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 匂い立つ官能の熱
                    匂い立つ官能の熱
				比良木家に後妻の連れ子として入った竹蔵は血の繋がりのない兄忍が出来るけれど、深い嫌悪と憎悪に満ちた視線で竹蔵を見下し続ける。どれ程忍に冷たくされても恋心と欲情を募らせていく竹蔵。ある日火傷で目の見えない状態の忍に、正体を隠し義姉の香水をつけ触れてしまうと、溢れ出た欲望は抑えられなくなり…。
一度は離れて距離を置いた2人だけれど、忍が竹蔵の元に現れて抗えない熱情の渦に呑み込まれていくのが実にエロティック。
薫りの記憶は何より鮮明で心に染みついて離れない。熱を帯びて発酵し匂い立つ薫りに、読んでいるこちらも包まれて閉じ込められてしまう。
求め合う2人の想いと残酷な現実に、切なくて涙が止まらなかった。余りにも悲しくて愛おしい、胸に残る余韻が忘れられない作品。
 素晴らしい作品
                    素晴らしい作品
				義理の弟×兄のインモラルBL
行為を始める合図として静かに目隠しをするのにグッときた…
あれだけ蔑んだ目で見ていた人間に犯されてるのに快感を覚えてしまうことや、見えていないから暗闇と行為をしていると自分に言い聞かせていることが何もよりも好きって証拠…
甥っ子は最初から不穏だったけど、2人の行為を見てからもう後戻り出来なくなった感じで最高だった
ストーリー構成が本当に良くて、上手いこと過去の出来事が挟まっていて、もうこの頃からね…という気持ちになった
 いつまでも心に残る
                    いつまでも心に残る
				性描写の緊張感、美しさが本当に素晴らしい。
正統派耽美の系譜に連なる表現だなと思います。
絵柄が苦手という方でもこの表現の秀逸さは是非一読して欲しいです。
フェティッシュ満載なこの作品、
もちろん目隠しも非常にいいのですが、
とにかく食事シーンのエロティックさが最高です。
食べる姿がエロティックな作品はいい…。
 薫りが漂ってきそう
                    薫りが漂ってきそう
				メリバの代表作として超有名な作品ですが、ハッピーエンドをこよなく愛する者としてはなかなか手が出ずにいました。
兄弟ものにも特別惹かれないタチなんですが…
明日美子先生の独特な作画と、作品の雰囲気が見事にマッチしていてもうあっという間にのめり込んで行きました。
兄弟、不貞、近親相姦とタブー溢れる設定だし、濡れ場も多いんだけどエロいというより官能的という言葉がピッタリくる。
目隠しをして、誰にされているか分からない設定にしないと成り立たない関係にゾクゾクなりました。
この先自分的には辛い結末が待っていようとも、この作品を読み始めた事を絶対後悔はしないだろうなと確信しています。
 要
                    要
				電子書籍の上下セット版で読んでます。
単行本未収録カット付き…というのは明日美子先生デビュー15周年記念の要の一枚イラストです。
ザ官能の作品。ストーリーはまぁ徹頭徹尾よくある話なんですけど、よくある話であっても神作品にできるのが真の神作家ってわけで。明日美子先生の絵柄と余白と目力の勝利。よくある話と言いつつも、要ポジションの存在は珍しい気がする。子どもにあの役回りを任せるのは、テレビドラマなんかだとかなり難しいですし。その名の通りの要。
 心構えがいる。中村明日美子先生だから描けるBL
                    心構えがいる。中村明日美子先生だから描けるBL
				 
正直、ここまで評価を迷った作品はないかもしれない。
読んだ後の感情がまだ追い付かないし、今から読む人は少し心構えをしてほしい。
ということで、以下、上下巻どちらも読んでのレビューとなります。
中村明日美子先生の作風って不思議です。
この作品、最初読んだ時は少し違和感がありました。
現代っぽくない雰囲気なのにスマホを使っていて、見た目や風景は外国なのに、名前はガッツリ日本名。
どこかでありそうで、どこでもない世界観でした。
それでも美しく描かれているので毎度、見惚れてしまいます。
体の線も綺麗で好きなコマ、部位がある作家さんです。
「同級生」のような青春甘酸っぱい系統とは違い、「コペルニクスの呼吸」「ダブルミンツ」などのダーク寄りの作品でした。
私はレビューやあらすじを読まずに購入したのですが、大正解だと思いました。
ただ、地雷があるとすれば受けの忍には奥様と子供がいて、自分の子供と〇〇描写があります。また、エンドも○○です。
事前に回避したい方は、レビューを見て読む方がいいと思います。
上巻では完結せず、下巻で結末と印象がだいぶ変わるので下巻の購入もオススメします。
そして評価を迷ったのは、あまり得意ではないエンドだったからでした。
それ以外は本当に神なだけに、とてもとても迷いました。
印象深く、なかなか忘れられない作品になりました。
 歪んだ愛執。背徳と耽美。身体から立ち昇る、朽ちた花の、むせ返る匂い。
                    歪んだ愛執。背徳と耽美。身体から立ち昇る、朽ちた花の、むせ返る匂い。
				なかなかに病んでいる。
後妻の連れ子である竹蔵は、当主の息子、忍に盲愛している。
ひと目会った時から、それを看破していながら、受け入れる忍。
彼等の歪んだ愛執は、決して表沙汰にはならなかったのに。
その歪みは忍の息子である要に継承されている。
要は幼ないのに。叔父である竹蔵の執着を見抜き、一晩のアバンチュールを提案する。
父に怪我をさせて。目隠しをさせて。叔父に手袋を付けさせ、母の薫りを纏わせる。
これはなかなかにフェティッシュで。逆に彼等を煽ったであろう。
そんなことしなくても。忍は竹蔵を受け入れるのに。
彼等は騙されたふりをして。要の前に痴態を晒す。
上巻は、現在も引き続き緊迫感の中、堕ちて行く義兄弟と、それを見つめ続け、性癖となって行く息子・要の物語。要はずっと静かで病んだ傍観者だと思っていたのに。
ラスト周辺では叔父と共に父を犯すという禁忌を冒す。
危うい均衡を保ったまま。下巻へと続く。
忍の鋭い切れ長の眼。それを覆う目隠しのリボン。首と顔の幅から、とても顔が小さいのだと分かる。細っそりとしながらスーツ姿は惚れ惚れとするほど美しい。忍がとても美しい男なのだと分かる。その一つ一つにため息。彼の体温はきっと、とても冷たいのだと思う。
それが。花のような匂いがむせ返る中で。熱く乱れて行く様子が本当にエロい。
中学生でヤリチンになってしまっている要が、美しい父と叔父の絡みが性癖になってしまうのもやむなし。やむなし…なんだけど。これは危うい。破滅の予感。
 胸が苦しくなる美しさ
                    胸が苦しくなる美しさ
				義理の兄弟だから、という一線が無ければ2人は繋がることも関係を持ち続けることにもならかったかもしれない…。
儚い言い訳だったのでしょう。
不倫、近親相姦、嘘、全部自分たちの首を絞めているはずなのにそれでも求め合ってしまうパラドックスを美しく描いています。
言葉による感情表現が少なく、事象と会話で物語が進んでいくので、本当のことが明確に分からないという面白さがあると思いました。いい意味で不明瞭なまま
終わります。
作画が綺麗なままで、ストーリーとマッチしていてとても良かったです。
ラストシーンを読み展開を知ったあとでも読み返して感傷に浸りたくなる作品です。
 要くんグッジョブ!
