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表題作溺れる瞳

宮路充
サラリーマン
本名秋緒
売り専ボーイ・アキ

同時収録作品最低彼氏

金子
自社ビル持ちの社長
葵(本名竹田信照)
売り専ボーイ、26歳

同時収録作品HEARTS

葉山
店のオーナー
翔(本名長瀬瑞希)
売り専ボーイ、25歳

その他の収録作品

  • telephone

あらすじ

―――最初から思ってたよ。あなたの隣に似合うのは、可愛い女の子だって。
売り専ボーイとして働くアキの想い人はノンケのリーマン・充。自分の性癖に悩み店に来た充は、
アキの事を褒め、真摯に求めてくれた。
「やっぱりゲイなのかな…それとも、アキの事が好きなのかな」そんな一言で舞い上がり、店外デートを重ねて…
ちょっと勘違いしてしまったんだ。だって、まるで本物の恋人同士みたいだったから―――。

作品情報

作品名
溺れる瞳
著者
日野ガラス 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796406277
3.9

(50)

(14)

萌々

(23)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
194
評価数
50
平均
3.9 / 5
神率
28%

レビュー投稿数11

売り系はあまり好んで読む方ではないけど、それでもかなり大満足!

もともといつか読みたいとは思ってたんですが、今回「売り系が苦手な人にも~」というレビューに少し背中を押されて読みました。
良かった!(レビュワーさんありがとう!)

5~6年前に試し読みして、なんとなく絵柄などが理由でスルーしてた本作、最近日野ガラスさんの良さを「花園の記憶」で再認識し始めたので再度トライ。
売り専ボーイに関する計3CPの話が収録されていて、すべてつながった世界です。
みんなキャラがちゃんと立っててすごく良いですね。ところどころコミカルなのもイイ。

①「真面目なノンケリーマンxゲイのキレイ系ボーイ」
充さんが涙もろいのオモロイw
「花園の記憶」でもそうだったけど、日野ガラスさんて絶対、指輪絡みの設定とか展開、好きですよね?
2014年発売の作品ですが、当時はLGBTなんていう用語は全然世間では知られてなかったので、店員の態度はごく普通だったんだろうな。

②「性格クズの金持ち客x小柄な可愛い系ボーイ」
これが一番個人的に萌えが少なかったです。

③ノンケ同士「店長xボーイ」
これが断トツで一番好き!
いつもつっけんどんな攻めが素直に照れた時の衝撃プライスレス。
不憫な人生を歩んで人間不信に陥った受けが独り立ちできるように、いろいろちゃんと教えようとするところにグッときました。
ちなみにここで言う「ノンケ」とはもちろん「完全にノンケ」という意味ではなく(もし「完全に」だったらそもそもBLにならないので)「ノンケ寄りのバイ」つまり「ヘテロフレキシブル」のことを指します。

<不満点>
顔立ちが全員ほぼ同じなので、髪型と髪色でやっと見分けはつくのですが、やっぱりもう少しキャラによって顔立ちを描き分けてほしかったです。

<注意点>
①女装シーンがありますし、受けの姉がトランスジェンダーとゲイを完全に混同してますが、女装BLではありません。
ちゃんとそれらの行動にすべて意味があるので、女装BL苦手な方でも安心して読み進めてください。

0

どれも全部ステキなお話でした!

この作品は3つのカップルが出来上がるまでが書かれていますが、どれも可愛くて好きでした!
みんな同じお店のボーイなので、おまけ漫画で電話で繋がってるのがなんかよかったです。

こういう1つの本に話がいくつか入ってるのって、1つの話が薄くなりがちなので苦手だったんですけど、これはどれも満足度高めです。
カップルになるまでって区切りで描いてるからですかね?

