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表題作素敵な入れ替わり

裏手の家に住む息子の幼馴染 是枝倫己 17歳
義母と息子の3人暮らしの惣菜屋 島影広海 38歳

その他の収録作品

  • 超年下の男の子
  • あとがき

あらすじ

我が子同然に世話を焼いてきた息子の親友が反抗期で傷ついている男やもめの広海。なぜか息子の身体と入れ替わって……!? 超年下攻めミラクルラブ!!

作品情報

作品名
素敵な入れ替わり
著者
小林典雅 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523410
3.1

(39)

(5)

萌々

(14)

(8)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
14
得点
112
評価数
39
平均
3.1 / 5
神率
12.8%

レビュー投稿数14

21歳年下の攻め

好きな人との「入れ替わり」ではなく、父親と息子との入れ替わりものです。

入れ替わった父&息子のドタバタぶりを楽しむ話かと思いきや、結構あっさり元に戻ります。
昔はかわいかったのに、今やろくに返事もしてくれなくなって…という隣家の高校生(息子の幼馴染)が、実は出会った時(当時7歳)から自分のことが好きだった!と知り……。

17歳と38歳という21歳差。
だけど特に障壁も感じさせず(超年齢差ですら障壁にはならない)おまけに息子同然に育ててきた隣家のガキの気持ちを受け止めてしまう38歳受けのスーパーほだされ力!

だけど息子同然に育ててきた21歳年下の高校生が相手って、いくら何でもどうなの?ってチラリとよぎるのも事実なんだけど、そんな読者の気持ちを代弁してくれるキャラ(攻め母)がいて、なし崩し的に恋へと突き進みそうな二人の関係に待った!をかけてくれるので、もやもやせずに読めます。

17歳の攻めが高校生らしくて、ガキっぽくて、一途で、がむしゃらで、感情丸出しでかわいいなーっていう話でした。

0

台詞がいいなぁ…

とっても楽しくて癒やされました!

コメディとファンタジーと癒やしの見事な融合は、作者様の手腕のなせる技ですね!

38歳の広海が17歳の息子、緑野と入れ替わってしまい、おまけにお隣の高校生、倫己に見抜かれて…?!
というお話。

広海は高校生の緑野のふりをして健気に頑張っているのに、初日の通学から痴漢にあうわ、「いつもの踊って」と無茶振りされて戸惑うわで…(苦渋の決断でおワンコクラブを踊りました)

ヘトヘトになった帰り道、
倫己から「…あんた緑野じゃないだろ」と迫られ、これ解いてみろよと数学の問題まで出されて追い詰められ、広海はとうとう逆ギレ!
「…そうだよ!でも見て見ぬふりしてくれたっていいだろ!!」

いやいや 笑。
でもあんなに頑張ってたんだからキレたくもなりますよね! 

しかも倫己が見抜いた理由が、
“エロフェロモンが出てる”
なので笑いました…

確かに広海さん、突然部長にも告白されてた笑

でも実は、倫己は広海のことがずっと好きで、見抜いたのも愛のなせる業なんです!
倫己は入れ替わったことが周りにバレないよう、また早くもとに戻れるよう協力までしてくれるのですが、
ここにきて広海の学力問題が浮上(緑野と倫己の高校は、進学校なのです)。

現役高校生の緑野と倫己に挟まれて
「…ほんとはバカ田大学だったんじゃないの?」と憐れみの眼差しを向けられる広海……可哀相すぎるー!笑

入れ替わりというファンタジーなのに、17歳になって良いこと無しなのがリアルで、38歳の広海さんが愛しくなること請け合いです。

このあと、「人生何が起こるかわからないからもう我慢するのやめる」と年下男子の可愛さと強引さでもって倫己の猛アタックが始まり、
広海も少しずつ倫己の本気に心を揺さぶられていきます。

一番の山場は、倫己の母である律子さんにより、二人の交際に待ったがかかるシーン。
二人のことを思ったが故のとても厳しい言葉に対する、広海の純粋な返答がとても良かった…

