Renta!限定描き下ろし付
タイトル上手いなぁ。
トリメさんの「なんで恋敵が気になんねん!?」(2024年 BL AWARD、ラブコメ部門ノミネート作品) と「愛し方、ヘタ過ぎかよ!」がめちゃくちゃ良かったのでこちらもちょうど1年前に読破。
えがった…。
「ノンケホストx定食屋店長」
定食屋でいつも美味しいゴハンを作る、薄幸感漂う不愛想ツンデレ黒髪受けが、大嫌いだった攻めホストの胃袋をがっつり掴み、心も・・・というお話。
攻めのお腹が鳴った瞬間私のも鳴ったw すごいシンクロw
ここの唐揚げ定食と揚げ出し豆腐が食べたくなるw
ただ…
<不満点>
・作画が時々安定しない
・借金の内容が不明
・大衆食堂なのにスーパーであんだけの量をちまちま買い出し
(ィャ、そういうこともあるのかもしれない)
・変な営業時間(超絶ガチ深夜)
・紹介状見せたりとかのありえない設定や展開
こういったモヤる点が多いのは、デビュー作だから仕方ないですね。
現在は画力もかなり上がってらっしゃって本っ当に美麗ですので、前述の他著作もぜひ!
食べることで癒されるホスト、
ポジティブな言葉で癒される定食屋の主人。
何こいつ?って始まりから
ホストの事を知る度、惹かれてくのが~~~良かったです!!
本当にホスト誠一が良い男で!!
強気ないちろさんのふとした姿も可愛くて可愛くて。
二人とも良~い男、そりゃ惚れるわ!!
「天職はひとつじゃない」て言葉や会話の端々にも励まされました。
美味しいものと褒められる、認められることは大事だなぁ、本当に。
くっついてからのワンコ攻めホストにタジタジないちろさん、
2人のいちゃいちゃがかゆすぎて、おまけモブ目線も面白くて、
いちろさんの定食屋さん通いたいくらいです!!
これが初コミックスとのこと。しかしそうは思えない達者な絵と構成でした。
借金の取り立てや、昔の男にしつこくつきまとわれている定食やの店主、いちろ。
そこへ、うまいからと通ってくるホストの誠一。
ホストが嫌いないちろは、最初誠一をうざったく思うが、だんだんと根は誠実な誠一に心を開いていく。。
短髪黒髪でつり目のいちろ。真面目な性格と容姿がぴったりです。でも少し押すと色気が出てくるのがよい。
誠一は陽気なホストっぽいキャラ。でも悪いことはしない誠実な中身。
いちろにつきまとう妻子持ちの年上男性(元彼)とか、誠一の店の渋いオーナーなど、脇キャラがしっかりしていてお話が面白かったです。
誠一が借金を肩代わりしたり、二人で店を切り盛りするなど、ちょっと大団円かなーと思うところもありますが、今後が楽しみな作家さんです。
食堂が舞台と聞いたら、読まずにはいられない食いしん坊です。
タイトルからしても「胃袋掴み系だな!」と期待が膨らむばかり。
五臓六腑に沁み渡るような美味しい食べ物を拝む気満々で読んでみたら…。
大根の煮物は出てきた。
焼き魚か煮魚、ごはんと味噌汁に里芋の煮物風なものもちらっと出てきた。
それだけだった。
食堂なのに…、それだけだった!
