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不器用な奴らに捧げるブルース。
じゃのめさん大好きなので
ふわふら〜っとした富蔵くんにもすぐにはまれました、可愛い。
運命の人のくだりなんか、一応彼なりに本気なのだけど笑えてしまう。
運命の人が運命の人じゃなかったことに
一応落ち込んでる風だけど、読者は「本当は自分の気持ちに気付いてるんでしょ?」
と言いたくなる。
だって回想の八千代と富蔵を見てると富蔵が八千代を好きにならないはずがないんだもん。
あんな風に「お前の話して?」なんて孤独で寂しい男が毎度言われて色々面倒も見てもらったらコロッですよ。
ただ、実際恋心に気付くのはもう少し先の話で簡単にはいきません。
八千代の自分の話はしない理由とか、富蔵の才能への嫉妬と憧れ、など男同士ならではの葛藤の部分やバンド活動も本格的に描かれていて読み応えあります。
雨の中の2人のシーンは思いがけずめっちゃハラハラしました…でも良かったね。
*個人的に気になった、楽しかったところ
時代が「今」じゃなかった…カセットとかブラウン管のテレビ!
バンドにはその音楽性に関係なくモッズ風の人いるあるある!
見目の良い男「時計じかけのオレンジ」コスしがちあるある!(白いつなぎにファールカップ、下まつげはじゃのめさんが描くと暴力的なまでにお洒落だった)
ボーナストラックの八千代がしっかりと「受け」の表情になっている…色っぽい!
ライブシーンは少ないけれど、スネアの音もベースが刻むリズムも、唸るようなギターの響きも、そして、艶っぽい歌も聴こえてくる。
最初はどこへ行くのだろうと思いながら、中盤以降は、もうグイグイと引き込まれました。姿がいちいちカッコよくて。言葉に心揺さぶられて。
バンドが好きだから。
ホントに濃いバンドのお話だから、レビューが伸びないのかな。
ギターとヴォーカルは、こうであってほしいし、(恋じゃなくとも)運命の人なんだよと思いながら、感涙しました。
いや、もう何というかすごい、の一言しか出てこない。。(語彙力)
バンドのメンバーたち。メインは、ボーカルの富蔵と、ギターの八千代。
恋愛物語だけど、それを超えた人間ドラマになっていて、読み終わった後脱力するぐらい、テンション高く読みました。
ゴミ箱で何も持たず倒れていた富蔵が、ただ口ずさんでいた鼻歌に惚れて、八千代は彼をバンドに誘う。
歌しかない富蔵。でも、次第に面倒を見てくれなくなった八千代の代わりを探し始める。ただ、愛されたい、そんな富蔵の言葉が切ないです。
色々な人との関係を通して、自分を見つめて行く富蔵。
八千代は。。
ストーリーに読み応えがあり、絵もすごくカッコいい。こんな作品にはそうそう出会えない気がする。
自分の気持ちさえも手探りで、それでもブレないものもあるような。
富蔵の少しズレた感覚と驚くほどの潔さがとてもバンドマンらしくて好きでした。
自分のことがわかっていないから八千代に懐いていたのではなく
揺るぎないものを感じていたから八千代が良かったんだな、と。
富蔵自身がそれに気付くまでは少し時間がかかるのだけど
それでも答えに辿り着いたら迷わずに真っ直ぐぶつかっていける強さがあって。
向き合うことから逃げていた八千代を捕まえるには十分なほど大きな愛があったなと思いました。
初めて読んだときはちょっとピンとこなかった作品でしたが
何年かぶりに読み返し、とても素敵な作品だったと気付けて良かったです。
あらすじに強烈に惹かれて手に取りました。ロック大好き。
読んでみると、なかなか雰囲気出てる。
特にカリスマ性があるけど現実には「売れてない」シイナの造形。
こういう人いますね。うわーわかるっ!ってのけぞった。
主人公の富田富蔵もイイですね。このふわふわ地に足がつかない感じ。
ただ、
このバンド自体がさ。イマイチ…?
voの富蔵はいい。雰囲気ありますね。
後の3人が……磁力が無いんだよなあ。リズム隊はまあいいとして、gの八千代にカリスマが感じられないんだよな、と思ってたら、後半で八千代の家庭環境が出てきて、あーそういう事、って。
だから逆に上手いんですよ。
富蔵と八千代の、こう微妙に相容れない感じ、というか八千代が富蔵と距離を置いてる感じの正体が初めっからちゃんと描かれてるんですよ。
富蔵はちょっと浮世離れしすぎだし、街角の占い師は胡散臭いけど、富蔵の遍歴展開は「神曲」にも似て。
八千代がベアトリーチェかって?
もっと、もっと、もっと。貪欲に。21世紀のベアトリーチェは「男」で、ライブハウスのトイレでダンテを、その眼を待ってるのかもね。
(実はbの宇井って「持ってる」かも。あのシイナと組んでて、今富蔵と組んでて。嗅覚ありそうです。ルックスはP・タウンゼントみたいだしね。)
(追加。シュカって欧州に生息するカラスだそうです。)