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表題作少年の境界 (2)

朽木 薫
α製薬会社勤務,ゆかの番
ゆか
Ω薫の番

同時収録作品少年の境界(2)

大我
αサラリーマン
りん
Ω居酒屋バイト

その他の収録作品

  • 12.5話(描き下ろし)
  • ー電子限定描き下ろしー

あらすじ

「あれは俺のαだ」
学生時代に番関係になったゆかと薫、αとしての人生を
それなりに謳歌する大我、Ωであることを諦観する倫――
4人の人生がこの一時交差する。
その出会いはだれかの不幸であり、だれかの奇跡だった。
運命に翻弄される大人気オメガバース作品、第2シーズン開幕!

作品情報

作品名
少年の境界 (2)
著者
akabeko 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイオメガバースコミックス
シリーズ
少年の境界
発売日
電子発売日
ISBN
9784799740514
4.5

(283)

(193)

萌々

(58)

(22)

中立

(7)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
32
得点
1270
評価数
283
平均
4.5 / 5
神率
68.2%

レビュー投稿数32

「本能」か「恋」か

待ちに待った2巻。

1巻はゆかが表紙に描かれていましたが、2巻の表紙は大我。という事で、2巻は大我がメインのお話だったように思います。

1巻はゆかたちが高校生だった時のお話。
2巻は、月日が流れ、社会人になった彼らの姿が描かれています。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






「運命の番」の存在を信じ、恋人を作らない大我。
けれど彼は、居酒屋で働く倫という青年と一緒に暮らしている。

Ωの倫は、「Ωである」という事を受け入れ、したたかで、Ωという性を隠すことはしていない。

が、それは、自身の人生を諦念しているから。そして、身の安全と生活を保障してもらうために、大我のもとに身を寄せている。

そんな倫を抱くことで、大我も見返りを得ている、という関係。

そんな倫とたまたま出会い、同じΩであることから親しくなるのが、ゆか。
けれど、そんな倫の「運命の番」が、ゆかの番である薫で…?

大我は、高校生の時にすでに、自分の「運命の番」がゆかであることを認識していた。なのに、「運命の番」にこだわる。
裏を返せば、彼自身がとった愚かな行動と言動で、ゆかを手放してしまったことに対する後悔からではないのかな、と。

ゆかでないのであれば、他の人はいらない。

そんな大我の心の叫びのようにも思えました。

そして一方の薫とゆか。
倫が、薫の「運命の番」と知って、彼らが選ぶ未来は―。

帯にもあるように、2巻が描いているのは、本能か、それとも恋か。

ゆか一筋の薫が、倫のそばにいると身体が倫を欲しがる。
そしてそんな薫を見て、身を引くことも考えるゆかの姿に思わず落涙しました。

αに番を解消されたΩの「これから」は悲惨なもの。
それでもなお、薫のために身を引こうとする。
倫の存在が現れたことで、今まで流されるように薫のもとにいたゆかが、自分の気持ちに正面から向き合う事になった。
薫への想い。
そして、妊娠する、という事。

倫が「運命の番」である薫を求めて暴走するようになって、自分と向き合うようになった人物がもう一人。

大我です。

俺様で、身勝手な彼が、倫のために行動する。
不器用な彼の、倫を想う恋心に萌えが滾りました。

倫が薫を求める姿は痛々しいものがありましたが、雨降って地固まる、になって本当に良かった。二組の幸せなCPに、赤ちゃんがやってきますようにと願ってやみません。

で。

終盤に続編の予告が掲載されています。
楽しみ過ぎる…!

早く続きが読みたいです。

22

少年時代の分岐点

うわわ~!
ますます面白くなってた!!

2巻は一気に年数が経って社会人となり「少年」ではなくなったけれど、
α・β・Ω の性が発現した少年時代の分岐点が未だ後を引きずり色濃く影を落とし…。
2組のCPの運命が絡み合っていました。

・「運命の番」に執着する者
・運命などなくとも心を貫きたい者
・番相手の「運命」を知り戸惑う者
・1歩離れたところから見守る者

第2の性の翻弄されながらも幸せを模索する姿がグッときました。
4者4様 見えてるモノが微妙に噛み合わず切なさがこみ上げます。
あああ~オメガバース世界罪深いわ…。
(余談ですが1巻の予告にあったシーンはなかったです)


さてさて。
1巻にて初めての発情期で番となった薫とゆか。
大我は自分の運命の番はゆかだと気付いたけれど、時すでに遅し…。
燻る気持ちを残したまま大人になっていました。

そんな大我にはセフレの同居人・りん(Ω)がいます。
何の因果か…りんとゆかが偶然出会い、薫とりんが出会ってしまった。

一目見て「運命の番だ」と気付く薫とりん。
やっと見つけた運命に固執し、りんは薫を追い求めるようになります。
しかし薫は運命なんかより昔からずっと心に決めてたゆかと幸せになりたくて…。
ゆかは りんからぶつけられた言葉に迷い悩んでいました。

