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この作家さんの本は初めてだったのですが、凄く良かった…ん?良かった…?うん良かった。
良かったんですよ…ゆっくりながらも、それすら心地よいと思えるストーリー展開や、司朗や菊さんへのドキドキ感やキュンとする感じとか、シリアスなんだけどちょっと気が抜ける瞬間とか、物語と絵のバランスとか……紛うことなき神評価!なんですけど……
やっぱり最後にもう一息!2人が幸せな瞬間で終わって欲しかったと言うか、離れ離れになってももしかしたら…!なんて一縷の望みとかじゃなくて、もっとわかりやすい何かが欲しかった…
その後の流れを妄想だけで補完するなら、もう一度菊さんと会えて…とか、菊さんの孫と司朗が出会って…とか考えるんですけど…
一方で冷静な自分が
きっともう菊さんは戻ってこないし、司朗は両親からの愛情は知れたけど菊さんは失ってしまったんだ…もう二度と会えないんだ…
とか思ってしまってモヤモヤモヤモヤ……
この手の終わり方、好きなんですけどすっごく引きずってしまいます…。
すごーくすごーーーく良くて、電子で買ったあとに紙もポチッたくらいなんですけど…どうか…どうか続きがみたい!
死ネタとか別離とか本っっ当に無理なので
ちょっと不安がありつつも一冊目を読み、最初の不安も忘れてのうのうと読んでたわけですよ…
こ、こんな漫画に、出会わなければよかった…!!!!
怖い怖いと思いつつ頁をめくって、最高に幸せな瞬間を迎えた刹那の急降下
急降下?違う、粉砕した
私の心が破壊された…!!!!!
朝の出勤前に読んでいた私が悪いのですが
大号泣しまくりで目は腫れるわ鼻水からの鼻詰まりでってこれレビューじゃないじゃないか!!
私の脳内補完では、俺と生きてくれ、の答えとして司朗が鴻さんを抱きしめて答えた
つまり、二人は一つになった、と、するのが私の幸せになれる妄想です。
もうあとは何も考えたくない…続編が出るまで二度とこの作品は読み返さない事でしょう。
私の気分は最悪ですが
切ない恋物語としては、心の底から最高でした。
タイムスリップという言葉に惹かれて読みましたが、ここまで号泣したお話は初めてかもしれません。
結末については、悲しいお話としての結末と、希望のある二つの解釈ができるかなぁと思いました。
(以下ネタバレですのでご注意ください。)
一つは、過去に戻った先で鴻さんが死んでしまうこと。
「あおに鳴く」冒頭で鴻さんが特攻隊員ということがわかり、過去のあの状況に戻ってから生存できる可能性は限りなく低い。
けれど、菊次郎さんは鴻さんの遺体を確認した人がいないから諦めきれず、家族を愛することができなかった。鴻さんは自分が死んだことを菊次郎さんに伝えるために過去に戻ったのかなと思いました。
(遺体が見つからなかったのは、死の直前に身体ごとタイムスリップしたためでしょうか)
鴻さんの死をはっきり理解したことで、鴻さんを待ち続けることが終わり、菊次郎さんは家族を愛せるようになった。そのため、写真の中で司朗くんの両親が一緒に笑っている。
鴻さんは、自分の命をかけて司朗くんに家族の愛を与えさせた、という解釈です。
(「俺と一緒に生きてくれ」という言葉もここにかかっているのかな、と思います)
もう一つは、過去に戻った鴻さんが戦争から生きて帰ること。
菊次郎さんの元に帰った鴻さんは、司朗くんに話した通り、菊次郎さんとちゃんと話をした上で婚姻の背中を押したのでしょうか。
菊次郎さんは鴻さんへの未練を断ち、家族を愛す。司朗くんは両親の愛を知る。
司朗くんが最後に飛行機を飛ばしたとき鴻さんと再会できる希望もあるのかな、と思いました。
個人的には、前者なのかなぁと思っています。鴻さんを失った司朗くんのことを思うとつらいですが……。
いずれにしても、鴻さんが過去に戻ったのは司朗くんの未来のため。二人の深い愛を感じた、悲しいけれどとても優しいお話でした。
名作です。心の中が埋め尽くされました。
ハッピーエンドではないけれど、ないからこそ?こんなに胸を焦がすのでしょうね。
鴻さんは、司朗の生きるこの時代に居てはならない人で、おそらく特攻隊かな…そしてそして嫌だけど、悲しすぎるけど命を落とす人で。
命を落とす間際の生と死の狭間だからこそ神様が奇跡を起こしてくれたのかなって思いました。
だからどんなに願っても鴻さんが決断しなくても司朗とずっと一緒にはいれなかったんではないでしょうか。
すごく悲しいけど。
鴻さんは大好きな司朗の為に未来を変えて運命を全うしたのかな…。
司朗は菊次郎さんの二の舞にはならないで幸せに生きて欲しいです。
あと司朗。めちゃくちゃかっこよかったです。
登場人物に対して優しいようで手厳しい。夢を見させてもらえないというか、ファンタジーなようで現実味のある宿命や試練がそれを許さないし、キャラもそのように動いてしまって、最後の最後まで男同志なら、悲しいけどこれでいいんだ、気持ちはよく分かる的な終わりかたをしてしまったのかな?でもそれこそが本作の魅力で、なんとも言えず心動かされるのですが。