商品説明

文庫発刊記念・コミコミスタジオ購入限定特典かき下ろし小冊子
刺客として生きてきた少年の運命を変えた統山好文との出会いのお話です。

作品情報

作品名
いばらの花「桜吹雪は月に舞う」番外編
著者
宮緒葵 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
特典
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
桜吹雪は月に舞う(但コミコミスタジオ購入のみ)
4.3

(3)

(2)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数2

茨木実醇の過去について

本品は『桜吹雪は月に舞う』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。

本編以前、
好文の父・鷹文と後に守役となる青年の
出会いのお話です。

それはまだ好文が
この世に誕生して間もない頃。

旗本である鷹文は
たまたま訪れた旗本屋敷で
忍び込んでいた少年を捕えます。

突如踏み込んできた刺客に動じず
悠然としていた鷹文に
殺気を削がれた少年は隙を突かれ
不覚にも昏倒してしまったのです。

少年が意識を取り戻した時には
縄で束縛され床に転がされていました。

少年に標的とされた旗本は
少年に依頼人の名を吐かせようとしますが
鷹文の目には
少年が口を割るようには見えません。

屋敷に入るまでに
誰も殺さず、気取られなかったと知ると
今夜の出来事をなかった事とし、
少年の身柄を貰い受けてしまいます。

少年は逃げ出す機会は有りましたが
誰かに呼ばれるような
不思議な胸騒ぎを感じていたのです。

早く来て、抱き締めて
と少年を呼ぶ声。

武家屋敷の庭先に下ろされた瞬間、
少年は愛用の刀を掴み駆け出します。

泡を食った家臣が追いかけようとするも
鷹文は鷹揚に彼らを止めだてしました。

少年を導いていた声は
辿り着いた部屋で乳母らしい女の膝元、
絹の布団に包まれて眠る赤子で?!

A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)で、
2段組12頁とボリューミーな小冊子は
鷹文と好文、実醇の出会いのお話です。

件の赤子は、
見知らぬ少年の登場にも泣き出さず
笑みを浮かべて小さな手を伸ばしてきます。

気づけば少年は
乳母を突き飛ばして刀を補織り出して
赤子を抱き上げていました。

頭がぐちゃぐちゃになりながらも
己をさっきからずっと呼んでいたのは
この子だと少年は確信します。

この無垢で愛くるしい赤子を慈しみ
守るために、自分は生まれてきたのだ

少年は手の中の赤子の世話をするため
赤子の父である鷹文に仕えたいと
申し出ます。

そして己の忠義を示すため
鷹文に組み敷かれ「茨木実醇」の名を
賜る幕引きまで

全編シリアスなお話でした。

好文の守役として登場する実醇は
好文に母親とも慕われる
存在となっていますが

実醇にとって好文との出会いが
己を変える瞬間であったようです。

本編だけを読んでいると
鷹文との関係は情が絡んでいるようですが

2人の関係は
好文をめぐる主従の儀式であり
恋愛感情からの関係ではないので

好文が育ったからといって
それぞれに多少の情は有っても
恋愛が主でないことは確かそうです。

本作を読むと今後の本編で
鷹文と実醇の関係が語られる事は
なさそうにみえたので
そういう意味では読めて良かったです。

※他店舗特典(レビュー済)
ホーリンラブ特典は
錦次を恩人と慕う桃若のお話です。

1

孤独な少年のお話

『桜吹雪は月に舞う』をコミコミスタジオさんで購入するといただけるおなじみの特典小冊子。B5サイズで小説部分は7P。タイトルは『いばらの花』。

という事でレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意を。







一人の少年の回想から始まります。

名もなく、保護してくれる大人もいない。
唯一自分に「人を切る術」を教えてくれた男も少年のもとを去り、彼がわずかに残してくれた食料も尽き。一人になった少年は、生きるために人を殺め金銭を奪う日々が始まります。

生きることにも絶望し始めたそんなある日、押し入った屋敷で一人の武士に圧倒的な力の差を見せつけられ、そして敗れた少年。
そこで少年が絶望の中で見つけた光は…。

というお話。

序盤、この少年がいったい誰なのかわからない。
けれど、読み進めていくうちにこの少年こそが実醇であることが分かってきます。

実醇と、鷹文・好文親子の出会い編のお話でした。

本編を読んた時、初めに鷹文の小姓となった実醇が、鷹文の息子の好文のお世話をするようになったのだと思っていたのですが、そうではなかった。

生きるために人を殺めるという地獄の中で、実醇が見つけた希望が好文だったんですね。で、鷹文・好文親子に忠誠を尽くすことを証明するために、鷹文の閨の相手をするようになった、という。

実は本編で一番ツボだったのは実醇だったので、この小冊子が読めて本当に嬉しかった。

ぜひとも鷹文×実醇の話も書いてほしいなと、より一層強く思うようになる、そんな小冊子でした。

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