イラスト入り
前作に比べるとこちらの方が波乱な展開です。
死の病が発症したレシェイヌ。
自分亡きあと兄が最後の王族として利用されずに暮らしていけるよう整えようとするレシェイヌの心情や、感染予防のため看病することもできない足弱の慟哭が伝わってきます。
会いたくても会えない二人の書簡やどんどん悪化していく病に涙涙です。
それでも足弱が泣いてばかりじゃなくて、藁をもつかむ思いで提案した方法が面白かったです。
レシェイヌや側近たちの受け取り方や『喉がやったーやったー、舌がきゃっほー』に笑いました。
その後の王座を奪おうと画策する大臣との戦いを乗り越え再会を果たした二人に拍手を送りたくなりました。
幼い王族の庶子が行方不明になった事情やその後の推測が明かされます。
育ての親の残したものが偶然発見されたのには驚きました。
発見のいきさつはレシェイヌの愛の暴走の結果というのがらしいという感じです。
足弱が自分は本当に王族なのかという疑問や居所の定まらない想いに結論が出ます。
いろいろなことを乗り越えて心から結ばれ、これから二人寄り添って生きていこうという想いが重なって行くというのがよかったです。
面白かった!何と言ってもこのボリュームが神です。読みでたっぷりで夏休み読書にピッタリ。では腐った読書感想文書きます。
とは言ってもこの分厚さで二段書きの量なので上巻の後半には「このエビアレルギーの話必要?」とかちょっと思ってしまったのですが、下巻で納得。結構重要エピソードでした。他にも後から色々伏線がきいてきて、読みながらワクワクさせてもらえます。文芸作品並みにストーリーが壮大で、BLのお楽しみもたっぷりつまってて何ていうか・・・映画化してほしい。エロいので一般上映絶対無理なんだけどそれくらいドラマティックです。
キャラクターは受けが文明から遠い山奥で育った(でも教育は受けている)36歳ピュア兄上(童貞)。攻めは金髪碧眼美丈夫の25歳弟君。異能の力を持つ王族で近親相姦でしか性交できない(でも同性間はあり)という変態・・いや特殊な一族です。
そんな二人のでこぼこカップルなんですが、兄上がとにかくピュアで可愛い。素朴で人を罵るような言葉を知らない。見た目は地味で年相応というか山奥で苦労して育ったので年上にすら見えるんですが人としての品格があり、出会った人々を魅了します。エッチの声が相当色っぽいらしいです。
弟は見た目も王としての資質も完璧ですが、兄上の前ではただの獣です。待てのできない犬です。二人のエッチは終始兄弟で「ここではやめろぉ!」「兄上えええ!ハアハア・・・」って感じで微笑ましいです。下巻では弟が不治の病にかかり、兄にうつさないために二人が会うのを我慢して手紙での交流をするのです。その内容が泣けて感動するのですが、奇跡的に病が治り、どんな感動の再会をするのかと思いきや・・弟は嫌がる兄をいきなり畑で犯し、馬車で犯し、寝室で犯し・・・と精力絶倫です。本当に残念な性格のイケメンなんだけど・・嫌いじゃないです。王族と一般人のハーフのお兄ちゃんは体が持たなくて大変そうです。
他にも王族を侮辱されるとブチ切れる灰色狼という種族がいたりしてとっても面白いお話です。時間がたっぷりある時にぜひ読んでみてほしい作品です。
WEB小説を巡り巡って辿り着いたのがこの作品でした。BLはどちらかと言えば苦手で、でも時間があるし評価も高いし…と軽い気持ちで読み始めました。
主人公たち以外の言動や思考も事細かに描写されているので苦手に感じる方がいるかもしれませんが、私はライトノベルのテンポのいいお話より、深く掘り下げてくれる作品のほうがより好きなので(ライトノベルも好きですが)気づけば寝る暇惜しんで最後まで一気に読んでしまいました。
足弱の倫理観は現在日本の価値観に似通っており、その複雑な心境は理解でき感情移入しやすいなあと思いつつ、私は灰色狼と同じ気持ちで今世王と兄上様を見守るタイプでしたが。それに、兄弟もの、無理やり表現あり、中年受(しかも平凡)などなどいろんな人の地雷になりがちな設定(かくいう私も近親〇姦ものは苦手です…)ではありましたが、足弱がそれに葛藤し、最後までその倫理観を覆すことはなかったのがよかったです。ノンケ受けは数多く読んできましたが、足弱以上のノンケ受けはもう出会う事がない気がします。
WEB版ではあまり気になりませんでしたが、ほかの方が仰るように、確かに上巻は動きが少なく飽きてしまうのも理解できます。何人かの友人に勧めて見ましたが、文章が固くて…とか、ライトノベルのテンポのいいお話になれてる方にはとっつきにくいのかなと思います。たぶんめちゃくしゃ好き!はまる!が、途中で読むのを諦めるかのどちらかに分かれやすい作品なのかな?とも思います。ですが、WEB時代も二次創作(公認)されるほどの人気作が満を持しての商業に登場だったので、うれしくて上下巻とも三冊ずつ購入するくらいうれしかったです。
特に下巻に収録されている番外編は、WEB版からのファンからしたら、それがけで買う価値ありです!!!!!!!上下巻のお話すべてがあのお話へたどり着くための伏線!!!
この作品に出会って私は腐落ちしてしまいましたが、後悔はありません(笑)
ファンタジーは苦手だけど、サンプルを読んでみたところすっと物語に入って行けたので、3冊購入し一気読み。
異国の時代物を読んでるようで楽しめた。
近親婚も地雷だけど、この一族の場合、寿命が150年あり異能で近親者がいないと衰弱していくという、もう違う種類の人間で、常識と本能が違うんだろうと理解できた。
主役2人以外の様々な視点で物語が進むので、登場人物それぞれに愛着が湧いた。
灰色狼は全員好感持てるけど、特に水明が気に入った。
この水明が長官になるのかと、2人の結婚式が気になるので続きが読みたい。
近世王がオマエ草を飲むシーンは、自分は死にかけているのに足弱への愛のために飲むというシリアスなシチュエーションなのに笑えた。
今世王は、足弱が汚い言葉をなにひとつ知らず使わないことをかわいいと思ってるけど、それは確かにそうだろうと思うし、自分の言葉遣いを改めようと心に誓った。
それにしても「木漏れ日」は素敵な名前。響きが温かくて優しい。
王室病…この病気のせいで多くの王族が亡くなり1人残されたレシェ。 まさかその病気にかかってしまうとは?! そのせいで2人が離れ離れになってしまうシーンとか、その間に起こる謀反で傷つけられる足弱に涙。 その後本当に2人が抱き合えるまでの期間もつらかったな。 レシェの気持ちに応えようとするも、やはりどこかで引っかかる足弱が自分を王族と認められてよかった。 もっともっとレシェに甘えればいいのにそれができないところが読んでて切ない。 こればかりは足弱の人柄もあるから、すぐにとはいかないだろうけど、今までの分すごく幸せになって欲しい!