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表題作華は褥に咲き狂う(7)神と人

紫藤純皓,光彬の御台所かつ闇組織「八虹」の長
七條光彬,恵渡幕府第八代将軍

その他の収録作品

  • あとがき
  • 雑草の矜持

あらすじ

隆義と麗皓の奸計により側室を断れない状況に陥る光彬。裏では光彬の子を熱望する神・玉兎が手を貸していた。愛する御台所・純皓と添い遂げたい光彬は……? クライマックス目前の第七弾!!

作品情報

作品名
華は褥に咲き狂う(7)神と人
著者
宮緒葵 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
華は褥に咲き狂う
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525483
4.6

(16)

(13)

萌々

(2)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
73
評価数
16
平均
4.6 / 5
神率
81.3%

レビュー投稿数5

シリーズの中で一番好きかも。

『華は褥に咲き狂う』シリーズの7巻目。
シリーズものなので前作未読だと理解できません。未読の方は1作目から順に読まれることをお勧めします。

さて。
前巻で、純皓の腹違いの兄・麗皓が登場しましたが、今巻は麗皓たちの陰謀に巻き込まれた光彬、というシーンからスタートします。

権力を手に入れたい志満津藩当主の志満津隆義。
隆義と手を組み「何か」を企てている純皓の兄の麗皓。
そして、彦十郎に執着するあまりに光彬の実子を欲している妖刀・玉兎。
この三者の利益が一致したために起こる騒動を軸に、光彬、純皓そして麗皓の過去が少しずつ見えてくる、そんなストーリーでした。

勢力を拡大するために隆義は己の義妹を光彬に輿入れさせようとしたが、それは失敗し―、というのが前巻で描かれていましたが、隆義は諦めない。別の義妹を、再び光彬のもとに送りこもうとする。それは朝廷まで巻き込んでの陰謀で―。

将軍として、国を、民を守るために自身の純皓への想いは封印し、穏便に側室を娶るべきではないのか、という光彬の葛藤から始まり、純皓の執着心へとつながるお話かな?と思いつつ読み進めました。が、今巻はとにかく切なかった。

光彬と純皓の二人がカッコいいのは当然なのですが。

正家で疎まれつつ過ごしてきた純皓。
妾腹の息子で、さらに母親は男と駆け落ちしてしまった彼は、周囲の人たちにとっては侮蔑の対象であり愛情を受けることはなかった。そんな中で唯一純皓に優しくしてくれたのは腹違いの兄・麗皓だけだった。その麗皓と、今は敵対する立場になってしまっていて。

が、そこから見えてくる二人の過去、そして事実が読者の胸に迫ってくるっていうのかな。今シリーズは表紙がいつもとっても煌びやかなのですが、今作品はちょっとダークな色で描かれています。その中でひときわ色を放つのが椿の花なんですけれども。

いやー。
この表紙を読後にじっくり拝見するとほんとに泣ける…。
小山田さんの才能にひれ伏します。素晴らしい表紙です。

純皓は闇組織「八虹」の長で、その組織の力を持って探しても見つけられなかった麗皓。その理由も、かつて麗皓が純皓に優しくしてくれた理由も、今巻できっちり描かれています。さすが純皓の兄ちゃんです。愛情の深さ、執着心の強さ、そして、実行するその強さと賢さに満ちています。ナイスガイだったので光彬の味方になってくれればいいなあ、と思っていましたけれども。

麗皓に萌え滾りながら読みましたが、今巻は妖刀・玉兎との対決も描かれていて、そちらも手に汗を握る怒涛の展開でした。光彬たち、絶体絶命のピンチ!というところで…、

と、これ以上書くとネタバレになりすぎてしまうので、ぜひとも手に取って読んでいただきたい。もう「彼」がカッコよくって、小山田さんの挿絵もとっても素敵で萌えが滾る!

良いところで終わっていて、もう早く続きが読みたくて仕方ない。
今シリーズ、大好きなのですが、その中でも一番好きかも。文句なしの神作品です。

2

役者は揃った…次は…

楽しみにしていた7巻です。
6巻では玉兎、麗皓、隆義に翻弄されて追い込まれていた純皓と光彬でしたが、今作では光彬が自分1人だけで抱え込まずに周りに頼るという気持ちに気付けたのが大きかったと思います。

それでも悪しき神となってしまった玉兎の力は凄まじく、麗皓の紫藤家長男である和皓への復讐も相まって純皓と光彬は絶対絶命のピンチに襲われるのです。

今作はあとがきで宮緒葵先生が触れている通り「オールスター勢揃い」でした。今まで登場していた光彬を取り巻く面々が大活躍しているんです。特に鶴松の活躍が目覚ましくて、光彬に守られてばかりいた幼い鶴松からかなり成長していました。

そして、待ちに待った剣精鬼讐丸が光彬の元に戻って来るんです。とっても気になる戻り方をしていました。
ここで本編が終わってました。
虎太郎が玉兎について気が付いた、光彬にしたためた手紙の内容もとても気になります。

番外編の「雑草の矜持」は虎太郎に手紙を託された元助の過去と光之介(光彬)を慕う気持ちが本編の出来事を通して書かれていました。

もちろん光彬と純皓の活躍も素晴らしかったですが、光彬が全てにおいて純皓と思いを共有して共闘してたのがこれまでとは違ってて、ラスト一巻に向けてとても楽しみになりました。
早く読みたいような、終わるのが寂しいような複雑な気持ちです。

