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表題作ああッぼっちゃま…!

須賀崎富之介
22歳,引きこもりのゲーム廃人
黒田セバスチャンこと黒田楓
30歳 ,須賀崎家執事

その他の収録作品

  • あとがき
  • 描き下ろし番外編
  • カバー下:4コマ漫画

あらすじ

黒田楓ことセバスチャンは、
日本屈指の貿易商・須賀崎家の執事として
充実した日々を過ごしていた。

だがそんな彼を悩ますのは、
引きこもりのゲーム廃人(ぽっちゃり)の
須賀崎家長男・富之介。

次期社長の彼がいつまでもこんな調子ではいけないと思いつつも、
セバスチャンは可愛いぼっちゃまにほだされて甘やかしてばかりいた。

そんなある日のこと、旦那様に呼ばれたセバスチャンは
「100万円貯めるまで帰ってくるな」と
富之介とともに屋敷から追い出されてしまい……! ?

作品情報

作品名
ああッぼっちゃま…!
著者
月之瀬まろ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
イースト・プレス
レーベル
Splushコミックス
発売日
ISBN
9784781615493
3.8

(88)

(26)

萌々

(36)

(17)

中立

(5)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
17
得点
330
評価数
88
平均
3.8 / 5
神率
29.5%

レビュー投稿数17

これは非常に良い意味で、完全に表紙詐欺

去年の2月に読破。1話が試し読み増量中だったのがきっかけです。
ギャグBL大好きなので、1話読んで
「なんこれwおもろい!w」
で即座に2話へと読み進めたら、ノリが2話以降でガラッと変わり、最終的には友情も家族愛もカムアウト問題も含めた、深くシリアスな話でとても感動しました。
まさかこんな内容だったとは。
脇を固めるサブキャラもキャラ立ちしててすごくいい。
トータルでめちゃくちゃ良かった。

…と思ったらなんと、BL AWARD 2018 ディープ部門センシティブ系受賞作品だったんですね。
ARUKUさんの「スクールナイト」や本郷地下さんの「世田谷シンクロニシティ」も受賞されてます。
やっぱり審査の方々は隅々まで読んでらっしゃるんだなぁ。
こういう1話と2話以降の評価がガラリと変わる作品っていーーーっぱいありますよね。
私にとって同様の現象が起こった作品は恋煩シビトさんの「パンデモニウムより愛をこめて」(My神作オブ神作) でした。

ちなみにこういう「しぼむ系」(←勝手にこう呼んでる) のお話がお好きな方には以下もオススメ:
・コウキ。さん「アヒルくんはソレを知らない」
・夏生あおとさん「ヲタ・ファタールの災難」
・猫野まりこさん「お前の全てを奪うまで」

以上、挙げた作品も本作も非常にオススメです。

1

まさにああって言いたくなるぼっちゃま

ギャグ。タイトルと表紙でほぼおわかりかと思いますが、ギャグBLです。

ストーリーは重くないので気軽に読むことが出来るかな。むしろ、かなりぶっとんだぼっちゃまが、執事と一緒に暮らすためにとんでもない勘違いをしつつも必死に成長していこうとする姿はよかった。

最初はぽっちゃりしているんですよね。ぼっちゃま。そんなぼっちゃまも好きな執事、セバスチャン。なぜセバスチャン?

しかし、社会に出て苦労してこいと父に家から追い出され、なんとか100万円を稼ごうと悪戦苦闘。
しかし、やせてイケメンになったのでホストで、とはちょっと安易だったかな。。

まあ、深いことは考えず楽しめる作品です。

0

タイトルと表紙とあらすじの吸引力!

タイトルと表紙とあらすじでそそられ読んでみました。

振り切れたギャグものかな?との予想が外れ、すんごく読み応えがあり泣けました。

発想がすごくいいです!(何様?)

愛しいぼっちゃまは引きこもりぽっちゃりゲーマーな22歳、資産家の長男。ついついぼっちゃまの望みを叶えてあげたい執事の楓。
ある日旦那様から100万円貯めるまでは帰ってくるなと二人で勘当されて…。

ピザとゲームとセバスチャンがいればそれでいい。って言ってたぼっちゃまがセバスチャンさえいればいいって(泣)
ぼっちゃまが頑張るところと、楓が心配してオロオロするところが良かったです。

ぼっちゃまが想いを遂げるところとか、楓がぼっちゃまを想って行動するところとか、もうもう予定調和なのに読み応えがありまくりました!