薫を求めるあまりどんどんボロボロになっていくりんに大我はーーーと展開します。


【その出会いは、だれかの不幸であり、だれかの奇跡だった】
読後、あらすじにあるこの一文が刺さりました。
結果的にどれが不幸で奇跡かはわからないけれどみんな良い方向になってホッと一安心。
出会いは不幸だったとしても不幸だけでは終わらない4人の関係がとても良かったです。

作者さんのインタビュー記事で2CPの対比を意識したというような言葉がありましたが
そのあたりはとてもわかりやすく描かれていたと思います。

顕著に表れてたのは大我と薫かな?
この2人の違いにはめちゃめちゃ萌えました!!!

薫の一途さや性格、これは1巻の時から変わりません。
たぶん子供の頃からずっと変わらないのだと思います。
ゆかが好きだから。ゆかを守るため。
そのような気持ちが彼の中に折れない柱になってるのだと思うと…(;///;)
運命の番とは理屈でなく本能的に否定できないものとされてますが、
本能ですら感情で押しとどめる強さがとても良かったです。

大我は…大我は……。゚(゚´Д`゚)゚。
少年時代から成長したと感じる部分が多くてグッときます!
大我が成長出来たのはゆかと番になれなかったのが起因してるのかな?と思いました。
すんなりゆかと番になってたらきっと傲慢っぽさのあるままだったのではなかろうか…と。
なんとなくですが、個人的にはそう感じました。

表に出さないけれど運命を取り零した過去を引きずる大我は
りんが運命に固執する気持ちが痛いほどわかってたんだろうなーと。
だからボロボロのりんをほっとけなかった。でもりんに気持ちは届かなくて…。
次第にりんを幸せにしたくてもがき始めるのに切なキュンが止まらなかったー!(;///;)

一見強そうに見えて、自信のないとこが見え隠れしてたのもめっちゃ萌えた。
その辺りは薫と真逆で、そういう弱いところがほんともぅッッ(;///;)

また、勢いで番になったけれどそれ以外は変えられなかったゆかと薫の関係。
りんが現れたことによって2人の関係が改まって良かったです。
微妙に噛み合わなかった視線が重なり、幼馴染みの枠をぬけて。
恋人への変化が幸せに満たされていてキュンキュンしました!
恥ずかしそうに笑うゆかがめちゃ可愛かった。
あああ良かったよぉぉぉ(;///;)

運命に固執しつづけたりんは…うーん感情が難しい。
悪い子ではないということ、固執してしまうほどツライ過去があったのは察せられました。
メンタルが弱ってたのも抑制剤の副作用が大きかったのかな?
描き下ろしではさわやか青年でスッキリした面持ちになってホッとしました。

個人的には2巻はとても綺麗な終わりだと思ったけれどまだまだ続くようです。
心の準備して待機します(;ω;)ウッ

16

akabekoさんの作家力に息をのむ……なんて残酷な世界なんだろう

どう展開していくのか全然読めなかったakabekoさんのオメガバース作品。
うーわーそうくるのかぁぁぁと想像を絶する残酷さに途中で読み進められなくなるくらいガチ泣きしてしまったけど、これはもう迷わずに神を付けます!
オメガバースに対する苦手意識も克服できそうな勢いでめちゃくちゃ引き込まれました!!
この先がっつりネタバレありでレビューしますが、ご容赦ください。



まず、ゆか(Ω)と大我(α)と薫(α)のトライアングルで進行していくのかと思われたお話は、りん(Ω)が加わって、恋愛の矢印と運命の矢印がぐっちゃぐちゃに絡まる2組のお話になりました。
そして、視点がゆかから大我に移ったことで、登場人物たちに抱いていた印象が一気に変わりました。
1巻を読み終わった時点では運命に逆らって番になったゆかと薫がちゃんと幸せになれるのかどうかが一番の気掛かりだったのに、2巻では運命の番とはもう結ばれることが出来なくなってしまった大我への同情心が否応なしに駆り立てられて、「なんて残酷な世界なんだろう……」もうこれしか言葉が出てこない!
果たして私は誰と誰がくっ付いて欲しいと思っているのか、自分でもよく分からなくなりながら読みました。

あまりにも大我のその後がつらすぎます。
“運命を取り零してしまった”
それは絶対で唯一の存在なのに、もう二度と自分の手には入れることが叶わない。
それでも運命の番を諦めきれずに生きている。
どんな後悔と絶望の人生だろうか。

そして、りん。
あぁそうくるのか・・・と思いました。
4人目のキャラが登場した段階で冷静に考えればそういうことでしかないのだけど、残酷すぎますakabekoさん。。(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

