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1巻、2巻続けて読みました。とても良かったです、本当によかった。
山崎先輩、不器用すぎるが故に竹中に素直に好きとも言えず態度で示すこともできず、、、、それでもずっと大人になっても陰ながら見守ってきた、もう、健気すぎます。
東京に行く竹中を追いかけ、今まで無骨で感情を表に出さなかった山崎先輩のここからの思いの丈をぶつけていく終盤までの話の流れはもう涙なしでは読めませんでした。
閉塞した田舎と自分の存在を否定され続けてきた竹中の暗黒の中高時代、捨ててしまいたい過去でも山崎先輩に愛されていたと気づけて本当によかった。
300ページ近い長編で、丸々表題作となっていました。楽で心地良かった関係が拗れてしまい、爛れた性生活を送るようになった山崎と竹中。お互い言葉の足りない、不器用同士の不純交遊。それを一番傍で見ていた鹿島はもどかしくて仕方なかったでしょうね。臆病さもあっただろうし、この頃は自分の相手に対する気持ちも100%理解はできていなかったんじゃないかな。最も近くにいたからこそ、本当に大事にすべき相手だと気付けなかったような、そんな印象でした。
古村との関係こそ苦さを残して終わってしまいましたが、上京してからの竹中は人に恵まれましたね。良き理解者として鹿島も傍にいてくれたし、新たに恋人になった吉村は本当に心穏やかな優しい人で、別れた後も竹中を恨んだりせず、心配したり応援したりしてくれる出来た男性。2人がいなかったらこの結末に辿り着くまでもっと時間がかかったかもしれないし、拗れたままだったかもしれない。でも、幸運にもそんな2人に見守られながら、ようやく山崎と竹中はお互いに本音を晒け出すことができます。
初めて会った時から一目惚れしていたという山崎と、古村に未練を感じながらも、心の奥底ではきっと徐々に山崎に好意が傾いていたであろう竹中。あれだけ爛れた関係だったのに、山崎がちゃんと自分を好きなんだと知った途端、赤面することが増えた竹中がすごく可愛かったです。苦い初恋の思い出すら、山崎からの愛で書き換えられたんじゃないかな。山崎とつるみ始めた頃、実家の2階の窓から自分を見下ろしていた山崎が既に自分を好いていたんだと思い返して、気持ちが満たされる竹中に、本当に幸せになってくれて良かったなぁと心から思いました。
すごくよかった。河井先生神すぎと思った感動した。
プロサッカー選手の竹中は膝の怪我が原因でチームを解雇される。そんな竹中の前に現れたのは地元の先輩の山崎。初めての男で先輩でも好きでも何でもない人。
竹中の思いは出てった地元の記憶へと繋がる。
竹中の初恋から、前彼そして山崎先輩への複雑な思いがちょっとづつ破かれていくように分かっていくのが良かった。
河井先生イタイ表現がが容赦ないんだけど、最初の山崎先輩の嫌われっぷりがほんとひどいw
山崎先輩は竹中につきまとってて、嫌われてもしょうがないんだけど、君も先輩に相当ひどい事をしてるよ。
けっこうお世話になったのに、捨てるみたいに何も言わずに東京に出て行くとか。
竹中の初恋の古村の性格の残酷さとか、親とか竹中が地元を出る事になる過程が胸を突かれるくらい苦しい。
高校時代の山崎先輩とのやりとりがこの頃もう好きだったのかな、とか甘えるの苦手な竹中が甘えてたんだなと。
最終的にはハッピーエンドですが、それまでの過程が苦しいくらい切ない。竹中をずっと好きな山崎先輩の気持ちにやられます。
お互いの恋をこじらせそれが終わるまで青春は終わらない。最後はハッピーエンドですよ!
