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この物語はファンタジーというには少々生ぐさく、かといって土俗と因習のドロドロを描き切ったというほどの凄まじさも感じられません。(坂東眞砂子さんとか岩井志麻子さんのような粘りつく怨念系の怖さがない)あえて分類するならサイコサスペンス?でも皆様おっしゃってるように、途中でわりと簡単にネタバレするので、作者の水原さんも、それほど必死こいて手の裡を隠そうとしてるわけでもないみたい。
主人公の幹は(咲も)二十歳の現在までずっと、自分が男に生まれてきたのを不幸なあやまちだと思ってきた。たしかに女だったら、母が悲惨な死を遂げることはなかったし、長く続いた伝説の巫女の家系が絶えることもない。
でも女だったら、21歳で定められた相手と子をなすためだけの契りを結び、辺境の地で、神さまに身を捧げてその一生は終わる。たとえ田之倉が運命の人であっても、ふたり手を携えて東京へ・・・というわけにはいかないのだ。そしてもう一点、男女として結ばれるには、2人の血はあまりに近すぎる。
よくBLでたとえば実の兄弟とか、父子とかの近親相姦もので、帯に「背徳の・・・」とかってアオリがはいってたりするんだけど、個人的にはあんまピンとこない。男どうしでつがうことがそもそも背徳とされる社会においては、二重に禁忌を犯していることになり、より罪深い存在とみなされるのかもしれない。でも、わたしの中であくまでインセスト・タブーは生殖と分かちがたく結びついている。生まれてきた子どもの身になって考えれば、能天気に「愛があればいいじゃないか」とはとてもいえない。だからこそ、そもそも子をなすことが前提にない男どうしの場合、なんの問題があるのか、と思ってしまう。
幹と田之倉が東京で寄り添って新生活を始める、陰惨な物語にしては奇妙なほど穏やかで明るいラストシーン。幹にとって田之倉は今や一番近い血縁者なのでともに暮らすことの大義名分もあり、一方で、2人どんなに濃密な性関係を持とうとも不幸な子どもを産んでしまう恐れはない。数学で、マイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスに転じるように、BLでしかあり得ない究極のハピエンでした。
葛西先生の挿絵目的で購入しました。
が…これはちょっと失敗だったかもというくらい苦手要素がありました。
まず何より現実感のなさ。
作家の水原先生があとがきでも書かれているように、”ファンタジー性の強い作品”これがどうもわたしは苦手です。
そして、何というべきかホラーちっくな描写がいくつか書かれているので、怖いものが苦手な自分には読むのが嫌になってきてしまいました。
特にラストの真実が語られるシーンでは、生々しい言葉で生まれてきた幹と咲の姿やユキ
の狂乱の表現がされていて苦痛すら感じていました。
しかし、読了後はこのお話が頭から離れなくなっていました。
それも嫌な方ではなく印象に残った作品として、です。
この話の世界観に自分でも気づかぬうちにハマっていたのだと思います。
「良い話で感動」や「悲しい話で涙」という経験は今までありましたが、こんな風になった作品は初めてで、その結果この評価とさせていただきました。
先に述べた理由もあり、私はオカルトものはあまり手を出さずにいたのですがこの作品はそういう視点からだけではなく、一度読み終えた上で改めて別の視点から読み返すと面白みが増すのではないかと思います。私自身は是非何度も繰り返し読みたいと思える作品でした。
水原先生の【青の疑惑】!滴るようなエロスにすっかり虜になり作者買いしておりました!確かに登場人物が色々と痛い目にあってるお話し多いんだけど、最近の作品はそうでもないですよ~?!
咲と幹、二人の謎が明かされ、最後のご宣託…あたりでホロリとさせられました(・_・、)日本のどこかにあるかも知れない「あやかしの世界」と後書きに有りましたが…因果はめぐる…その終わりの始まるお話し堪能いたしました!開かれた世界で田之倉と幸せになってね♪
葛西先生のイラスト買いでした。
しかしワタシはこのような因習(地縁/血縁)モノ、好きなので、楽しく読ませていただきました。
すごく大げさに言うと、横溝正史の山村の因習モノ的なイメージ。
あそこまでの凄惨なミステリー感はないですが、田之倉の素性のところはお話的にしっかりしていたと思います。
確かに話の最初のほうから話のスジがわかる感がありましたが、幹、咲、そして田之倉の三角関係と神谷の衰退の危機を幹と咲の視点で丁寧にストーリーを追って行っていたと思います。
二重人格は、実はおばあちゃんの霊力で死んだ哀れな咲の魂を幹に閉じ込めて二つの人格を持つようになったため、という設定で、すごくワタシは気に入りました。
戌の一族とか、猿渡とかその辺の所にも興味があったので、そこでお話は広がっていればもっとよかったかな、とは個人的に思います。
表紙とあらすじに惹かれて、購入。
評価があまり高くなかったのでどうだろうと不安でしたが、想像していたよりも面白かったと思います。
陰と陽、正反対の巫覡の双子と、運命の人。
閉ざされた村の因習話、たまらないですね。
とても読みやすいので、一気に読めてしまいました。
そう、良くも悪くも読みやすいのです。
色々伏線がはってあるのですがどれも先が読めてしまって、皆思った通りの結末で意外性はゼロでした。
正直なところ、もうひとひねり欲しかったような。
あと、愛欲という言葉にしては、あまり濡れ場もなかった気がします。
結構あっさり。
話が分かりやすい分、エロシーンが濃密とかならばまた違ってきたのかも。
咲が云うほど、淫乱でも経験豊富でもないですよね。
まあ、こういう系統の話を読んだ事がないけれど、興味がある!という方にはお薦め出来ると思います。
あとですね。馴染みはないですが男の巫には覡という名前があるので、男の巫女は中世魔女狩りの「男の魔女(直訳)」を思い出して、何ともそれだけで読む前からコレジャナイ感に襲われてしまいます。