緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

ryokudonasu ougon no ou to tsue to haiiroookami

緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神64
  • 萌×211
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない11

113

レビュー数
16
得点
380
評価数
94
平均
4.2 / 5
神率
68.1%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
リブレ
レーベル
単行本
発売日
価格
¥1,300(税抜)  ¥1,404(税込)
ISBN
9784799732687

あらすじ

◆誰もが認めるWEB発BLノベル屈指の傑作がついに書籍化!◆
山奥で野人のように暮らしていた〝足弱″は、生まれて初めて上京した都で、
千年続く王朝の最後の王である今世王レシェイヌの
庶子の〝兄上さま″だと発見され、宮殿に保護される。
国土に緑をもたらす奇跡の力を持つ王族は、血族しか愛せない宿命。
しかし、十数年前の流行病により、今や生き残っているのは
今世王レシェイヌただひとりだった。
孤独のために死にかけていた今世王は、
足弱に夢中ですがりつき、ひたすら愛を捧げる。
そして、王族命の家臣一族「灰色狼」もまた、
真綿に包むように足弱の世話をし、尽くそうとする。
自分が王族だとは思えない足弱にはそのすべてが困惑のもとで、
耐えられず、ついに宮殿をあとにしようとするが……。

【書き下ろし】宮殿に来たばかりの足弱を、
侍従長の灰色狼<命>の視点で描く「いつもお側に」を収録!

表題作緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

今世王(レシェイヌ),異能を持つ最後の王,26才
足弱(ラフォスエヌ),今世王の庶子の兄,36才

その他の収録作品

  • いつもお側に
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評価・レビューする

レビュー投稿数16

WEB小説が原典という事は念頭において読んだ方がいいです

一冊読んでみて、惜しく感じる点が多かったです。作者の方の文章構成力は非常に秀でていて、淡々とした描写の中にも味があり、大変魅力があるのですが、商業小説に慣れている自分には戸惑う事がありました。

作者の細かい世界観の作りこみや文章の並び方や、何気無く描かれる日常に時折描かれるユーモラスなエピソードに惹きこまれる部分が多く、半分くらいまではとても楽しめていました。

半分くらい読んだ所で「あれ?あれ?」となりだしました。そう、小説を読んで通常ある「アレ」がいつまでたってもこないんです。起承転結の「転」が・・。気になりつつも、もう「転」もなく進むのか覚悟で読み進めました。それでも流石に作家の方に読ませるだけの力量があるから、そのうち気にならなくなり、この作りこまれた世界観を嗜んでいるうちに最後の最後で「転」がきたという・・。

よくよく調べると、もともとWEBで公開されていた人気BL小説が8年くらいの時を経て目出度く出版に至ったようです。つまり作者が執筆されている時は、「読者」の意識や本として出版という事も想定されていなかったんだと思われます。好きな世界観を思うままに表現してひっそりWEBで公開されていたんだけれど、文章能力が非常に高くて、評判に評判をよんだのかなーと推測しました。

商業BL小説に馴染んでいる者には、例え上下巻に分かれている小説でも、上巻の中にも起承転結の起伏があるのが通常なので、戸惑ってしまいました。この小説は上下巻に分かれて発行されているけれど、上下巻で一冊と考えたら一つの物語としてしっくりいくのかなーと考えました。世界観や文章が好みなので下巻も読みます。

この小説の主人公の足弱がBLもので珍しいタイプの素朴系の主人公で味があり、とても良かったです。灰色狼と同じように、読者も暖かく見守るスタンスですね。弟の兄への異常な執着も血族愛からくるものだという事でスルーできましたし、やっぱり足弱はLOVELYですからね〜。世界に残されたたった二人の王族を取り巻く風物詩として楽しめました。

今後この作者の方が、どういう活動をされていくのか分かりませんが、才能ある方だと素人にも感じられるので、編集者がついて物語の起伏に磨きをかけられれば、強いもの無しだと思います。
ただこういうシンプルな小説の形態も大きな個性であり、味でもあるので、商業的な部分(読者にどう魅せるか)をどの程度取り入れていくのか難しい部分もありますね。




4

世界観の作り込みはすごいけど…

評判通り、架空の国の設定は細かい所までつくってあり、他にはいない作家さんだと思います。
ただ、個人的に文章のつくりが好みではありませんでした。

ストーリーの大筋としては山あり谷あり、メリハリがあるはずなのに、読んでいると驚くほど単調に感じるのです。一つのシーンを際立たせようと思ったら、それ以外のシーンをあえて曖昧にしたり、省略したりするものかと思います。でもこの作品はどんな些細なシーンもすべて事細かに描写されていて、それゆえどのシーンを際立たせたいのかわからない…抑揚がないと感じてしまいます。
端的にいうと、読んでいるうちに飽きてきて、どうでもいいシーンは読み飛ばしたくなります。
私がせっかちなのかもしれませんが、「今のそのシーン、誰が何をしたとかって必要!?」といらいらしてしまうのです。”描写されない行間の趣”がなく、ひたすら起きた出来事がつらつら書かれているという印象。
歴史を忠実に記録するために、2人のことをそばで見ていた従者が書いた歴史書、とでもいいましょうか。