全カップルみんな好きでしたが、個人的には金子さんと葵くんのその後がとても気になります。
たぶん両思い(金子さんの気持ちがよくわからないのは私の読解力のなさのせい…)なのに、金子さんの連絡の頻度の低さはなに??笑
仕事がとても忙しいのかな?
それに怒ってる葵くんは非常に可愛いですが、まだまだニ波乱くらいありそうな2人なので、続きが読みたかったなぁ。
他の2カップルは幸せそうで何よりです。

とてもまとまりが良く、読んでいて楽しかったです。作者さんの他の作品も見てみようと思いました。

1

売り専ボーイズ達の恋模様

みんな純愛ですね。
売り専ボーイズ達の恋のお話です。

みんな身内や知人の借金の末に転がり込んで来て、でも前向きにプライドを持って頑張ってるところが好感が持てました。
ある意味みんなシンデレラストーリーでは?なんだか遊郭の水揚げ?みたいな。

アキ編ではノンケリーマンとお店を通さず会ってしまうほど好きになって。でもわかっていた、本当は女の人の方が似合うって。
切ない別れで終わるかと思ったら、リーマン充が毎日お店のアキの出勤状況をチェックしてて。
やっぱり特別だったんですね。巻末ではもっとハッピーな展開に。

3話目の店長と売上ナンバーワンのベテラン瑞希とのカップル。知識がなくて不幸のドン底にいる瑞希に学ぶことの大切さを教えてくれて。
瑞希にお店を辞めさせてもなんだかんだと様子を見に行く店長です。いつかできるといいね!

1

ウリ専ボーイ三人の恋物語

三作品収録されています。
どれもウリ専のお店が舞台になっていて、そこで働くウリ専ボーイ・三人がそれぞれの主人公です。
どのお話にも他のカプのお話がちらりと絡んでて世界が繋がってます。

【溺れる瞳】
ノンケのはずだったけれど、最近男が気になる…というリーマンの充とウリ専ボーイ・アキのお話。
お話の進み方は普通っちゃ普通だけど、充とアキとの間でやり取りされるお金について、アキが思いを馳せるモノローグがキラリと光ってここがとても好きです。
写真家になりたかったという充が、写真ではなく他の仕事で汗水垂らして得たお金をどんな想いで自分にお金を渡しているんだろう…というところが。
そして実は、最近男が気になったから店にやってきた…のではなく、公園で見かけ声を交わしたアキが気になってしまったから店に来てしまったんだなぁ、とわかるところも良いです。

【最低彼氏。】
30代にして自社ビルを持つやり手の社長・金子とウリ専3年目、ほぼベテランに入りつつある葵のお話。
金子は葵の初めての客で、その時のスマートな振る舞いにポンと恋に落ちてしまったものの、遊び人の金子は数ヶ月に一度しか葵の元にはやってこず…。

あんあんとよがるキャラじゃないのに客からはそれを期待されてしまい、いつも客前では演技している葵。
それが三ヶ月ぶりに金子に抱かれた際に本気であんあん言ってる姿が◎

一生遊んでやるから店辞めてこいと言われて、なにそれ、サイッテー!!と言いつつも身体が勝手に動いて、浮き足立てて店に駆け込む葵がかわいかった。
だけど描き下ろしでは一生宣言をして恋人同士になった後も、一ヶ月連絡なし、丸二ヶ月会ってないで放置されてる葵が描かれて、なんか不憫…。

【HEARTS】
店長と、5年働く最古参でありながら、いまだにNo.1ボーイであり続ける翔のお話。

母親の借金のかたに売られてきた翔が、育ってきた環境のせいでろくに学んでこれなかった翔の背景を見抜いて、漢字の書き取りなど一般的な知識も身につけさせようとする店長が良いんです。

No.1として君臨し続けてタチネコSMなんでもござれだった翔が、店長に向かって「いつかセックスしたいね。本当に好きな人とするのってどんな感じなのかな。きっとすごく幸せなんだよ。」初々しく言うところが好き。
入店前の研修としてのセックス描写はあるけど、恋人同士になってからのセックスはないので、そこが見たかったような、でも明るい期待に膨らんでいる翔の言葉だけで終わっているところがかえって良かったような…。


描き下ろしでは、【最低彼氏】の葵が、元同僚の翔やアキに金子についての愚痴を電話でぶちまけるお話です。
愚痴を聞いてもらってすっきりするはずが、翔やアキが恋人とうまくいってる様子が漏れ伝わってしまい、なんで俺だけ………!!!となってしまった葵が、なんだか不憫です。

4

どのお話も面白かった!

