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表題作優しい指でふれないで

谷川英紀 20代 サラリーマン
時枝晴彦 17歳 高校二年生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

意地っ張りな高校生が、オトナの手管に翻弄される、ドラマティック・ラブ!!母を亡くした一人暮らしの高校生・晴彦は、寂しさに耐え兼ねて父親ほど年の離れた男とよく遊んでいた。それを援助交際と勘違いと勘違いされ、プレイボーイの谷川に強引に口説かれ、なし崩しに関係を持ってしまい…!?ルビー文庫創刊11周年 冬のフェア開催!ラヴァーズ・キングダム2003 今夜、貴方がボクの支配者―

作品情報

作品名
優しい指でふれないで
著者
鹿住槇 
イラスト
九条AOI 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044371159
3.1

(8)

(0)

萌々

(3)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
23
評価数
8
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

攻めがちょっと健気でかわいい

あとがきで「攻めがロクデナシ」と書かれていたのですが
受けを陥れたり、監禁したり、勘違いしてレイプする身勝手な攻めが結構な割合でいるBL界の中では
高校生にお小遣いあげたり、友達から借りたBMWで可愛い見栄を張るとか
「え、これのどこがロクデナシ?」って感じです。
最後は颯爽と受けのこと助けてくれるし

この話の難点を挙げれば、受けが皆から愛され過ぎなところですかね。
それからボロアパートでやったら声が漏れると思います。

一言でいうと、珍しい?庶民派BLでした。

1

援助交際?

作品としては決してキライではない、むしろ好きなくらいなんですが、始まりがどうも・・・

谷川(攻)が、作家さんが言われるほどロクデナシとは感じないんですが、だからと言ってすごくいい男だとも好みだとも言い難いですね。いや、読むうちにだんだん惹かれては行くんですよ。魅力がないわけじゃない。情けないけどいいヤツだとは思うんです。
ただ、とにかく2人の始まりが酷過ぎる。アレがどうしても駄目でした。
晴彦 (受)は、いかにもじゃないけど健気で可愛くて好きです。

しかし鹿住さん、誤解・勘違いから~(と意外と身体から~もか?)がホント多いんですよね。これも晴彦はしっかり流され・絆されてるし。
アンタいったいあの関係で谷川のどこをどう好きになったの?とそれは正直疑問です。まさに絆されたってヤツなのか?

ただ、晴彦の元塾の先生・山上の暴走が浮いてたような・・・まあ、谷川が晴彦を助けるというイベントのためなんでしょうが、ちょっと安易というかわざとらしく感じてしまいました。

谷川のそもそもの誤解の元になった、晴彦と父子ごっこしてた泉との終盤の3人でのシーンは面白かったです。この泉はなんともいい人だったなあ。

でも、この設定やストーリー展開自体は結構いいと思うんです。キャラクターも決して悪くないしラストもあまあまハッピーエンドで、だからこそあの始まりをもうちょっと何とかしてくれたらすごく嵌ったんじゃないかな、とそこは惜しい限りです。

九条さんのイラストはよかったですね。
余談ながら同じルビー文庫の『夢中にさせて、させないで。』と言う作品もイラストが同じ九条さんでタイトルも似たイメージなので、てっきりシリーズ・スピンオフかと思ったらまったく無関係でした。

0

サラリーマンと高校生

身寄りがなく身体を売る主人公、という設定はベタと言われようが好みです。
ですが肝心の内容が読めば読むほどう~ん、てなる部分が出てきてしまい、迷いましたが中立にします。

テーマになっているのは援助交際。
主人公の晴彦はまだ未成年ですが、母親を亡くし1人になってから援助交際をしてお金を稼いでいます。
といってもお金に困っているわけではなく、寂しさからしている、いう部分が大きいです。
晴彦のことを気にかけてくれる男性はたくさん出てくるのですが、身体を売ってお金を貰っているのは攻めである谷川だけ。
谷川は自分のほかにも晴彦は多くの男性に身体を売っていると思っていますが、晴彦は谷川が好きで、身体まで差し出すのは谷川以外にはしないと決めています。

この谷川なのですが、ものすごいろくでなしで…本人もそう言ってるし、作者さんも言っているので遠慮なく書きますが、本当にろくでなしです。
といっても晴彦にはやさしいし、意地悪とか悪人とかいうわけではないのですが。

晴彦が援助交際を始めるきっかけとなった男性(でも食事をするだけ)と一緒に居るところを見た谷川は補導員で晴彦を注意するフリをして彼をホテルにつれこみ、お金を払うので俺にもやらせろと晴彦を襲います。
その後も晴彦を呼び出しては頻繁に彼を買います。
この出会いの印象が自分には最悪で、それを最後までひっぱってしまいました。

しかも晴彦が大のお気に入りで、一回3万の晴彦を週一以上の頻度で呼び出し、給料前は消費者金融でお金を借りてくるから晴彦を抱きたいという…。ちょっと自分なら引いてしまう^^;

谷川のプレイボーイでエリートという設定を忘れそうになります。
お金があるのでは?と思うのですが、ほとんどを晴彦に費やしているそうで、晴彦を抱くお金を稼ぐために残業して頑張ると言っています。
ここまで晴彦に執着しているのは裏に恋心があるからだろうと読み手には予想できますが、晴彦が頑なに「自分は性欲の対象として気に入ってもらえてるだけだ」と落ち込む様子もなんだかう~ん、てなりました。
単に性欲を発散させたいだけならもっと安いところに行くのでは?と思います。ましてや借金なんて…。
しかし、このろくでなしの男(何度も言ってすみません)のどこを晴彦は好きになったのか?という部分が大きく、入りきれなかったです。


後半は晴彦をほかに好きな男性とのイザコザに発展して行くのですが、普通の高校生であった晴彦の周りになぜそんなにパトロン候補が集まるのか(そういうお店に登録しているというわけでもないのに)というのも少しリアリティがないかなぁと思いました。

お互い好きなのにすれ違っている感じは好みではありました。
この作者さんの前に読んだ歳の差カップルはとても好みでしたので、今回はたまたま攻めの好みが合わなかっただけかもしれません。他のも読んでみたいと思います。

2

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