長い台詞なのですが、一言たりとも欠かすことのできない、広海の心のこもった台詞でした。
律子さんの気持ちも、自分の気持ちもちゃんと大切にしていて、相手の強さに対して、こんな対峙のしかたもあるんだな…と惹き込まれます。

倫己は等身大の17歳で、もちろん広海の方が人生経験も包容力もあるのですが、
倫己はふとした瞬間に、広海の心の底の不安をすくい取るような一言を言うんですよね。
この台詞には、二人の関係の必然性が見えてとても素敵でした。

そしてラストで、倫己が広海との将来を思い描いた約束は必見です。

可愛くて笑っちゃうような、でも二人の未来がぱあっと明るくなるような約束でした。

笑って読んでいたのに、いつの間にか二人の恋にじーんとしていて、とても幸せな読後感です。

明るく癒やされたい時に、もってこいの一冊です!

2

愛のなせるわざ?

年の差ものです。
我が息子と同じよう幼い頃から面倒をみてきたお隣さんの子供(高校生)に絆されるアラフォーにも驚きですが、そうなるキッカケが更にぶっ飛んでました(笑)
息子と入れ替わるというトンデモ設定で、小ネタたっぷりな典雅先生らしいユーモア溢れてます。
…が、個人的にギャグがいまひとつはまらなかったという。
私はいい年してるので各ネタは分かるんですが、ドタバタすぎたのかも??

攻めの倫己は一途で可愛いです。
ヒロリンが絆される気持ちも分からんでもない。
でもなぁ…うーん…と複雑な気持ちを代弁してくれたのが倫己ママの律子さん。
律子さんの意見に従う二人にホッとしました(笑)

『超年下の男の子』では息子が幽体離脱です。
トンデモ設定、更にぶっこまなくても…(;´д`)
幽体離脱する息子の恋は、別でゆっくり読みたかったです。

とはいえ、全体的に楽しい作品かと思いますので『萌』評価で(*´∀`*)


0

作風がバリエありすぎー

この作者さん苦手だったのですが、木下先生つながりでなぜか手に取ってました。
で、いざ読んでみると、あらまあ不思議。
苦手だった他作(超コメディもの)とまったくイメージが違う!
(ほんわかファミリーラブもの という感じで、BLとは思いにくいですが)
けいこ先生の絵とまたイメージがぴったりで、私は好きです!
ほんわりあったかものがお好きな方はお勧めです~
こんだけ印象が違うと、作家買いしていいのかどうか、毎回悩みそう・・・
他のレビューアお姉さま方には、
私が苦手だったコメディものがお好きな方がいらっしゃるようで、
そちらの方々はやはりこちらにめっちゃ戸惑われてるようですね(苦笑)
めちゃ号泣するとか残るストーリではないので、萌 とまりですが
萌1.5な気分です。
そうそうこの作家さんの恋襲ね だっけか。あれも好きだったんだけどなあ。あれもまた作風ちょっと違う気がするんだよな。。。
うーん、引き出し多い先生なのかな・・・・

0

ライトだけど、やっぱり典雅さんはおもしろーい

果たしてこの作品を読んだ方の何割が「あばれはっちゃく」をリアルタイムでご覧になってたか。
わ、わたしは見たことないなあ♪~(゚ε゚;)
「三丁目の夕日」を観た時、鈴木オートの息子役の登場時「わ!はっちゃくに似てる!」と思わず劇場なのに口に出してしまったけども。
タイトルでまず読者にわからせるのも技だけど、にしても典雅さんのトンデモ設定ってなんでこうもすんなり受け入れられるんだろう。
アホクサとならないどころか、えーどうなっちゃうの~?と真剣に心配したりしてる自分がいて毎度驚きますよ。
オカン受けは苦手なんだけど、これは好きでした。

2

ツンデレ攻め

典雅さんの作品は好きで作家買いしてますが、今回はう~ん・・・という感じでした。
いつも通りコメディチックで面白いんですが、イマイチ萌えきれなかったです。

あんなに広海さんのことが好きなのに、倫己が色んな女の子と付き合っていたっていうのがちょっと・・・童貞攻め好きの私には萎えポイントでした。
どうせならヒロリンへの一途な恋心を貫いてほしかったです。
ツンデレ攻めには萌えなんですけどね。