神にしたいところなのですが、ホストクラブの三人のこだわりや思想家の彼の真意がイマイチよくわからなくて…。思想家とか必要だった?重要な役どころなのに理解が追いつかなかったです。

1

タイトルは読み方によって様々

上記のあらすじ通り、お屋敷を、追い出されたぽっちゃりぼっちゃまと、セバスチャンの笑える奮闘記かと思ったら、途中からシリアスになってきました。
何も分かっていないぼっちゃまかと思ったら、実はずっとセバスチャンが好きだったから、かなり早いうちにセバスチャンに手を出します。
セバスチャンは快楽に抗えずにいますが、自分の立場と、いずれバレた時のぼっちゃまの父親からの叱責に怯え、ぼっちゃまの為と離れていきます。
私は、この2人の話だけでも良かったのですが、ホストの先輩の話や内部事情なども出てきて、ちょっとお腹いっぱい。
すごく気になったのは、ホストクラブでぼっちゃまに入れ込んで貢いでいた、女の人がどうなったのか。。。
犯罪にまで手を出し、挙句の果てそのお金も奪われてしまったのかと思うと、後味が悪くて。ぼっちゃまが家に戻った後に、彼女の使ったお金を肩代わりして助けたなどの後日談があればなぁと期待して最後まで読みましたが、2人のラブラブのみでちょっと心残りになってしまいました。

1

笑う準備はできていた…のにぃ!!

表紙からコメディだと思い込み、笑う準備は万端だったのに…
ちっくしょぉお!めちゃくちゃいい話でした!

笑いも期待通りでしたが、それ以上に登場人物の成長や葛藤を通じて
人間味までしっかり描かれ、哲学的な思索にまで踏み込み、予想以上に
ずっしりとした読後感を味わってしまいました。

8年の引きこもり生活ですっかり肥えたゲーム廃人と化し、
見かねた父(社長)から遂に家から放り出されてしまった
〝ぼっちゃま〟こと須賀崎富之介(社長子息)。

けれど、その傍らには幼い頃から彼の世話をしてきた
須賀崎家の執事〝セバスチャン〟こと黒田楓がいました。

「100万円貯めるまで帰ってくるな」という父の鬼畜指令を達成するべく
外の世界へ歩み出す二人でしたが、金なし・世間知らず・思春期以降ニート
という最悪の三拍子により即効路頭に迷い、公園でのホームレス生活へ。

しかし、皮肉にも質素な路上生活と過酷な強制就活が富之介のタプついた
贅肉をそぎ落とし、みるみるうちにイケメンへ変貌を遂げてゆきます(笑)

体格の変化をきっかけに初めての仕事、家、お給料を手にしたことで
富之介自身、そして、二人の関係にも少しずつ変化が生まれ始めます。

それまで聖母のごとく富之介に愛情を注いできた楓ですが、
突然の富之介からキスで一人の男として意識するようになり…

普段は無表情で思考の読めない富之介ですが、
ただ一つ、楓への愛だけはだだ漏れでした。
けれど、鈍感な楓は富之介がゲイであることも
彼の好意にも気づいていませんでした。

そして、ある日、長年の一途な想いを告げてきた富之介を
拒み切ることもできず、二人は遂に体を繋げてしまいます。
そのときの富之介の切羽詰まった、切なげな表情ったらもう…
痛い程に胸を締め付けてくるのです。

はじめは必死な富之介に流され、抱かれた楓。
けれど、そこに主従以上の情が生まれ、富之介への恋を自覚してしまうと、
彼の将来を壊してしまうこと・主家への裏切りの罪悪感が楓を苛みます。

対して、富之介には全く迷いはありません。
いつだって彼が欲したのは楓だけでした。
ゆえに楓が姿を消すと、それまで築き上げてきたものをいとも簡単に
投げ出し、楓を探し彷徨い、痛々しい程にボロボロになってゆきます。

まだ富之介がニートライフを満喫していた頃に言っていた
「セバスチャンとゲームとピザがあればそれでいい」は
生活の変化の中で〝ゲーム〟と〝ピザ〟が消え、
「セバスチャンさえいればそれでいい」に変わり、
けれど、最後までセバスチャンだけは消えることはありませんでした。
富之介の人生において楓は全てであり、唯一の拠り所でした。

富之介と楓にとっての愛とは依存も執着も
狂気も優しさも慈しみも、全てが同義なのでした。

コメディだと思っていたら、富之介のゲイとして生きる葛藤や切なさ、
楓の富之介の愛を受け容れる覚悟にうっかり感動させられていました。

二人を見守る人々も個性的で味わいのある人たちばかりでした。
ゲイでNo.1ホストの潤は意外に真っ当で面倒見よく、八神もまた
どこか哲学者めいてはいるけれど、決して悪人というわけでもなく。
冷酷に見えた父親も実は息子の性癖をも受け容れる息子想いなパパでした。

書き下ろしでは楓のやらかしっぷりにいたたまれなすぎて爆笑でした。
普段は貞淑で落ち着いてるのに、浮かれると意外にもドジっ子で(笑)
眼鏡をはずすと息子そっくりな富之介パパの素顔も明らかに!

ぜひ次作も読んでみたいと思える1冊でした。
本書以降はまだ出ていないようなので気長に待ちたいと思います♬

3

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