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表題作狼は闇夜に潜む

九住龍介
怪物と化した人狼を狩る一族の長の息子
広瀬佳
九住と同級生だった私立高校国語科教師27

その他の収録作品

  • 誘惑の香りは甘く
  • あとがき

あらすじ

人に擬態し、闇に紛れて人間を喰らう人狼が街に潜んでいる!? 衝撃の事実を広瀬(ひろせ)に告げたのは、季節外れの転校生・九住(くずみ)。人狼狩りを生業とする九住が、瀕死の重傷を負い広瀬に助けを求めてきたのだ。驚く広瀬が傷口に触れたとたん、瞬時に傷が塞がっていく――。「こんなに早く怪我が治るなんて、俺達はきっと相性がいい」。高揚する九住は、俺の相棒になってくれと契約を持ち掛けてきて!?

作品情報

作品名
狼は闇夜に潜む
著者
渡海奈穂 
イラスト
マミタ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009402
3.7

(24)

(3)

萌々

(12)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
88
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数6

ホラー色が濃くて良い

人狼ものというより人狼の血を引いた強い一族の「人狼狩り」の攻めと彼を癒やす能力を持った受けのお話。2人が出会ったのは高校時代で、購買のパンとか部活とか授業をサボったり、とか甘酸っぱい高校生活時代のパートでは2人が出会った時からお互い惹かれ合っていた様子だったのに、攻めはある日突然姿を消してしまう。攻めがいつでも帰ってこられるようにと生活も仕事もそれを最優先にして同じ場所で10年も待ち続けた受け。健気すぎます。

前半は青春パートだったけど大人になり再会してからは俄然ホラー要素が強まります。人の社会に紛れて生活する人狼の正体がわかった時はゾクゾクして自分の中で1番盛り上がりました。渡海さんのホラーって怖いから好き。ファンタジーだと思ってたから大好きなホラー要素も味わえて嬉しかったです。

後半の甘々に爛れた新婚旅行みたいな話も良かったです。そこでも新たな人狼に遭遇してしまうのですが。エロの分量もBLとして充分でしたしね。ファンタジーホラーBL堪能いたしました。

1

拗らせ…てないよ!

あとがきで「初恋を拗らせた人たちのお話」と書いてあるのですが、こじらせてます…かね?私的にはひたすら純情・一途な二人で、ひきずってはいるかもしれないけど、こじらせてはいなんじゃないかな~?
それなら渡海さんの「こじらせてない」二人だとどんだけ甘々になっちゃうのかと期待してみたりw

お話は人外+戦闘系として多少王道と言ってよく、安心して読める部類だと思います。(戦闘シーンでハラハラするのは別)お互いへの信頼感が強く、そこを突かれても1ミリもブレない所が清々しいほどです。

二人の繋がり、絆を感じたい時にお薦め出来る本です。
繋がるまでは切な辛い部分もありますけど。

実は受けが、受けを欲しがる当て馬に対して、「攻めに対してほど力を与えてあげられない、この力は攻めだから発揮出来る」的な事を言うのですが、あれーこのシチュエーション、どっかで読んだな、何だったかな~、と記憶を巡ったらひかわきょうこさんの「彼方から」でした!うぎゃー大好きな奴~!!!
もともと私の好きな設定だったかもしれない!

2

血生臭い生業の攻めには受けの力は最強!

狼が絡む設定が大好きなので
率直な感想として面白かったには面白かったです。

うーん。ここからが上手く説明できないのですが
私の場合、
"ここのこういうシーンが好き!"
"キャラクターのここがめっちゃ好き!"
というスタンスで肩入れしながら読むことが多いのですが。

今作は設定としては楽しめたけど、
そういった意味では感情はさほど動かなかった…という感じです(ФωФ;)

でもストーリーは面白いのですよ!
狼の血を引き、危険な生業で生傷(というか瀕死レベル)が絶えない攻め。
普通の人間で有りながら『治癒者』の力を無自覚に持っていた受け。
受けは"守られる立場"でありながらも、
精神的にだけではなく物理的にも絶大に支える力を持っているのが良きなのです。

