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表題作愛ってどこにある?

市村貴生,34歳,人たらしの会社員
添島樹,26歳,どこか陰のある美貌のバーテンダー

その他の収録作品

  • あとがき:水原とほる、水名瀬雅良

あらすじ

34歳独身。人たらしの貴生は、結婚願望がありながらも、プロポーズを断られて以来、恋愛から遠ざかっていた。会社帰りに偶然入った店で、美貌のバーテンダー・樹に出会い、寂しそうな笑顔に惹かれていく。男性相手に運命を感じたのは初めてで、つたないながらも、貴生は樹をデートに誘うが……?

作品情報

作品名
愛ってどこにある?
著者
水原とほる 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796411561
2.3

(6)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
11
評価数
6
平均
2.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

等身大の恋愛と友情

こちら、ほのぼのテイストで書かれた、等身大の恋愛と友情のお話です。
作者さんもあとがきで書かれてますが、誰しも共感する部分がおありでは無いでしょうか。
BLとしては超王道のストーリー運びですが、その分安心感を持って楽しむ事が出来ました。


内容です。
結婚願望はあるのに、なかなか恋愛自体に行き着かない会社員・貴生。
偶然入ったバーで、美貌のバーテンダー・樹に強く惹かれます。
34才、独身。身辺の諸事情も何のその、樹にアタックしますが-・・・と言うものです。

まずこちら、男らしい容貌に人好きする性格。なのに何故か恋愛に行き着かない会社員・貴生と、どこか陰のある美貌のバーテンダー・樹と言うカップリングです。

攻めである貴生の視点で進みますが、彼がなかなか可愛げのあるキャラでして。
自分は本当に愛する誰かと巡り会えるのか。
ずっとこのまま一人で生きて行く事になるのではないか・・・。
周りからみれば順風満帆の人生ながら、本人は年相応な等身大の悩みを抱えてるんですね。
一人歩道を歩きながら、「愛ってどこにあるんだろう・・・」みたいな。
誰しもこんな思いを抱いた事が、一度や二度はあるのでは無いでしょうか。


そんな平凡な日々の中、突然目の前に現れた美貌のバーテンダー・樹。
作者さんもあとがきで書かれてますが、ありきたりな毎日の中に不意に混ざるドラマチックな出来事が、胸をときめかせてくれます。

こちら、ノンケ×ゲイなんですよね。
辛い過去のある美人と、ちょいスペックは高めながらごくごく平凡なノンケが出会って恋に落ちる。
ちょっぴりドラマチックでありながらも、地に足が付いた普通の恋愛。
ノンケの貴生がアッサリ自身の気持ちを受け入れるのが不自然に思えるかと言うと、しっかり描写された彼の状況。
また、樹の不思議な魅力。
これにより、違和感を感じさせないのです。

また、貴生には学生時代からの腐れ縁的親友が2人います。
こちらもホント等身大の友情。
この友情部分も、物語として魅力的な要素の一つになってるんですね。男二人、女一人の、三人での飲み会の会話が、なんとも良い味を出してます。

物語としてはホント王道なんですよ。
ノンケとゲイが出会い、恋に落ちて、ちょっとしたすれ違いなんかも乗り越えて結ばれる。
それを、強い共感性を持たせて読ませてくれる。

