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表題作華は褥に咲き狂う~鬼と剣~

紫藤純皓,22歳,紫藤家から嫁いだ御台所
七條光彬,18歳,七代将軍の七男で八代目将軍

その他の収録作品

  • あとがき 宮緒 葵
  • あとがき 小山田あみ

あらすじ

恵渡に幕府が開かれて約百年余り。第八代将軍を務めるのは七條光彬。
その妻である御台所は、大輪の華と呼ぶのにふさわしい美貌と怜悧な頭脳を持つ良妻。
しかし御台所は――紫藤純皓という男だったのだ。
大奥で渦巻く陰謀に立ち向かいながらも晴れて夫婦として添い遂げた二人。
毎夜大奥の褥で純皓に激しく抱かれる濃厚な蜜月を過ごしていたところ、
恵渡の町で辻斬りが多発。事件解決へと乗り出す二人に危機が迫り…!?

作品情報

作品名
華は褥に咲き狂う~鬼と剣~
著者
宮緒葵 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
華は褥に咲き狂う
発売日
ISBN
9784796409544
4.2

(68)

(35)

萌々

(21)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
7
得点
283
評価数
68
平均
4.2 / 5
神率
51.5%

レビュー投稿数7

暴れん坊御台

大好きです、この夫婦。

前作では御台所の腹黒さの方が目立っていたのですが、今回は健気さや、夫が鈍感なゆえに苦労しているというのが伺えました。夫は容姿端麗で、分け隔てなく誰にでも優しく、将軍でありながら剣術の腕も立つから男女問わずそれはそれはモテるし、市井で起こったトラブルに自ら首を突っ込んだりなんかしてくれちゃうもんだから、いっときも気が休まらないみたいです。
花魁(というか島原の太夫?)姿の純皓が、妖艶でした!しかもその格好のまま京訛りでささやきながら夫をぶち犯すというね!!ぜひカラーのイラストで見たかったです。

光彬は、まだハッキリと純皓の正体に気づいているわけではないみたいですね。でも、純皓がときどき心の内や自分の弱さを光彬に晒している場面には胸を打たれます。
いつも強気なくせに「つらくは、なかったか」と聞かれて涙したり、ささいなことで激しく嫉妬する自分に苦しんだり…。器の大きい光彬は、純皓のどんな姿を見たとしても、ぞっこんだろうに。

二人のラブラブももちろん萌えましたが、時代小説としても楽しめるので、ぜひとも長編シリーズ化して欲しいです。

10

尻で抱くってやつですね

こちらは二巻目。

辻斬りが多発し、将軍・光彬は、調べるために貧乏旗本の三男坊を装って自ら城下へ……という時代劇のお約束ネタや、妖刀にまつわる噂やら……というエンタメが詰まってて、ものすごく読み応えがあって面白かったー!
600円程度でこんなに楽しめていいんでしょうかね?って感じ。

一番いいのは、攻めと受けの愛がどんなことあっても揺るがないところだと思う。
攻めと受けの愛の行方が不穏なのに、周囲も陰謀まみれだと読んでて疲れちゃうじゃないですか。
二人の仲がどんな時でも盤石だから、周囲が不穏でも安心して楽しく読めちゃう。そこ大事。

調査の一環で、光彬が葦原遊郭に行くとなっても、どんなことがあっても光彬自身は遊女達に惹かれる事はないと確信できるし、純皓もそこはわかってる。
だけど、なんせ光彬は桁外れに度量が広くて無自覚人誑しなだけに、他の男女を無自覚に惹きつけてしまわないか、そこだけが心配で心配で焦れ焦れ狂おしく思ってる純皓。
ちょいと気の毒にもなります(笑)

もうとにかく光彬がいい男。
育ちが良くて心根がまっすぐで、懐が深い。
男前受けが好きな人にとっては、たまらんです。

とくに最後の濡れ場が最っっ高!!!
まさに尻で抱いてたわ……至高。
自分が穢れた存在だと思い込んでいる純皓を、よしよししてやる光彬。
あの純皓が可愛く見えて仕方ない…!!あの純皓が!!

そして咲と門脇。
逆転しちゃったんですかね!
断然、咲には攻めて欲しいので嬉しいです。

豪華絢爛な挿絵を描いてくださった小山田あみさんも、本当に素晴らしい。

3

帰ってきた御台所攻め!