BLコミックを読み始めた頃に買った1冊。
本棚整理しなきゃなぁといつも手に取るんですが、やっぱり手元に置いておきたいと思い、ずっと手元に残ってます。
今も再読してみたけど、やっぱり面白かった。
同じお店で働く売り専の男の子3人のお話、
三者三様のお話でどれも違ってて、1冊丸ごと楽しめます。

「溺れる瞳」
2話構成で1話目が売り専側のアキ、2話目がお客の充側からのお話。
自分のセクシャリティを確かめたくて来店した充の相手をしたのが2人の出会い。
アキがつい自分の連絡先を充に渡した事で、2人はその後も関係を続けるんですが、
真面目な充は必ず別れる時にアキにお金を渡し、
アキも疑問を感じながらも充からお金を受け取る。
でもとっくに2人は恋しちゃってるんですよね。
クリスマスイブ、もうお金は貰わない、今迄のも返していこうと決意したアキですが…
というお話。
せつなくて、綺麗で、丁寧で、読んでてどっぷり世界に入れます。
充から受け取るお金の重み、夢とは違う仕事をして稼いだお金を渡す時、あの人はどんな気持ちで渡すんだろう…と、
どんどんと充を好きになっていくアキが、
きちんと充に気持ちを言えないまま、彼に渡すはずだった指輪と、最後に受け取ったお金を橋から捨てちゃうシーン、
好きだったなー。
「水色の隣はピンクが似合う」と子供の時に思った事を、改めて思う。
本当は相思相愛な2人なのに、お金の受け渡しがあったって事は、
現実は客とその相手な訳で…。
その現実をクリスマスイブに味わうなんて…。
そこまでが1話で、2話目は何故充がお店に行ったか、
クリスマスイブの後の2人それぞれが書かれていて、
これまたせつないです。
そんなにいっぱい書かれてる訳ではないんですけど、
アキがずっと抱えてきた「水色の隣はピンクが似合う」というのがよく解るので、
最後充に飛び込んでいった時が良かった〜、やっと落ち着いた。
なので最後、ベットで「本名で呼んで欲しい」とアキが本名を明かす所、
「あ〜、もう、本当良かったな〜」としみじみしてたんですけど、
ページめくったら、いきなり思いっきり盛り上がってたので、
まぁいいっちゃいいんですけど、
そこまでゆっくりゆっくり来てた感じのペースでいた自分としては
「はやっ!」と、そこだけはちょっと微笑ましくツッコミ入れてしまいました…すみません…(苦笑)
でも本当、クリスマスイブで終わりにならなくて良かったです。

「最低彼氏」
ツンデレ葵と俺様の金子のお話。
1話しかないので短いのですが、これもすごくいいです。
金子を好きな事がやめられなくて、金子に対して素直になれなくて。
そんな葵が最後「絶対幸せになれないと思うけど」っと金子に飛び込んでいくのが、気持ち良くて、微笑ましくて。
短いんだけど、短かさ感じないお話です。

「HEARTS」
お店No. 1の翔と店長の葉山のお話。
中卒で学がなくてまともな仕事に就けず、借金返済の為に無理矢理お店に入らされてと、やけくそ状態だった翔が、葉山に育てられ、変わっていく。
売り専で自分の存在価値を見つけたっという所が本来悲しい事だと思うんですけど、なんかそこが後ろ向きな悲しさではないんですよね。
お客に対して、多分誰にも言えない最大の秘密を、ボーイとしか共有できないってなんて切ない事だろうっと翔は思ってるのプラス、葉山との信頼関係がしっかり育まれているから。
でもやっぱりそんなお客ばかりではなくて、最後に翔は痛い目に合ってしまう、しかも翔の誕生日に。
そんな翔に葉山が「価値がない歳なってきたし、もう店来んな」って所の2人の顔がせつない…。
好きだから離れたくないから辞めないと言われても、葉山は翔に売り専をやらせてたという現実がある訳で。
その葉山にぶつかっていって、最後葉山が折れる所は、結末解ってても読んでて楽しい。
じっくり信頼関係で繋がってる2人が恋愛関係に変わる瞬間…いいです…。
お話最後迄2人は寝てなくて、また、翔がお店辞めてから2ヶ月会ってないみたいなんですけど、もうこの2人は全然大丈夫なんでしょうね。
末長く幸せになって欲しいです、いや、なるんだろうな〜。
後、翔が母親に会いに行った時の回想シーンも好きでした。
「愛してる」とか「ごめんなさい」じゃなくて、ただ一言ぽつっと言われただけなんですけど、私は好きでした。

