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七海のキャラクターにもしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は大好きになりました。単なるおバカとか、ただのお人好しみたいなタイプとは少し違う気がします。作中で明記はされていないし依田先生はそこまで意識して描いたわけではないかもしれないけれど、自閉症に近いものを感じました(あくまで私個人の意見です)。数字に強く仕事は出来る。でも、普段の言動は同年代に比べて幼い。彼を可愛がる人は同時に彼を笑うこともあるし、時には悪い大人に付け込まれてしまうことも。そんな彼を唯一笑うことなく、最初から対等に接していた章造。面倒を見る人見られる人という関係性ではなく、何でも言い合える友人関係から始まる2人が素敵だなと思いました。
◾︎三田章造(工務店の息子)×牛島七海(電気屋の息子)
2話の表紙の章造、妙に色気があります。依田先生の絵って可愛らしいのにすごく色気を放つ時があって、やっぱり大好き。
自分はこういう発達障害めいた登場人物が、そこを騙したり唆したりして搾取される作品が大変苦手でして、七海と堂脇の関係性に本当に心を痛めたものです。七海の場合は仕事はきっちりとできますし、あとがき読む限り先生もそこまで重い感じでは描いてなさそうなのですが、やはりちょっと年相応とは言い難いポヤポヤした性格ですので、辛い気持ちに。そのせいであまり読み返すことができない。ただ、依田先生の漫画という点で大切にしています。
この巻では恋愛の2、3歩手前です。それでも十分に可愛くて面白い!!メインCPのエッチシーンもないし。にっくき堂脇。
イケメンを意識しないで描かれているキャラクターはしっかりカッコよくないところが依田先生の魅力。有田とかね。彼は彼で面白い人なんだけど。
依田先生は小説の挿絵でよく拝見していたのですが、漫画を読んだのはこれが初めて。
アホの子受けってどうなのかなー、とある程度は想像していたのですが、読んでびっくり。これガチなやつじゃないですか…。
頭が弱い、という言い方はアレですが、恋愛もセックスの意味すら知らない、無垢すぎる七海。その無垢さにつけ込む悪い大人も出てきます。一見幼馴染みとのほのぼのご近所BLに見えますが、七海を食い物にしているこの堂脇という男との問題が、一巻の読みどころ。
お兄ちゃんたちは当然、七海にお尻や性器は人に触らせちゃ駄目と言って聞かせ、携帯も取り上げて自衛させる。七海の様子がおかしいことに、攻めのしょうちゃんもだんだんと気付いていく。それでも堂脇の強引な誘いを断ることのできない七海…。
このあたり、受けが「男だからこそ」なるべくしてなっている展開に思える。女の子だったら、可愛いくて頭の弱い危なっかしい子を、しっかり者の幼馴染みが俺が守ってやるから、とさっさと結婚でもしてしまえば済む話。
BLでしかありえない切なさと痛さに、胸が苦しくなります。こう書くとシリアスで痛い話なのかと思われそうですが、表面的にはあくまでほのぼのテイストを貫いているのがこの作品のいいところ。
堂脇の問題にはこの巻で片がつきますが、ここ、攻めのしょうちゃんとのやりとりが、受けのアホの子設定が存分に生かされていていて、笑えます。
そして初めて自覚した、ピュアな恋心。まるまる一冊かけて、やっとおでこにチュウの尊さよ…。
この先が気になってしょうがないところで、2巻に続きます。
2巻ものの第1巻。
東京の建築会社で働いていた三田章造が、父親が腰を痛めて入院したため、手伝いに一時帰郷するところから物語は始まります。
そこで出会うのが、顔も名前も忘れていた同級生、牛島電気の末っ子・七海。昔は小太りだったのに今は美少年で、かなりの天然。
というより幼い。
記憶力は抜群で、数字に強くて、根気もあって、家の電気屋さんの仕事はできる。でも勉強は苦手でお兄さんたちに守られているんです。
実はかつて東京の設計士・堂脇にいいように弄ばれていて、自分では何が嫌なのかも自覚できてなくて強く拒否できない。でもズルズルと…そこをお兄さんたちに助けてもらっていた。でもまた今!
近所の人に子供の誘拐の罪を被せられそうになったこともあるし、これもお兄さんたちがかばってる。この辺り、薄暗いです。
一方章造も七海が気になりつつ、だったところに堂脇との関係を七海の兄に知らされて、たまらず助けに行きます。
章造は自覚はしたものの男同士の恋愛に踏み切れず、七海は章造への好意がダダ漏れ、まだ2人ははじまってもいない…という所で1巻終わります。
(次巻でステディになるそうです)
最近のBL作品にことごとく「これじゃない感」を覚える私。
色々検索した結果出会えたこちらの作品に、神が来た~!と思いました。
受けは簡単に言ってしまうと『美形のアホな子』なのですが、本物の馬鹿じゃなくて得意分野にはとことん秀でていて。
その分(?)中身は子どもで身体だけが大きくなってしまったようなピュアな田舎の男の子です。
この子の表情や心情がとにかく可愛い!
また普段は冷静で真面目、常識人というお堅い攻めもツボ。
接する相手によってコロコロ振り回される七海を手の平で転がして遊んでいるようでいて、いつの間にかその存在に助けられ癒されている。
田舎ならではのしがらみも絡めつつ、無理なくストーリーがしっかり作られているので何度読んでも良いなぁ~と思わせてくれます。
七海の兄ちゃんズやお父さん、章造の両親など周囲の人々のキャラもよく立っていて、心がささくれた時に読み返すと本当にほんわりします。
「幼気」「健気」この二つのキーワードにビビビ!ときた方には是非おすすめします!