                    要くんグッジョブ!
				物語の初めの方で、小学生の要くんに叔父の竹蔵が焚きつけられて義理兄であり要くんの父である忍を犯させてそれを鑑賞するんだもの。
そんなの惹きつけられるに決まってる。
掴みは、かなりオッケー‼︎
要くん、怪獣のスリッパ履いてたり見た目可愛い子ちゃんなんだけど、なかなかいい仕事してくれたとゃったよ。
でも、こんなの小学生で見ちゃったらもう、性癖になっちゃうやん。エッチすぎる。
明日美子先生は、くせ毛、目が大きめ天然系攻め✖️つり目強気眼鏡受けがお好きなのかなー。
(メガネ男子大好きなんで大歓迎)
忍さんの色気が溢れまくっています。
目隠しプレイってのも背徳的でいいです。
 より鬱屈しているのはきっと兄の方
                    より鬱屈しているのはきっと兄の方
				 異母兄弟なので、義兄弟とはいっても血の繋がりはある兄弟の物語です。多くを説明せず雰囲気に頼っているところはあるけれど、キャラクター達の雄弁な瞳が十分に心情を表してくれているので非常に読みやすかったと思います。兄の忍は新しく自分の弟となる竹蔵と初めて会った時からずっと彼に冷たく、兄らしく弟を可愛がることを一切してこなかったような人物。でも、竹蔵は出会った頃からそんな忍に好意を抱いていたようです。
 竹蔵が忍にこれほど冷たくされても好意を持てたのはなぜなのか、はっきりとは分かりませんでした。綺麗な見た目に一目惚れだったのか、冷たい態度の裏に秘めている本来の忍の姿が既に見えていたのか、抑圧された生活を送りながらも凛として立ち続ける忍の美しさに魅了されたのか。どれも違うかもしれないし、全部かもしれないですね。
 一方の忍は、妾の子である竹蔵に最初は確かに憎悪の感情もあったけれど、彼自身がとても純真な子供だということは日に日に理解していったのかなと感じました。それでも態度は変えないし、時にはその純真さに苛立つこともあったけど、竹蔵を憎く思っていた期間は実はとても短いんじゃないかと思います。そして、かつては愚弟と蔑んだ竹蔵に組み敷かれて体を暴かれる開放感は、きっと忍にとって途方もない快楽を生み出すものなのかな。親から受け継いだ会社や、親に許嫁と定められそのまま結婚した妻など、大して情もないのに自分を縛るもの達から唯一自由になれる瞬間。このどうしようもない兄弟の終着点がどこなのか、下巻が楽しみです。
 キレイとしか言いようがない
                    キレイとしか言いようがない
				圧倒的画力と表現力で義兄弟(または息子)の交わりを描かれています。
綺麗であっさりした絵とは反対に内容はエロくて濃くて耽美としかいいようがありません。
弟×兄が好きな人なら読むべきです!!
表紙の人が受けです。真面目で厳格な兄が、感情を殺しながらも弟に絆されていく様が美しい。
これを見て目隠しプレイの良さに目覚めてしまいました。
子供のころの忍と竹蔵がめちゃくちゃカワイイです。
ショタ竹蔵に悪戯した隻眼の人、忍に似ている気がするのですが何かのミスリードでしょうか。
ここまでガツンときた作品は珍しいです。
兄の妻、兄の息子もどう絡んでくるのか…めまぐるしい展開にドキドキしてしまいます。
こじれた兄弟愛、下巻でどうなるのか楽しみです。
 はじまり、ふかまり、ねじれる
                    はじまり、ふかまり、ねじれる
				黒と白の織りなす流麗な世界。
ビアズレーのように。
いざ読んでみると、中は少し白い印象。それは「正」の側にいる忍や要の白い肌とクセのないまっすぐな髪、そして色素の薄そうな眼のいろ…
対して「偽」としての血の繋がらないよそ者・竹蔵は黒い癖毛と黒い目で。
アンファン・テリブルの要を狂言回しにする意味があったのかはよくわからない。竹蔵が要という証人を必要としたわけも。
なぜなら、要がどうこうしなくても、現在と交互に挟み込まれる忍と竹蔵の歴史が物語ってる。
見知らぬ男に触られてる竹蔵、階段から飛ぼうとする竹蔵、親戚から遺産狙いのように思われている竹蔵……いつでも忍は竹蔵を護っていたじゃない。
忍を抱く竹蔵は、いつもはごく普通。でも忍を抱く時だけは。
逆に忍は最初っから竹蔵を射殺してたんだね。どうしようもない激情が隠せなくて、だから目かくしをして場面を切り替える。
ここで要を「共犯者」にする竹蔵。ここではなぜそんな事をするのかわからなかったけれど…下巻でその答えが少しわかったかな…?