くどくもなく、軽くもなく、
また、3人共三者三様魅力があって、読んでて情が湧くので、
何度読んでも飽きない1冊だと思います。
続きがもし出る事あったら、読みたいなーと思う3人のお話でした。

2

締めるところは締めつつも、きれいで繊細な話

なんでこんな裏表紙にしたんだろう…。
全然そんな話じゃないのに、損をしていると思う。

ノンケリーマン×売り専ボーイの話ですが、
このボーイの子が…

「俺は最近よく金について考える
ウチの店ではボーイを傷付ける行為や ハードな行為はNGだ
でもさぁ 金を貰っているんだから
お客さんが汗水垂らして稼いだ金を

俺はあの人の金について考える
写真家になりたかったあの人が 他の仕事で一生懸命稼いだ金について
あの人はどんな想いで俺に金を渡しているんだろう」

と考える子なんですよ。
…胸を打たれる。

攻は攻で、(客と待ち合わせる)受を初めて見たときに
「感じの良さそうな青年だった
これから初対面の男相手に体を売るってのに 絶えず笑顔で」
と思う。

とてもマトモな感覚を持つ二人の、派手さはないがいい話なのに。

3編収録だけど、どこにもエグい描写はなくハーネスも出てこないのに。

3編目で、最近問題化している負の連鎖についてもさらっと触れている。
それもテーマ的に(売り専ということは経営はヤクザ屋さんなので)
締めるところは締めつつも、どれも最後まできれいで繊細な話。
絵の印象通りの。

裏表紙のハーネスだけが浮いている。

1

売り系が苦手な方にも読んで欲しい!

日野ガラスさんて、少女みたいな光の多い目にバシバシのまつげが男性についていて、あごも細く尖っていて少女マンガみたい、なのに首筋はガッチリ・・・というアンバランスさが何だか苦手で、昔一度読んだきり手を出さないでいた作家さんでした。
でもこれがすごくすごく良くて、今まで避けてきたことを後悔。

3人のキャラクターが主人公のオムニバス形式ですが、3つとも全部よかった!
1話目を読んで面白いかもって思い、2話目がすごく良くて、3話目が更に更によかった!
テーマが同じで、3つともこんなにクオリティーの高いお話に仕上げるのは素晴らしいと思います。

3人とも売専ボーイという設定ですので、お話の上では相手以外の人ともお金をもらって寝ています。なので特定の相手以外と関係を持つお話は嫌だという方には向かないかもしれません^^;

「溺れる瞳」
ゲイなのか悩むサラリーマン充に、売りボーイとして優しく接するアキ。
最初はお客だから優しくしていたのが、次第に禁止されてる店外でも会うようになり、どんどん互いが好きになり、もう恋人なんじゃ?と錯覚するまでになるけれど、別れる時に渡されるお金がいつもアキを現実に引き戻します。

アキはお金と体の関係を真剣に考え始め、内容はなんてないお話なのに、客として出会ってしまったことで、客とボーイとしての関係が切り離せないまま恋愛感情が育って行く様が丁寧にかかれています。
充と出会ったことで世界がキラキラしてる、もうお金なんていらないって言おう!って思うアキが本当に可愛い。
せつなく苦しいお話ですが、最後はハッピーエンドです。

アキ以外のほかのキャラにも言えることですが、お金を払って身体を買いに来る客の事をボーイは嫌な目でなんて見ていなくて、「大事なお金を払ってくれている」「皆理由があって買いに来る」と真剣に考えてあげていることが良かった。

「最低彼氏」
この二人がカップルとしては一番好みでした。
未成年に見えるくらい可愛い葵は26歳で、可愛い系で売ってますが中身は口が悪くて強か。初めて自分を買ってくれた金持ちの金子には素で接しています。
彼のことが好きだけど、世界は自分中心で回っているという感じの金子の性格と葵の性格ではなかなかいいムードにはならなくて、金子相手に「サイテー」だとか「呪われろ」など暴言を吐いています。
素直でない、ツンデレ意地っ張りの典型的なキャラクターです。

