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ちるちるユーザーさんからよくプッシュされている「神様も知らない」シリーズを手に取りました。予想以上の名作でした。不朽のBL小説100選に入らなかったのが残念です。BL小説界ではこういう作品が知る人ぞ知る…で普通に埋もれてしまっているのですね…。勿体なさすぎる。
ドラマになりそうな伏線が張りめぐらされた実に魅力的なストーリーでした。
引き込まれまくりで、ページをめくる手を止められませんでした。DEAD LOCKでお馴染みの高階先生のイラストも素敵で想像力をかき立てられます。
二巻では、一巻で暗示されていた司と佐季が陽の当たる場所で会えない理由が明かされました。これは切ない…。○○も無い(?)今は、一生涯なんでしょうか。
また二巻は痛烈な展開が待っていました。流刑事の刑事としてのプライドをかけた執念を始めとして、色々な人の事情やしがらみが過去と現在と交差して、物語はクライマックスを迎えます。あまりにストーリー構成や描写が巧みなので、完全にBL小説だという事を忘れてしまい、ミステリー小説として没頭していました。どの人物の視点から見ても共感したり、同情してしまって誰も嫌いになれないです。
全てを知った時、慧介はどういう選択をするのか。今から涙腺緩みまくりです。佐季も嫌いなキャラでないし、司の事を今どう思っているのか、本心が知りたい。永い時を経て人は本質的に変わってしまうのか、心変わりしてしまうのか。。
最終巻を読むのが怖いけれど、続きが気になって仕方ありません。どういう着地点が待っているのか、、今から受け止める覚悟が必要です…。
司と佐季の過去のエピソードがメインです。
酷い大人たちに追い詰められていく二人の姿が辛いけど、どんどん精神を病んでいく佐季が怖かったです。
ちょっと白夜行を思わせる感じです。
子どもvs大人(警察)がいい感じにソワソワさせてくれて、流も何かひっかかるんだけど事件は(佐季の思惑通りに)解決にすすんで、思いも寄らないピンチが司を遅い、っなぐあいにどんどんストーリーがすすむのですごくおもしろかった!
時々花言葉や童話や聖書も組み込まれていてそれがポイントにもなり、よくできたストーリーに感動します。
BL抜きに楽しめるミステリー作品です。
このエピソードが一巻目にあってもいいと思いました。改めて「神様も知らない」を読み返したくなります!
3巻も早く読みたい!!!
正直、萌えは少ない内容だけどゾクゾクさせてくれるので「神」クラスです!
あ、流刑事は現代とだいぶ違ってて爽やか熱血マンで口絵もかっこよかった☆
シリーズ二冊目、「楽園の蛇」。この巻はほぼ過去編です、明るい庭先で出会った二人の少年、幸せな子供だった司と膝から血を流していた佐季。
二度と会うこともなかったかもしれない二人は、教会で再び出会います。酷い生活を強いられていた佐季よりはるかにマシではあっても司も追いつめられていて、不幸な少年二人は罪を共有するのです。
財産目当てで司の家に乗り込んで来た、中根寧子の死。司の手がぶつかって階段から転落した事故死なのですが、一つの死の真実を曲げようとしたがために、佐季は父親を手にかけ、二人は二度と表立っては会えないようになります。
いつ果てるとも知れない罪の共有に、秘密が眠る夜の庭。
少年時代の二人に会っていたのは、まだハツラツとしていた流だった。
その頃の流は今の慧介のように、刑事としても人間としてもまだ未熟であり、闇に沈みゆく佐季を光の差す場所に引き戻すけことはできず、ずっと心に留まっていたわけです。
現在に話が戻ると、佐季は更なる野望のためにリサという女と結婚目前です。本当に愛してるのは司なのに。
この巻を読んで、切なくなりました。
司とサキが出会った経緯。過去篇。
サキが偶然迷い込んだお屋敷の子、司。
初めてあった時から、佐希は司を手に入れたかった。
佐希にとって都合よい事ばかりが司の周りに起きてくる。
「子供を闇から引き戻すために、捕まえなければならない」と信念に燃える流一。
佐希が、弱みを握る女性と結婚。
一人ぼっちになる司の心は揺れる。
動揺する司を逃すまいと、必死の佐希。
でも司にとって、夜しか会えない佐希は言葉だけ。
佐希はどんどん闇の深くに行ってしまう。
佐希と関係が過去にあったらしい慧介と出会って、益々揺れる司。
このあたりの心情描写が、凄く良い。
小難しいことは言えません。面白かったです。
面白いという言葉が作品の雰囲気と合うのかは疑問ですが、他に言葉が見つからないほど没頭して読みました。
読み手を惹きつけてやまない文章力に脱帽です。
序章にあたる1巻では、1人の女性が亡くなった事件をきっかけに、作品全体に広がる謎を繋ぐ点があちこちにそっと置かれていたような印象がありました。
第2巻目にあたる今作では、謎めいていた点と点が少しずつ繋がりそうでまだ繋がらない絶妙な引きと共に、1巻で登場した人物たちの過去が掘り下げられています。
現在と過去を行き来しながら、1人2人3人…と、複数人の視点で語られる過去と事実。そして謎。
視点が変化することによって読み辛さを感じそうなところですが、全くそんなことはない。むしろ一気にのめり込んでしまう。
掘り下げ方も話運びも本当に上手い。どの人物も魅力的でした。
複雑に絡み合う謎、執着、司の揺れ動く感情と心理描写が素晴らしかったです。
全3巻で描かれる神様も知らないシリーズ。
1巻目でも感じましたが、毎巻読後にすごいものを読んだという充実感と気持ち良さで満たされます。
果たして残り1冊で一体どんな結末を迎えるのか?
早く読みたい。けれどまだ読み終えたくない。
2巻を読み終えた今、そんな相反する気持ちを抱いています。