ねじれた関係性が加速していくさまがゾクゾクとして、「萌x2」。
ただ!超客観的に見るとこれはいかにも女性が好みそうな話だと思う。つくりものの美しい感じ。
「ザ・耽美」の造形美のよう。
 表紙に惹かれて
                    表紙に惹かれて
				中村さんの作品は同級生シリーズ以外読んだことありませんでした。もともと絵が少し苦手で(すみません)、でもストーリーは面白いなと思っていました。
今回こちらの作品はあらすじを読まず、表紙の絵のみで判断して購入しました。絵が苦手と言う割には、表紙の絵柄に惹かれました。
ストーリーは面白いとしかいえません。語彙が貧困なため、どんなに素晴らしいものでも面白いとしか言えなく恥ずかしいものですが、久しぶりに「神」評価をつけたくなる作品に出会いました。
こんな素敵な作品にこれからも出会いたいです。
 美しい物語
                    美しい物語
				blを含めありとあらゆる国のいろいろなジャンルの物語を読み、映像を観てきました
何千の物語の中でも間違いなく素晴らしい、私の中では神評価は当然です
私は恋を見たくてblを読んでいます
いろいろな物語がありますが、これは私が見たい恋の全てがまるで雪の結晶のように完璧な形で綴られています
もちろん人によって受け取り方が違うのは百も承知ですが、私には別格です
 毒
                    毒
				毒気に当てられ、酔いしれる。
それも濃厚でどろどろの甘過ぎる毒。
特にセックスシーン。
見てはいけない物を覗き見している感覚に、ぞくぞくする。
紙面から男の欲情が匂い立つ。それを香水で包む。
なんて人を酔わせるエロティックな情景。
なんだこれ。
そりゃませて生意気な要くんも、これきりにするわ。
当事者だけが、狂ってると分かってるこの状況を受け入れられるんだから。
それは倒錯的な非日常故に受け入れられる。
だからリボンで現実を遮断してる。
リボンを着けて、相手が来るのを待つ。
必ず来ると確信して。
この待っている間に、兄さんは何を感じてるの?
義弟が入れるようにオートロックの部屋に新聞を挟むなんて危険なことしながら、今か今かと待ちわびてる癖に涼しい顔して待ってるなんて。
堕ちていくと分かってる、それに意味など求めても何もない、何も得られない、むしろ何かを失っていく気さえする。
それが上巻かと思う。
 美しさに耽溺
                    美しさに耽溺
				ここ数年、BLジャンルの作品は電子書籍で購入することが多いのですが(子どもが居ますのでね…)、明日美子さんの本は出来る限り紙書籍で購入しております。絵をしみじみと手にとって眺めたいですからね。
表紙のデザイン、紙の質感…完璧です。漆黒から浮かび上がる白い肌、目隠しのリボン…。デザイン性が本当に高くて、上巻時点から下巻のデザインまできっちり作りこんであるのに感服します。
舞台は(たぶん)現代の日本なのですが、非現実的で耽美な世界。BLという言葉より「耽美」という言葉が似合います。兄と弟、そして息子へと…匂い立つようにつながっていく業。
フィクションだからこそ、インモラルな美にどっぷりと。
 悲恋
                    悲恋
				中村明日美子先生のBL作品は、色々読んでいたのですが、薫りの継承だけはバッドエンドということで手をだしていませんでした。
ずっと気にはなっていたんですが、今まで読んとでいなかったことを後悔するぐらい感動しました。
相変わらず先生の描く男性は色っぽいですし線が美しいです。
血のつながらない兄弟の話なのですが、兄の息子の企みで目に火傷を負い包帯を巻いている兄の寝室に兄の妻の薔薇の香水をつけた弟が入っていき、その息子の前で結ばれます。
視覚がさえぎられているせいか、他の感覚がとぎすまされているのか、会話もないので静かな中で擬音が響く画面がなんともエロティックです。
兄と弟そこに兄の息子も絡んできて、インモラルな世界が繰り広げられます。
とてもめちゃくちゃな関係なのですが、徐々に兄の弟に対する気持ちも明かされていきます。
バッドエンドということで紹介されていましたが、2人の愛が迎える最後はずっしりと重い余韻を残し、何度も繰り返し読みたくなる作品です。
 美しい。
                    美しい。
				美しいです。
感動しました。
表紙が綺麗だったのと、設定が兄弟というのに興味を持ち購入しました。
兄弟よりも、忍さんの息子である要くんの頭が良過ぎて驚きました。要くんは物語の重要人物で、彼がいないと話が進まないくらいに大切です。演技力が凄いです。元々かなりませていましたが、竹蔵さんと忍さんによってより歪んでしまったんだなと下巻の最後で分かります。
忍さんが亡くなってしまったのが、非常に残念です。とても悩んだ末に死んでしまいましたが、要くんが竹蔵さんに持ってきた手紙で忍さんも竹蔵さんを愛していたと分かり、嬉しかったです。
 ひたすら耽美でした。
                    ひたすら耽美でした。
				痛いという感想が多かったので、実は明日美子さんは絵はそっち系ですけれども云われるほど痛くないという印象なのでとうとうそういうのに当たってしまうのか!?と思いましたが、全然でした。
寧ろ好きです、こういう話。
最初、受け攻めが逆だと思ってましたが、兄受けなのですね。たまらんです。
甥っ子の仕掛けた一件がなくても、この二人はいつかそうなってたでしょうねえ。
女性の顔が描かれていないのがなかなかに怖いです。
兄弟の確執物がお好きな方にはオススメかと。
昔はこういう感じのBLは多かったですけれど、最近は漫画では少ないのでとても貴重です。
 耽美さに酔いしれました
                    耽美さに酔いしれました
				確執のある義兄弟のお話なので、なんとも言えない重い空気感だったのですが、そこが耽美さを生み出していてすごく綺麗でした。
1話はお兄さんの息子で要くんが出てきます。まぁませてます…生意気です…平気で火傷を負わせる性格と嘘泣きの演技の迫真っぷりもすごいです…でも要くんがいなければこの2人が結ばれることもなかったので、要くんとても重要です!
要くんの取り計らいのおかげで竹蔵は兄の妻の振りをして近づき、エッチまでいくのですが、結局ばれてしまい1話はなんとも言えない終わり方となりました。
でも、その後も2人は関係を持ち何度も逢瀬を繰り返すのですが、必ず兄は目隠しをして、竹蔵も会話を交わす事なく静かなエッチシーンは本当に綺麗で色っぽいです。
このお話で重要な香りもなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
幼少の2人の関係や過去の話も切なさ全開です。でもそこに少し兄弟の愛おしさのようなものを感じました。
本当に綺麗で色っぽいお話でした。下巻は本当にすごい展開ですので、下巻までしっかり読んでほしいです!