金子が気になって気になって仕方ないのに、買いに来てくれないことにイライラし、違う人を指名すると泣きながら大嫌い!という様が本当にかわいい。
俺様と意地っ張りの、こういうカップルて、王道すぎるのになんで萌えてしまうんだろう。も少し長く読みたかったです。

「HEARTS」
ラストのお話がすごく良かった。
前の話でアキと葵をフォローしてくれた店のNo.1瑞希の裏側。
借金をかかえて学校にも行かずに生きてきた瑞希を、店の店長である葉山はボーイとして店に出すことで借金を返済させようとします。

今でこそどんなお客様にも合わせられる瑞希が、最初は手がつけられない警戒心の強い暴れ猫だったころから、根気よく面倒を見て学校に行っていないからと馬鹿にはせず教養やら礼儀やらを教えてくれた葉山との関係が丁寧に描かれています。
瑞希が次第に葉山に懐いて心を開いていく様子が温かくて本当にきゅんとする。

葉山に拾われて店に出て、瑞希は初めて自分にも価値があることに気がつきます。葉山が瑞希に対して、売りをしているのに「汚れない大事なもの」だって言ってくれるのがよかった。
結局、関係が曖昧なまま終わるのもよかったです。
いつかしたいね、という、ボーイとしてでなく、「本当に好きな人とするってどんな感じかな」という未来に幸せを期待する感じで終わっていたのに胸を打たれました。

売りという仕事と恋愛の関係を上手く描いていた作品だと思います。
売春ネタなのに痛々しくないというか。
売り系が苦手ってかたにも是非是非!読んで欲しいなぁて思いました。

8

より噛んでいきたい


日野ガラスさん初読み。
背表紙は…アキ?凄く綺麗です。

横繋がりの一冊。
えちよりも、ふとしたところに表れる"人間らしさ"のようなものが胸に突き刺さるような感覚を憶えました。ここが日野ガラスさんの作風なら、いいなぁ…と。

【溺れる瞳】
充さん(攻め)の真ん中分けが好みでした(笑)
最後の一コマがとっても好き。
眼鏡!かわいいー!
ずーっと幸せであってほしい、いてほしいふたりです。

【最低彼氏。】
なっかなか掴めない攻め(遊び人)と見事に振り回される受け。
「振り回されていたのは俺でした」なんてかわいい展開もなく、最後に…!といった感じで真意が見られたのがよかった。それが良かった!
本当に遊んでくれるんだろうな…?という警戒心と、本当はめちゃくちゃ可愛がっているのかもしれない…という淡く甘い期待で胸きゅんします。
振り回される受けは可愛い…!!

【HEARTS】
一番長く、一番真面目?な話。えちが無いからかもっと先が読みたいです。いいカップル。
字の件に葉山さん(攻め)の優しさが溢れていてきゅんとしました。一番大人に見えてすごく純粋だった瑞希(受け)とゆっくりでも愛を育んでいただきたい…。

ひとりひとり、愛をもって売り専から掬っていく(笑)攻めと出会える受けに、よかったねぇ…と和み。

描き下ろしもニヤニヤが止まりませんでした。


…三人とも女装姿を攻め勢に見せてほしい。


1

売り専ボーイたちの恋

日野さんの繊細で綺麗な絵と売り専という仕事が絶妙に合っていて、どこか危うげで儚くも華やかな世界観が楽しめました。それでいて随所に出てくるまるまるとしたチビキャラが可愛くて良い(笑)
ノンケリーマンに恋してしまう売り専、
甲斐性無しの男を嫌いになれず振り回される売り専、
恩人であるノンケ店長に惚れてる元ヤン売り専、三組とも受けが健気。
特に表題作のアキはクリスマスにお誘いを受けて純粋に表情を綻ばせて喜んだり、おそろいの指輪をプレゼントしようとしてそわそわしたり非常にいじらしくてきゅんきゅん。元ヤンの翔も店長の優しさを受け容れて字や言葉遣いまで完璧に努力する姿が愛しいです。
三者三様の売り専ラブ、楽しかった!

2

本気の恋って?

