ボタンを押すと即立ち読みできます!
断われない性格だけど、そんな風になりゆきでたどり着いた道を楽しむ男の子が主人公です。攻めもちょっと強引でかっこよかったです。やっぱりこういう雰囲気の作品は、大好きですね。
どうしてこの作者の作品をこんなに好きなんだろうとふと思いました。もっと笑える作品や、切ない作品は、たくさんあるのに、全部読みたいと思える作家は、月村先生だけです。たぶん私は、この作家が書く少し癖があってネガティブで幸せから逃げようとするようなキャラクターを好きなんだと思います。もっとこんな作品をたくさん読みたいです。
かなりコメディ寄りの、勘違いからくるすれ違いっぷりが面白い作品です。ほんのちょっとだけシリアス展開もありますが、それも安心して見守れる程度。終始、プッと笑いながら楽しく読ましてもらいました。
揉め事が苦手でノーと言えない大学生・睦月(受け)は、スイーツ研究会で一緒の、はっきりした同級生・川久保と親しくなります。
そんなある日、「(親友になりたいので)友達から!」とこれからも仲良くしてもらえるよう言うと、告白されたと勘違いしたゲイの攻めに「最初から友達以上でいい」と言われ…というあらすじです。受け視点です。
全部で2章に分かれていて、前半は「友達」と「恋人」という認識のズレた二人のすれ違いっぷりが楽しめ、後半は結ばれた二人が、サークルのふくよかでオネエな先輩・御子柴の恋愛模様に巻き込まれ…というもの。
萌え所がですね、やっぱり二人のすれ違いっぷり。恋人のつもりの攻めは、キスをしたりさりげなくエッチに誘ったりとグイグイ攻めますが、天然の受けはありえない勘違いや思い込みで華麗にスルー。結果的に、焦らされてる状態の攻めに笑えます。
そんな日々の中、受けはキス攻撃に攻めの事を意識し始めます。そんな時に当て馬の出現で、互いの勘違いが分かり…というすれ違い展開。やきもきするまでも無く、スピード解決です。
後半は、サークルの先輩の実家のホテルで、二人が夏の間泊まり込みでバイトをするというもの。このサークルの先輩・御子柴が、巨体のオネエというかなり個性的なキャラ。この御子柴と、彼の幼馴染みの恋愛模様に二人が巻き込まれます。
こちらでは既に二人は出来上がっているので、最初からかなりイチャイチャ。しかし、受けがエッチに怖じ気づいている為、なかなか一線が超えられず…といった所。
ここでも、受けのノーと言えない性格がいかんなく発揮されています。そして御子柴が良い味出してます。
随所で吹き出しながら楽しく読める作品。ラブコメディが好きな方にお勧めです。
「恋は甘くない?」と「恋は苦くない?」の2編です。
どちらも受け視点です。
「恋は甘くない?」
「NO」と言えない小嶋睦月(受け)は大学に入学早々クラスの女子に頼まれてついていったスイーツ同好会に流されるまま入会してしまいます。同じく新入会員の川久保(攻め)は睦月と違ってはっきりした性格でした。はっきりと意思表示する川久保が羨ましい睦月は川久保と親友になりたいと思います。「(親友になりたい)お友達からお願いします」と言うと、もともとゲイだった川久保は「(恋人になりたい)お友達から」と勘違いしお付き合い?が始まります。
スイーツは苦手な睦月でしたが、友達付き合いも順調で、気のいい先輩たちに囲まれて意外と楽しいサークル生活を送っていました。が、川久保を気に入った同級生の沢渡の登場で変化が起きます。友達と思っていたのに沢渡が川久保にくっついていくのを見てると心が苦しくなるのに気が付いて動揺してしまいます。
睦月は生来の性格か姉妹という最強生物の影響か主義主張ができない性格です。彼の辞書には「NO」という言葉はないのです。
流されるまま不本意な選択をしてきた睦月ですが、その結果を誰かせいにするような後ろ向きな性格ではなく、「NO」と言わなかった自分の責任だからとその状況の中で最善を尽くすようにしています。川久保も作中で言っていますが、これは睦月の中の最大の長所だともいえます。この一見後ろ向きなのに前向きな態度は、最初はイラッとするのに面白いと思って好感を持ち、応援しようと思う複雑な気持ちにさせられる不思議な人物でした。
川久保は睦月と逆で、3人の姉に囲まれてはっきりものがいえる人間に育ったのではないかと思われます。
二人のすれ違いっぷりは面白いです。完全にすれ違いなのになぜかうまくかみ合ってるんです。友達からって言った後、すぐ友達以上でもいいよって言われて、(すぐに親友だなんて)嬉しいと表現するのも、すぐに上(ロフトベッド)に行く?と誘われ、上にはベッドしかないしで?とするので、友達からだったかと川久保が引いて、言葉はかみ合ってるのに、内容がかみ合ってないんです。