そして、最初モブ顔の先輩が5話くらいでいきなりイケメンに変わるという…絵柄どころの話じゃないよね?と突っ込んだけど、それを無視してもストーリーがよかった。でも最初は先輩モブと設定してたんじゃ…と邪推。
二人以外の人もちゃんと人物ができててよかった!鹿島先輩はサッカー部の先輩で竹中と山崎を見守るような役なんだけど、本当にいい人。この人がいないとよくある2人完結のBLになってたかも。脇がしっかりしてこそ話に厚みでますよね。
いやー 本当に最後の最後の最後でぐわーっと感動します。
二巻も辛くて重苦しい過去の話が続きます。
ひた隠しにしていたのにゲイである事がバレて友達を失った学生時代、初恋相手であった友人の裏切り、唯一いい友達になれるかもと思っていた山崎先輩にも裏切られ、母親にはゲイバレした挙句に隣の県の精神病院へ連れていかれ…。
そんな「腐ったドブ川のような世界」を捨てて、スカウトされた東京のチームへ。
山崎先輩もなぁ。10年かけた執着愛なのに不器用すぎるでしょう…。不器用すぎるから10年かかっちゃったとも言えますが。
「最初だけでも。好きな人に愛されてみたかった」と涙する竹中。
東京話を知らされず、電車が去った後のホームでの山崎先輩の絶叫。
竹中から「俺のこと解放してください。」と言われてそっけない返事をしちゃうし、「もう一生会わないかもしれないですね」と言われて、しょうがない…って返事しちゃった時の彼の胸中ときたらいかに…!愛ゆえに竹中を解放してやろうと、ついに思うんですけどね。
そういうのを全部全部読んできての最後の「この世で一人きりだと思ってたあの頃にも、俺はちゃんと愛されていた。」という竹中のモノローグが、ものすごーく胸に迫った。
否定し続けてきた過去を肯定出来たということが何よりの救いでした。
不器用すぎる二人の遠回りして遠回りした結果の愛。
それにしても竹中の元カレの吉村さんが本当にいい人だった。別れた後も素晴らしくいい人。あまりにもいい人過ぎて何故、吉村さんじゃダメだったんだろう…って思うくらい。だから彼が言う「僕と付き合っていたことを忘れないで」ってシーンは泣ける。
竹中が吉村さんとの付き合いを「際限なく甘えた 自分のこの図々しさにいつか愛想をつかされるんじゃないかと いつも少し怖かった」と振り返っていたけどそこかなと。
吉村さんは竹中のことを「びっくりするほど甘え下手」と評していて、選手生命に関わる怪我をして不安と怒りで当たり散らしたいのに自分がいると我慢しちゃう、でもやっぱり爆発してその度落ち込んで…と振り返っていました。
それに対して、竹中は先輩に対して遠慮がないし、先輩も遠慮がない。
だからこそ、チームから解雇されて落ちこんだ時に先輩についていったのかなと思う。自暴自棄になっていたとしても弱っている自分を唯一見せられる相手という事で。
トライアウト後のオファー待ちの際に「俺はうまいけど見る目がないやつがいるんですよ!」みたいな事を言う竹中に向かって「どんだけ目が節穴でも全盛期の中田落とすやつはおらんやろ?」みたいな事を言えちゃう先輩の勝ちかなと。
先輩、良かったね。
初読み時は萌萌だったけど、読めば読むほど細部が色々把握できて神に。(初読みで色々把握出来ればいいんですけどね…)
ヒリヒリした痛みに付随する独特の甘美さが好きです。
ちなみに河井さんのブログを見たら連載開始前は、竹中のダメンズ恋愛遍歴と人生って感じのテーマで、誰ともくっつけるつもりはなかったらしい…。トライアウトが始まる所で吉村さんが迎えにきてたり、山崎や鹿島も横にいてみんな一緒で割と幸せだなって感じで終わりにする予定だったそうです。でもBLだとそれじゃダメだな…となったみたい。うん、それだと誰も納得しなかったと思うので、くっついてくれて良かったです。
大作でした〜〜〜っっっ
本当に面白かった!!なんか久々にしっかりした内容の大作を読んだ気がします。
山崎の初登場時、竹中に絡むろくでもねえ先輩かと思ってたのに、学生時代の粗野で淡々とした雰囲気が本当に良かった!
男は背中で語るを地でいく彼に惚れましたねっ
学生時代、不良だと恐れられていた山崎の態度は、竹中に対する時だけは違った。
人から見れば特別扱いだったそれも、竹中には全く気づけない。
もし、気づいていたとしても、恋に傷つき、学校や親からゲイである事を責められ、自暴自棄になっていた彼がそれ以上深く考える事はしなかった。
山崎の部屋は、息の詰まる生活から逃れられる数少ない避難場所。
竹中は山崎と寄り添う事で自分という存在の許しを得ていた。
この話の萌える点は、大嫌いから大好きに変えるという所なんです・・!
上辺だけの軽いノリのツンデレの話じゃありません。
長い時間を掛けて、恨み、傷つき、離れて、恨んで、それでも結局、戻ってしまう。
この時間経過と共に描かれる彼らの心情がとても丁寧で、やるせなくて心に沁みます。
ページが進む毎に、学生時代の話から現在へと戻る瞬間を読めて本当に嬉しかった。
絵だけではなくて、目の前の現実を見据えた文章にも惹かれました。
もともと不器用で無骨な男が好きですが、この山崎、すごく真っ直ぐで無様でカッコ良かったv
読後の爽快感の良さに思わずレビューしてしまいました。
これはオススメです!