りんの運命の番が薫なのです。
りんは本能に抗えず、もはや狂気じみた勢いで薫に惹かれるのだけど、薫の理性は強く、ゆかを一番に思う気持ちはほんの少しも揺るがない。
これがゆかと薫だけが主役のBLなら純愛上等!純愛尊い!と拍手喝采するところですが、本作では大我とりんもまた主役なのです。彼等は当て馬でもなければ、副産物的に生まれたサブカプでもない。
誰と誰がくっ付けば4人全員が幸せになれるんだろう。
そんなことをグルグル考えさせられる残酷なオメガバースの世界観。
薫に選んでもらえないりんは焦りから抑制剤の過剰摂取が止まらなくなり精神的に壊れていきます。
その一方で、運命の番ではないはずのゆかと薫にはなにやら変化の兆しが見え始めて、りんを可哀想に思いながらも、こちらの2人のこともやっぱり応援せざるを得ない。

本作のつらいところは、ゆかも大我も薫もりんも、4人ともがみんな良いヤツらだってことなんですよね。
誰か1人でもクソみたいなキャラがいたらまた違っただろうに。
本能に翻弄されながらも、何が誰の「最良」かを4人ともが必死に考えてる。
その上で自分なりの幸せを掴もうと足掻いている。
そんなのみんなが幸せになれますようにと願うしかないじゃないか(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
四者四様の涙が胸に刺さります。
大我と薫のα組の涙が特にグッときたなぁ。。

Ωだけではなく、Ωとαの両方に平等に悲劇性を与えているからこそ、残酷さが増すけどカタルシスも増すakabekoさんのオメガバースの世界。
何気なく見えて、凄くしっかり考え抜かれた設定なんですよね。だからこんなに面白い。
オメガバースが苦手な人にも本作はちょっとチャレンジしてみてほしいなぁって、私もあんまり得意じゃないからこそ思えてくる2巻の内容でした。

大我が一歩踏み出せたことで、3rdシーズンは4人でひとつのお話から2組それぞれのお話になっていきそうですね。
ちょっと光の見える面白そうな設定がありそうですし、ますます目が離せません!!

【電子】シーモア版:修正-(描かれていない)、カバー下なし、裏表紙○、電子限定特典(1p)付き

13

ヒリヒリと胸をかきむしられるメロドラマ。

恋という感情は、「運命」に勝てるのか?ー
オメガバースを主題とした、このメロドラマ展開は昨今多く見られるかと思います。
こんなにもヒリヒリと胸をかきむしられる様な作品に、久しぶりに出逢えた様な気がします。
そして、都市伝説とまで言われているのに、身近に出逢ってしまった「運命の番い」。
その苦しみと愛を知るまで、を緊張感を伴って描かれています。
はぁ〜。ハラハラしたぁ。
この緊張感と、ハラハラをぜひ味わって頂きたい‼︎
そして、自身を振り返ってみてほしい。
周りに当たり前のようにいる、家族や恋人や、大切に想う人やその人達との関係を。
愛する人の為に、貴方は何が出来るのか。
オメガバースじゃ無くったって。
愛情や大切に想う気持ちは、ずっとそこにあるのだということを。
…なんて。そんなことを思わずにはいられない。

本作は1巻の数年後、なので。少年の境界に居た彼等が、その時代に引き摺られているようにも
見える。どうしたって人は過去の積み重ねで生きているし、その未来を作るのも、自身でしか無い。
彼等が紡ぐ次代へと物語は続く。

赤い表紙に、大我。色っぽくて好きです。
akabeko 先生の絵は、特にその眼差しにもの凄く色気を感じます。

11

運命の番に振り回される人たち

二巻やばかったです。
まず表紙がかっこよすぎませんか?
惚れ惚れしてしまいました。

一巻のラストで、ああこの二人は絶対に幸せにはなれないんだろうなと思ったんですが、以外にもハッピーエンドだったので驚きました。
次の三巻の予告がまた不穏でしたけど…それは置いといて、今回は『運命の番』にかなりスポットを当てたお話でした。
新キャラのりんが見ててつらかったです。
本能に振り回されて、心と体もぐちゃぐちゃになっててかわいそうでした。
病んだりんを一巻ではゲスのにおいしかしなかった大我が引き戻してくれて感動。そんな優しい心があったんだ…。

りんに何かと邪魔されていたゆかと薫は、そのおかげもあって愛を確かめ合うことができてこれもまた感動しました。
まじめな薫は運命の相手じゃないゆかを、自分の勝手で番にしたことずっと後悔して苦しんでたんですね。薫は作中で沈んだ顔ばかりしている印象だったので、最後幸せでボロボロ泣いていたところもらい泣きしそうでした。

二巻完結ならこれですっきりなんですけど、続くんですもんね…。絶対またなんかあると思うと心がザワザワします。
三巻楽しみです。

7

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