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表題作不可解な男~多岐川燎の受難~

柊宗一郎,27歳,感情の揺れが見えない秘書課社員
多岐川燎,25歳,社長令息と言われ続け辟易

その他の収録作品

  • 不可解な男、愛に戸惑う
  • あとがき

あらすじ

社長令息としか評価してくれない周囲に苛立つ燎は、お目付け役の秘書・柊にも反発。しかし、無愛想なはずの彼が突然豹変して……!?

作品情報

作品名
不可解な男~多岐川燎の受難~
著者
雨月夜道 
イラスト
中井アオ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344831209
3.3

(12)

(1)

萌々

(6)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
37
評価数
12
平均
3.3 / 5
神率
8.3%

レビュー投稿数4

とにかく振り回される

表紙イラストが、ストーリーでの二人の関係そのものです!
舌をちらりと出して誘惑する燎(受)。
その姿に、冷静っぽい表情だけど手元はコーヒーまいて動揺している柊(攻)。
背景のピンク色の花は、二人の思いが、周囲にだだもれだという意味にとれました。

表題作は、燎が「柊は自分を好きじゃないのか?手出ししないのは何故なんだ!」とキレて柊にあれこれする話です。燎は柊に振り回されているつもりだったのですが、実は柊が燎に翻弄されていた。そして周囲はその二人にもっと振り回されていたというオチが面白かったです。「何なんです、あなたたちは!」とキレる木口に笑いました。

後日談は柊の視点で、燎との甘い暮らしと、柊がなぜ柊たる男になった過去が語られます。そこで、表題作で出てくる、まるで二重人格のような「感情が高ぶると素行の悪くなる悪癖」の理由があればすっきりしたのになぁと思いました。

ワンコでもないし、鈍感なだけとも違う。なんともカテゴリ選択しづらい攻めでした。

0

豹変する攻が分かりにくくて

初読みの作家さんでした。

あらすじに、社長令息、社長秘書、お目付役、突然豹変
と、王道ネタかと思われるキーワードがてんこ盛りで
読み進めていましたが、
とにかく攻が分かりにくいのなんのって
後から、どうしてそういう
性格になってしまったのかとの説明も
攻視点のお話しから、きちんと書かれてはいるのですが、
どうにもこうにも態度や口調が豹変し過ぎて
イマイチ分かりにくく、お話しに入っていけませんでした。

ただ、攻の柊の豹変には付いて行けなかったのですが
受の燎に対して無自覚だけど献身的に、見返り等も考えずに
細か過ぎる対応、例えば
美味しいコーヒーの淹れ方の本を読んで
燎の反応を見てコーヒーを少しずつブレンドして出すとか
燎の座る椅子をわざわざセッティングする為に同僚に先に座って
確かめたりとか、他にも色々、萌ポイントがあったので
中立にさせてもらいました。

0

美男子なフランケン

雨月先生の第3弾、待ってました!

●受け・主人公・多岐川燎、社長子息で営業トップ社員 
営業成績も親の七光との声に、気にしない素振りながら内心メラメラこんちくしょう―!!
自分の気持ちと裏腹の子供染みたバカをついやってしまう、自意識過剰でヘタレな美人さん
●攻め・柊 宗一郎、燎の従兄・木口慶吾の部下
寡黙でキマジメで従順で天然。美男子。
だがその実は、トラウマ持ちの厭世思考で卑屈、辛口フランケンだった!

雨月先生のキャラは毎回複雑ですね。
開き直りと卑屈さがあって、言動に変化球が多いのは前作前々作と同じ。
だけど本作では、攻めの方が複雑だったからか、読みにくさを感じてしまって、ちょっと残念;
どうも、攻めは単純でドンと構えてて欲しいっていうのが自分にはあるようです^^;

話としては、美男同士だし、周りのキャラもS気あって楽しいし、ケンカありボケあり寂しい過去ありと枝葉も多くて良いです。
でも、柊が普通じゃない思考をするので、燎が自分を想ってしてくれた柊のエピソードに感激して、恋愛グラフがグンと右肩上がりになるはずが、そうにはならない;
柊の「あれはですね」の説明に、盛り上がった燎が「…へ?あ、そうなんだ…」って、平坦になっちゃって、もどかしいこと、多々ありました;
クイズ番組の解答のなかなか明かないモザイクみたいです;

2編、入っています。
【不可解な男~多岐川燎の受難~】受け目線
【不可解な男、愛に戸惑う】短編28ページ 攻め目線 
子供の頃のトラウマで「好き」と言えない柊に、燎は優しい希望を語ります。

雨月先生の、複雑なキャラにさせる迷路のような問答は本当に面白いです。
でも、この薄い本じゃ、まだ柊が不足みたい;
そんな橘のようなファンの為に、できれば続編をお願いしたいです^^

2

感情バロメーターゼロか百の天然攻め

まさしくタイトル通りの不可解な男が攻めとして登場する社内ラブであります。
作品の雰囲気はどことなくシュールでコミカル要素で展開されるのですが
突き詰めればかなりシリアスな要素が入っている奥深な作品だと思いましたね。

燎は父親が経営するイベント企画会社に入社して3年父親のコネとは一切関係なく
自分の実力だけで毎回企画を勝ち取る努力家ですが、ほとんどの人間は誰も知らない。
影に隠れて必死で努力している姿を見せるのがかっこ悪いとその辺は社長子息の
プライドも透けて見えるでしょうか。

でもその隠す行為もあって一部の人間からは親の七光りだとか苦労しらずのボンボンだと
影口をたたかれいつも自分の名前より前に社長である父親の名前が挙がってしまうことに
かなり辟易しながらも決して弱みを相手に見せないように突っ張っている。

そんな燎が気になっているのが秘書課の柊で何年も口を聞いたことすらない相手だが
自分が密かに残業をしている資料室に毎回そっとやってきては寝た振りをしている燎に
上掛けを着せ掛けてくれるだけの柊にじれったさを感じているのです。
柊は自分に絶対気があるのに何故何もモーションを仕掛けてこないのか、
そんな風に相手が自分を好きだと思っているだけで自分からは仕掛けない。
この辺も妙なプライドが邪魔しているし、燎自身が柊への気持ちが無自覚すぎて
相手からの行動を期待している感じなのですが、それすらも無自覚。

そして攻めになる柊は真面目で寡黙、それに自己評価が地よりも低く作品を読んでいて
次第にその天然さがトラウマ的な何かを読み手に感じさせるようになります。
感情が見えない天然で自虐的な柊と意地っ張りな燎とのラブは意思の疎通が全然出来ず
互いに誤解やすれ違いでなかなか相愛になれません。

ロボットみたいだと言わしめる柊ですが恐ろしいほど感情バロメーターがイカレてます。
ゼロか百しかないみたいでメーターが振り切れてしまうと2重人格も真っ青状態。
燎の場合は本気の恋愛に不器用で柊は人を好きになること事態が過去の出来事で
無意識に出来なくなっているみたいでした。
シュールな笑いを誘うこともあるのですが実はかなり心に傷を持っている柊と
同じように傷つけられながらも前に進もうとする燎との恋は一筋縄ではいかない流れ、
何度も何度も誤解し思い違いしながら不器用な愛を育てるストーリーだと思いました。

5

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