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ぱっと見、男子っぽくない子+狼+花というイラストのため、あまりBLらしくない、どちらかというと、はなとゆめ系の少女コミックス風のイラストですが、表紙で見落とすなかれ、素晴らしく萌えました!!
「マウリと竜」などが好きな方なら絶対好きだと思います。ファンタジー系ほのぼのBLです。
民族もののどこが良いかというと、絵が繊細で非常に綺麗です。著者のあとがきでも、民族衣装の描き込みの大変さは語られていましたが、本っ当に細かい!!民族衣装だけでなく、背景や人物の細かな表情、そして何より狼の絵も美しいです。動物や衣装をここまで繊細に描いたBL作品はそうないのでは。いやはや民族BLは盲点ジャンルでした。
良いのは絵だけではなく、ストーリー・キャラも面白いです。ストーリーを簡単に言ってしまうと、すれ違い・勘違い・誤解による片想い・嫉妬などなど、ありがちネタではありますが、オリジナ設定のファンタジー要素・民族的習慣などの要素など、BLの設定として目新しい要素が上手く生かされており、「ありがちだな」とはまったく思えず、話に引き込まれ一気に読めてしまいました。
特に、表紙で、前・後・その後編が入っている「狼と身代わりの恋」は読みながら“切ない!!”、“アラクシ(色々勘違いして受けを傷つけてしまう攻めキャラ)のバカやろう!!”と脳内で叫びながらゴロゴロする程度に引き込まれました。
絵といい、内容といい、デビュー作とは思えません。素晴らしい。
自分内の今年度上半期BL作品でTOP3に入りそうな勢いです!流行れ〜!
ファンタジーは気になるけど表紙のキャラは女の子っぽいし、内容もゆるそうだなぁと思い読むのが後回しになっていたこの本。想いの強さにガツンと殴られました。受けはやっぱり女の子っぽいのですが、性別は関係なく展開される世界に惹き込まれ、切なく優しく力強い純愛ストーリーに泣かされました。
◆『狼は恋に溺れる』
惹かれ合う宿命にある「狼」のツァスと、「白鹿」のウル。
「白鹿」だからではなく、自分自身を愛してもらえるようにと願って一生懸命勉強するウル。
勉強など必要ないのに、何故自分の傍にいてくれないのかと不安になるツァス。
誤解が解けて気持ちが通じ合うまでの流れはありがちな展開でしたが、運命に任せて愛し合うのではなく、努力して自分の魂が選んだと思える生き方を追求する姿に究極の愛を感じました。
◆『狼は幸せな夢をみる』
貧しい村で兄弟のように育ったアリオンとイェケ。
イェケを幸せにしたい一心で働くうちに余裕をなくしていくアリオン。
幸せはすでに2人の間にあったのだと、イェケが気づかせてくれます。
◆『狼と身代わりの恋』前後編+その後(描き下ろしH編)
アラクシ×サラ。身代わりでもいいから傍にいたいと思う気持ち、それ以上を求めて苦しくなる気持ち、逃れられない想いが苦しく切なかったです。
頑張った末に「もう頑張れない」と言うサラ。涙を流さずに吐きだされた弱音がとても痛々しく…。
けれど2人が真剣にお互いの事を考える感情は身代わりなどではなく、傷ついた心が優しく癒されるラストでした。
狼信仰が色濃く息づく民族をモチーフにしたBL作品を読めるだなんて思ってもいなかったのでこちらの作品に出会えた喜びはとても大きかったです。
狼を始め、女の子のような容姿と可憐さを持つ登場人物、ひたむきで健気な受ちゃん、民族衣装、自分の好きがギュッと詰まっていて贅沢で満足感ある一冊でした。
表紙で釘付けになり、口絵や冒頭から溢れ出る世界観、あっという間に物語に引き込まれてしまいました。
切ないシーンでは胸を締め付けられそうになり、それぞれのカップル達の想いが重なったシーンでは幸福感を感じてキュンキュン癒されました。
絵柄もストーリーに見合った繊細さがあり、丁寧な景観描写から生まれる視覚効果も素敵です。
民族衣装もつま先まできちんと書き込まれていてじっくりと見入ってしまいますね。
狼の生態を準えた部分もあって、狼を信仰の対象として崇拝するトーテミズムのようなものも感じられる極上ファンタジー作品でした。
ファンタジー設定で民俗BLとか。
その昔、狼と白鹿が愛し合い番ったことから始まった国と民の物語。
一見して表紙も女子っぽいし、どうしよう?と悩んだのですがその装丁の綺麗さの魅力に抗えなかったデス。
多分、小説だったら地雷ドツボでうわ~!ってものだったろうと思うのですが、何だろう?