売り専ボーイ君たちが、それぞれ本気の恋をして、売り専稼業を卒業していくお話。
表題作は、好みの客に一目惚れして、店を通さずに逢うようになって、逢うたびにお金はもらうけど、でも、お金でつながる関係ではなくて普通の恋人になりたくて、、、
もう最初からお互いに好きあっている二人。
売り専ボーイと客としてだからつきあい始めることができたけど、本当の恋人同士になるためには売り専ボーイと客という関係が障害になる。
はたして、二人はその障害を乗り越えられるのか?
「最低彼氏」は初めての客に恋してしまったが、相手は仕事優先で自分中心な最低な男。
何ヶ月も放っておかれて、それでもやっぱり待ってしまう。
ようやく会いに来てくれたと思ったら、同じ店の違う子を指名して、、、。
「HEARTS」はボーイと店のオーナーの話。
借金のかたに売られてきた瑞希だったが、たとえ体を売る仕事だとしても、人に求められることで自分に自信を持つようになり、、、。
どの話も、切なかったり、ハラハラしたりと、お話としてはおもしろく盛り上がる。
また、登場するキャラたちが、出会ったり、つきあっていくことを葛藤したりするには、売り専ボーイとその店って言う装置は有効。
でも、その設定が有効なのはわかるけど、わからないわけじゃないけど、でもなぁ、、、。
この根本の設定にひっかかって、歯切れ悪く萌一つで。

2

3カップルのキラキラ。

「溺れる瞳」
ノンケらしきサラリーマン充×売り専ボーイとして働くアキ。
「最低彼氏」
お金持ちの金子×売り専ボーイとして働く葵。
「HEARTS」
売り専店店長の葉山とNo.1売り専ボーイ翔。
「telephone」(描き下ろし)
上記3カップルの後日談。


オムニバス形式でありながら、主人公達が一つのストーリーとして繋がっています。
売り専ボーイとして働く男の子達の葛藤と恋のお話。
日野さんの作品は何を題材にしてもキラキラと輝いてます。
重たそうな雰囲気の中に散りばめられるセンシティブさと、感情が動き出した瞬間の叙情的な描写には目を見張るものがありますね。
繊細で本当に綺麗。
「溺れる瞳」
自分のセクシャリティに疑問を持つ迷える子羊こと充はアキに惹かれるも
売り専として働くアキを受け入れられなくて…アキもまた充の隣には自分は
並べないと思うけれど恋する気持ちは止められないんですね。
エロスは決して多くないのですが、アキの姉が自分とお揃いで買ってきてくれたピンクのワンピースを着ながら充を想い、自慰をしているシーンがとても印象に残りました。
美しいと思えるが故に、何だか見てはいけない瞬間を覗いてる気持ちになり、ドキッとしちゃいました(*´o`*)⋈*。
充がセクシャルティに悩みだしたのにはどうやらアキに関係があるようで…。
「最低彼氏」
アキと同じお店で売り専ボーイとして働く葵のお話。
こちらのお話は3カップルの中では、どこか可愛さ漂う比較的軽めの雰囲気。
葵は、中学生ぐらいに見える容姿だけれどウリ専としてベテランの域。
自分好みの常連客 金子に惹かれ、期待するもいつも甘い罠に落ちては落胆させられる。
素直になれないけれど、金子のことが大好きで嫉妬したり苛々したりグルグルしちゃう葵が可愛らしかったです。
「HEARTS」
タチでもウケでも何でもいけるノンケの売り専ボーイ翔と店長のストーリー。
アキと葵が働くお店で一番古いNo.1ボーイ。
売り専として働くことで自分の存在価値を見出した翔。
その過去には何かあるようで、入店当時は文字すらまともに書けません。
それを店長の葉山は、口と態度は悪いながらも色々と翔を気に掛けてくれます。
そんな葉山に、字の上達と同じく人間性も変化していって、惹かれていったのでしょうね。
客に自分の字を褒めらた時の翔の笑顔はとても輝いていて、葉山に対する翔の想いの丈がギュッと詰め込まれている気がしました。
この二人に関しては、セックスシーンはありません。
だけど、ラストシーンを見るとそれで良かったと納得いきました。

個人的には「溺れる瞳」のお話をもう少し読みたかったですね。
描き下ろしでは、3カップルそれぞれの特徴が表れていてほんわかした雰囲気になっていました。

2

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