その後も、キスされてもかばってあげたお礼だって最初に言われてから何度されても、何かのお礼なんだと勘違いして、川久保としては誘ってるのにちっとも乗ってあげないとか、天然で焦らしてるなぁとニヤニヤが止まりません。当て馬の沢渡が出てきてからは、ちょっと引っ掻き回されますが、そのおかげでちゃんとくっつくことができました。一番言わないといけないときに「NO」と言えて良かったね。
沢渡は可愛いからとわがままに育てられてきた感じがしてずうずうしい小悪魔タイプです。私自身はあまり好きではないのですが、本当に性格が悪いわけではなかったので悪い気分になることもあまりなかったです。
川久保にべったりくっついていて邪魔するところはイラッとしましたが、二人がくっついてしまってからは、他の先輩会員に二人の仲を暴露したり、「とっちゃおう」とか「乗り換えない?」とか二人の前で言ってみたり、決して本気じゃない邪魔の仕方が憎めない人物だなと感じ、作中でもみんなに可愛がられている所以だと思います。後半の話ではなんだかんだと二人の邪魔しながら、睦月には呆れながらも世話を焼いてくれたりしていました。いい人が見つかるといいですね。
そして、他の4人のふくよかな先輩たちがいい味だしていました。
みんなスイーツが大好きで一回で3つも4つもケーキを食べてしまう巨漢たちなのですが、決して不潔な感じではなく清潔を心掛けていて、感じもよく、同性愛も否定せず(御子柴のみオネエでしたが)後輩3人を温かく見守ってくれていて人間ができてる人たちでとてもよかったです。
きっといつの日かかわいい彼女ができると思います。
「恋は苦くない?」
夏休みになり、夏菓子の食べ歩き旅を計画していたスイーツ研究会の面々ですが、
御子柴の実家のホテルに急きょ人手が足りないということで、案の定「NO」と言えない睦月は手伝いにいくことになります。芋づる式に川久保と沢渡もバイトに行くことになります。
ここでは、地元でも名士で石頭の御子柴の父親のせいで辛い恋をすることになった御子柴の恋に案の定巻き込まれる睦月でしたが、いつものように精一杯頑張ります。
婿養子の父親も自分の代で終わらせるわけにはいかないと気を張っていたところもあるのでしょうが、田舎での生きにくさが描かれていて、大いに傷ついたけど御子柴が救われて良かったと思う反面、いつか父親とも和解できるといいなと思う話でした。
そして、二人の本懐も無事終えることができてホッとしました。
出てくるスイーツがどれもとても美味しそうなんです。ケーキが食べたくてたまらなくなりました。
月村先生らしい、自己完結、すれ違い、勘違いの三拍子揃ったドタバタ(?)なお話でした。
月村先生の受けらしい自己評価の低い受けの子と、寡黙でキッパリした性格の攻めのすれ違いに悶絶します。
両想いなのは見てとれるので、安心してすれ違いを楽しむことができます。
月村先生好きだし、松尾先生の挿絵見たいしget。表紙がめちゃ可愛い♡
カラー口絵は攻め受けが桜の下でstanding。キレイ。背後のスイーツ店内に
どすこい組の背中(笑)。読み終わった後はぷっと笑ってしまう。
中の挿絵も色々書き込まれていて とてもうっとりします。
お話はきゅん+コメディ。先日出た切ないトーンのお話とは違って
個人的にはこっちのトーンの方が好みでした。
恋は甘くない? 2014年雑誌掲載分 約130P 二人がくっつくまで
恋は苦くない? 書下ろし約100P 避暑地バイト+ミコちゃん恋愛話
の2編構成。
大学スイーツ研究会が舞台。案の定、メンバーにどすこい組在籍。
最初そこを読んだ時、しまった・・・と思ったのですが
(同族嫌悪のため(笑)) このどすこい組、みなさん小綺麗にしなくては と努力していて、好感度大!でした。
攻め受け以外の登場人物は以下のような方々。
色々いて、楽しい大学生活を描き出してて、読んでるこっちも楽しい~
・御子柴剛太:ミコちゃん。どすこい組。オネエ言葉つかう強烈キャラ♡
ゲイ。めっちゃ面白い、この人。
・沢渡有弥:攻め受けの同学科同級生。美少年系おしゃれチャラ男。
憎めないタイプ。
・幸田陽菜:受けを最初スイーツ同好会見学に誘った諸悪の根源。
どすこい組を見るやさっさと逃げる(爆)
その他どすこい二人います。
くっつくまでのお話も、避暑地バイトのお話の方も、爆笑するところあり
きゅんするところあり、すんごく楽しかったです。
攻めのいじめっこ気質なところや、受けの流されるけど楽しんじゃう性格も
どすこい組も最高でした。
あー楽しかった。