 耽美系BLの雰囲気漂う
                    耽美系BLの雰囲気漂う
				ただただ美しく艶めかしい。
セリフも少なく「読ませる」のではなく「見(魅)せる」。
音、手触り、暗闇、光、そして香り。
読んでいるだけなのに五感を刺激される。
同性愛だけでなく近親相姦というタブー。
女性キャラの役回りや、主人公たちの行為により狂わされていく様。
「終わり」方。
そして「続き」方。(上から下への続きではなく)
昔懐かしの耽美系BLの雰囲気漂う本作品。
今どきのお嬢さん方にとっては一周回って新しい、のでしょうか。
 雰囲気が独特で、香水が薫り立つような作品
                    雰囲気が独特で、香水が薫り立つような作品
				今まで未読だったのですが、BL百名山のコーナーにこのタイトルがあったので上下購入してみました。
義兄弟、義弟×義兄です。
弟・攻めはいわゆる愛人の子で、兄・受けは御曹司。受けの父が再婚した相手の連れ子、という関係です。
血のつながりのない(仮定)兄弟で、兄はいつも弟に冷たく当たっています。いじめるわけでも暴力をふるうわけでもないのですが、ただただ冷ややかに対応しています。
でも弟は兄が好きで、結婚して子供もいる兄に劣情を抱いています。その想いに気付いたのが兄の息子。彼の画策で、目隠し状態の兄の寝室に、兄の妻の香水の匂いをまとって侵入し、甥っ子の面前で想いを遂げることに。
兄は翌朝何事もなかったかのように平然とし、弟は悪事を犯した罪の意識に苛まれて屋敷を出ます。
しかし一夜限りだったはずの行為が、思いもよらない形で続くことになり…という展開。
兄夫婦と弟の三角関係かと思っていましたが、甥っ子も入るのかな。甥っ子は、両親の前では猫を被っているのに、本性はサイコパスみたいなキャラです。でも兄弟と比べたら全然病んでない気がします。
目隠しエッチが非常に色っぽく、背徳的で、たまりませんでした。息子の見ている前で父親と叔父が、というのもたぎります。
でもちょっと、兄はなんであんなに弟に冷たく当たっていたの?  とは思いました。冷たくせざるを得ない理由があったようには思えなくて。仲良くしてやればよかったのに。
あと隻眼の、幼い弟にちょっかいをかけていた人物の正体がよくわかりませんでした。私の読解力が足りないだけで、ちゃんと正体が書かれていたら申し訳ないんですけど。
 これぞBLの真骨頂
                    これぞBLの真骨頂
				何から何まで美しく描かれており、
題名でもある「薫り」が作品の大きなキーとなっており、読んでいる私もその描かれる薫りに酔いそうになりました。
まず、コマ振りやカットによる演出により、ストーリーにすとんと引き込まれていきます。
細やかなとこまでの伏線の立て方が上手くされていたり、心理描写の説明を大きく書かず、読み手に想像させる書き方が、本当に素晴らしいと思いました。
お話が上下巻に分かれているのがまた良く、読み応えが凄いです。
ここ最近、性描写が過激なものばかり読んでいたのですが、この作品の性描写は美しく、芸術品と言えます。これぞBLといえる作品なのではないでしょうか。
攻め、受け、絵柄の趣味関係なく、これはBL作品として全腐女子の方にお勧めしたい作品でした。
(上下共のレビューになってしまってすみません)
 脳天から爪先までシビれた
                    脳天から爪先までシビれた
				脳天から爪先までシビれました。
一種、感動・・!
明日も仕事あるしこんな事してる場合じゃないっつーのに、読後、これは書かずには寝れない!と、レビューしに来ちゃいましたっ
不思議なタッチの絵で、ふわりとしてるのに逞しくて、粗暴に見えて流麗で美しく、そのくせ大胆。
目を逸らしてしまいたくなるような妖艶な痴態が次々と描かれ、どこまでも言葉に出来ない甘美なエロスに、呼吸すら忘れます。
美しく、甘い毒を秘めた官能。
冷たくて熱いエロス。
そう、これが官能なんだと思う。
この一言に尽きる作品。
長い事この世界に浸かってますが、「これは・・!」と唸らされる作品です。
ここにハズレは無かった。
買うか迷ってた自分がマヌケに思える。
もし、このジャンルに出会っていなかったら、読めなかっただろう作品。
何を後悔してもおかしくない。
こっそりこの世界の端っこでネットで小説を書いてる身としては、自分の財産になるだろう貴重な作品。
やっぱり凄い。
言葉に言い表す事が出来ない熱情に焦がされます。
読んでない人は、読むべし。
BL好きなら、読まなきゃ損です。
 美しい兄弟愛
                    美しい兄弟愛
				久々に明日美子先生の新作を読みました。
麗しかったです。一つ一つのコマの描写がすべて美しくて、線やまつげの線が綺麗で、ああー、やっぱり明日美子先生の耽美の世界はいいな、自分もこの世界の住人になりたいと思いました。
このねちっこくてどろどろした耽美の世界を読めて、中村ワールド独特の雰囲気の中毒性に再びやられました。やっぱりこの沼から足を洗えません笑
この作品の題材は近親相姦で、自分の中では一番苦手な地雷ジャンルだったんですけど、、まさかこんなにハマるとは。お兄様エロすぎます。
冷たい見た目で性欲強すぎなギャップがいい。兄様にがっつく弟のがっつき具合もめっちゃツボです。
親子絡みのジャンルも地雷なんですけど、明日美子先生の世界で見るとこんなに美しいのかと。もう全然ありです。美形ってあらゆる地雷を超えちゃうので怖いですね。笑
最後の結末が悲しかったですが、読了後さらっと終わった感じだったので、私はこの結末で良かったと思います。悲しい気持ちになるというより、ああ、この人はこの選択を選んだのね、と腑に落ちた感じです。竹蔵さんに幸あれ。
 ひとコマひとコマが美しい
                    ひとコマひとコマが美しい
				引き込まれました。。。
中村明日美子さんの作品は全て読んでいますが
義兄弟という設定があまり興味がなく手を出していませんでした。
が、間違いです。本当に間違いでした。素晴らしいです。
さすが中村明日美子先生です。
独特な絵のタッチとストーリーも凄く合っていて
なんだか芸術的な美しさを感じてしまいました。
兄のことが好きな竹蔵。でも兄の気持ちは?
