Renta!限定版
故郷の島の同級生×日光アレルギーの起業家シリーズ完結!
とうとう完結しました。待っていたけれど、いざ終わってしまうとやはり寂しいです。
ですが、心地好く読み終えられる締めくくり方でとても良かったです。
寛也と拓斗の想いは通じ合っていてそれなりに安定しているので、中心はどちらかと言うと島の活性化事業の行方でした。
その活性化事業と寛也自身、拓斗自身、寛也と拓斗二人の生き方との話の絡ませ方が絶妙で上手いなぁと思いました。読みやすかったです。
環境面に偏ってしまうこともなく、恋愛面に偏ってしまうこともなく、バランスの良い描き方だと思います。
エロシーンも少し少なめですが、ちゃんとあります。
セミダブルベッドを購入し、一番最初は二人で使いたいから、と寛也が島に来るまで待っていた拓斗が可愛い。
島にとって初のイベント開催に向けて準備を進める中、島民やインターネット情報からなどの妨害を受け、会社全体として企画から手を引くことになります。それは全て、何としてでもイベントを開催し、成功させるため。成功させるために自分たちが邪魔なら、潔く島から手を引きます、と。
島民に全てを委ね、何としてでも成し遂げてほしいと懇願して、寛也たちは島を去りました。
ここでの寛也と拓斗の別れは、彼等が自分たちで決断したものではなかったので、辛かったです。
そこから紆余曲折を経て、イベントは成功し、島の活性化事業は良い方向に進んでいくことになります。
この流れと、寛也と寛也の父との和解が無理なく自然に関連付けて描かれていて、この作品に出てくる要素は何一つ欠けてはいけない必要なものばかりなのだと感じました。
寛也が日光アレルギーなのも、拓斗が島に残ることも、寛也の父が漁師でああいう性格や考えなのも、拓斗の父がああいう人物なのも、島の活性化事業も、島民やボランティアや寛也の会社の同僚たちも。余すことなく話に活かされていた気がします。もちろん、無理なく自然に。
特に、イベント終了後に東京へ戻る寛也を見送った後に交わされた、拓斗と寛也の父の会話。
第3巻の名シーンだと思っています。それも、1、2を争うくらいの名シーン。
あれが名シーンになるのも、寛也が日光アレルギーで、拓斗が島に残っていて、寛也の父が漁師で、漁師を継げない息子に尋常でないくらい憤っていた過去があって、そんな父に対して寛也が恨みや憎しみではなく、申し訳なさを感じていて、寛也のその想いを拓斗が知っていたから。
この中のどれが欠けても、この会話には繋がらなかったと思います。
しかも、その会話が淡々としたもので、そこが更にいい!
イベント最終日に寛也と拓斗との間で交わされた会話も名シーンの一つだと思います。
東京へ出て行く寛也と島に残る拓斗。
お互いにお互いの答えをわかった上で、傍にいてほしいという願いを改めて口にする。
ここの遣り取りが素敵でした。切ないはずなのに、幸せで満たされた想いが胸に広がりました。
寛也はまだちょっとネガティブ思考の名残がありましたが、拓斗がきっちりまとめてくれて良かったです。
安易にどちらかがどちらかの傍で暮らすという結論に至らなかったところが、現実的で二人それぞれの覚悟や想いをより感じられました。だからこそ、寛也と拓斗はこれからも大丈夫だと思えます。たとえ物理的な距離は離れていても。
描き下ろしが2編あり、どちらも良かったです!
「居場所」はもーう、ラブラブでいちゃいちゃで甘々で、ご褒美ありがとうございます!もっとください!的な内容。ほんと、あれだけでも充分なのですが、もっと欲しいです、いちゃいちゃしている寛也と拓斗。
「図書室」のほうはやはり1ページでは物足りないですが、だからこその余韻かな、とも。第1巻からもう一度読み返したくなりました。
ぐっと心臓を鷲掴みにされたり、込み上げてくるものがあったり、そういう激しく強い衝撃は感じないのですが、なんだかんだとずっと手元に置いておく作品になる気がします。
第1巻では萌×2評価でしたが、名シーンの存在と自然なストーリー展開、相変わらずの作画力の高さに神評価を付けさせていただきます。
3冊まとめての感想です。
完結を待っての購入でした。
出来るだけ完結済みの本をまとめて読むのが好きです^m^
読み甲斐あるし、終わってる安心感あるし…。
とにかく、面白かった\(◎o◎)/!
