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おお、これはまた。
mother、なるほど、納得。
天使、母が主たるキーワード。
見た目の美しさと人を疑わない純真さから天使とあだ名されてきた真治だけど、レイプされたことで
「汚さ」を知り、天使というあだ名には純粋な褒め言葉以外の意味が込められていると察する。
真治の周りに起こる事柄はすべて祐紀が仕組んでいたことだった。
母からの愛情に飢えていた祐紀が、天使に見出した母性。
狂おしいほどに求められることを、受け入れた真治。
私にとってはハピエンでした!
執着攻めの小説を探している時に見つけた作品。しばらく積んでいてやっと読みました。初読み作家様です。
あらすじだけ読んで、犯人はすぐ想像つくわけですが、物語がどう展開していくのか、ワクワクしながら読み始めました。(以下ネタバレありますのでご注意ください)
ずっと受け視点で、ラスト数ページのみ攻め視点です。
初めの方は、目隠しされて性被害を受けたり、数ヶ月後にはその時の写真が送りつけられたりと、苦しむ真治が大変痛々しいです。
こんなに苦しめてでも手に入れようという、執着や心の闇に怖さを感じます。
その後、自分のマンションに真治を住まわせ、どんどん真治を囲い込んでいく塚越。
この辺はだいたい予想通りの展開でした。
追い詰めた後に救いの手を差し伸べて囲い込むという…。
真治はレイプされた後、お尻で感じるようになり、アナニーが我慢できなくなってしまう。これは、いくら丁寧に犯されたとはいえ、恐怖の体験をしたのに後ろが開発されちゃうなんてことある!?と思いました。もっと恐怖感や嫌悪感が勝るものじゃないの?と。
(でも薬を使われたし、無意識に塚越と気づいたということかな…)
終盤までは、塚越の追い詰める手口や、他者を利用したり陥れたりする残酷さに怖さを感じて、またそんな塚越にまんまと囲い込まれて好きになる真治、どちらにもちょっと共感しにくいというか、萌えを感じにくかったのですが…。
最後、お仕置きのシーンと、攻め視点の「child」を読んだら、評価が神になりました!
塚越がただのサイコパスではなく、そうならざるを得ないような、不幸な生い立ち、特に母から憎まれた過去があることが、塚越という人物像に深みを与えるというか、しっくりくるというか、ストーリーに納得させるものがありました。
また真治も、ちょっと常人とは違い、人の悪意を感じにくい人物、少し変わり者として描かれていたので、最後真相が明らかになっても、塚越を受け入れることに違和感がなく、こちらもストンと納得できました。
最後は先生が後書きでも書いているように、バドエンではないですが、この先を考えると、こんな危うい二人が、ずっと幸せでいられるんだろうか…とちょっと心配な気持ちになります。特に塚越の強すぎる執着に。でも真治が天使だからなんとかなるかな〜。
最後は、割れ鍋に綴じ蓋というような二人で、これぞ共依存!と思いました。
大変面白い作品でした。
とても読みやすい文章で、心理描写も好きだなと感じました。たくさん執着攻めを描かれているようなので、他の作品も読んでみたいと思います。
門地先生の挿絵は、エロエロ多めでドキドキします。塚越が素敵に描かれていて好きです♡
執着攻めは大大大好きですが、ここまでの作品があるとは……!
ただかっこいい完璧な攻めより、気持ち悪さ漂うタイプの不完全な攻めが好きな私。まさにドンピシャでした。
濡れ場シーン多めですが、内容がしっかり濃かったです。攻め・受けそれぞれの生い立ちや高校時代の出来事などが丁寧に書かれていたので、複雑な心情をもつキャラクターへの理解がしやすく、結末にも納得できました。タイトル回収、鳥肌モノでした……!
うわー…ヤンデレにも程がある。執着・独占欲・嫉妬がいっぱい。
闇も病みも抱えた攻めは嫌いじゃないんですよね。頭イカれてるのに、言動に萌えをたくさん感じてしまい「神評価」にしました。ダークだしシリアスだし…好きなテイストじゃないのにハマるハマる。
天使のような真治へのド執着。あ、これは尋常じゃないね。と奥底で感じながら表向きは"良い人"の塚越にロックオンしながら読んでいました。何者かにレイプされトラウマを抱えた友人を救済しているテイの塚越の、真治への関わり方に注目しながら読んで下さい。
仄暗さを感じる甘さや幸せが、これから解き明かされる深い闇のカモフラージュです。めちゃくちゃゾクゾクしました。
最後のネタバレ描写は…なんかすごかった…。
薄々分かっていたのに、いざそれが明るみになると驚き通り越して感動すらしました。真治が感じていた違和感の謎が、同級生たちの会話から徐々に紐解かれていく進みが最高潮に気持ちが盛り上がりました。
闇・闇・闇です。
ヤンデレがえげつない。
でも好きかもーー…。うん、好きだわ。
クセになっちゃう面白さでした。
タイトルのmotherの意味が深いです。motherもいれば、childもいます。これらの単語の意味と、真治と塚越の関係とどう繋がるのか方々にアンテナを張りながら読んで下さい(^ ^)
甘い濡れ場も多い反面、ベースには常に不穏な空気が漂っている物語。人を疑う、悪く言うことがなく、見た目だけでなく性格もまさに天使な真治。しかし、大学入学前にレイプされてしまい、初めて人間不信に陥る。黒幕が誰かというのはとても分かりやすくて大まかな展開は序盤で予想がついてしまいます。ただ、塚越が真治に執着する理由、それが分かった時真治がどう行動するか、という点では興味深い作品でした。
「母」という存在。幼い頃母にまともに扱われなかった経験から、塚越はマザコンを拗らせていて、自覚もしている。マザコンって世の女性からは大概疎ましく思われますよね。良い歳して親離れできない子供のままの男。でも、普通に親に愛されて育った私は、彼のような子供がマザコンになってしまうことを責めることはできないなと思いました。やはり母親の愛って子供には必要不可欠だな、と数々の作品を読んできて改めて感じます。私達は生まれたいという意思を持って生まれてくるわけではありません。子供は皆、親のエゴから生まれる。勝手にこの世に産み落とされて戸惑うばかりの頃に、その存在を無条件に肯定してくれ、常に優しく包み込んでくれる母親がいるからこそ、自然と自らの存在価値を認めていけるようになるのかなと思います。
その経験が欠けている塚越は、同級生の真治に母の役割を求めた。正直、真治のような人間はリアルではなかなかお目にかかれないと思います。どんな他人の言動もすべてポジティブに解釈できる。疲れきった現代の日本のどこに、彼のような天使がいるでしょうか。ただ、家族に健全に愛されて育った子は、大人になれば自らも父性や母性を自然と持つようになるだろうとも思います。愛されて育った真治の溢れ出る優しさや母性と、塚越の無償の思いやりと母性への飢えがぴったり当て嵌まったのでしょうね。母性を与えることは本人も満たされる行為でしょうから、塚越ばかり得をするということでもないでしょう。依存というと危うい感じがしますが、この2人においてはむしろ互いに依存することで安定感を増していく、パズルのピースのような関係性なのだろうなと思いました。