後半も駆け足展開だったので少し物足りないというか、若干ついていけない感がありました。
もう少し受けが攻めに落とされていく過程を詳しく読みたかったですね。

3

イケメンパラダイス

息子とお父さんの身体が入れ替わったり、息子が幽体離脱しちゃったりするお話。

1冊に盛り込むにしては、随分と盛りだくさんなような、
入れ替わりと、幽体離脱それぞれワンエピソードでは1冊にするにはネタが薄いような、
途中随分と駆け足で、筋を追うのに追われちゃってちょっと欲求不満なような、

どうしても歯切れが悪くなっちゃうのは、
やっぱり、私も、年の差のありすぎる年下攻めが、、
それも高校生の、
息子と一緒に育てたような息子の幼馴染みが、
そのお父さんを押し倒して、、って

律子さんじゃないけど、高校生で、それは、無い。

この作品、女性陣の言うことが、とっても賛同できて、
律子さんの言い分ももっともだと思うし、
ばあちゃんのイケメンパラダイス発言も、それこそがBL読む最大の理由だよなぁって、
しみじみ納得したので、萌プラス1

4

雑誌掲載なので仕方ないのですが…

雑誌掲載分に書き下ろしのショートがついた作品。
小林さんは作家買いしていますが、これはちょっと肩透かし感がありました。


受けの広海は高校生の息子・緑野を育てながら、姑と一緒に総菜屋を営んでいます。
妻は緑野が生まれた直後、事故死。

攻めの倫己は緑野とは幼馴染。
忙しい母にかわり、広海宅で色々面倒みてもらっていて、高校生になった現在は女の子とっかえひっかえのモテ男です。


倫己が幼い頃からずーーーっと広海へ片想いしているという設定です。
そこへ、タイトルにもなっている入れ替わりが起きます。

小林さんの作品では「マジすか?」というような発想が多く、今回予約段階ですでに明かされていた入れ替わりに関しても、もう少しアッと驚く趣向があると思っていたのですが……期待し過ぎていたかもしれませんねー(苦笑
新刊が立て続けに発売されたことだけでも、BL的には珍しいのですしね。

こちらは雑誌掲載で限られたページ数でまとめなければならなかったのでしょうから仕方ないのですが、広海の気持ちの変化がちょと唐突です。
広海の性格付けがひじょうに真面目なのに、息子の親友で幼い時から面倒みていた21歳差の高校生に絆されるかなあと。
以前からそういう目で見ていたりバイだったと言うなら未だしも、奥さんが亡くなった後も婿として、姑と総菜屋を細々と営んでいたような人ですから。
BLはファンタジーだと言いますし、今回は入れ替わりの話ですからあまりリアル感は必要ないのかもしれませんが、ちょっと残念な感じがしました。

ただ広海の家族間のやりとりが面白く、小林さん節を感じます。
なので、入れ替わりが勃発するまでの前半がひじょうにケラケラ笑えます。
小林さんの良いところはこういうやりとりがひじょうに面白いところだと思うので、書き下ろし作品で単行本発売の方がページがさけて真価を発揮しますね。

3

途中からダイジェスト版かと思った……

評判の高さに気になっていた小林典雅さん、初読み。
男性みたいなペンネームも気になっていた要因の一つだけれど、
女性作者さんなんですよね?

木下さんの挿絵の新刊を見て、思わず買ってみたのだけれど
正直期待はずれでした。

面白い……、タイトルも洒落ているしコミカルな調子も設定も。
そうして楽しみにしながら最初は面白く読み始めたのだけれど、
途中からアレアレ?

成り行きは予想されたものだが、ストーリー自体が面白くない訳ではない。
そうじゃなくて、途中からあまりに簡単にご都合主義にサクサク進む展開に、
え?ダイジェスト版ですか?という感じになってしまった。
味わいもへったくれもあったもんじゃない!