絵が見せる効果が働いてそんなに悪くない、この設定ありきのファンタジーの世界にそうだよね、と納得を感じるのでした。
単行本のタイトルは同人作品の題名で、『狼は恋に溺れる』と改題して雑誌収録になった作品だそうです。
この表題含め、3本のそれぞれの「番」をテーマにしたお話で出来あがっていました。
この3本に共通するのは、狼である攻めとなる男子が割とどれも強弱はあれど強気で、一部傲慢な部分もあるところ。
受けになる子はちょっと弱い雰囲気を持ちながらも、健気で一途なところ。
そしてどれも誤解やすれ違いを軸にしています。
似た感じの3本であるのに、それぞれの立場やシチュが違うから話は当然違っていて平坦な感じはしません。
ラストには甘さが、そして愛があるので、着地はとてもほのぼのとしています。
王家の子息は白鹿と呼ばれるまれに生まれる白い髪の子と、性別問わず婚姻する定めであり、また惹かれあうのは当然の理。
【狼は恋に溺れる】
白鹿であるウルが番である王子のツァスに白鹿であるから側に居て当たり前ではなくて、ふさわしい人になりたいと努力することが誤解を生むお話。
当然なのではなく特別になりたいなんて、そう白鹿も一個の人間であり唯の妻という番ではないのだと、弱い外見から感じられない強さを感じました。
その一見女子のようなウルが魅せる表情があるからこそ、自分の地雷と感じる苦手部分を補うのかもしれないです。まさに絵の効果。
【狼は幸せな夢を見る】
こちらは狼と白鹿の組み合わせではなくて、貧しい寒村出の狼同士のお話。
ずっと一緒に苦楽を共にして生きてきたから、相手に良い生活をさせてやりたいから、そんな一途な想いは、相手と一緒なのにすれ違いを生んでいた。
王族と身分が違うモノ達の物語が合間に入る事で、この国というものを見る事ができるような気がします。
【狼と身代わりの恋】
これですね!思いっきり痛いすれ違いと誤解思い込みです!!
双子で生まれたサラとナラは、王子の兄弟それぞれハリムとアラクシと番う事になるのですが・・・
サラはアラクシがナラを好きだと知っており、アラクシはサラがハリムを好きだと思い込んでおり。
とてもとても苦しくて、傲慢なアラクシがとっても酷いヤツでサラが滅茶可哀相です(涙)
どうやって団円を迎えるのか~それはさておき。
こんな攻めやだー!と思うより、白鹿が双子で生まれてきたことから唯一でないという条件が+され、始祖からの定めは一体?というハラハラ感もあり、この話は一筋縄で行かない展開を見せるのがよかったのだと思いました。
小説だったら、ほんとうにこんな奴やだー!!かもですが、やはり漫画は表情が見せる部分が絶大な効果を奏して、その痛みも奥が深く柔らかくなるような気がします。
メデタシの終わりに安堵しながら、書き下ろしの初エッチに、これからアラクシは超メロメロで嫉妬しまくりの束縛キッツイ人になるんじゃなかろか?と思わずニヤリとさせるのでした。
カバー下にそんなワンシーンがあって、ほっこりさせられます。
小説だったら地雷、でも漫画だからの魅力があった。
自分にとってはそんなファンタジー。
衣装の他にも全てではないですが背景も細かい描き込みなどみられ、丁寧な作りに読んで良かったな~と、しみじみ思うのでした。
表紙とあらすじを見た時は攻めが狼なのかと思ってしまったのですが、そんな事はありませんでしたね、普通に人間同士のカップルでした。(私は人間同士の方が好きなので特に問題ありませんでしたが。)
ストーリーにも読む前に思っていたほどには狼は深くかかわっていませんでした。けれど世界観を表現するには充分な役割をしていますし、その点では重要な存在だとも思います。何より登場人物達の側に寄りそう狼たちの姿は愛らしく、もっと姿を見たいと思ってしまいました。
「民族衣装を着た人たちがBLしてる漫画が読みたい」と作者のりうま先生が思っただけあって、民族衣装はとても丁寧に描きこまれていて、衣装を見ているだけでも楽しいです。風景や風習や世界観もしっかり描かれていたので、ただ民族衣装を着ているだけで終わっていなかったのも素晴らしいところ。
狼にしても民族衣装にしてもファンタジーにしても、りうま先生が好きなもの・読みたいものを描いてこれだけ反響があったと言う点でも素晴らしい事だと思います。
収録された三種類のお話が全て同じ世界を舞台にしてるのも面白かったです。これだけ丁寧に作られた世界を一作で終わらせてしまうのは勿体無いですし、複数の作品を楽しめて良かったと思います。
どの作品も、自分に劣等感を感じながらも健気に相手を思う受けの姿にきゅんとしましたし、相手の気持ちや自分の気持ちに気付かず、すれ違いや誤解などを経ながらも相手と打ち解けていく姿を応援するような気持ちで読んでいました。
少し残念だったのは、アラクシがサラに告白するシーン。あれでは「一目惚れした相手だったから好きだ」と言っているようにも感じてしまいました。
アラクシはナラと会話して、本当はサラが好きな事と、一目惚れした相手を勘違いしていた事に気付きます。ですが、本当はサラが好きだった事と、一目惚れした相手が本当はサラだった事は別の話だと思います。アラクシ自身も自分で自分の気持ちに気付いていたので、一目惚れだけが好きの理由ではないときちんと分かりはするのですが、好きな理由とははっきり分けて描かれていたらよかったかなぁとも思いました。
その辺りが少し気になった以外は本当に満足です。
民族モノでファンタジーなBL作品をもっと読んでみたくなる、そんな作品でした。
