ペーパー&電子限定ペーパー付
生まれ変わっても必ず、君と恋をするよ
めちゃめちゃネタバレです。
転生ものなんですがちょっと変わった設定でした。
前世では結ばれなかった二人が現代に転生して結ばれる的な話ではないのです。
謎の怪奇現象が起きて過去の世界と現代の世界がリンクしてしまいます。そうとは気付かない涼太は、隣のお宅の離れに住む病弱な青年の千鶴と一夏限りの交流をします。
ところが千鶴の死後、過去と現代の間の連絡が断たれてしまいます。悲しみにくれる涼太でしたが、彼のすぐ側にいる幼馴染の一生こそが千鶴の生まれ変わりだったのでした。
という世にも奇妙な物語。ですが不気味さや暗さはなく全編通して明るく爽やかな空気感の作品です。
過去と現在、あるいは彼岸と此岸のシームレスぶりは長野まゆみ先生の小説『天然理科少年』や『左近の桜』みたいな感じ。いつ時空を越えてしまったのか全く気付かないです。
長野作品とは全く雰囲気が違いますが、SFやホラーっぽいストーリーだけど怖くない話が読みたいという方にはいいかもしれません。
個人的には一生の正体があっさり明かされてしまう事とセンチメンタル不足がやや不満なのでこの評価なのですが、爽やかなお話が好きな方には刺さるかもしれないですね。
涼太がある夏出会って恋に落ちた病弱な青年・千鶴が家ごと突然消えてしまう…という、不思議なところから始まるお話でした。
消えてしまった謎よりも、涼太が生きる現代には本来ならば存在しなかった相手との出会い自体が不思議な出来事で。
詳しく描かれてはいませんが、どんな偶然が50年という時空を超えてふたりを繋いだのか想像するのが面白かったです。
真相を知ろうとしていく中で、一生が千鶴の生まれ変わりだと気付いたのは本能的な部分があったのでしょうね。
その夏をずっと健気に待っていた一生とすべてを理解した涼太がしっかり幸せになってくれて本当に良かったです。
絵柄とぴったりマッチしたとても優しいお話でした。
ネタバレなしで、読んでもらいたい作品。
帯で「輪廻転生」とわかりますが。
年の差がある幼馴染みものです。
以下ちょっとネタバレ含みます。
千鶴とお兄さん、涼太の3人のやり取りメインの前半の涼太目線の話までは、日常ストーリー。
家ごと消えてしまった千鶴を想う涼太を一生が支えていくのかと思ったけど、、、
お兄さんの日記を読むところとかも涙でた。
後半の一生の心情メインになると切なくてと涙がでてくる。
その時が来るまで耐えて待ち続ける一生。
でも、自分で選択した行動のせいで、自分を見てもらえない、比べられていると思い後悔する一生の心が切ない。
最終的には、ハピエンなので、気持ち穏やかに終われました。
田舎ののどかな夏の空気を感じる素朴な画面や、切ないストーリーはとても好きです。BL的なところは転生ものにありがちなモヤモヤが生まれてしまい、すっきりと読み終わることができませんでした。
不思議な運命?で結ばれた、涼太と千鶴+一生のお話。涼太と千鶴の逢瀬はピュアさ全開で爽やかで、キラキラ眩しく見えました。突然千鶴が消え、真実を知った涼太は千鶴の生まれ変わりである一生と付き合い始めます。これがあまりにあっさりしすぎていて、一生はそれでいいの?と思ってしまいました。
涼太がわりと無神経なタイプなので、正直すぎる発言でさらにモヤモヤ度を上げてきます。一応千鶴と一生とどっちも好きだから、というまとめにはなっているんですが、このカプに萌えるまでには至りませんでした。
作品としてすごく好きなのにモヤモヤする…という悔しいような変な気持ちです。
一夏の出会い。
体が弱くて養生している青年、そこへやってきた元気な涼太。外の世界のいろんなことを教えてくれる。二人はいつしか心を通わせるようになるが。。
体の弱い一生はやがて亡くなり、涼太の幼なじみとして転生する。つまり一生(とその叔父)はなぜか現世に現れた過去の人だった。というオカルティックな設定です。
しかしお話のテイストは純粋な恋愛でむしろほのぼのしています。
自分の中にいる過去の人一生と、実際に今を生きている自分。生まれ変わった人に、その二人の人格があるのかどうか、よく分かりませんが、そのあたりの葛藤が後半で描かれますが、このあたりはややまわりくどかったですね。
前半だけで転生が明かされる辺りまでだったら爽やかに読了できたかなぁと思います。