女装した御台所×将軍という異色のカプを描いた『華は褥に咲き狂う』の続編。
攻め(妻)の腹黒さも、受け(夫)の男らしさも前作よりパワーアップ?
脇カプの咲×門脇も相変わらず良い味出しており、最初から最後まで女装攻めを堪能できる一冊です。

あらすじ:
御台所の純皓(攻め)と濃密な蜜月を過ごす八代目将軍・光彬(受け)。
ある日、恵渡の町で辻斬りが多発。
事件解決へと単独で町へ乗り出す光彬の行動は、純皓の怒りを買い…

楚々とした女言葉と、荒っぽい男言葉とを巧みに使い分ける純皓が相変わらず濃いキャラ。
光彬を抱き潰したり、眠る光彬の乳首を嬲ったりと、
やってることは普通の絶倫攻めと変わらないのですが、
言動は一貫して「上様」に奉仕する妻の立場、という点が倒錯的で面白いです。
本気モードの際は「光彬」と呼び捨てになり、言動も若干オラついてくるというギャップも◎

本書一番の見どころは、花魁姿の純皓が光彬を攻めまくる、遊郭プレイのシーンかと思います。
事件のことを調べるため聞き込みを行っていた光彬ですが、あわや遊女に襲われかけ、そこを乗り込んできた純皓に助けられるという展開。
光彬が花魁姿の純皓に犯される光景は、小山田あみさんの気合の入った挿絵とも相まってインパクト大でした。

純皓のキャラの濃さに隠れがちですが、夫の光彬も硬派で懐の深い良い男。
普段は受けですが、純皓の嫉妬も腹黒い部分も全て受け入れ、「可愛い」の一言で彼を黙らせてしまう等、いざというときは流石将軍というべき貫禄を見せるところが素敵です。

エロシーンは多めで、設定が設定なので相変わらずどのシーンもユニーク。
攻めの純皓が受けの光彬に愛撫されて受けのように喘いでいたり、
丁髷の光彬が女装の純皓にガンガン攻められていたりと、
読めば読むほど攻め受けの境が分からなくなっていきますが、男役・女役関係なく激しく求め合う様には萌がありましたv

女性的要素のある攻めをよく描かれる宮緒さんですが、本作はその中でも攻め受け両者のキャラが立っており、楽しく読めるシリーズかと思います。

17

時代劇エンタテインメント(シリーズ化望む!)

御台所が男でそれも攻めというぶっ飛んだ内容の前作にウヒョウヒョ言ったのは私だけではない様で、待望の続編が出ました。嬉しい!楽しい!

このシリーズは「スパダリ受け」の傑作だと思うのです。特に光彬さまなんてKing of スパダリですよね。将軍様という身分だけではなく、心持ちの高潔さや弱いものに対する慈悲、頭脳明晰で眉目秀麗、おまけに人心に厚く人脈も広い。無鉄砲なほどの行動力もある。(この辺、前作よりも丁寧に書き込んであるので、スパダリ感が半端ねぇ)
こんな完璧な光彬さまが純皓への愛ゆえに「受ける」というのは……何度読んでもたまりません(ジタバタジタバタ)。
受けになることに微塵の葛藤がないのも、育ちの良さが滲み出ている。全恵渡が光彬さまにメロメロ。純皓がなんとしても手に入れたい、と謀略の限りを尽くしたのも頷けるってもんです。

今作では光彬の愛を確信しているのか、純皓がやたら可愛らしかったです。特にやきもちのシーンとか。
腹黒は相変わらずですが、これだけ可愛かったら許しちゃうよなぁ。

私には江戸の時代考証はあまり良く解りませんが、今作が時代劇のお約束を見事に踏襲しているのはよく解りました。それも最近の「社会派時代劇」ではなくて大映とか東映とかの大昔の時代劇。
ワクワクドキドキしてスッキリ終わるというすぐれもの。読んで損はないと太鼓判を押します。(あ、前作から読んだほうが断トツに楽しめます)

小山田画伯のイラストも豪華絢爛なだけではなく肉感的でお話の世界観を作り上げるのに大貢献していると思います。

9

これぞ時代劇的エンタメ

御台所攻め、打掛け攻めの続編。
前作は「神」評価でしたが、こちらはちょっと下がる。
話は文句なく面白いですし、イラストも最高。
でも、世代的なものでしょうか、完全に、かのマツケ○サンバの○平健さまの「暴○ん坊将軍」そのものの展開がBL脳の妨げになってしまった…
貧乏旗本の三男坊と火消しの頭、有能な町奉行。まんまですやん。
今の若い人って「時代劇」はあまりTVで見ないんでしょうが、逆にそういうの全然知らない世代がこの世界観を楽しんでくれたらいいなぁ。とは思います。

本作は、将軍・光彬と御台・純皓が城から出て、市井の事件に関わっていく展開。
その事件が武家による辻斬りであり、その背景に刀を愛でる花魁、人を狂わせる妖刀、といったエンタメ色モリモリの展開となっております。
その上に、当然御台x将軍の濃ゆいエロが乗っかって、内容も非常に濃ゆいです。
そしてエンタメだけでなく、将軍光彬の清冽な人間性も強調されて、この1編、大変な盛り沢山となっています。
弱冠18才の若き将軍様。ですが、弱きを助け強きをくじく、その清廉潔白なお人柄と、分け隔てなくかけて下さる情け、そこも勧善懲悪の時代劇の様式美を完全に踏襲していてgood。
小山田あみさんのイラストも大変麗しい。純皓と陽炎の花魁姿対決も豪華絢爛ですが、男すがたの純皓がやっぱりイイ。

6

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