攻めの生業は厳しい世界で、普通の人間には踏み込めない。
ゆえに攻めは受けとの関係を引き裂かれるけれど"俺にはおまえしかいない"と持ち続ける想い。
また、そうとは知らず、突然消えた攻めを受けはひたすら待つ。

守り・守られて一途に慈しみ合う姿が描かれ、
これ以上強固な絆はないと思わせてくれます。

攻めは武骨ながらも意外と甘さがあって、受けに対しては柔らかくなるのも良き。
受けは自分の常識外のことが次々に舞い込む状況でもいざとなれば肝が据わってるとこが◎
フルオープンで攻めを包む懐深さも中々良かったです。

面白かったのにイマイチ湧き上がるものを感じない理由を考えてみたのですが、
多分最初に躓いたのだと思います。

出会いの部分は非常に淡々としていて、
秘密を共有しあうようになっても"協力者"って感じに見えたのですね。
その中に受け視点なので受けのほのかな恋愛感情が読み取れました。

で、攻めなんですが。
本能的に匂いを感じ取って惹かれ、魂が共鳴しあったーーというのかな…?
その後の"治癒者"となる展開からしても、きっとソウルメイト的な惹かれ方だと思うのですよ。

でもそれは最後まで読んでやっと解釈出来たことであって、
読んでいる最中は「え?なんでこの2人、急に惹かれあってるの???」とシックリこなくて;
その感情に引きずられたまま読み終えてしまったという感じかなーと。(;´Д`)

個人的にはあとがきにあるその後の風景が一番萌えたかも。
描き下ろしはその内容で見たかった…(;ω;)
設定・ストーリーの面白さは確かに感じられたので評価は萌えです。

1

人狼を狩る人

狼関係と思って購入していたのをようやく読めました。キャラがめっちゃ好きという感じではなく、ちょっとおっかない部分があったのですいません、中立にしました。ひたすら待つ受けが好きな方にはきっとたまんないだろうと思うお話、雑誌掲載分180Pほど+その続き120Pほど+あとがき。

自分が通っていた高校で国語の教師をしている桂。高校時代の仲間と飲んでいる時に、求めていた人物の消息を得ます。「九住をこの間見かけた」。久住は高校時代の転校生で親しくしていたのですが、桂の左手に指輪を残したまま、ある日再び転校してしまい連絡が取れなくなっていて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めのバディ候補みたいな人、人狼、後半で、他の人狼狩りする人。
ちょっとスプラッタ部分があります・・・それが私は苦手でした。少な目かもしれませんが、痛々しいので苦手な方はご注意ください。

***以下 ないように触れる感想

高校時代に思いを交わした九住を思って、その家に一人とどまり住み続ける受けが切なかったです。人狼狩りをする攻めがどうなったのか分からないまま、「また明日」と言われたまま、待ち続けるなんて、なんて健気な!

まだ周りとの関係をうまく調整できず、受けを待たせ続けることになったのも納得ですし、それをすまなかったと謝る再会シーンも良かったし、受けを守ろうとするところも良かったんですけど。

いかんせん戦闘シーンがイタイ。腕ちぎれるのはやめてくれ・・・血だらだらは苦手なんです。どシリアスで、血だらだら戦われ甘い部分も負傷後のお体大変な時であったりしたので、うーん、今一つ脳内ピンク色に染め上げることもできず。

