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表題作碧の王子 Prince of Silva

鏑木,元軍人のシウヴァ家側近
蓮,16歳,ジャングル育ちのシウヴァ家跡取り

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

南米の小国エストラニオの影の支配者であるシウヴァ家に使える
元軍人の鏑木は、シウヴァ家の総帥・グスタヴォから、
十一年前に駆け落ちした娘のイネスを捜せと命じられる。
だが、すでにイネスは亡くなっていた。
失意の鏑木の前に現れたのは、イネスの息子・蓮。
鏑木が少年に手を差し伸べたその瞬間、運命は動き出す──!
愛する養父母家族のため、シウヴァの王子として
帝王教育を受けるようになった蓮と、
グスタヴォの側近として、蓮の守り役となった鏑木。
護り、守られる者として月日を重ねたふたりの間には
誰も立ち入ることができない強い絆が生まれ──!?
壮大なロマンスがついに幕を開ける!!

作品情報

作品名
碧の王子 Prince of Silva
著者
岩本薫 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
碧の王子 Prince of Silva
発売日
ISBN
9784813012757
3.5

(45)

(8)

萌々

(20)

(10)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
154
評価数
45
平均
3.5 / 5
神率
17.8%

レビュー投稿数11

南米の密林で育った子

シリーズ他の作品を読まないで、単読。

南米の大財閥の跡取り息子が車両事故で死亡。
シウヴァ家の総帥・グスタヴォから、11年前に出奔した長女イネスを探して欲しいと依頼を受けた鏑木。
鏑木が、アマゾンの密林にイネスの元乳母を頼りに会いに行くと、
財閥の長女・イネスと夫もマラリアで既に死亡しており、10歳の遺児が乳母の親戚に預けられて養育されていた。名前は連。
挿絵の連はまるで、黒豹を連れた子ザル。

出だしがスリリング。
27歳の元軍人と、10歳の少年が出会って、この二人がどうやって、どのように年の差カップルになるのか、
想像つかないから面白い。

★亀の卵のオムレツって、どんな風味なんだろう?気になる。

--
Prince of Silva このシリーズも、ナンバリングされていないので、メモ。

碧の王子 Prince of Silva   2013年7月5日
青の誘惑 Prince of Silva   2014年7月7日
黒の騎士 Prince of Silva   2015年9月7日
銀の謀略 Prince of Silva   2016年5月9日
白の純真 Prince of Silva   2016年12月9日
紫の祝祭 Prince of Silva   2017年9月30日
紅の命運 Prince of Silva   2017年10月31日

「Prince of Silva シウヴァシリーズ」特設サイト https://bit.ly/3x37MNc

1

長編主従BL、開幕。

Prince of Silvaシリーズ第一弾。すでに続巻の「青の誘惑 Prince of Silva」も発刊されています。
多分、続巻発売後に2冊まとめて読んだからこその余裕発言だと思いますが、個人的には1巻目から楽しめました。

出版社あらすじの通り、主従もの。
実はこの巻ではまだ恋愛以前の状況(といってもハプニング的な形でのBL展開はあります)ではあるものの、表紙絵が「ちゃんとBLしてる」ことにも表れている通り、カップリングの方向性はすでに固まっています。
表紙絵下が、主人公の蓮(れん)。上が蓮の祖父(シウヴァ財閥のトップ)の側近で、蓮の教育係でもある鏑木(かぶらぎ)。蓮との年の差17歳。(鏑木は日系人、蓮は父親が日本人という設定のため2人とも日本名。)
そして、蓮の下に描かれているのは、蓮のペット(というより友人かつ忠実なボディガード?)・ブラックジャガーです。
この巻では、国内最大の財閥・シウヴァ家の後継者だった蓮の叔父が事故死し、シウヴァ家唯一の直系男子である蓮(10歳)が探し出されて後継者の座に据えられるところから、祖父の死により蓮が16歳でシウヴァ財閥を引き継ぐまでの6年間が綴られています。
この巻で、このシリーズが蓮と鏑木の主従ものだという方向性が見えてくると同時に、主要登場人物が(多分)出揃います。

とにかくメインディッシュは主従萌え!! 主従一本勝負。
この萌えツボを、時間をかけてコトコト煮込みながら、匂いで仕上がりの味を想像する――時々一口だけ味見可――という本格煮込み系です。
スケール感たっぷりで2人の間の障害もハンバないので、お湯かけ3分でBLを味わいたい気分の時には、絶対に向かない作品だと思います。