と何故かあたしが不安になりましたが読んでいくうちに各々の葛藤や感情が見えてきてすごく興奮させられました。
1番感情が読み取れなかったのは要くんかもしれません。
しょっぱな出てきた時から小さいながらも大人びて、だけども時と場合によって子供の自分を上手く活用している。という…
なんなんだ君わ!!!とちょっと怖くなりましたが悪い子じゃないんです!悪い子じゃないんです!
 ああ、どうか
                    ああ、どうか
				独特のえろしちずむに、たぎりました。
こんな風にかるーく語るのがためらわれるほど、重みと雰囲気のある、素晴らしい作品なのですが。
お兄様の色気は半端無いのですが、私の萌えはむしろふたりの過去の回想にありました。
特に第二話のはじめの一コマ、子供時代のお兄様が寝ている姿とそれを見下ろす弟、の図がまたいい。
弟の視線は、現在に通じるものがあるように見受けられます。
現在では鉄仮面のようになっている兄上ですが、回想の彼はまだ感情の上下が見え、それがやたら萌えを刺激してきます。
読みにくい彼の気持ちが行動の端っこに見え隠れするたび彼が愛おしくなり、重く暗い世界観にどうか飲み込まれないで欲しいと祈るような気持ちで読みました。
 兄弟
                    兄弟
				兄様・・・・・・エロいッスヾ(*´∀`*)ノ
なにげに読み始めたのですがあっという間に作品の世界観に
惹きこまれてしまいました。
兄をひそかに慕う弟。
それは交わることがなくても変わらない想い。。。
だったはずが・・・?!というところですな。
自分の息子の差し金でよもや弟に犯されるとわwな展開な
わけですが、その後の兄様が予想外でした。
自ら弟の元にフラっとやってきて
人気のないところへ誘導し
自らの目に目隠しをする。
首筋を伝う汗が緊張感を醸し出し、えも言わぬエロスでした。
あのシーンが一番好きです。張りつめた空気と
どうしようもない胸のたかなり。
弟君じゃないけど喉が鳴る。
その後は目くるめく。
目隠しの関係を続けているのはやはり目隠しをすることで
一線を引いてるという感じがまたよかったです。
 中村明日美子先生です!
                    中村明日美子先生です!
				まるで文芸作品を読んでいるような、テンポと間。
そしてそこに埋められる感情を絵が表す相乗効果。
素晴らしい作品に出会えて感謝しています。
読後の満足感が半端なかったです。
重厚な作品をお探しの方にご一読していただけるといいな。
 圧倒的な世界観。愛とは何なのか。。
                    圧倒的な世界観。愛とは何なのか。。
				まさに神作品。
中村先生、凄すぎです。
たくさんの方がレビューされている通り、独特の世界観に一気に引き込まれます。
愛ってなんなのか本能なのか肉欲なのか。。
幼少期の兄弟の描写が好きでした。
最後はとてもショックで、無慈悲な展開に泣けましたが、少しでも幸せな時を2人きりで過ごせたのなら救われます。。
そしてタイトルが全てを表す。。
異常といえばそれまでなのですが、とにかく絵柄も綺麗で中村ワールドにどっぷりと浸ることができる官能的な作品です。
 ネタばれってほどでもないが
                    ネタばれってほどでもないが
				誰かと感想を分かち合いたくてきました。
あーっ久々に良いBL読めたー(感無量)
そうこなくっちゃ!背徳感、愛、欲望!たまらん!
最後がもー!
継承されて、はっ!タイトルが生きてきたー!と
また深みに堕ちてゆくのが想像できてもう、深い溜息がでた
また来月新作が読めるのが嬉し過ぎる!
 ネタバレしません、むしろ言葉にできません
                    ネタバレしません、むしろ言葉にできません
				近親相姦のようなお話ですごく良いと思える作品に今までに出会ったことがなかったので購入するか迷いましたが、中村明日美子先生の1ファンとして見逃すわけにはいかない!と勢いで購入しました。
レビューをあげておいてこんな事を言うのもおかしいですが、今の私には感想を書くことが出来ません。
読み始めた直後からぐいっと作品の世界に引き込まれ読後もその世界から抜け出せないくらい魅せられるものは間違いなく存在するのですが、稚拙な自分の言葉であらわすのがもったいない。
中村明日美子先生の作品には情景描写と心理描写が繋がって読める部分も多く、その解釈は読者に委ねられています。私にはコレという答えが出せません。
だったらどうしてレビューを投稿したのかという感じですが、それでもこの作品を誰かに勧めたい!という気持ちが強かったからです。内容がダークなだけに誰にでも手放しにお勧めはしませんが、読むかどうか迷っている人がいれば是非読んでみてほしいです。全部読み終えた後、良くても悪くても何か心に留まるものがあるんじゃないかと思います。
何度も読み込んで自分なりの解釈がまとまれば、いつかレビューさせて頂きたいです。
 「赤」と「黒」が意味するもの
                    「赤」と「黒」が意味するもの
				表紙をめくると目に飛び込んでくる「赤」が強烈。
自分がそうですが、「コペルニクスの呼吸」から入った読者には特に堪らないであろう独特の明日美子ワールドがこれでもかと展開されていて、すみからすみまで美しい世界観にうっとりします。
そして何と言っても、作中延々と続くこの息苦しさこそ黒明日美子作品の魅力ではなかろうかと思います。
「コペルニクスの呼吸」が「黒」と「白」の世界なら、こちらは「赤」と「黒」の世界でしょうか。
作中に出てくるキーとなりそうなものをこの2色に振り分けながら、対になるキーワードを探していくのが楽しかったです。
例えば、
「赤」ならば、薔薇、ワイン、血、欲望、愛
「黒」ならば、汚れ、闇、夜、虚ろ、無
そして、
「薫り」(=赤)と、「目隠し」(=黒)
そうやって読み進めた時に自ずと辿り着き、頭に浮かんでくるワードがあります。
「薫り」とは何を指しているのか
読んでいる間、それがずっと気になっていました。
作中にはおそらく2種類の「薫り」が存在していて、ひとつはアイテムとしての香水の薫り、もうひとつは兄自身から匂い立つ薫り。
「薫り」の強弱が【前者>後者】から【前者<後者】へと移り変わる際に存在感を増すもの…
私の頭に浮かんだのは「生」でした。
兄が放ち、弟が狂わされた、むせかえるような「生」の薫り。
そんな二人のセックスを見ていた要(兄の子)がその薫りに囚われてしまうのもまた必至の成り行きかと。
悲しいのは、兄が「生」を薫らすには「目隠し」が必要だったことでしょうか。
そして、
「求めても 与えても 埋まらない 虚ろ」
「いっそ自己愛にも近い 虚無感」
「なにも 埋まらない 生まれない」
兄弟が交われば交わるほど、兄弟に突き付けられる「孤独」。
人が生きている限りはらえないこの負の感情は、言い換えれば“生きている証”とも言える訳で…
「赤」と「黒」がグニャリと混ざり合い始めたところで、物語は下巻へと続きます。
第四話で弟が読んでいる『月と六ペンス』が、月は「夢」を表し六ペンスは「現実」を表す、というのは有名な解釈ですので、この2ワードもまた「薫り」と「目隠し」という2つのキーワードに繋がっていくなぁなんて思いながら読みました。
巻末収録の『汚れ』で描かれる美しいエピソードはさすがとしか言いようがありません。
「コペルニクスの呼吸」と違って、こちらは間違いなくBL作品であるのでしょうが、その物差しだけで読むのは勿体なく感じてしまいますね。
それにしても紙面から薫り立つエロスが凄まじい…
迷宮のリコリスさま
表紙、ですよね!