「狼もの=モフ」というわけではなく、私にとっては少し怖いお話でした。

0

日常に潜む闇の存在

今回は化した人狼を狩る一族の長候補と
私立高校国語科教師のお話です。

受様の住む地で起きた猟奇殺人を軸に
受様と攻様が共に生きる道を掴み取るまでと
攻様一族とは異なる人狼狩りに
受様が目を付けられる続編を収録。

受様は私立高校の国語教師です。

小柄な細身で
物腰の柔らかい雰囲気な受様は
生徒達に身近な存在として慕われますが

この学校の卒業生でもある受様は
生活指導を長く担当する女性教諭には
まだまだ頼りないらしく生徒のように
注意を受ける事も有りした。

学生時代を知る人と同じ職場で
同じ教師として働いている状況は
少々面映ゆい心地もありましたが
受様にはこの街に留まり続けたいという
強い気持ちがあったのです。

それは10年前に交わした
1人の同級生との約束に端を発します。

その同級生こそが今回の攻様です♪

攻様は高校1年2学期に転校してきた
惹く容姿の男子生徒でしたが

話しかければ受け答えはするけれど
面白味のない答えしか返さずで
周りと積極的に馴染まない生徒でした。

ある日の放課後、
吹奏楽部の個人練習をしていた受様の前に
大怪我を負った攻様が血塗れで現れ
受様は医者を渋る攻様を自宅に連れ帰り
攻様の秘密を知る事となります。

実は攻様は人間を襲う怪物
「人狼」を狩る一族にの1人で
攻様がこの街に転校してきたのは
生徒を喰った人狼を狩る為だったのです。

最初、攻様は受様に「協力者」として
居場所の確保を請いますが

受様は一族以外では稀有な他人の傷を
治す事が出来る「治癒者」だったことから
攻様と「対」の関係を結んで欲しい
と言われます。

その証として1対の指輪を2人ではめますが
翌日から攻様は学校来なくなります。

それから10年、
受様にとって攻様は初恋の人であり
未練がましいとは思いつつも
待つことを止められないのです。

ところが受様は同級会に出席した際に
攻様がこの街に戻ってきている事を知ります。

あの時、攻様はどうしていなくなったのか!?
そして今になって戻ってきたのは何故!?

雑誌掲載作のタイトル作に
書き下ろし続編を書き下ろして文庫化です。

恋愛面で見ると
1人で戦い続けてきた異能を持つ攻様と
攻様とともにいたいと願い続けた受様の
10年にも渡る純愛ストーリーですが

2人の出会いの背景と攻様の生業を考えると
サイキックホラーなサスペンスモノ
になるかと思います。

攻様は一族外の受様を勝手に「対」にした事で
長老達の怒りを買ってこの街から連れ戻され、
彼らに許されるまで悪辣な人狼が潜む地で
最前線の戦いを強いられていたと言います。

攻様はこの10年の働きと
この街に再び現れた人狼を狩れれば
受様に会ってもいいという許可がとれたので
再びここ後にやってきていたのです。

今回の人狼はかなり狡猾で力も強く
受様は深手を負いながら戦う攻様が
心配でたまりませんでした。

そんな中、攻様は腕を千切れてしまい
受様は攻様の治癒力をあげる為
熱に浮かされた攻様と一線を越えるのです。

益々激化していく人狼と攻様の戦いの中で
攻様に心酔する者が受様を罠にかけ
受様が敵の標的に!!

攻様が人狼の首魁を倒して
受様の手を取るまで予想外な展開続きで
ハラハラ&ドキドキし通しでした。

今回の人狼の首魁の正体がかなり意外でしたが
人に擬態していた時の受様との関りが
全ては受様を餌として美味しく頂く為というのが
すごーくコワかったです (>_<)

攻様の生きる世界は過酷なので
受様の存在に癒されて惹かれるのはわかりますが
受様が攻様じゃないといけなかった理由が
ちょっと気薄だった気がしましたが

長く一途に思い合った2人が
お互いの手を取り合っての終幕で
読了巻は良かったです♪

書き下ろしは
受様を狙う人物が現れ
受様は彼に振り回されてグルグルしますが

攻様が揺ぎ無さ過ぎるために
当て馬さんが凄腕な狩人設定なのに
その凄さがあまり伝わってこない上に
あっさり引いちゃう展開は
ちょっと物足りなかったかな (^-^A

今回は渡海さんの既刊から
『僕の中の声を殺して』をおススメ作とします。
世界観が独特で面白く読めたお話です。

4

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