後半も、不思議話だけれど……
うーん、細部は本当に面白いんだけれど、作品全体として半端な印象が。
あ、律子ママがカッコいい!女性キャラが好みかどうかは、個人的には結構重要です。

上手く生かされたものを読めば、きっと面白いだろうことは分かったので
今度は別な本を試してみます。
Let’s 素敵なやり直し〜〜!

5

典雅作品の入門は他作品でどうそ

この作品は萌えなかった、ギャグの切れ味、面白さもそこそこでした。
わたしは小林典雅作品が好きです。
作者のいう「おかんウケ」も好きなタイプ。その上好物の年下攻めなのに。
描写が…ひっかかるところがなくする~っとしてて、萌えなかった。
入れ替わりしちゃっての日常描写はおもしろかったけど、堪能できるほど尺がなかった。

尺が物足りないのはディアプラスだからか。
枚数の加減から、お話をまとめようとするとどうしても展開がイージーになる傾向を感じます。

この作品も、おもしろくなりそうな設定だったのに。なんだか、すべてが中途半端な印象でした。

全体にわたしにはいまいちでした。
エロさや恋愛を書こうとしてるかんじはするのだけど、がんばりが見えて冷める。
典雅さんには、まじめに書くのは向いてない思う。
キワものだ、と自覚のもと、突き詰めていって欲しい。
ついてゆきます、どこまでも。そしてそれ(読者)は少数じゃない、と思う!(そうでもないのか?!)

照れをなくさず、うまみを生かすって…難しいのかもな、とも思います。
マジエロは突っ込み気質がある以上、ムリかも~(新境地にいつも、期待はしますが)
別出版社だけど、花丸でも壁を突破できてなかった印象。…侮辱してるつもりないです;
いろいろ、いろんな作風あってこそBLって楽しいのですから。
特性を生かした本づくりを、出版社のほうが企画すべき!くらいに思います。はあはあ、くどくてすみません。

もし萌えか、笑いか二者択一とすれば。
BLって本来は萌えこそすべて!でしょうが、典雅さんには笑いを取って欲しい。
…贅沢ですか…いいじゃない、面白いのだもの。やっぱ少数派ですか…

本音を書いたけど迷惑でしかないかもしれないと、真剣に悩む…。
次作も買います!

5

snowblack

ハイ爺様、こんにちは。

貴重なレビューをありがとうございます。
私にとっての初小林作品でしたが、本当に尺が足りないという言葉がピッタリでした。
先にレビューを拝見していたら、別な作品で入門したのに……と。
別な作品で再トライしてみます!


むぼち

ハイ爺さんが、小林典雅先生の真剣なファンであることがとても伝わってきました。

私も小林先生の面白いところが大好きで、花丸の本は評判を見て買っていませんでした。
この本はこれから読むところです。

全て読まれた上で、「中立」評価のハイ爺さんのレビューは、「神」以上に熱い先生へのファンコールのようで、少し感動しました。

私も花丸の本を買おうと思います。

なんとも奇妙な親子です

父親と子供が不思議な力か、尋常でない親子愛のなさせる業か、
魂が入れ替わったことで年の離れた恋人を得るファンタジー作品です。

広海は高校2年の息子と義母との三人暮らしで義母と二人で小さいながらも
惣菜屋を営んでいて、妻と義父は息子が生まれて直ぐに事故で亡くしています。

そして、裏手に住む是枝家とは家族ぐるみの付き合いでご主人と離婚して同じく息子と
二人暮らしをしていて、仕事で忙しくしている倫己の母親の代わりに広海は
我が子の緑野と同じように分け隔てなく可愛がって来たが、
何故か最近は話しかけても無愛想で態度も褒められた感じでない。
それも自分にだけそんな態度だと知り、余計に寂しさと理不尽さを感じるのです。

しかし、ある出来事がきっかけで全てが明らかになった時に若い情熱と熱意に
ほだされ、泣く子には敵わないと21歳も年下の我が子の同級生の気持ちを
受け入れる展開になるお話です。