樹はとても儚げな受けで、ここ最近の「男としての矜恃」的な凛々しい受けを想像すると肩透かしを食うかも知れませんが・・・。
これはこれで楽しく読めました。

ただ個人的にはもうちょい強い受けが好みと言うことで、「萌」評価にさせてもらいました。

6

男女の親友なんていらない。ごめんなさい。

前作で期待し過ぎたかもしれないです。貴生は人たらしと言うよりは、最初は優柔不断に思えてしまいました。優し過ぎてそんな事まで言わないって場面のが多かったので。樹を傷つけてからは気持ちも決まって男らしくなりましたがね。それから、親友たち2人は私は受け付けなかった。まず、健吾は謝ったんでしょうかね。親友のためと言いながら酷いことしてるよね。まあ、貴生は許しちゃってるんだけど、謝ってる場面がなかったので、私は許せなかった。笑。それから元カノの自分は良い女って思ってて自信満々なのがイタイ。男2人従えて友人ごっこしてる時点で、この物語に入って行けなかった。女性が親友な物語は決して嫌いじゃないけど、このタイプはダメでした。プロポーズ断った男に、既婚者に騙された途端に「やりなおせない?」はドン引きですよ先生。はっきり言って貴生には女難の相があると思った。健吾と優菜お似合いだから2人で付き合っちゃいなよと思いました。周りが敵になってもこの2人は味方になってくれると貴生は思っているようですが、私にはそうは思えなかった。2人は人に言う前に自分を見直すべき。偉そうな親友2人が出張り過ぎていまひとつ感情移入出来ませんでした。

4

心の空虚が惹きあう

友人に恵まれ、仕事は順調、家族も健在、だけど恋愛だけ空虚…
そんなサラリーマン・貴生が主人公。
愛はどこにあるんだろう…
なんとも言えない淋しさを感じていたある日、美しい男と出会う。

貴生はノンケですから、はじめから恋愛どうのこうのでは進みません。
ただ、あのひとは男なのに、と思いながらも貴生の抱える淋しさを見抜いたバーテンダーの樹に対して、会うごとにどんどん感情が動き、高ぶり、コントロール不能になっていく過程に読み応えあり。

一方、樹は心に暗い翳を擁している。
美しい外見、父親が地方の議員であることで制約の多かった思春期、ゲイであったこと、そして大学時代に起きた大きな事件…

一見華やかな2人だけど、実は淋しさを共通項として惹かれ合う…そんなラブストーリーです。
そこに貴生の有能で誠実な仕事ぶり、フランスの風景、それらが織り込まれています。
2人のラブストーリーだけなら萌x2でも、と思うけど、貴生の友人がちょっと…
星ひとつ減で「萌」で。

3

容姿って選べないから大変

他社さんのですが、この間の作品が超好きだったので手に取ってみました。当作は雰囲気がまたうって変わって、あまり萌えポイントを感じなかったので中立です。超美人なバーテンダーさんが受けさんで、ワイン話が出てきたり、フランスに行ったりという部分があるので、ワインお好き&シリアスめな話が好きな方にはいいかも と思いました。攻め視点のお話、本編240P+先生のあとがき+水名瀬先生のあとがき(美人さんシェーカー振り中♡)です。

お話は若くして出世している人たらし能力満点な貴生が35歳を手前にして「ああ、愛ってどこにあるんだろう・・」と心中呟くようなシーンから始まります。元カノの悩み相談に応じた帰り、なんとなく人淋しく呑み足りなかったところ、前から気になっていたバーの前で、少し前に見かけた超美人さんが入っていくところを見かけ・・・と二人は出会います。

攻め受け以外の登場人物は、
攻めさんの親友(♂)、元カノ、部下といったところ。攻めさんの親友と元カノが結構絡んできます。

******以下は内容に触れる感想

攻めさんは人たらし能力満点なんだけど人が良すぎて、なんとなく孤独を感じ中。超美人さんに出会って惹かれていく箇所は、34歳のノンケなのに恋に夢中になっていく様子が可愛らしく感じられたのですが、そもそも人たらし能力満点な箇所があーんまりシンクロできなくて・・・攻めに入れ込めなかったので攻め視点のお話に萌えられなかったのかなー。
超美人さんは、人とは明らかに異なる超美しい容貌ゆえの孤独を背負っていて、なかなか大変。美人なのが悪い事ではないのに、ゲイと気付いたことも相まって生きにくそうにしてて、なんだか可哀想でした。最初それに打ち勝つように頑張る強気なタイプではあまりなく、攻めさんと知り合ってようやく少しずつ変わろうとする健気さんでした。ちょっとあまりに不憫で読んでるとどよーんとしてしまったので、中立です。
唯一救いになったのは、攻めさんの友達+元カノ。友情厚い二人の様子を見ていると、そのうち受けさんの愚痴も聞いてくれそうな感じなので、4人で仲良く鍋でもつつく後日談でもあれば、もう少し自分の読後感が変わったのになーと残念に思いました。先生ごめんなさいー。

2

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