私もうわっ!って思いました。
上巻は上巻で真っっっ白なお兄ちゃんが美しすぎてうっとりです。
>今読んだら妻目線で…
読む時期大事ですよね(笑)
明日美子先生とほぼ同年齢なんで無理ですけど、私「同級生」こそ10代で読みたかった!って思いますもん。
みみみ。さま
コメントありがとうございます!
下巻のレビューは勢いで書いてしまって、未だに読み返しては「いや、違うかも」とか「いやいや、そうに違いない」とぐるぐる考えてしまっては読み返すを繰り返しています。まんまと明日美子先生の毒に感染してしまったようです。
みみみ。さまのコメントで『月と6ペンス』の物語を少し思いだしました。まだ学生の頃だったので、芸術家とかアウトローな生き方への憧れもあったので主人公に感情移入できたんですよね。今読んだら最初の妻目線で「は?ふざけんな。捨てんなよ」って思うかも(笑)
下巻のレビューも「うんうん!!」と何度も頷きながら読ませていただきました。特にラストのビジュアルのところ、大賛成です!表紙絵が公開されたときに、「うわぁ~~~っ」ってなりました。
>迷宮のリコリスさま
コメントありがとうございます(^^)/
迷宮のリコリスさまの下巻のレビューを興味深く拝見させていただいていたので、コメントいただけ嬉しいです。
コペルニクスでハマった作家様なせいか、色の意味とかそれに何かを当て嵌めてるんじゃないかなとか、色々深読みしちゃいますね。
最初は綺麗な装丁だなぁってうっとりしながら眺めてただけだったんですが、「薫り」と「目隠し」のことを考えてるうちに私の中ではこんな解釈になりました。
『月と六ペンス』については、
「現実」を捨てて「夢」を追いかけた芸術家の生き方は、本人からしてみれば社会のモラルから解放され生を謳歌しているんですけど、周りからするとそれは熱に浮かされた人間の狂気の行動と解釈されるところに、この二人の関係性と似たものを感じるなぁなどとボンヤリ思ったくらいで、あまり深くは踏み込んではないんです(^-^;
もっと何か込められてるかもしれませんね。
ホントすごい作家様ですよね。
きっとまだまだ見落としてるものがあるんだろうな~と思いながら何度も読み返してます。
はじめまして!突然のコメント失礼します。
コペルニクスが黒と白で、こちらが赤と黒の世界・・・ああ、そうなのかとため息が出ました。
『薫り』の装丁も赤と黒へのこだわりがとても感じられますよね。
数日前に明日美子先生が唐突に『月と6ペンス』についてツイッターでつぶやかれていました。やっぱり意図的に・・・ですよね。
読んだのが大昔なので、本棚を探したのですが見つからず、うろ覚えですが、
主人公のすべてを捨ててでも絵が描きたいという欲望と、義兄が欲しいという竹蔵の思いが重なっているのなら、その熱を知る人にしか理解できないと言うことなのでしょうか?
明日美子先生って本当にすごい作家さんですね。細かいところまで目が離せません。
 待ってました
                    待ってました
				上下巻同時発売ということで一気に読み、
スピード感、それでいて重厚な内容、凄まじいインパクトに
暫く余韻が止まりませんでした…!
本当に中村先生は、年々読者の心を抉るポイントを突く精度が増していると言いますか
特にこの系統のダークなお話は、初期からのファンとしては大変嬉しい。きたきたこれこれ!となるような心地です。
心理描写が冴え渡っていると感じました、細かな説明は敢えて省き
人のどうしようもない心、説明のつかない行動から薫る、名前の付けようのない感情
そしてそれは説明なくとも読者には必ず伝わる筈です。
ラストの風穴の空き方も好きですね、緊迫、安心からの落下がまた心地よいです。
巧みでした、良いものを見させて頂きました。
また次回のダーク明日美子さんを楽しみにしております!
 装丁がまず美しい
                    装丁がまず美しい
				レビューが「神」しかないのはどうかなぁって躊躇したけど、やっぱり私も「神」評価。
全くどこも、逃げも隠れもしないで、真っ向から研ぎ澄ました描写で展開する上下巻。
この緊張感。
絵の力。
ほんとに隅々まで美しい。
これだけの絵の説得力があってこその、耽美でせつない世界に浸れる。
そして、明日美子先生のエロをこれだけガッツリ味わえるのも素晴らしい。
ただし、明日美子先生の絵がお好きじゃない方にはオススメしない。
BL初心者の方にもオススメしない。
っていうか、誰にも教えず独り占めしたい。
そして、けして、決して、絶対に、ドラマCDにはして欲しくない。
紙の中に閉じこめておきたい作品。
 中村先生らしい
                    中村先生らしい
				こちらはゴールドでラストだけ
読んでしまい届いて初めて
本当の内容を知りました。
まず中村先生が好きなら
先生らしいストーリーで
とても深い話しでした。
ネタバレします*
主人公は多分攻め?
