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表題作妖ノ宴

蔵間慎三郎
武士,25歳
藤吉秀秋
大名家当主の嫡子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

野心溢れる若い武士・慎三郎に、主の息子・秀秋への奉公が命じられる。軟弱で我儘と噂の秀秋だったが、自分には秘密があると恥じ入る秀秋の色香に、慎三郎は彼のことを暴きたいと思い…。

作品情報

作品名
妖ノ宴
著者
丸木文華 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041022115
3.3

(27)

(3)

萌々

(7)

(14)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
87
評価数
27
平均
3.3 / 5
神率
11.1%

レビュー投稿数7

いろいろご想像におまかせ系?

次々と人を狂わせる秀秋と、惑わされながらも心を通わせていく慎三郎のお話。秀秋の性質やラストのあれこれに関しては、曖昧なまま終わっていく。真相はあえて追求しない方が情緒があって良いのかもしれない。

秀秋に仕えることとなり、最初は反発していた慎三郎。この時点でちょっとフラグ立ってる気がしなくもないが、秀秋の素顔を知るにつれ、離れられなくなっていく。

秀秋には「立派なもののけになった」と言われる慎三郎だけど、途中から秀秋視点に変わるので、慎三郎がどこまで秀秋に嵌り込んでいるのか図りづらい。なので引き離された後の慎三郎の変わりように驚いた。

会えなくなると、お互いにお互いの夢を見続ける二人。そして気付けば夢か現か分からなくなっており、正気かすら分からない。妖しい空気の中、慎三郎は疑ったり考えたりすることすらも、徐々に放棄していく。

ラストもそうだし、要所要所で神視点に移る演出で、この独特の妖しさを盛り上げていた気がする。遠くに行く二人を眺めている気分を味わえる。切なさの残る読後感が良かった。

0

No Title

motherですっかり丸木先生の世界観にハマりまして、気になるものから順に読んでいます。

これは……!!
最後は全然予想と違いました!
がふたりにとっては良かったと思います。

お付きになった男どもを片っ端から骨抜きにしてしまう、城の奥に閉じ込められた秀秋。
多くの武勇伝を持つ、主に実直な慎三郎は不本意ながらも秀秋に仕えることとなる。

秀秋の吸血行為がこの先どうなっていくのか気になっていましたが、最後まで変わらず。
妖だったのか、妖に取り憑かれていたのか。

怪しく妖艶なファンタジーでございました。

1

吸血鬼というより曖昧な奇癖の描き方と心の通わせ方が良かった

Kindle unlimitedで読める丸木先生本。
読む前から楽しみだったのは「忍姦」と同じく時代物の文体でした!
上昇志向の強い武士が虚弱な若のお守りを任され、不遜を若に見破られ、馬鹿のふりをした聡い若とのやり取りが格好いい。気を許してからはじゃれ合いながらお互いが唯一と確かめ合うのも良かったです。

吸血鬼というより、どうして血を欲するのか分からず、虚弱な為に血を欲しているような曖昧な奇癖として描かれるのが入り込みやすいです。
こちらは無双武士に美人強気受けが鳥の血を吸っているのを見られ、
・親のように否定しない攻に受が心を許していく
・強気な高貴受なのに血を吸ってる時は素直になる
というのが良かった!!
お互いがこんなヤツ…と思っていたところから、血を吸うところを見られ、攻が獲物を差し出し「うまい」と餌付けされる受けだったり、見限らない攻めに嫌われたくないと感じていく受けだったり、心の通わせ方が丁寧に描かれてそりゃ好きになるよと思いながら読みました。

思ったよりエロが多いなと感じました。心を狂わせていく恋と欲望がどっぷり感じられたし、最後はどうなったのかあやふやなのも怪しくて、でもモヤモヤしない感じでした。

0

戦国時代 若様は美貌の吸血鬼

日光が苦手で生き血を吸う主と血の契り(これがホントの契兄弟?)

奇妙な主の三男に仕える事になった慎三郎、
若君は、夜行性、日光に当たると萎れる
動物の生き血を吸うと元気になっちゃう
美貌に惑わされて、狂ってしまう近習たち

・・・戦国版吸血鬼のお話で、主従の恋愛。
若様は、城内の人事をきっちり把握しているし、統治について意見を持っている。

こんなに聡明で美貌の若様なら、主従関係の懸想ではなく、どこかに小姓や行儀見習いとして出仕させて、敵を中から滅ぼすなどの展開とか、もっと話を膨らませる方法があったんじゃないかと思ってしまった。

知らずに読んだのですが、この著者の作風を一言で表すなら「花マルBlack」・・そうだったのかー。過去のレビューを先に読めばよかった。
この作品は、展開に感動するところが私には薄かったので、萌。

1

久しぶりの執着愛

丸木先生の戦国時代ものは前も一度読んだことがあったのですが(確か忍姦というタイトルだったっけ?)、あまり趣味じゃなかったと思いました。
だから今回は戦国時代ものが再びと聞いて、しかも前作と似たような設定で受けと攻めが主従関係なので、正直、あまり期待していませんでした。
でも実際に読んでみると、意外とすぐに物語に引き込まれちゃって、気が付いたら一気に読み終わりました。
この本を一言で表してみると、タイトル通りの妖しい雰囲気の中での純愛物語なんだと思ってます。
最初では、受けと攻めはお互いのことについてあまり知らなくて、気に食わない奴だとお互いのことを毛嫌いしてたったんだけど、あることをきっかけに、受けの秘密が攻めにバレられてしまって、二人の関係は急接近となりました。
受けと攻めが理解し合い、愛し合うまでの気持ちの変化はすごく丁寧に描かれていて、急接近の恋愛関係なのに何の違和感も感じず、納得いきました。
そして一番のヤマ場はやはりエッチシーンなんですよね!
あることをきっかけに肉体関係を結ばれた攻めと受け、それからは嵐のような連続のエッチシーン!それはもう、すごかった!としか言えないですよね!読んでいるうちにドキドキが止まりませんでした。
しかし、その後の急展開で攻めと受け二人は引き離されてしまいました。
離れ離れになったとしても、二人でずっと一緒にいられる方法を必死に探っていた攻めと受けが最後にたどり着いたのは、あの意外なエンディングです。
素直にハッピーエンドだ!と言い切れないようなエンディングなんですけれども、個人的には結構気に入った終わり方だと思います。なぜなら、丸木先生のお得意のブラックで狂気に満ちた執着愛を久しぶりに味わうことができたからなのです。
最近の丸木先生の新刊といえば、どれもこれもライトで甘口な作品ばかりで、『兄弟』シリーズからファンになった私個人としては、どうしても物足りなさを感じてしまいます。だから久々に濃い作品を読んでみて、あまりに感動しすぎて思わず「神」と付けたくなりました!あえて欲をいえば、もうちょっとページが欲しかったというところかな?

とにかく、昔の丸木先生の作風が好きなお方に本作をお勧めします。

2

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