電子限定おまけ付き
年下×年上であり、田舎者×都会人であり、明るく溌溂×生きた人形であり、郵便局員×絵描きである話。
田舎の村を舞台に、その村で生まれ育った明るく素直な攻めと、その村に引っ越してきた異分子・受けの関わりが描かれます。
山とか川の風景の描写がとてものんびりした夏の空気を醸し出していて、「いいなあ、こんなところに住みたいなぁ」と思いながら読みました。
読んでいて楽しかったのは、攻め・受けの描く絵に関する描写。
「あめんぼが虹の橋を渡ろうとして飛び上がったところ」の絵だとか、「両手がしっかりと、魚を掴んでいる」絵だとか。
一つ一つの絵の描かれ方やモチーフの選び方に、攻め・受けの心情が反映されているように感じました。
番外編も付いてて、二人の関わりを最後まで見届けられる。とても満足感がありました。
あらすじ:
過疎の村で、郵便配達員として働く洋介(攻め・年下)。
都会から越して来た画家・久城(受け)のことが気になっているが、彼には定期的に絵葉書を送ってくる男性がいて…
小さな村を舞台にほのぼの展開される物語。
鈴倉温さんの挿絵がストーリーの雰囲気によく合っています。
洋介は、田舎に似つかわしくないイケメンですが、地元愛ゆえに村で働いている好青年。
ある日、いつものように久城に絵葉書を届けようとすると、そこには久城に別れを告げるメッセージが。
久城を悲しませたくない征太郎は、差出人の字体と絵を真似て絵葉書を捏造。
偽の絵葉書を久城に届けてしまいます。
その後も、
思い余って久城にキスしてしまったり、襲ってしまったり(挿入はなし)…と、色々と無鉄砲な行動に出る征太郎。
基本的には真面目で健気な人物ですが、年下攻めにしてもちょっと青すぎる印象です。
久城は近寄りがたいクールビューティーですが、話してみると意外と気さくで可愛いところも。
征太郎に襲われても、しばらくすると何事もなかったかのように振る舞ってくれる等、ちょっと物分かりの良すぎる面もあります。
こんな二人が、美しい自然の残る村でゆっくり愛を育んでいく物語。
悪役かと思われた久城の元恋人も意外と良い人で、
征太郎の絵葉書捏造の件も実は最初から久城にバレバレで…と、
特に大きな事件のない展開で、やや面白みに欠けるかも。
久城が征太郎に対して基本来るもの拒まずな点も、ラブストーリーとして張り合いに欠け、ちょっと物足りなさを感じる一冊でした。
終わってみて初めて2人の年の差にびっくりして(確か最後まで出てこなかった年齢設定)、受け攻め両方の年齢も作中での中身と合ってない感じがして、もやもやっとしたまま読み終わった感があります。
というのも、本のタイトルと鈴倉先生の可愛い表紙イラストから、勝手にコメディ要素もありのほんわかあまあまなお話だと先入観があったので(あらすじ全く読まずに購入しました)…笑
本だけで終わってしまうと、受けさん(久城)のトラウマ克服成長記録とそれを大きすぎる包容力を持った22歳の郵便配達人が空回りしながらも支えて一途に想う…という、恋愛要素が少ない少し暗めな展開でした。
ですが、最後の書き下ろし数ページとコミコミ特典のペーパーで大満足!!!
この作品は特典までが1冊だと、ペーパーを読み終わってスッキリしました。
この2人は書き下ろしからの甘々なとこからがやっとスタート!という感じなので、ここで終わり!?って物足りなくなりましたが、特典ペーパーがボリューム感もあって2人の関係にも進展が見られて、
良かった~…幸せそう…と、無事に成長出来てる久城と、更に包容力が増した幸せそうな洋介に安心しました。
正直、本当に本題の方は途中で何回か休憩を挟んで読まないと、ずっと同じようなテンポで同じような内容が続くので、刺激が足りずに飽きる場面も何度かありました。
ですが、作中に出てくる久城の絵の表現の仕方や、田舎の風景が思い浮かびやすい素敵な表現方法で書かれてると思うので、今後もその辺が楽しみな作家さんではあります。
作家買いです。
読後感、まったり幸せ気分に浸れて癒されます。
過去はありますがなかなか懐かない美猫さんなツンデレ受けが可愛いです。
そんな受けさんにはくじけない攻め、必要です!
悪い人出てきません!
そして絵葉書、素敵だな~っと。(自分は筆不精なんですけどねっ(;・∀・)
こんな田舎暮らしなら憧れる~。
まっ、いいことばかりではないでしょうが・・・。
村なので、二人の関係が周囲に理解されるのは難しそうだし。
あとスポットと名付けられる片目開かないウィンクな仔猫ちゃんの描写が最高に可愛くって♪
飼えるなら私も本当に飼いたいっ!
純情な田舎の郵便配達人・洋介(攻め)が、都会から移住してきた絵描き・悠月と心を通わせるまでの恋物語。
表紙のホンワカとした可愛らしさが気になって読んでみたいと思っていたが、いざ手に取って裏表紙のあらすじを見ると「えっ、嘘をつく展開があるの?」って戸惑いも少しあった。
まぁ、プロの絵描きであれば一発で見抜かれるだろうな、とあっさりばれるものではあったが。
この話は攻め視点で進行していき、すんなりと読み易いと思う。
のどかな田舎の風景、心を開けば優しく受け入れてくれる村人と、派手さはなくとも穏やかで癒される内容だった。
あと、心の交流の手段に手軽に済ませられるメールではなく、敢えて手書きの絵葉書を使う所にレトロな趣を感じる。
純朴な攻めの話を読むのは久しぶりで、洋介に関しては思いやりがあって女々しく感じる所はないから苛つく事はなかったが、今までよく読む話の攻めがどっしりしていて包容力のあるタイプが多いせいか、純情さ故の危うさはかすかに感じた。
受け・悠月が自ら村に馴染んでいこうとする姿勢はほっとできるが、年上受け
といっても頼もしいどころか儚い雰囲気だし。
できることなら、これからも村人や洋介の家族に温かく見守ってもらえる二人であってほしいと思う。