だと思うのですが、小さい頃
受けの住む家に受けの父の再婚相手の
子供として引っ越してきます。
歳的に攻めが弟になったのですが
受けは血の繋がりが無いことになのか
攻めの事をとても避けていました。
けど攻めは小さな頃から受けの事が
気になっていていました。
二人とも大人になり受けは結婚して子供ができました。
攻めは相変わらず受けが好きである夜
受けの奥さんになりすまして受けを無理矢理
犯してしまいます。
もちろん受けは弟だと気付くのですが
何も無かったようにされたのです。
そのまま月日が流れて次は受けから
攻めに会いに行き変な関係が始まっていく
お話になっています。
下巻は衝撃のラストです。
ハッピーエンドがいいかたはご遠慮ください!
バッドエンドになります。
 密やかで苛烈。
                    密やかで苛烈。
				※上下巻、あわせた感想になります。下巻のネタバレもご注意ください。
新装版『コペルニクスの呼吸』から、この作品へと続けて読むと、
よりいっそう表現がストイックになっていることに気がつくはず。
とくに、上巻のワイン貯蔵庫のシーン(もうこのシーンだけで神評価!)
右手からこぼれ落ちる目隠しの帯、竹蔵が呆然とするなかで忍のうなじから滴る汗…台詞はなく、それでも忍と竹蔵の極度の緊張と高揚が伝わってくる、その10ページちょっとに鳥肌が立ちます。
また、この作品にはいくつかの装置があり、多くを語らず、読者のイメージにゆだねています。
まずは、食事に関して。
忍も要もそれぞれ、竹蔵のレストランに来て、自分”だけ”食事をします。
それは、性欲がままならないという暗示かと。
ふたりで交わってはいても”目隠し”というのは、どこか独りよがりでお互いに自慰のような気もします。
それゆえに最後、忍と竹蔵で向かい合って食事をするシーンになって、
ようやくお互と向き合えるのか、と期待させられました。
「なにも埋まらない生まれない…それでも何度も何度でも交わる」とのモノローグがありますが、“いちじく”こそ、禁断の実だそうですよ。
忍は好物なのに手をつけず、竹蔵は無自覚に食べる姿が印象的です。
ふたつめは、薫りについて。
青年期の忍は、”義理”の兄弟であることを強調します。
これは、竹蔵と血がつながっていることをうすうす感じているからでしょうか。
許嫁の茉莉子がいながら、夜な夜な違う薫りをさせてくるのは、自分から匂う本来の薫りをごまかすため。
竹蔵をかばい、自分が足を怪我した忍からは、とりつくろうことが出来ないような薫りがたちのぼり、その薫りは竹蔵にとって甘い。
第3話OPとEDのモノローグも、禁忌に気がついて内に秘めている忍と、
うすうす感じる禁忌の気配を恐怖と表現する竹蔵を、詩的な語りくちで表現しており、思わずゾクリときてしまいます。
最後に、要という存在について。
彼が忍と竹蔵のセックスシーンに同席していても、邪魔にならないのはなぜか?ふたりの醸し出す薫りに強く引きつけられるのはなぜか?
2度目に読み返すとその理由が、よくわかる構成にも脱帽です。
上下巻ですが、時間軸が交錯した作品となっているので、
読み直しのときは上下の順番にこだわらず、時間の経過順で読んでみる事をお勧めします。
忍と竹蔵が目隠しをせずセックスするということ、そのときようやく忍が「竹蔵」と声をかけることは、ふたりでその業を背負うということ。
それでも、なにも埋まらない、生まれないのでしょうか。
禁忌を犯しつつ、両思いであるからこそブレンドされる薫りとは、どんなものなんでしょう。
強烈な苦しさと快楽はどこか似ているというというこれど、そんな彼らの交わりを体感さられます。
この作品のまえでは、愛という言葉さえ生温い!密やかで苛烈な、明日美子ワールドをご堪能あれ。
 筆舌尽くしがたい名作!
                    筆舌尽くしがたい名作!
				これぞ明日美子ノワール。。。!!
最高でした。
最近お取り寄せエッセイ風漫画やらコミカルな作風やら某楽園くんやら脇道にそれてる感あり、それはそれで流石の落としどころというか、まあ楽しかったのですが。でも。でも。ずっと待ってました!このペシミスティックでおタンビな長編新作を。
悔やまれるのは最終回をなぜか雑誌で読んでしまったこと。これはネタバレされたくない。ゆえにレビューも本当は読まずに感じて欲しい。
明日美子せんせいがこの世に3人くらいいたら!
つまらない毎日をこの漫画の世界に酔って暮らせるのに。。。!
