ボタンを押すと即立ち読みできます!
最後までおっとりした雰囲気は変わらず。中陸先生のこういう一貫した描き方は好きですね。下巻では響の従兄妹の存在感はかなり薄れていました。響のブランクを経てのコンクール出場、今後ピアノを続けていく覚悟があるのかという自問自答、そして、湊辺との関係はどうしていくのか、そんな響に対して湊辺はどう向き合うのか。それらがメインになっていて、高校生らしいストーリー展開でした。
才能がある者とない者の差。自分が置いてかれていくような気持ち。相手が遠くへ行ってしまうような気持ち。もちろん感じて当たり前だと思います。でも、けっして優劣関係が出来上がるわけじゃないんです。同じ土俵で戦っているなら順位はつくけれど、湊辺と響はあくまで恋人同士で、響がこれからどんなにピアノで有名になったとしても湊辺という存在が響の中で落ちていくわけではない。自分達は何で繋がったのか、思い出して欲しい。有名人である響の演奏を聴いて惚れたわけではないですからね。まだ未熟な湊辺が、案外しっかりしていきそうな響から学んでいくといいなと思いました。
◾️湊辺×三澄響(なり/ピアノが上手)
すごく好きでした。すごく好きだからこそ終盤の速さにもう少し、もう少しだけゆっくり描いてくれればと悔しく思ってしまう。こうなってくると前巻あれほど果音ちゃんにページ数使ったのになぁという切なさ。この作品は響の物語で、湊辺にはそこまで踏み込んでない。上下で表紙を分け合っているのに…
せめて描き下ろしでその辺り収録されていたら神にしていたかも…うーん勿体ない!
和奏ちゃんのキャラクターも大変いいんですよ。彼女がきっかけで湊辺と響は付き合うことになって、響は一歩を踏み出せたと思うと、響の人生にとってかなりの重要人物です。
◾️ユアリーカ
中陸先生の作品には、性愛ではなくて唯一無二の友愛であれと思ってしまう時がたまにある。でも架守くんはゲイかな?それなら納得。
上下巻読了。
中陸先生の作品はどれも繰り返し読むほど大好きなのですが、今作は????となりました。何を描きたかったんだろう……
ピアノに関しては少年マンガの打ち切りエンドのようにまとめられているし(ライバルポジで詠樹くんを出した意味ってあのシーンの為だけ……?)、恋の進展も分かりにくく、想い合う理由も分からず読み終わってしまいました。
果音ちゃんは可愛くて好きだったのですが尺長いな!?と思いました。ピアノ嫌いのくだり以外にストーリーに必要でしたかね……?
他にもサブキャラクター出しすぎた感が否めませんでした……
キャラクター達の表情は今作もとても素敵でした!照れ顔がとても可愛かったです。
皆さんと同じく、主人公二人以外のお話が少し多すぎたかなと感じました。上巻の時は、主人公の幼少期の話で響の家族関係とか先生との関係とかわかってよかったんですが下巻でかのちゃんと響の共通の友達が出てきたのは必要なかったかな。あのコンクールのシーンと響くんのこれからに関わる人はライバルの男の子くらいで十分だと思いました。
それよりも、湊辺くんがなぜコンクールのあと急に避けるようになったのかをもっと詳しく書いてほしかったです。いくら好きな人が夢をつかむために身を引くと言ってもコンクールの直後から避けるのは響くんにしてみたら納得いかないですよね。そして、急に会いたくなったのも、きちんと別れるためとか言ってたけど、急にその心境になったのは何故なのかとか、その辺をもっと知りたかったです。男子高校生ならではの初々しい勢い任せのスタートだっただけに、相手の才能を見せつけられても現実としてまだわからない年頃だと思うので、実際に遠恋になってからジタバタすればよかったのになぁと思いました。
上下巻読んでの感想になります。
絵も、雰囲気も、ピアノという題材もとても好きなのです。
特に黒髪で繊細な雰囲気のある受けの響のデザインなどは、本当に好き。
出会いの場面も素敵だった。
ただただ惜しかったのが、二人の恋愛や関係性など、読みたいところが描かれていない。
大切なところで端折られてしまう。
二人の気持ちが少しずつ近づいていき、攻めの湊辺が告白し、でもまだ響はそこまでの気持ちには至っていない。
「あ、ここからどう受けの気持ちが変わっていくのかな?」
「ここからどんな展開で二人は付き合うのかな?」
と思ったら、次のシーンではあれ?付き合っている…?
別離のシーンも唐突感や、エピソードを急いでる感じがあり、そこはもっと二人の心情をゆっくり追いたかった。
ピアノの話、周りの人たちの話。
ストーリーに深みを与えるために恋愛以外に大きな軸があっていいとは思います。
でもまずは二人の恋愛という柱がしっかりと真ん中にあって欲しかったかな、と。
そこにもう少し分量が欲しかった。
上下巻なので、余計にそう感じました。
絵柄も雰囲気もとても好みなので、萌です。