倫関係にあった先輩・三上が繰り広げる弁護士同士の三角関係もの。

彼らの商業柄、当然弁護士としての仕事ぶりにも触れているが堅苦しさはなく、仕事描写と恋愛面・攻め受けの両想いまでの過程がバランスよく書かれているので読み易かった。
人の良い藤牧は弱い立場の人達を助けたい人情派弁護士として、いいとこ取りで利益優先で動く三上は己の不倫を自己正当化している利己主義弁護士として、二人の人物差もくっきりとしている。

受けの白石は一応弁護士として自立しているものの、まだ若いせいかどこか青さの残る印象だった。
話の途中までは藤牧の仕事ぶりに惹かれて勢いで彼の事務所に飛び込んだ一方で、不倫関係を清算したはずの三上に対して感情がざわめく描写もあったのでもう少し正反対な二人の男に挟まれて気持ちが揺れ動くのかと思った。
しかし、藤牧が依頼を受けた訴訟を通して二人に対する気持ちをはっきりと自覚してからの吹っ切れ具合がさっぱりしていたので好感が持てた。

仕事面でも白石って元々意思表示がしっかりしていた男だったんだなと感心するエピソードにも取れて、まだ新米ながらも自身が理想とする弁護士として成長出来そうだ。

一般的な第一印象だと職業=弁護士といえば高スペックでいかにもモテそうなのに藤牧にはそんな様子がなく、庶民的で親しみやすいところが白石を相手にした一面でも現れている。
いざとなると案外と白石のほうが大胆なようで、藤牧が攻めとして主導権を握りきれないところが何だか微笑ましい。

3

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