38歳なのに、天然気質で無駄にピュアなフェロモンを出しているような広海。
そんな広海を7歳の時に一目ぼれして10年間一途に片思いしてる倫己。
オヤジ受けになりますが、オヤジ臭は皆無な天然さを感じます。
ハッピーものでほのぼのしている作品で、エロも少なめですが面白いです。

そして後半は、広海が倫己の母親に自分たちのことを話して許しを得るのですが、
そのやり取りがかなり倫己には厳しく広海がいかに優良物件かわかる内容。
そして、後半には広海の息子の緑野のまたしても不思議ちゃん状態が勃発。
この親子、実は何らかの能力者なのかも知れないと笑わせてくれます。
ほのぼのしてて、優しくてほんわかしてるそんな雰囲気の幸せ作品でした。

6

攻めの変貌っぷりが可愛らしくて

あっさりさらっと、ライトに楽しめました!

21歳差、息子の親友と…、未亡人…って作者さんによってはいくらでもディープにできてしまう設定ですよね。
でもそこは安心(?)安定の小林さん節で非常に円滑にストーリーが進んでいきます。

トンデモなファンタジー要素や、複雑な関係性にもかかわらず葛藤や困難などはなく、シリアスで繊細な心理描写が読みたい!という方にはオススメできませんが、ラブコメがみたいのよ〜って方にはギャグ要素もふんだんに盛り込まれていますし、超年下攻めのツンツンからワンコへの変貌っぷりも大変可愛らしいのでぜひ♪

4

ラブ以外は面白い!

父と子の『入れ替わり』が題材なんですが、なんというかそれ自体はあっさりさっぱりって感じでした。悪い意味ではなく。
ファンタジー的な設定には何の抵抗もないので、そこはいいんです。楽しめました。

ただ・・・こちらに限らず、個人的に小林さん作品には多いんですが『ラブ以外はとても面白かった』としか言えません。

まず、もともと『年下攻』自体が苦手なんですが、特に『高校生×社会人』はものすごく苦手。それだけで避けるレベルで無理です。

とにかく、17歳・高校生×38歳・友達の父親(受から見れば、攻は息子の友達)って時点でもうダメ。年齢差よりもその関係性が気持ち悪くて寒気がしました。←もちろん、逆なら何の抵抗も問題もない(年齢も関係性も)。


小林さんの前作『藍苺畑でつかまえて』が非常に好みだったので、いつもは気を付けるのに事前知識なしに予約して買ってしまったんですが(同じディアプラスだし。いちばん好きなレーベルなので)、実際に本を手にしてあらすじに『超年下攻』って入ってるのを見て、あまりのショックに気が遠くなりかけました・・・

というわけで、この作品がどうこう言う前に、とにかく私のものすごく苦手な(普段なら読む前に回避する)設定だったわけです。

なので、年下攻やオヤジ(年代)受がお好きな方には、すごく面白いんじゃないかと思います。広海は、年齢以外はまったく『オヤジ』というキャラクターじゃないけどね。

冒頭にも書きましたが、ラブ面以外の『ほのぼのコメディ』としてはホントに面白かったんですよ。相変わらずの長台詞とか、会話の応酬とか。
続編は読みながら何度も声出して笑いそうになったよ。

イヤもう、ラブストーリーとしてはともかく、小林さんのコメディセンスは大好きなんです。

あとがきで『書き下ろしは(広海の息子の)緑野メインにしようかとも思った』と言われてましたが、それが実現していたら感想もまた違っていたかもしれません(続編は表題作と同じく倫己×広海メインですが、緑野のラブその他も入ってます)。


ラブ面は『しゅみじゃない』でしかないですが、それ以外のコメディ部分は十分『萌』以上だというくらいに面白かったので、トータルでは『中立』で。

7

源氏狙いの若紫攻め!?

