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表題作追憶忌憚

正治
病死した姉の夫

あらすじ

新世代の耽美作家、辰巳ドロ子が電子コミックに参戦。
妻を亡くし廃人のようになってしまった義兄。
悲しみにくれる姿に心を痛めた優しい妻の弟、稔は義兄を励まし、元気づけようと努力する。
しかしその下向きな姿が傷ついた義兄の開けてはならない心の扉を開けてしまう。
「やめて、義兄さん! 僕は姉さんじゃない。」

衝撃の話題作!!

作品情報

作品名
追憶忌憚
著者
辰巳ドロ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ステップラボ
3

(3)

(0)

萌々

(2)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
8
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

追憶と代償

『追憶忌憚』―このネーミングセンスが好きすぎる!
只今ダダハマリ中の作家・辰巳ドロ子さん。

フルカラー作品も美しいが(『誑惑遊び』『癖になる液』等)
本作品や『醒めない夢』『恋文』等、モノクロでも素敵。
昔の邦画のような、ときに水墨画で描いた幽霊画のような?
独特のノスタルジー溢れる作風が堪りません。


本作品は、妻を病気で失った男が
義弟に妻の面影をみて、執着していくという話。

妻に先立たれ、抜け殻のようになっていた男は
自分を心配し、足繁く家に通ってくれる義弟のおかげで
立ち直りそうに思われた。
だが、それは妻の代わりを義弟に求めているにすぎず…。

義弟は、押し倒され、「志津子」と呼んでくる
義兄の接吻を受け入れる。
自分なしでは義兄が生きていけないと悟り、
妻の代わりになることを覚悟するかのような
切なげな瞳がとても印象的。

これから一緒に時を重ねることで、
いつか男は妻ではなく義弟を見てくれる日がくるのか。
義弟の健気さは何らかの形で報われるのか。
彼らの今後に思いを馳せずにはいられない、
切なく儚い余韻の残る作品です。


これで現在出ている辰巳ドロ子さん作品のレビューが
全て終わってしまいました(寂しい…)。
なるべく早く新作が読みたいものです。

今のところ短編が多いが、長編だとどんな感じになるのか。
新人作家なのか、はたまた別名義で何か執筆されているのか。
謎も多く、興味の尽きない作家さんです。

3

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