紙の上を自在に流れる墨の線の美しさに見惚れます。
最近は電子書籍派でしたが、この作品だけは、紙がいいです。絶対。
 薫りが、
                    薫りが、
				強く匂った
比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。
義理の兄だ。
竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。
兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。
深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。
毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。
竹蔵は兄に欲情していた。
ほの暗く耽美な世界。
義兄と弟の、濃密で歪な執着。
薫りに縛られ、お互いの感情に縛られ、
逃れようとすればするほど絡まっていく残酷な運命。
果たしてふたりの行く末は、、、
 美しく妖しげな世界
                    美しく妖しげな世界
				新刊、すごく楽しみに待っていました。
上下巻が同時に発売という事で、一気に読めたので、読後は余韻に浸れて良かったです。書店ごとに特典があり、私はクリアファイルを頂きました。美しく色気のある絵に、うっとりと眺める事が出来ました。(使用用途は間違っていますが(^0^;))
お話の内容は、ダークな内容でお話のカラー的には、「ダブルミンツ」などの感じですね。「同級生」などの爽やかな感じとは、まるで違います。近親相姦、3Pなどがあり、苦手な方もいらっしゃるかも知れません。でも、最後まで、ぜひ読んで頂きたいです。ドロドロしてるだけではないので~(>.<)その様に、全然違う感じの物語を描ける先生は、本当にすごいと思います。
上巻のあらすじは、義兄弟である兄に長い間、思いを募らす竹蔵が、甥っ子である要にそそのかされて?義姉のフリをして、目にケガをした忍の寝室へ行きます。そこから関係をもつのですが。その後、目隠しをした状態の兄と逢瀬を重ねます。上巻では、2人の過去のお話などで、竹蔵の一方通行な感じはするのですが、兄の忍の行動などで、見えない思いが伝わります。下巻まで読んで、もう一度上巻を読んで忍を見ると、さらに見方が変わります。大人にいたずらされてた、竹蔵に怒りながらも、体を洗ってあげている所など切ないです。苦手な属性でありながらも、私は萌えました~!おすすめです。
 薫りが狂わせたものは
                    薫りが狂わせたものは
				中村明日美子先生の新刊。初めて『コペルニクスの呼吸』を読んだ時に衝撃を受けた、耽美で仄暗い『黒明日美子』が戻ってきたと思いました。
*以下、ネタばれあります* 
 竹蔵が兄を好きだというのは、竹蔵視線の話の進め方で痛いほどわかるのですが、忍の気持ちは語られることがなく、その行動からしか読み解けません。「私の目の前から消えろ」と激しく叱責し、食事のマナーを注意し、冷たい目で見下す。犯された翌日にはその存在を完全に消したかのように振舞い、羞恥でずっと兄に会えずにいた竹蔵のところに、あの日の薫りを身につけて突然現れる。「どうして?」と聞く竹蔵に、後ろを向いたまま目隠しを取り出す忍。行動だけで心情が溢れるほどに見えてきます。こう言う描き方、さすがは明日美子先生です。
 対して、過去のエピソードでの忍は竹蔵に対してとても禁欲的です。竹蔵はこの頃から好意を隠せません。大人になってこの禁欲を解いたのが『薫り』と『目隠し』なのです。薫りに酔って忍を犯した竹蔵と、薫りを理由にそれを受け入れた忍。狂わされたのは2人だけじゃなかった。禁忌を破る手伝いをする、忍の一人息子の要。『2週間のアバンチュール』のアンジュのような子供です。どうしてこんな子供になった?なんて理由は考えるだけ無駄です。「ただそういう性質の子供」なんだと受け入れて読むことが出来る人には、この作品は高い評価を受けるのだと思います。
(そういう性質=先天的なもの。そういう血を持って産まれた)
追記
文中の『2週間のアバンチュール』ですが、大変毒を含む短編集ですので、かなり読み手を選ぶ作品です。興味をもたれた方は、沢山のレビューで確認してから読むことをお勧めします。
 相当待ってました
                    相当待ってました
				待ってました。相当待ってました。
これぞ究極のBLであり、究極の明日美子ワールド。
もう待ちきれず連載中にちょいちょい見ちゃったからある程度自分でネタバレしてた部分があったので、楽しさ半減だったけど…(マジで自分をグーで殴りたい)、かなり完成度の高い作品であると自身をもって著者の代わりとして言いたい。
たしかに、いや確かにわかります。中立や趣味じゃないに投票された方。
近親相姦、近親相姦での3P、目隠し等危ない雰囲気のプレイばかり。苦手な人は避けた方が無難だと思います。
でもそこが!!!この作品の一番の肝。プレイのことだけでなく、それに合わせた心情がなんとも奥深いのです。
これはまさに中村明日美子先生の代表作『同級生シリーズ』と並ぶ代表作として君臨する程の名作となること間違いなし。インパクトでいうと同級生シリーズに勝ってますから。全く異なる雰囲気ですが、本当に妖艶で、まさに『中村明日美子の作品』と言えるでしょう。
下巻までレビューする気力がないけど下巻も是非合わせて読むと良いでしょう。狂った愛が好きなら読もう!上下巻ともに買おう!!!兄弟?親子?だから何??もうどうでもいい。そんな気にすらさせてくれるこの作品。明日美子先生、さすがです。
 待ちに待った中村先生の新刊
                    待ちに待った中村先生の新刊
				中村さんは本当に才能豊かな方なんだなあ、と痛感しました。作風が偏ることなく、色々な作品が描ける。凄いです。
この作品は中村作品の中でも評価の高い「同級生」シリーズのような爽やかなストーリーではありません。どちらかというと「ダブルミンツ」のような、ダークな作品でした。好みがあると思うのですが、個人的には中村先生の絵柄はこういったダークな作品の方がより引き立つと感じています。
さて内容をざっくりと。スミマセン、ネタバレしてます。
両親の再婚により兄弟になった忍と竹蔵。父を不慮の事故で亡くし父の経営していた会社を継いだ忍と、時々赤字を出すレストランを経営する竹蔵は、血のつながらない兄弟になったころから忍に存在を疎まれ仲がいいとはとても言えない兄弟。
しかし竹蔵は昔から忍のことが好きで。そんな竹蔵の気持ちを知った忍の息子・要の手引きで、義姉のトワレを身にまとい義姉のふりをして忍の寝室に入り込み無理やり抱いてしまう。
そんなことをしでかした自分を恥じ、竹蔵は忍の前から姿を消すのですが…。
というお話でした。
基本的に竹蔵視点で話が展開されていきますが、過去の回想に入ったり、要視点になったりするので「んん?」と前後しつつ読みました。イヤ、これは私の理解力が低いからなんですが。
竹蔵は忍のことが好きで好きで、という気持ちがダダ漏れなのですが、一方の忍の方も竹蔵のことが好きなのだろうという気持ちがにじみ出ています。その忍の心情の描き方が流石というべきか、非常にお上手。あからさまでない忍の気持ちの見せ方に、ぐっと惹きつけられました。
目隠しをして竹蔵に抱かれる忍の気持ちを考えると非常に萌えます。
が、ただ一点。
要です。彼は年にそぐわないほど大人びていて、親切心から忍に手を出すよう竹蔵を唆すわけではないんですよね。どちらかと言えば遊び心だったのかも。この子は父親のことが好きなのか、それとも竹蔵のことが好きなのか。彼の心情が読み切れなかった。
あと、いくらなんでも要の目の前で忍を抱いちゃダメでしょ、竹蔵よ…。と思ってしまった。
また竹蔵がまだ子どもの頃に大人に性行為されかかるシーンがあったり、上下巻ともに(若干ではありますが)女性と絡むシーンがあったりしますので、苦手な方はご注意を。
上巻は過去の回想を含め、お互いの気持ちに蓋をしたまま、そして目隠しをしたままただセックスをする関係で終わります。この二人に幸せが訪れる日がくるのか、そんなあやふやな関係のところで終わっているので、同時発売されている下巻をまとめて購入されることをお勧めします。