2

愛と執着と野望の行方とは

本シリーズは公家出身で裏の顔を持つ美貌の御台所と
文武に優れ清廉な名君である八代目将軍のお話です。

佐津間藩主と組む攻様の義兄の顛末と神との決戦直前までと
受様を慕う火消の矜持を描いた短編を収録。

受様は陽ノ本の八代目将軍です。
受様の父と異母兄達が凶悪な流行病で死去した事で
前将軍の7番目の男子ながら将軍の座に就きます。

そんな受様の正室は
公家出で男性ながらも美貌の麗人である攻様です。
秘かに受様を慕う攻様の画策による輿入れでしたが、
今や受様の最愛の人となります。

当初、
朝廷と幕府を取り次ぐ新たな武家伝奏の補佐役として
受様と攻様の前に現れた攻様の次兄は

人身売買や密輸にも手を染める西国大名と手を組み
武家伝奏一行の惨殺事件を起こします。

この事件は将軍付きの新番組の番士達によるものですが
武家伝奏の一行に藩佐津間主の妹姫を帯同することで
幕府にとって不利な事件を起こし

幕府に佐津間藩主の要求をのませようと企てた
攻様の次兄の計画なのです。

そして彼らの背後で次兄に力を貸していたのは
受様の祖父に執心していた神がである事は
現場に居合わせた受様と攻様しか知らず

そんな惨状に将軍と御台所がいるはずもなく
全ては次兄の計画通りに進んでしまいます。

佐津間が出した交渉条件は
どれをとっても幕府には看過できないばかりです。

事件の謝罪、新番頭の切腹、
旧饒肥藩の調査団の即時帰還と調査の黙秘、
佐津間藩主の妹姫の側室入り、
妹姫の子の時期将軍位の確約。

しかしながら表向きは幕府の不手際であり、
難しい交渉を強いられています。

受様に近い重臣たちは
佐津間藩主と攻様の兄の厚顔無恥さを罵りますが
攻様の次兄に潜む闇を垣間見た受様には
彼が立身出世のために佐津間と手を組んだようには
思えません。

受様は佐津間藩主の妹姫の側室とするしかないのか!?
攻様は次兄の暗躍を止めることができるのか!?

5巻よりディアプラス文庫にてリスタートした
痛快時代劇的シリーズ第7弾となります♪

なんと次巻で終幕との事で
受様と縁のある人物達が次々と助太刀に現れます。

攻様は独占欲を抑えて受様の提案を受け入れ
受様の異母弟は大奥入りした佐津間の姫の密偵となり
受様の祖父と懇意の老中は攻様の長兄に芝居を打ち

最高の盛り上がりを見せてくれました ヾ(≧▽≦)ノ

前巻でやっと登場した攻様の次兄ですが
西国の外様大名と受様の祖父に執着する神の力で
尊大ながらも暗愚な長兄を手の平で転がしていますが
何をしたいのかがなかなか掴ませません。

そんな次兄の背景が見えてきた時には
攻様の母の悲しい過去までが詳らかとなり
胸が詰まりました。

でもそこで終わりではなく
それが最終決戦の火蓋を切る展開となり
ワクワクMAX状態で終わられてしまい
次巻が楽しみでたまりません!!

今回も受様が男前過ぎて
無意識に受様をノックアウトしているシーンに
とても萌えさせて頂きました。

小山田先生のイラストも最高です♡

1

怒涛の力技が始まる

まず最初にお知らせしたいのは、この巻、良いところで終わっています。
やきもきするのですけれど『以下、次号!』感がやたらカッコいいので読み終わってからもかなり引きずりました。
あとがきによればあと一巻で完結だそうですが、とんでもない大スペクタクル時代劇になっております。だってサブタイトルが『神と人』だもんね。昔から神との戦いをえがいたお話は広大なものになってしまうのはお約束なんですものね。

光彬の祖父、彦十郎の血を後世につなぐことに固執する玉兎。
疫病を振りまく神だったのですね。
心に抱えるものがあったが故に、玉兎の考えに手を貸そうと自らを差し出した純皓の異母兄である麗皓……麗皓の行動は前の巻から「なんで、なんで?」と疑問だったんですけれど、ああーっ、そういう過去があったんですね。この大恵渡物語の発端は、彦十郎と玉兎・麗皓とあの人が作り出したものだったのね!

でもまだまだ謎はあって。
次巻が待ち遠しくてたまりません。

Love関連では、やはり光彬のスパダリぶりが素晴らしかったです。
スパダリで受けだっていうの……もう凄すぎます!

1

サブタイトルは「オールスター勢ぞろい」・・

7巻は、玉兎についてと椿の謎 次巻で完結
展開は、まるで里見八犬伝。
神霊・玉兎の力で妖怪化した人と対峙する光彬。
闇墜ちした神霊、玉兎が、人の体に宿って大暴れを始める。
状況は大戦闘で、BのLではない感じ。

鶴丸君が女装して、サツマ藩の側室候補である桐姫のお部屋付に扮する。
そして、脅迫ネタにしていた大事なものを発見。

玉兎に操られる者の自白で分かったのは、「椿」にまつわる謎。
事実をを知って動揺する純皓。

闇墜ちした玉兎と対峙して腹を刺されて、モウダメな瀕死の光彬が観たのは、祖父の幻。
祖父が生前によく訓じていた言葉を思い出す。
「武器を取れ」と祖父の幻が渡したのは、光彬を守る聖剣。
鬼讐丸が、修行からやっと戻ってきた。

光彬は、どのようにして大暴れする玉兎を治めるのか、次巻に期待。
次巻で完結らしくて、おもしろいシリーズだったので、ちょっと残念。

0

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