3冊まったく飽きる事なく続きが気になりどんどん読めました。
でも、1巻で拓斗が寛也をいきなり襲うシーンがあってそこだけう~ん(+_+)ってなったんです。
脈絡もなくいきなりそういうシーンを作れば読者が喜ぶと思ってるパターンか!と。
私はもう枯れているのでタダいたしてるシーンには萌えないのよ!ちゃんと物語の筋が通ってないと、まぁ、まったくないのもつまらないけど…^^;笑…
でも、未遂で終わるし、中盤くらいで拓斗目線のストーリーに変わると襲ってしまった気持ちの経緯が描かれていて許容範囲内でした。
幼少期に傷つき苦しみ、島を逃げ出してしまった寛也と島を出る事が出来なかった拓斗。
立場は違えど2人は島の復興を通して、過去と向き合い必死で自分の居場所を見つけようと頑張ります。
島の住人たちや復興のプロジェクトなど本当に良く設定を作りこんでいて、他の方もレビュー内で云われてましたが、本当に映画であってもおかしくないお話の内容かと思います。
南の島と東京を舞台にしてシチュエーションも文句なし。
終わり方も、相手に頼る事なく、一人でしっかりと立って歩む2人。
一緒に暮らすことはないけれど互いに相手を想い合い、心でしっかりと結ばれている…と、とてもいいラストシーンが出来ると思います。
実写になったらこんな感じ…風景やシーンを想像できる、そんなふうにも楽しめる、ホントに素敵な作品だと思いますので是非、時間があるとき一気に読んでみて下さい。
3巻はBLカプは一応成立状態で、復興関連が大変な展開でした。嫌~な感じのフラグを次々回収、胃が痛い。
島民の反発対応なんて依頼された側の仕事じゃなくない?と思うんですが、寛也はちゃんとお仕事続けるんですね。まあそうじゃないと話が終わってしまうか笑。気になってた2巻の学生が、こんな形で仕掛けてくるとは。頭の固いじいさま方もついに動いてムカムカ。
で、大ピンチで寛也の登場です。受けがこっちの役割って珍しいかも。いつの間にか寛也父が味方になってて、お?って感じでした。いろいろあったけど、復興事業は大成功で今後の希望も見える終わりで、寛也の家族との和解もあって綺麗な幕引きでした。
寛也と拓斗は遠恋になるのかな。お互いの誘いをきっぱり断る二人が素敵でした。それぞれが見つけた自分の居場所を大事にしながら付き合っていく選択が良いです。何気に積極的な寛也と実はヘタレな拓斗でぴったりのカップルでした。
たまに読み返したくなるタイプの作品です。
そう、この最終巻こそ感動の嵐でした。
ゲイであることに向き合い、自分のふるさと、親に向き合う寛也。
大切な人として、男性同士の愛に踏み出す拓斗。
千葉さんばりの動きがあまり感じられない絵が最初苦手だったのですが(ごめんなさい)、だんだんこの二人のキャラが大好きになりました。
島をよみがえらせたいと、アイデアを出しながら実現させていく若い力。地元の反対勢力、そしてそれを象徴するかのような父との和解は涙を誘いました。
二人の恋もですが、寛也の会社としてのお仕事もの、さびれた島を立て直そうという企画、地元との調整などが非常にしっかりと描かれていて読み応えがありました。しっかりしたストーリーの上に恋がのせられる、素晴らしいシリーズでした。
『日の当たらない場所(2)』の続編です。
たつもとみお先生は絵が丁寧なので読みやすいです。
野師島観光協会職員の磯崎 拓斗とイベント企画共同経営者 大島 寛也のお話。
前作では、ボランティアのゲイから脅された寛也でしたが、拓斗と城下に助けられ事なきを得ました。
このことで、ようやく本音で話せた拓斗と寛也は、お互い「好き」だと告白できたのです。
今作は、その続きになります。
その後、東京に戻った寛也は島の振興事業のために、旅行代理店などを回ります。
島に渡った寛也は拓斗たちやボランティアなどと協力して観光イベントの準備を進めましたが…。
3巻では、一部の島民の嫌がらせ、寛也を脅したボランティアの報復、そして「同性愛者」の発覚…と、ハラハラする展開が続きます。
後半は、島の振興事業を通じて自分たちが抱えていた問題を一つひとつ解決していくのですが、その様子に何度も感極まって泣いてしまいました。
観光産業を通じて地域振興することは簡単ではありません。
離島はさらに難しいでしょう。
でも、寛也たちFC企画と拓斗たち島民が協力し合えば、その課題も乗り越えていけるだろうと思えます。
大切なのは、お互いを認め信頼すること。
「何度でもたぐりよせるよ」と言う拓斗の言葉に、2人の未来を感じました。
寛也の同僚である城下と信司もいい人たちなので良かったです。
きっと、寛也はこの2人に救われて「今」があるのでしょうね。
Hシーンは、2回あります。
どちらも2人の愛が溢れています。
とくに受けの寛也の顔がエロいです(笑)
描き下ろし『日の当たらない居場所』
拓斗が月1回の東京に来る日。
待ち合わせは、寛也と城下が初めて会った「ゲイバー」でした。
描き下ろし『日の当たらない図書室2』
地元TVのインタビューに答えている拓斗。
その横にいる寛也を画面越しに見ている拓斗の父親。
離島の振興事業と父親との確執、そして2人の恋の行方。
巻を増すごとに読み応えのある良作だと思います。
たつもとみお先生が最後まで綺麗にまとめているので、読後は前向きで幸せな気持ちになれました。
多くの方に読んでいただきたいおすすめの作品です。