きっとWEB小説で1話1話噛み締めながら読み進めるのであれば、また違った感想になったと思います。
なにせ一気に読めてしまうので、どうしても濡れ場などの描写はどれも似通っていて退屈に感じてしまいますし。

ただ、この作品にファンが多いのは納得できます。
細かい描写のおかげで、架空の国の風景や食べ物を思い浮かべながら読むことができますし、なによりこの作品で二次創作をする方には、この上ない設定資料集になると思います。笑

WEB小説からではなく、最初から商業で書いたら、また違った感じになるんでしょうか…今後の作品が楽しみです。

4

物語に引き込まれるけど・・・

33年前に幼くして行方不明になった国王の腹違いの兄を探すため、三十代半~後半の男は都へ上がるよう国全土に通達が出された。
山奥で一人っきり、ほとんど人と関わらず生きていた足弱も、あまり乗り気でないまま都へと赴き、他大勢と共に国王である今世王に拝謁した。
一目見て、今世王は足弱を消息不明の兄だと判じる。
自分を兄と慕い愛を囁く今世王や王族として敬ってくる家臣たち、そして宮殿の生活に馴染めない足弱は戸惑うばかりで・・・

本が分厚い。(笑)
でも、すらすら読めました。厚さで躊躇する必要は無いと思います。
続きが気になって、ページを捲る手が止まらず、一息に読んでしまいました。

同じ血族しか愛せない体質の今世王。同族が死に絶えて孤独で仕方ありません。
やっと探し出した兄は、近親相姦的な同族愛や同性愛を忌むべきものとして教育を受けたため、今世王の愛を拒絶します。
その直後の今世王の行動は正直褒められたものじゃない。
愛してるから、もう二度と酷くしないから、と後々繰返し今世王は言うけれど。足弱も今世王の孤独に触れ絆されていくけれど・・・いいのか?と私の冷静な部分ではずっと引っかかっていました。
足弱の方は急な環境の変化に戸惑うばかりで、今世王の側にいると決めても暮らしていた山への未練たらたらです。
戸惑う足弱の気持ちは理解できます。孤独で寂しい今世王の気持ちも。
でも、共感は出来ませんでした。
頭では理屈として二人の気持ち・行動は理解出来るけど、感情移入することは出来ませんでした。

読み進むうち、王族以外の人々の思考に私自身は寄っていった気がします。
足弱を王族と知らずに接するワンや、足弱の侍従長<命>や料理長<雪解け>、元近衛隊長<朝霧>といった灰色狼たちと同じような目線になっていきました。
また、二人の関係にエロスをみて、巡行船の副船長の下卑た思考は当然有りと思っていたので、その後の展開には少々ビビリました。
中華風ファンタジーの感覚で読んでいたのですが、あの瞬間、これは自分の常識が通じない世界の話なんだと悟らされました。根本的に違うんだ、と。
ラセイヌの常識が受け入れられないと、ただ長いだけでつまらない物語になるかもしれません。王族は人と同じ姿形だけど、思考も能力も全てが範疇外。人の枠で考えてはいけない存在のようです。

主役と言える王族二人に感情移入出来なかったのに、何がそんなに面白かったのかというと「作りこまれた世界観」です。
そこで語られる「最期の王族」の治世。この後衰退するであろう国の最期の物語を読むことが面白くて、ページを捲る手が止められなかったように思います。
次巻を読んでまた印象は変わるかもしれませんが、今はそう思います。

3

投稿で長編、すごいな。

もともとWEBの投稿小説であるという作品です。元々の投稿サイトでも読めるようですが、この長さをWEBの画面で読むのは辛そうなので、電子書籍版で。ちょっとしつこいですが、この長さを! WEBで投稿で書き上げたという事実だけでも熱いですよね。作者様の「好き」が伝わってくると思いました。
ストーリーは、いわゆる中華風異世界ファタンジーにBL要素を絡めたもの。BLもお好きなのでしょうが、何よりもこういうファンタジー世界が好きで書いてます…という感じが伝わるのが好感度高いです。

文体は割と硬めでしっかりしています。でもだからこそ、たまに軽い口調の話し言葉が出てくると違和感を覚えることもあったりしました。たまに人物造形がぶれるように思える描写もあったりして、そういう所に「投稿小説だな」と思ったりして。

なんてことを思いつつも、大きな戦や災厄があるわけでもなく淡々としたストーリーなのに読ませてしまう作品です。この上巻では、主人公カップルの「愛」の確かさがまだ今ひとつしっくりこない所もあるので、このまま続編に突入したいと思います。(※hontoの合冊版で購入)

2

大いにハマった!