実は私の読書傾向からはちょっとはずれる作品なのであまり期待はしてなかったんですが、読んでみると意外にこのじれったさにハマりました。
主従ものって、公私混同の禁断背徳ぶりこそ蜜の味だと個人的には思うんです。
その点、この作品では2人の主従としての絆、つまり「公」の部分がじっくり描かれているだけに、止むにやまれぬ衝動に駆られて蓮にセクハラ?してしまうという鏑木の公私混同が非常にエロい!
しかも、鏑木にとってはすごく中途半端なところで終わるため、不完全燃焼感もすごいんです。
この先どこまで、彼は抑制を強いられるのか?
まさにじれったさそのものを味わう世界。
具体的な濡れ場が絞り込まれている分、妄想で補完――でも、妄想の素材には事欠きません。

BL以外の部分で目を引くのは、おとぎ話的なメタファーが多数散りばめられている点でしょうか。
例えば、シウヴァ家の血を引く者に必ず現れるというモルフォ蝶の形の痣や、シウヴァ家の家長であることを表すエメラルドの指輪(表紙絵で蓮が身に付けているもの)。
蓮が従えているブラックジャガー(蓮には猫のように従順で、蓮の敵対者に対してのみ本来の野獣に戻る)も、ジャングルで育った蓮のピュアな精神と強いカリスマ性のシンボルでしょう。
ちなみに「シウヴァ」という姓の本来の意味は「森」なのだそうで、シウヴァ家の人々が碧の眼を持っているのも、シウヴァ家と森との深いつながりを象徴しているようです。(家紋のモルフォ蝶は、アマゾンの森に生息する青色の蝶)
こういうファンタジー色の強さは好みの分かれる部分かと思いますが、サスペンス要素も豊かな作品だけに、森・蝶・碧・青・・・といったアイテムの中にも今後の展開の伏線が隠されている気がして見逃せない!
ファンタジーはあまり読まない私も、結構この世界観を楽しんでいます。

今後どこまでこの主従に萌えさせていただけるのか?? もうワクワクです。 
「青の誘惑」では、サスペンス度・BL度ともに高まってきます。

14

さわんなっ

タイトルは、鏑木(攻め予定)に対する文句。
評価は、岩本先生のお話+蓮川先生のイラストで萌2.どっちが欠けても萌2にはなんないー。

かねがね読みたかった当作品。
やっと手にしてみたものの、なんとなく重そう~(大河ドラマ的な)と思い
お気楽に読める他の本に逃げてましたが、
蓄積本が手薄になり、ようやく当本を開けました。

以下、ちょっとネタバレなところもあるかと思います。

で、予想にたがわず 重厚大河ドラマ的(笑)。
あれよあれよと、脳内南米。
もんのすごい勢いで、読んじまいました。
まだ続刊の青も黒も銀も入手してないのに、どうすんだよー
鏑木てめー、さくっと蓮を触ってんじゃねー(怒)
ラブリー蓮を汚しやがってー。えーん。
エルバ(蓮の弟分のジャガー)に噛み付かれてしまえっ

まあ、BLなんで、鏑木とどうにかならなきゃしょがないんですが、
もちょっと大人になるまで待ってやれよーてめー大人だろー
大人になってからじわじわ落せばいいじゃんよう・・・
さわりっこ程度なら許すべきなのか???いやダメだろー

とちょっと怒ってしまったおばちゃんでした。
(ちなみに当巻では恋人昇格なんてまだまだ、恋というタグ付けもできない
 お子ちゃま蓮くん。本番もなし)

なぞの「孔雀様エドゥもどき銀髪バージョン」(エドゥは岩本先生の「捕獲者」攻め)も出てきて
奴はいったいいつどのように絡んでくるのか楽しみです。
あと、エルバについてももっと読みたい~
エルバのしっぽ、触らせてー
早く続きを手にいれねば・・

2

波瀾はこれから

まさに「ザ・ものがたり」の始まりです。
南米アマゾンで育った少年が主人公。舞台も南米の小国という設定。
褐色肌かと思ったら、日本×ヨーロッパ系の混血ですし、相手も日系でヨーロッパ系混じりということで、アマゾンの描写以外は貧富の差があるとはいえ今のところセレブな生活が中心で人も風景も外国っていうだけで余り南米の匂いがしないのがちょっと残念かな?

南米の小国エストラニオで大統領とは違うが強大な権力を持つシウヴァの家の長男が事故で死亡した。
まだその子供は女児で小さく、なんとしても跡継ぎをと執着する当主グスタヴォの命によりシウヴァ家に仕える元軍人のヴィクトール鏑木は、当主が溺愛した日本人植物学者と駆け落ちした長女を探すのだが、すでにその長女は亡くその落としだねがひっそりとアマゾンで育てられていることを知る。
その子・蓮は育ての両親、兄とそれなりに貧しいが幸せな生活をしていたのだが、勉学好きなのに進学できない兄、膝が悪いのに病院にかかれない父。
家族のために、祖父の元へ行くことになる。
蓮にある体のアザで直系の印を確認しても、祖父は薄汚い野生児と言い放ちその態度は冷たく蓮は落胆するのだが、家族の為にと鏑木に頼みこまれ励まされ、祖父の言う跡継ぎにふさわしい教育を受けることになる。
途中、ホームシックで体調を崩したりするものの鏑木のサポートにより乗り越え16歳を迎えるのです。
その誕生日を迎えた時から、早く跡継ぎを決めろとせっつく祖父により毎週末様々な人々を迎えてのパーティーがもよおされるのですが、連は女性には全く興味がなく・・・
そんな時祖父が何者かに襲撃され蓮に跡目を託して亡くなってしまうのです。