という食いしん坊目線で見ると大変残念な仕上がりですが、純粋にBLとしてのみ読むと萌えました。
父親から引き継いだ食堂を何とか維持しようと奮闘するいちろ。
やってくる客は仕事上がりのホスト集団くらい。
どんどんキツくなる借金の取り立てに、心の余裕をなくしていたいちろだったが…。
という始まりで、食べ物よりも先入観の払拭と心の触れ合いがメイン。
ホストに嫌なイメージしかなかったいちろが、誠一のホストに対する真摯な考え方に触れて、頭ぽんぽんで癒されたことで考え方が変わっていく様子が描かれています。
ひとり頑張るいちろの状況を知った誠一がいちろを守ってあげたくなるのと同時に、別の感情もわいてくるのも表情でうまく表現されています。
萌えた。
いちろは美人だし、誠一もイケメン。
そんな2人がそれぞれに抱えた「頼れるひとのいない問題」に、お互いが答えを出していくような流れにときめきます。
だけど気になることもいろいろ。
まずいちろの食堂の件。
「父から引き継いだ」食堂ですが、その件に触れるのは中盤の1シーンのみ。
「何もない俺に親父が残してくれた、俺の生きる糧と居場所」という台詞から、「父は亡くなっている」ことが分かるけど、そうなると気になるのは借金です。
この借金が父が借りたものか、いちろが借りたものかで、いちろの印象が大きく変わる、結構重要なポイント。
ここがわからない。
店を手放さないために相続放棄できずに、父の借金を返済し続けている→健気
店を維持することが難しくて、自分が借りた借金→返せ
某ミナミの金貸しの映像作品を観ても毎回思うことですが、なぜか金貸し=悪魔、取り立てられる方=被害者という図式が成り立っているのが不思議。
借りるときは真っ当な借金(銀行とか)ができなくて、法外な条件にも納得して借りるくせに、いざ取り立てが始まると「ひとでなし!」とか言い始める。
むしろ貸したものが返ってこない金貸しの方が被害者なのに。
いちろが自分で借りたものを返せないのか、父の借金を返そうとしているのかで大きく印象が変わる点だけに、「誰がした借金か」をはっきりさせてほしかったです。
誠一の病気の件も宙ぶらりん。
外科的手術が必要な状態で、ホストを続けられないのは理解しました。
でも手術した様子もないまま、ホストを辞めるだけなのが気になって。
さらに作画面でも、4話終わりから誠一が急に幼くなるのが気になる。
大人っぽいイケメンだったのが、そこから突然やんちゃ系になってました。
気になる点はあるけれど、2人の心理描写に集中したら萌えます。
崖っぷちの自分をちゃんと見て、評価してくれるひとがいるしあわせ。
ここしかないと思っていた自分の居場所が、「他にもある」と思える希望。
たったひとつ、守りたいものを一緒に守ってくれる誰かがいる安心感。
そういうものが2人から伝わってきて、萌えます。
欲を言えばキリがないけど、食べ物がもう少しだけ見たかったです。
父親が残した大切な食堂と多額の借金を抱える無愛想でゲイの青年いちろと、仕事帰りに食べにくるホストセーイチの交流話、面白かったです。
Kindle Unlimitedにて。
その要素ひとつひとつ(深夜早朝に営業するなら食堂じゃなくて飲み屋でも良かったのでは…てかメニュー見えない…)(これがNo1ホスト…?)は、うむ?と思うものもあり突っ込みどころがあるのです。
でもお話の運びや、偏見をなくし二人がほんの少しずつ心の内を晒していく見せ方がとても上手くて面白かったです。不自然にBLにせず彼らの持っているもので近寄らせていく感じで。
さらっと読めるようで良いメッセージも置きにきています。
「天職が一つだなんて決まってない」
社会のゴミという言葉に対して「ゴミの概念なんて人それぞれだろ
誰か一人がゴミじゃないと言えばそれは必要なモノだ」
この二人だからこその言葉、最後の展開、そして巻末おまけ一番最後の言葉!読んで良かった一冊でした。
なのでどんなストーリーが想像できない表紙イラストはちょっと残念。
それと、言葉が細かいところも面白いものが多かったです。
モブの「かっこよすぎてちょっとかっこいいしか言葉出ないわ」
モブを仕草でくすぐるいちろに「はいコレやめる!お腹壊すからね」など。
絵は丁寧で飽きないよう魅せる工夫をされている感じがしますが、どうも外国の漫画のような独特の硬さ?がありました。それでも最終話には一段と上手くなられているのが凄いです。