WEB小説で先に読み終えて、ものすごくハマったのでついついお買い上げ! 同じ血族しか愛せなく、その最後の1人を見つけ出し感情をぶつけまくるレシェイヌ。 それに対して山奥でひっそりと暮らし、純粋培養された足弱。 そしてその王族たちに命を捧げる灰色狼などすごくストーリーに引き込まれた。 足弱のおかれてた境遇と王族の暮らしがかみ合わず慣れない思いに心痛め、それに今までのレシェの孤独も重なって、内容は既にWEBで分かっているにも関わらず、どうなるの?どうなるの?とすごくハマった1冊でした。次巻も同じように引き込まれるんだろうな。

3

少し物足りなさが残る逸品

萌えのツボが難しい……。というのも、ストーリーは素敵なのですよ。タイトルからもわかるように王様がひとりの男を愛したら国土が緑豊かに……。わかりやすいですね。でもそんな自然の美しさを感じる内容ではあるのです。だが、いかんせん受けが年くってる! つうか年くいすぎ! エロ中年とか年上受けとか色々ありますが、これは何受けというの? 実の血が繋がった兄と弟だけど禁忌の淫靡さはないし、中年の悲愴さも薄い。面白いけどBLである必要はなかったかな?というのが感想です。どこかでBLの萌えを感じることができる人は面白いと思えるでしょう。私は少しもの足り無かったかな。

3

自然描写は素晴らしいのですが・・・。

広告で知り、ウエブ小説で読みました。
絵が綺麗で、国の設定や自然の情景が簡単に想像でき入り込むことが出来ました。
が、カップリングはちょっと・・・で、受けが36歳といい大人なのに10代の少女みたいな考えかたにはついていけませんでした。
足が弱い、のがずっと軸に残っているのは良いのですが、だから姫様みたく守られ続けられる環境に閉塞感を覚えました。考え方が受身すぎるのが残念だと思いました。

3

人は孤独で死に至る

王朝最後の王族×天然で純情素朴な庶子

以前WEB小説として楽しみました。
長いお話なので、加筆修正された書籍化版をじっくり読んでみたくて手に取りました。
独特の世界観の中で孤独な二人の王族が心を通わせていくまでの日々の積み重ねをじっくり見守っていく長編のお話です。
ファンタジーらしい壮大なストーリーや波乱に満ちた展開を想像すると期待はずれに思うかもしれません。

王族にだけ感染する死の病により一人を除いて死んでしまってから12年後、行方不明だった庶子の一人(通称 足弱)が発見されたことからこの物語は始まります。

山奥で育ての老人亡きあと一人で生きていた足弱にとって、孤独の寂しさとか頼る人のいない不安というものをあまり考えたことがなかったように思います。
逆に、たくさんの王族の中で幸せに生きてきたレシェイヌは孤独で寂しくて生きる気力を失くした姿は枯れていく植物のようでとても痛々しいです。
王朝の最後の一人として、民と交わした約束を果たすためだけに生きている、喜びも楽しみもなくできれば早くその生を終わらせたいと思っているようで悲しいです。
兄が発見されてからのレシェイヌの浮かれようは枯れかけた植木が水を与えられて生き生きと葉を茂らせているようで本当に幸せそうでした。

そして、環境の変化に戸惑いレシェイヌの濃すぎる愛情をもてあましながらも、その孤独や寂しさを理解していくにつれ受け入れていく過程を興味深く読み進められるかどうかがこの作品を好きになれるか退屈に思うかの分かれ目じゃないかと思います。

王族命の家臣一族「灰色狼」の王族に捧げる無償の愛がまた切ないです。
生まれたときから王族を守護するためになら何でもしたいという本能的ともいえる要求を、捧げるべき王族がたった一人になり行き場のない想いを持て余す気持ちが溢れていました。

2

好きな要素があればハマるかも

ムーンライトノベルで過去1位を獲得していたことから読み始め、薦められた事もあって最後まで読破した感想です。
一言で言うと「王族・執着・平凡・悲劇」要素を詰め込んだ超がつく王道ファンタジーです。どれも人気要素なのでそれらのジャンルが好きな人はハマると思います。

WEB公開されているBL小説には王族を絡めた異世界ファンタジーは数多くあり、「平凡が王族に囲われて受難」はその中でもド王道の為、好きな要素や特出した所でハマらないとありきたりのファンタジーとしか感じられません。
長編を書き上げる熱意は素晴らしいと思うのですが、個人的には少女漫画のように悲劇に浸っている主人公が苦手な私には合わず、ストーリーや設定に特出するところも見つけられませんでした。

イラストが大変綺麗です。
よく似た小説原作の漫画に「5人の王」という作品がありますが「王族・執着・平凡・悲劇」要素を詰め込んだ超がつく王道ファンタジーでイラストがこれまた超綺麗な本があります。緑土が好きな人は気に入るかもしれません。

6

大好きな作品です。

何度でも、大好き、愛してるという惜しみない言葉。
血族しか愛せないレシェの足弱への想いが狂おしいほど切なくて、胸が締め付けられます。愛に満ちた手つきが優しくて泣けてきます。

この作品が書籍化になることをどれほど待ち望んだことか。リブレさんありがとう(*^^*)

この作品に灰色狼の存在は欠かせません。王族至上主義な忠誠心がすごく素敵。とくに兄付き侍従と王付き侍従のお互いの主張はクスっと笑えます。

まだ未読の方はぜひ読んでほしい。WEB界の傑作です。

3

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