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リオナ先生の作家買い。思った通りすっごく面白かった!
ひとこと多くて友人が少なかった松岡。
親の仕事に付いて引越し、心機一転転校先で友達たくさん作るんだ!と意気込むが、のっけから学年一のヤンキー・十河(そごう)に歯向かってしまった!
すると下校時に十河に呼び出されて…
…と始まります。
本作の発表は2018年。まだDom/Sub設定は登場してない。でも2025年の今本作を読むとDom/Subの萌芽を感じますね。
十河はなんと奴隷志願!転校生の松岡をご主人様と定めてつきまとい…
ただし松岡の方は全くソノ趣味が無いので、怖いヤンキーが奴隷にして〜と縋り付いてくる、というおかしみで進んでいく感じ。
そうこうしてる内に、十河は周囲が勝手に噂してるような人間じゃないし、十河といるとリラックスできる自分を自覚する松岡。
その後も、勝手にエロに走って誤解を生んだり、離れた時間があったり、ヤンキーの友達想いがあったり、クラスの子たちに本音を言えたり、とリオナ先生のストーリーの組み立てが冴え渡ってる!
面白おかしいにもシリアスにも偏らず、主従から恋人への流れもカンペキ。
そして、十河が受け!健気ですよね〜。
絵柄も良し、ストーリー展開うまい!の良作。「萌x2」で。
リオナさん著作は計10作品読んでいますが、本作は私の記念すべき初リオナさん作品で、初めて読んだ時は衝撃でした。
絵柄がスッキリしていて見やすく、作画だけでなく漫画制作全般にまつわる技術・能力そのものが高い。
今回はキャラの見た目だけだと、普段ならいわゆるよくある「逆だったらな~」だったのが、読んでいくうちに「これでえぇやん・・・てーかこれがえぇやん・・・」と覆りましたからね。
リオナさんの手腕にかかればどんなジャンルも征服されてしまいそう・・・。
「転校生(表紙左)x黒髪ヤンキー(表紙右)」です。
表紙をご覧のとおり(?)、この受けはヤンキーでありつつワンコ、なおかつ「奴隷(になりたい)願望」があるんです。
SMでもなく、Dom/Subとも若干違います。
転校生はズバズバと言いにくいことを言ってしまう自分の性格に悩むんですが、そのままを受け入れてくれる相手に出会える喜びや、「友達100人できるよりも、大事な1人さえいれば・・・」という、人付き合いの本質にハッと気づかされる描写もあり、やはりリオナさんは唯一無二の作家さんだなと唸らされます。
私のとある友人は
「俺は『空気を読む』という日本語が大っ嫌い。生まれつき読めなかったりする人が、皆から寄ってたかって後ろ指さされて白い目で見られる、そんな世界は間違ってる。空気なんか読めなくてもいいんだよ!」
と言っていましたね。
彼(←純日本人です)の言葉は今でも心に残っています。
ギャグのノリも展開のテンポも、友情描写も良い!しかもみんなイイ子。
めちゃくちゃオススメです。
まずこのいかつい顔した受け様が受け様なの非常に素晴らしいですね。
この受け様、使役されたいようで攻めにじりじり使役するよう迫っていくんですね、けなげに。
攻め様は最初、全然乗り気じゃないし(そりゃご主人様になってくれっていっていいですよってホイホイ進むわけないわな)、転校してきていい子ちゃんで過ごしているわけなんですが、だんだん素の自分で過ごせるようになってくるんです。
たぶんそれも受け様がけなげに従僕(?)していたからだと思うと尊いんですねーー。
なんていうの、この受けが受容してこそ攻めが存在する、みたいな。
BLの醍醐味(私的な)ですよね!!
全体的な雰囲気はライトで終始明るいんですけど、攻めが自分の性格でちょっと思い悩むところが胸にグッときてよかったです!
あと最後のエッチシーン、エモくてよかったです
キンドルアンリミで拝読しました。
スッキリした読みやすい絵柄で、受けのヤンキーが男子らしくカッコよくて個人的にポイント高かったです。
先が読めてしまう展開でしたがストーリーはテンポ良く、ヤンキーなのに奴隷志望という受けキャラのギャップも面白く読めました。脇キャラの西田がいい奴で可愛かったです。
ちょっと攻めのご主人さまとしての素質?が受けが絶賛するほどとは思えず少し物足りなかったです。あと、攻めの元々の性格、そこまで周りから嫌われる?ハッキリモノ言うタイプなだけでは。隠すほどか?と、そこも少しモヤりました。
世の中には、ヤンキー受けが苦手という方もいらっしゃると信じてます。
なぜならわたしがそうだからです。
ヤンキーとはプライドで生きる者。
その者が下…、プライドが…、粉々じゃないか!
あらゆる心理テストで「一番大事なもの」が「プライド」なわたしのような人間にとってヤンキー受けで萌えるのは、エベレスト登頂くらいの難関なのです。
とは言え、全部がだめというわけではなく、ヤンキー同士は大丈夫。
だめなのは攻めが一般人の場合で、腹黒優等生とかチャラ男とか地味男とか、ヤンキーヒエラルキーに属さない、プライドで生きていない相手のときでして。
前置きがものすごく長くなりました。
こちらの作品、受けはヤンキー、攻めは一般人です。
結果から言わせていただきますと、萌えた。
それも結構な勢いで萌えた。
この作品の勝因を考えたとき、他の一般人攻めと違う大きなポイントは、攻めがヤンキーヒエラルキーを凌駕する存在だったというところでしょうか。
見てください、あの蔑みの顔を。
他校のヤンキーにもたじろぐことなく、むしろ相手を怯ませた睨みを。
そして何と言っても不器用で、腹黒なんて対極の存在でした。
この攻め…、裏番と呼んでもいいんじゃないかと。
悪ノリはこの辺にして、いやほんと、全く嫌悪感なく楽しめました。
ヤンキー・十河(そごう)の潜在意識にあった奴隷気質が、直感で選んだご主人様・湊の戸惑いとか、転校生として人間関係をリセットしたい目論見とか、わたわたする感じは面白かったし、本当の自分を隠して友人付き合いをする違和感の辺りも共感度が高いエピソードで、破天荒な設定なのにすんなり入っていけたのは、周囲との関係もしっかり描かれていたからではないかと。
「みんなと仲良く」が理想だけど、自分のスタイルはそうじゃないと気付いていく過程で、十河といる居心地の良さに気付けたり、気持ちが変化していくのも自然でした。
さらにすれ違いから胸がジリジリする展開まで用意されたら、もう好きにならずにはいられませんでしたよ。
わたしと同じように「プライドこそ我が命!」という方にこそ、読んでほしい。
ヤンキー受けも主従も苦手なわたしが断言します。
このご主人様と奴隷ヤンキー受けは、完全別腹です。