はっきり言って、この巻は全ての物語の前置きです。
展開についても全てが予想通りの想定内で進んで行きました。
この中でわかるのは自分から望んだのに蓮を冷たくあしらう祖父と、最後までわかりあうことができなった蓮。
味方が鏑木と尽くしてくれる老執事だけの中、蓮の鏑木への依存がはじまっているのが見てとれます。
努力する目的が家族の為から、自分が不出来だと鏑木に迷惑がかかるということを知り、彼の為にも頑張るという姿勢にもなっていきますし。
女性に興味がわかないという蓮の性的成長を確認するのに、思わず鏑木が自慰を手伝ってしまうのが唯一のこの巻でのエッチめいたシーン。
それから蓮が鏑木を別の意味で意識するきっかけになるのです(お約束ね)
パーティーで現れたガブリエルという謎の人物。
学んだとはいえまだ16歳の蓮が跡継ぎとして巨大な権力をどうするのか?というよりどうなっていくのか?
アマゾンの養い親の事も、兄の事も、
間違いなく鏑木しかいない蓮にとって苦難の道が待ち受けているのです。
その展開がどうなされていくのか?
これからが正念場であり、見どころです。
なので、この本はマルっと一冊序章なのです。
だからこの本だけでは評価ができません。

アマゾンの少年といえば、絶対動物がついてるよね♪
ということで黒豹のエルバが蓮の弟的存在で登場です。
まるで犬のような忠実な友です。きっと彼も活躍するのでしょうv

10

気になる展開だけど物足りない

新シリーズの1作目だとは知らずに読み始めてしまったので読み終えた後に
?マークが飛び交ってしまい、もう少しで趣味じゃないボタンを押してしまう所でした。
1作目と言う事で今後の展開へのプロローグ編と言う感じでしょうか。

名家シウヴァ家のお家事情から始まり、次期当主が不遇の事故で亡くなり、
跡継ぎ問題で、10年前に日本人と駆け落ちした亡き娘の遺児である蓮が後継者として
生まれた時から暮らしていたジャングルから連れてこられる展開。
ジャングルと言っても別に動物に育てられた本物の野生児では無くて、
両親が物心つく前に病で亡くなり母の知り合いが我が子同然でジャングルで育て
自然児として10才まで健やかに育てられ、そこへシウヴァ家の当主に代々仕える
元軍人の鏑木が蓮を迎えにやってくる。

今まで育ててくれた両親兄弟に楽をさせてやりたいと言う健気な思いで見たことも無い
祖父へ会いにいくが、まるで汚いものをみるような目で見られ、傷つく蓮だが、
ジャングルの家族や、信用できる鏑木や自分の母親の世話もしてくれた執事がいて
シウヴァ家の跡取りとして帝王学を学んでいくのです。

蓮と鏑木の出会いから、どのような形で絆を築いて行ったのか、蓮の置かれた立場、
祖父との確執、そしてシウヴァ家を襲う闇の存在、蓮の当主としての自覚、
そんなもろもろの今後の展開に大きく影響するような内容でしたね。

蓮と鏑木の関係は初めは信用できる相手から兄のように、そして思春期を迎えた時、
初めて他人から得られる快感を覚えた相手であり、その事がキッカケで蓮は鏑木を
必要以上に意識してしまう展開になるが、突然の祖父の暗殺で鏑木にきっちり
線を引かれてしまったように徹底した主従関係になるのです。

まだ、鏑木への思いが何なのか分からない蓮と、蓮に欲情を覚えてしまった鏑木
シウヴァ家当主に仕える鏑木の蓮に対する思い。
今後の展開が気になって仕方ない感じで終わります。
萌え的にはまだ見えるものが少ない気がして、唯一ネコ科動物が好きな私が惹かれたのが
ジャングルで兄弟みたいに育った蓮のジャガーでしょうか。
賢くて、綺麗で蓮の為にジャングルから都会へ鎖に繋がれてもやってくる、健気です!
そして、蓮の16才の誕生日兼花嫁探しのパーティーで蓮が遭遇した謎の人物。
この辺もキーポイントになってくるような気がします。
1作目は蓮に対する鏑木の一生涯の忠誠の誓いで幕を閉じるような展開ですね。
今後どのように二人の関係が変化するのか、そしてシウヴァ家の光と闇について、
次回の続編を待ちたいところですね。

9

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