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並んだ後ろ姿が印象的な表紙。
そして、
帯にはそのふたりを前から見たような、ハヤカワノジコさんの絵。
なので、
ハヤカワノジコさんに似た絵の作者なのかな?
なんとなくそんな気にさせられて本を開いたら、ああ~全然違う…
ちょっと昔っぽくって、この絵はあんまり好きじゃないなぁ…
そう思ったのですが、
読み終わってみると、この絵だからこそ、この作品が素敵なのだと感じました。
漂う空気が、雰囲気が、色気が、切なさが、秘めた激しさが、伝わってくる…
うん、素敵。
その言葉がとても似合う作品だと思いました。
家庭環境により、
愛や幸せを信じられずに育ったふたりが、
互いを拠り所としつつ長い時間をかけて、その関係を少しずつ変えていく…
そんな様子を丁寧に描いたお話です。
分かり合えると思っても、
側にいて居心地がいいと思っても、
それだけですべてが満たさせるわけではないのが、リアル。
高校生の時、キスをしたふたり。
愛や恋や好意…そういう意味を持たないキス。
卒業後、一緒にも暮らし始めた。
片方は奔放でずっとは居ないけど、でも、ここは彼が帰ってくる場所。
帰って来てくれればそれでいい…それだけで充分…だけど……
消化されるだけに見える日々の中で、
諦めながら、もがきながら、前に進んで、相手に踏み込み、想って、考えて、
期待しちゃダメだと思いながら、期待して、想いをぶつけ、
そして見えてくるものがある…
自分は、相手は、何を求めているのか…
愛してる、とか、好き、とかじゃない、
想いを伝える言葉が美しいです。
日常のほのぼのとしたやり取りが散りばめられて、
シリアスになりすぎないのもよかったな。
セックスシーンはありませんが、
(しているかどうかも曖昧)
ふたりが一緒に過ごす長い時間の経過の中で、
肉体関係はそんなに重要じゃないような気にさせられました。
ゆっくりと本と向き合う時間がとれる時に、
ぜひ手にして読んでほしい1冊です。
表紙に惹かれて買いました。
デビュー作とは思えないくらい素敵な漫画でした。
雰囲気がとても静かで時間が淡々と流れていくような漫画です。
なんとも言葉に表すのは難しく、とりあえず読んでいただきたい!というのが本音です(笑)甘々や激しいものが好きな方には向かないと思います…。
何事にもとらわれず、自由な空間を共にする二人の話です。この二人は恋でも友情でも家族でもない、そういうものとは少し違う変わった関係の二人です。
スーッと読めるのでどんな方にも読みやすい作品だと思います!ぜひお試しあれ(^^)
最近になってymz先生作品を遡りながら読んでいます。
読んで良かったなぁ、と思う。
登場する海風も、草次も静かに、静かに心の奥底に辛い記憶を沈め込んでいる。
なのに、互いに無かった様に傍にいる。
辛い、とか声にだして話し込む2人じゃないんですよね。だけど、互いが必要だし他には行きたくない。安心するけど、同時にそんな関係に諦めの気持ちもあったり。
まあ、不器用なんだろうな。
高校生で、知り合って。卒業したら同棲して。身体の関係も有るんでしょうが、余り性的な感じもしない。
とにかく、海風と草次が漂うように近くなって生きている感じでした。
何年たっても、はっきりしなかった関係も疎遠だった海風の母からの電話で、ぐらり。とはいえ、草次が起こしたアクションの効果。
見えていても見逃すし、見えなくても理解しているつもりだったり。草次が諦めているようで、違っていたのが良かったなぁ~
海風と草次の距離が、物理的だけじゃなくて気持ちも近く、寄り添ったのが嬉しい。
じっくり、ゆっくりと共に生きていくんだろうな。光を感じる明るい話でした。
受け攻めは、不明瞭です。
個人的には草次が受けかと思ったり。
と、言いつつエロ無しで充分な萌えを感じました。
切なくてさっぱりしてて、優しいお話でした。二人の間にある感情は愛や恋とは違う、煙のような不思議な儚さを秘めたものです。色とりどりでカラフルな色ではなく、灰色や白などの落ち着いていて静かな色。
登場人物である草次も海風も心の底に暗くて重いものがあるからこそ、二人の間に優しい感情が芽生えていったんだと思います。BLというよりは、なにかもっと深くて儚いもののような気がしました
帯にハヤカワノジコさんの絵が描いてあったので、少し気になって購入させていただきました。最初の部分だけ見るつもりでしたがymzさんの世界観に引き込まれ時間も忘れてしまうようで、いつのまにか全て読み終えてしまいました。ページをめくるごとにある不思議な感覚はこの作品ならではだと思います。
二人の関係が少し変わっていて複雑で、けれど二人で世界が完結しているようなそんな依存した所がとても素敵でした。
物静かな雰囲気は切ないのにどこかじんわりと温かくて、とても優しいお話だったと思います。