電子限定描き下ろし漫画付き
恋をしらない大学生が、つれていかれたバーで出会った美しい男性に恋をする。
男性には、とある過去がありなかなか受け入れがたい
しかし、一途な思いを信じ受け入れようとするのだが……そこに……
途中までは、なんとなく予想できる展開なんですが
そこから「えっ?えっ?あっ、あっ?!」
ってずっとジェットコースター。
タイトルの「愛をもういちど」をかみしめながら読み終えました……。
評価が分かれるお話かもしれないけど、
私はなかなか好きです。
年齢=彼女いない歴
不自由ない充実した日々の中 恋愛観だけが漠然としていた
友人に連れられ入ったバーで彼と出逢うまでは
表紙の鮮やかな見た目だけで買ってしまった 初めましての作家さん
人を好きになることが解らず 恋愛をスルーしてきた男と 過去に受けた酷い仕打ちから恋愛を拒絶するようになった男
ただ会いたくて 話がしたくて 相手を思うといてもたってもいられなくて闇雲に突っ走っていくあたり 若いってスゴいな と
恋に不慣れで青臭くて 大事にしたいが前のめりに溢れて 人を好きになれない頑なな男まで絆しはじめるんだから
ユキが恵に対して前向きになるところが若干弱くて 「え?急にどうした?」な感じではあるものの 恵と係ることで自分を変えたい 変わりたいと思い始め縮まる二人の距離 なに不自由ないと思っていた世界で得た幸せに受かれちゃう年下ワンコが ほんと恋愛童貞で初々しい
なんてほのぼのしてたら落とし穴が
過去にどう決別して 未来をどうしたいのか
浮かれて気づかなかった相手の気持ちや 自分の思いが…
ん~ インパクトあるはずの過去の出来事もいまいち中途半端で その原因がいきなり現れても淡々としてるせいか 人を好きになる気持ちを取り戻したり 覚えたりが全体的にボヤけ気味
けっして悪くはないんだけど タイトルにあるような もう一度と願う素晴らしい愛がどれなのかも あたしには読み取れなくて
もう少し闇の部分の悲惨さがあれば この出逢いを この恋を諸手挙げて祝えたのかな?
作者さんの作品は仄暗い物や、バドエンのイメージがあって(全てちるちる内の情報からですが)、手を出さずにいたのですが、こちらは大丈夫そう?と読んでみました。
なんと言ってもこの表紙は素通り出来なかった。美し過ぎます。
お話は恋をしたことがない大学生の恵が、ゲイバーのバーテンユキに一目惚れをするところから始まります。
自分が男に恋するなんてと戸惑いながらも、ユキの事を知りたい一心で待ち伏せたり、話がしたいと詰め寄ったりと可愛いワンコです。
ユキにデートしてもらえたり、付き合うとなった時の表情がホントに幸せそうで、犬耳と尻尾がブンブンとなってるのが見えちゃうほどでした。
一方ユキは過去の恋愛のトラウマから、相手を信じられず好きになれなくなっているんですが、恵の一途さや可愛らしさに絆されて一歩を踏み出そうとした矢先に元カレが現れて…。
どのツラ下げて戻ってきた?って2、3発ブン殴りたい気分でした。ユキにはそのくらいの権利あったはずなのに。
元カレと元鞘展開になったらどうしようかと思いましたー。
作者さんがあとがきで書かれているように、トレンディドラマ感溢れるお話でしたねー。
一途な攻めが、陰のある美しい受けに真っ直ぐ気持ちをぶつける。
最低で魅力的な当て馬が現れる。
本当の愛に気づく受け…みたいな。
こう書いてると、王道のBLってトレンディドラマ風なのかな。
2人が、人を好きになるって素晴らしいって事に気づけて良かったです。
恋煩シビトさん、人の心の綺麗な部分だけじゃなくて汚い部分も全部さらけ出して見せて、「それでも好きって言える?」と言うような挑発的な作風が好きです。
心を抉られて、読むのも一苦労な作品が多いのですが、それだけに胸に深く残る。
美しい表紙にどきどきしつつ、今度はどんな風に人間を暴いていくんだろうと心の準備も万全に読み始めました。
恋なんてしなくても楽しい。
そう思っていた大学生の恵が出会った幸彦。
一目で心を奪われた恵は、初めての気持ちに戸惑いつつも…。
「恋なんてー」と思う時期って、思春期辺りから恋愛に何の抵抗もなく飛び込めた人以外はわりと感じたことがある感情じゃないかと思います。
恋をして、ひとりのひとに夢中になるより、友達と遊んだり映画を観たり気になるイベントに行ったり、自分の時間を全部自分のために使う充実感が楽しい時期。
でも一度恋を知ってしまったら…、知らなかった頃を思い出せないくらい、何をしても何を見ても、その「たったひとり」に結びついてしまう。
世界が文字通りひっくり返るような感覚。
恋をしているだけで嬉しくてくすぐったくて、でも同時に苦しくて寂しくて。
その懐かしい感覚を、恵の目を通して瑞々しく感じることができます。
初めての恋に全力でぶつかりに行く恵とは対照的に、幸彦の方は過去の裏切りから誰も信じられません。信じないけど表面上の付き合いはする。適当に遊ぶ。でも心の中は誰にも見せない。そんなガードの強い、恋愛初心者には手強すぎる相手です。
展開的には「やっぱりそのタイミングでそうなるんだよね」という予想通り。
ただこの作品の醍醐味は、恋の連鎖かな、と。
初めての恋は誰でも勝手も加減も分からなくて、自分の中に湧き上がった強い感情を相手にぶつけるだけで精一杯になってしまうもの。
相手が悪ければすべて委ねた先に不幸しかなくて、相手を信じて、すべて預けて、恋をした自分さえも否定したいという結果になる。
そんな初恋を経験した幸彦が、あのときの自分のように真っ直ぐで健全な思いを寄せられて、トラウマを払拭するまでが素晴らしいし、恋が甘くてふわふわしているだけじゃなくて、苦くて辛いと恵に分からせるところも良かったです。
ただ一個だけ。
尊は本当に幸彦を利用しただけだったのか、どうかという疑問が残ります。
あのひともあのひとなりに、幸彦を愛していたのか、ただ支配したかっただけなのか。
尊がバーのマスターに見せた紙切れから、もしかしてこの人も不器用なだけだったのかもと思えて、切なくなりました。
またまた長くなってしまいましたが、シビトさんの作品の中ではそこまで抉ることなく、しあわせ要素の多かった本作。
「シビトさん、読んでみたいけど重いのはちょっと…」という方におすすめです。
恋煩シビトさんの長編のなかで一番好きです。
表紙イラスト(とっても素敵‼︎)にある水族館でキスをして照れる二人など、特に恋愛している時の幸せハッピーな瞬間やデートの瑞々しさは随一かと思います。
一目惚れのキスは唐突でしたが、惠の素直で真っ直ぐクセのない性格良かったです。こんな愚直な主人公がちゃんと救われるハッピーエンドは気持ち良いです。バラの花束ってかわいい。
ドロドロは少ないのですが、恋煩シビトさんの描く登場人物の何とも言えない怪しげな登場の仕方がいつも好きで、それがないと物足りないので、今回とても満足しました。