タイトルに三○映画の似たような題名の作品を連想された方も多い?
愉快で楽しくてホロっとさせて自分でも大好きな映画でしたが、こちらも愉快で楽しくてホロっとはしないけど人情がある。
Dear+の前作『藍苺畑~』のようなほのぼの路線であると思われました。


デキ婚で結婚、大学中退し、子供が生まれて出生届を出しに行く時の車の事故で妻と義父を失くした島影広海・38歳。
今は義母と惣菜屋を営みながら一人息子の緑野(ろくや)を溺愛して3人仲睦まじく暮らしています。
事の起こりはストレスとは無縁そうな義母が十二指腸潰瘍で入院した病院で緑野がはしかを拾ってきたこと。
気付くのが遅く重体になり死にかけた緑野と広海の身体と心が入れ替わってしまいます。
裏手に住む緑野と同じ歳で親友の倫己は、母子家庭であったこともあり島影家で我が子同然に面倒を見てかわいがってきたのに、中学にあがって突然広海を避けるようになっていました。
その倫己に緑野と広海の入れ替わりがバレてしまいます。
こうして、入れ替わった事によって倫己が広海を好きな事がわかりめでたくくっつくまで。
【超年下の男の子】ではその後の二人を緑野の恋と幽体離脱をエピソードに加えて展開します。


典雅作品の面白さはキャラクターの行動もあったりするが、キャラクターの発言するセリフだったりも。
一見天然風でありながら、能天気な発言はオバカ風味というよりもポジティブボケ。
以前は狙ってるように感じたそれらも、最近ではとても自然に感じるようになりました。
広海はのほほ~んとしたとても優しいお父さん。
別に子供に好かれようとしてやってるんじゃなくて、人の良さがにじみ出てる。
緑野もそんな父親を思春期特有の反抗的態度と軽蔑を見せるでもなく、子供らしさも残しながらお父さん大好きが見えて、そして案外にしっかり者。
入れ替わった時、広海は20年ぶりの高校生活にドッヒャー!なパニック状態なのだが、緑野はそつなく惣菜屋をこなし、売り切ったというからスゴイ(笑)

倫己が広海と緑野が違うというのがわかったのは、義母の病室でGARAを踊ってとリクエストされておワンコくらぶを踊った時(爆笑)
うう~ん、、ジェネレーションギャップが決め手だったか♪
他にも、倫己の呼び方が広海がいつも呼んでる呼び方だったとか、電車で痴漢にあったとか、緑野を狙っている先輩に告白されたとか、緑野ではありえないことが起きたことも、記憶を失ったからと言い訳したものの、いつも側にいる人にはまるわかりでしょうw

7歳の時からずっとずっと広海を好きだった倫己、チ○コが小指くらいの時から(爆笑)勃ちそうになっていたのと、このままでは襲っちゃいそうだったから離れたんだよ!とかわいらしいツンデレさん♪
緑野も親友でいつも一緒にいたから倫己の気持ちは知っていたと!知らぬは父ばかりなり。
この倫己のツンデレに隠した健気さを涙と共に魅せられて、広海(ヒロリン)は口説かれてあげようかな~って、年齢も気にして入るけど受け入れるのです。

はてさて、どうやって戻ったか?
それは秘密☆

広海もきにするように、倫己の母親も同性をきにするんじゃなくて歳の差をきにしてます。
まだ若い倫己だから、いまは若気の至りもあるかもしれないと、その点はまっとうです。
後に、義母の主治医だった新藤先生に緑野が恋してしまうのですが、広海の心配もやはり歳の差のこと。
親はやはり同じなんですね。
その点義母はスゴイですよ~!
嫁姑戦争よりイケメンパラダイスを選択しましたから(笑)

【超年下の男の子】で緑野が幽体離脱をしてしまい新藤の元に現れる話も盛り込まれていました。
番外はこの二人で1本かと思いましたがあくまでもエピソードとしての挿入でした。
ひょっとして、彼等でもう1冊行くのかな?

後書きで、作者さんが光源氏を狙う若紫攻め的物語と表現していましたが、その匂いはかんじとれたと思います。
すべて全部上手くいくことが全然不思議でない当たり前のハッピーなお話にほっこりしました。

4

この作品が収納されている本棚

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